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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/テレビ討論会/1998年6月放送分

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン グランドビジョン・テレビ討論会 -考えよう京都新世紀- 1998年6月放送分の記録

第10回 「21世紀・これからの京都」

 

放送  

平成10(1998)年6月21日(日曜)
午後9時15分 ~11時 KBS京都

 

司会

[コーディネーター]
橋爪 紳也さん (京都精華大学 助教授)

[司会]
関  和美さん (アナウンサー)

[レギュラーコメンテーター]
堀場 雅夫さん (株式会社堀場製作所会長)

[パネラー]
吉田 和男さん  (京都大学大学院 教授)
上村 多恵子さん (京南倉庫株式会社代表取締役社長)
梶田 真章さん  (法然院 貫主)

[京都市]
高木 壽一 企画監

 

 

 第10回は,最終回にふさわしい内容となるよう趣向をこらした番組づくりを行いました。今回の放送に先立ち,21世紀の京都の主役となる若い世代の皆さんにお集まりいただき,学生,社会人,主婦の3つのグループに分かれて,「21世紀の京都の将来像」についてのグループ討論を行いました。スタジオでは,これらのグループ討論の模様をVTRにまとめたものを素材として,さらに,今回の番組のテーマに向けて事前にいただいたご意見や,これまでの番組に寄せられたご意見等も適宜紹介し,「それぞれの人にとって魅力のあるまち」をテーマに白熱した討論を展開しました。

 

* 学生の皆さんによる討論を受けて,「若者にとって魅力のあるまち」について

 

スタジオ1

「京都には住みたいとは思うが,働いたり,芸術活動等をするには魅力がないので,卒業後は東京や大阪に行きたい」という意見が多く,京都にベンチャーや新しい才能が育っていることや京都の底力というものが十分知られておらず,大学生に対する求心力が働いていないのは残念だが,一度京都から出て行くことで京都の良さが分かるのではといった意見や,インターンシップ制度等を活用し,京都の企業のことを内部から知ってほしいという意見がありました。
 さらに,規制緩和や情報化により,京都にも観光や環境を初め様々な分野でビジネスチャンスが広がっており,本人のやる気次第で新たなベンチャーが生まれる可能性があることも語られました。
 また,芸術家が京都で実際に生活していける仕組みをつくることにより,幅広い年齢層の新しい才能が京都に集まるのではといった提案や,ただ集めるだけではなく,若者を応援しようという気概を高め,京都の中でも芸術家を育てていくことが必要といった提案もありました。

 

 

* 社会人の皆さんによる討論を受けて,「働く人にとって魅力のあるまち」について

 

スタジオ2

 情報の技術革新によりSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)のような職場と自宅が一体化しつつある新しい勤労形態が生まれてきており,家族や企業との新たな関係の構築など将来に向けた条件整備が必要であるとはいえ,伝統的な職住近接の生活環境を持つ京都は,これからの仕事の形態を考えると好条件に恵まれているということが確認されました。さらに,職住近接やエネルギー節約の面からも,京都は「区」単位で完結するスモールシティをつくるべきという意見もありました。
 また,「京都の伝統産業とハイテク技術は相容れない」という意見に対しては,ハイテクは単なる道具でしかなく,それで何をするかが問題であり,京都であるからこそ伝統産業とハイテクの融合を進めていきたいという思いが語られました。

 

 

 * 主婦の皆さんによる討論を受けて,「子育てや女性,高齢者にとって魅力のあるまち」について

 

 子育てに対する負担は,社会的コストとして共有する発想が必要である。つまり,親だけの個人的な問題として捉えるのではなく,地域や企業としてサポートしていくような考え方が必要であるといった意見がありました。また,環境問題については,行政が市民のやる気を引き出せば,市民の側で協力できることはたくさんあるといった提案が出されました。
 さらに,根本的に発想を転換して,子供,女性,高齢者などを「社会的弱者」として扱うのではなく,そうした人々にとって,清潔,安心,安全,便利で,自己実現できるまちというものを京都の施策方針として打ち出せば,その魅力に惹かれて人々が集まってくるのではないか,そして,先端的に福祉や環境,芸術や文化にも投資をして,財政的な制約に捕らわれずに思い切った方向性を持ったまちづくりを進めても良いのではないか,といった議論になりました。

 番組の最後に当たり,京都のまちづくりを料理にたとえて,市民は料理を評論するだけでなく,料理人である市長に自分の好みを伝え,材料を吟味し,懐具合とも相談しながら,一緒においしい料理をつくろうという気構えが必要であるという提案が出されました。それを受けて,京都市は,料理人としての責任を果たし,この番組を通じていただいた意見を「注文」として受け取り,グランドビジョン策定に役立てていきたいという意気込みを示し,この討論会は終了しました。

高木氏
堀場氏

 

 

<グループ別討論や,番組に寄せられた主な意見等(順不同)>

* 京都の大学に通う学生の皆さんによる討論
 (留学生2名を含む7名の方にお集まりいただきました。)

  • 京都に対するイメージは,観光ガイドマップのイメージだ。しかし,南部のほうは普通の生活空間が広がっていて,イメージとのギャップを感じた。
  • 京都は学研都市というイメージがある。高い建物もない。中心部にはバイタリティーがある。しゃべりことばがゆっくりしていて,安心できる。これらの京都そのままのよさを保護し続けてほしい。
  • 京都は,都市の規模が小さく,自転車でどこへでもいけるのでうれしい。また,歴史都市であるというイメージがあったが,実際に住む立場になると,歴史ばかりを大事にしていては生活しにくい。かと言って,無理矢理発展させようとしても京都の魅力が失われる。つまり,そのバランスが難しいと思う。
  • 学生もゴミの問題に取組を盛り上げていく必要があると考えている。地球温暖化防止会議の前までは盛り上がったが,会議が終わってからはどうなっているのか疑問である。学生も自ら実践しないといけないが,京都市からも積極的に働きかけてほしい。
  • 京都は,文化の発信地としての発表の場が少ないが,無理にそうした場をつくるのではなく,東京などにはない特徴として,例えば伝統にこだわった文化の発信をしてほしい。
  • 特に理由はないが,自分の肌に合うので,この先も京都で暮らしていきたいと思う。
  • 京都人の多くが持っている京都が一番だという意識は,文化などのバックグラウンドがあって,それに自信があるからではないか。京都には,そういう自信につながるだけの蓄積や残されたものがあるのではないか。
  • 京都にずっと住んでいるとわかりにくいかもしれないが,平安京以来1200年,いまでも精神的・文化的な首都であり続けている。今ある環境と文化を守るだけでなく,今なくなりつつあるものを復活させる必要がある。
  • 若いうちに京都に住んでいると,スローな人間になってしまうように思う。40歳ぐらいまでガンガン働いて,歳をとってから落ち着ける場所である京都に帰ってきたい。
  • 住みたいのは京都だが,働きたいのは京都ではない。情報や企業が京都に入ってきて,京都自体のイメージがくずれないのであれば,京都で働きたいが,そこには矛盾があり,第一線で働きたいので,その場所は京都ではないと思う。
  • 京都の就職状況を好転させるためには,大手企業を誘致するのではなく,ベンチャー企業が大学と研究交流しながら育成される仕組みが必要だと思う。
  • 本当におもしろい人は,研究室からドロップアウトするような人ではないか。行政や第3セクターなどから,そういう人に投資する仕組みがあれば,京都からおもしろいベンチャー企業が出てくるのではないか。
学生

 

* 京都で働く社会人の皆さんによる討論
 (伝統産業を初め,様々な分野から9名の方にお集まりいただきました。)

  • 京都は住むのには良いところだが,東京のような豊富な情報やワクワクするスポットがなく,若者には物足りないまちだ。遊びに行くところがない。特に夜の遊び場がない。
  • 京都には大企業や大きなビルは似合わない。東京や大阪の模倣ではなく,SOHOのような個人の住居をスモールオフィスにした職住一体のまち,さらに,そこに職人や芸術家などクリエイティブな人が集まるまちを目指すべきでは。
  • 本当の意味で女性が働きやすい職場とは,若い女性だけでなく,結婚して子供ができてからも働いている女性が多いところだと思う。
  • 外国のように子供を連れてどこでも行きやすいまちになってほしい。また,子連れで仕事ができ,女性が上司として高い地位についても働きやすい職場が必要。
  • 南部の高度集積地区には,オフィスだけでなく,飲み屋さんもあるような,住んで働けるまちをつくってほしい。
  • 京都の都心部では高齢化が急速に進んでいる。若者の働く場所も必要であるが,南部の高度集積地区にも高齢者の働ける場所が必要ではないか。
  • 京都の伝統的なものを,ハイテクを使って南のほうで消化しようという考え方は困る。旧市街の家内制手工業の人々が流出するか,仕事をとられてしまうか,いずれにしてもマイナスに働くことしか考えられない。例えば,手差し友禅がカラープリンターでされてしまうと,その人たちの仕事は確実になくなってしまう。
  • 南部のまちづくりを発展させるためには,もっと交通アクセスを整備し,ハイテクやベンチャー企業を誘致すべき。伝統産業は北部で育て,芸術家の集まるSOHOのようなまちにすべき。大いなる田舎である京都の良さ,つまり職住近接や地域のつながりを大切にすべき。
  • 京都のまちづくりは伝統工芸と新しい企業,つまり職住近接と南部開発のバランスが大切では。
  • 現在の行政の仕組みの中では,市民の意見を聞いてもそれが行政主導のかたちで返ってくる。事業の案段階からもっと市民が参加できる仕組みづくりが必要。もっと情報を公開して市民が直接できることを増やすことにより行政組織はコンパクトにすべき。市民の発言が直接反映されれば,市民もやる気が起こると思う。
社会人

 

* 京都にお住まいの主婦の皆さんによる討論
 (6名の方にお集まりいただきました。)

  • 京都は道が狭く,交通量が多いところがほとんど。駐車している車があると道の真ん中をベビーカーで歩くことになってしまう。人にやさしい道路の整備をしてほしい。
  • 公園のトイレは,きたなくて子供に使わせるのに抵抗があることが多い。子供と一緒に入れる大きなトイレが少ないので,車椅子用のトイレを使うこともある。小さくても良いから,安心して使える公園やトイレが近所にほしい。
  • それぞれの地域に,すべてのジャンルのお医者さんが待機し,24時間受け付けてくれる救急病院がほしい。
  • 働きながら子育てをしている母親にとっては,子供を預けるための費用の負担が重すぎる。また,夜間に預かってくれるところが多くないと,フルタイムで働くことが難しい。
  • 子育てに対して不安で,情報に振り回されてしまう。母乳でないと突然死する確率が高くなるとか,うつ伏せ寝がいいとか悪いとか。自分自身がまだ子供みたいなものなので,どう育てて良いか不安になるばかりである。
  • ゴミの分別収集の種類が他府県に比べて少ない。分別されていないゴミがどのように処理されているのか心配になる。もっと徹底してもよいのでは。
  • これから子供達が暮らす京都のために,これ以上地球を汚したくない。10年後の地球がどうなっているのかわからないと感じている。
  • 近所のつながりは,子育てを通じてはじめてできた。町内に若い世代が少なく,多数を占める高齢者とも,なかなか話すきっかけがない。
  • 児童館と老人ホームが一緒になったところもあるらしいと聞いている。高齢者をケアするだけでなく,子供との交流の場所,子供を見てもらえる場所としての機能に期待している。
  • 子供には京都のことをもっと知ってほしい。完全週休2日になったら,土曜日にボランティアで様々なことを体験できるような企画をしてほしい。
  • 独居老人を訪ねて歩くなど,自分の周りにネットワークをつくっていきたいが,勝手に始めることはできない。行政が支援する制度があるとありがたい。
主婦


* 今回の番組に寄せられたご意見
 (郵送やFAXで 13 件のご意見をいただきました。)

  • 京都のまちはしっとりと落ち着いた雰囲気のまち。「学生はん」といって学生に対してとりわけやさしく接していた京都をもう一度取り戻したい。
  • 京都の発展には3つの「ち」が必要。世界の叡智が集まる高度「知/智」的生産都市,高品位の技術に支えられた「緻」密産業都市,宗教や民族などの様々な「血」が交流する都市。この3つを生かした精神的な力の確立が必要である。
  • 京都に来て物事の真理を学ぶことのできる国際的な文化施設が必要。
  • 京都には,景観など外面の維持と,産業,教育など内面の変革が必要である。
  • 京都は,観光地の交通問題の解決と,通勤通学の足としての公共交通の改善が必要不可欠だ。
  • これからは,現実社会における問題を正面から受け止め,真剣に考えられる人を育てていくことが求められていると思う。
  • ゴミの分別収集の徹底など環境問題における日本のモデル都市となるように,京都市民と行政の意識改革を進めるべき。
  • 特に若い世代の市民参加によるまちづくりの推進や,京都の特色である山紫水明の自然環境の保全が必要では。
  • 地域単位で高齢者を支え合う制度を確立するなど,高齢者福祉を充実すべき。
  • 「観光都市・京都」として世界から京都を訪れる人すべてを大切にするとともに,市民一人ひとりが実践することで,京都がシンガポールのような美しい国際都市になってほしい。



* 番組の終わりに・・・

 たくさんのコメンテーター,パネラーの皆さんに熱心に討論いただいて大変感謝しています。いつも番組の終盤に近づくと議論が白熱して時間が足りなくなり,終了後も楽屋の方で議論が引き続き行われるといった状況でした。
 また,市民の皆さんにもスタジオに参加いただくとともに,電話やFAX等によりたくさんのご意見をいただきどうもありがとうございました。
 このテレビ討論会の内容を初め,様々な機会を通じていただいた皆さんのご意見は資料としてまとめ,今年の秋頃に設置する予定のグランドビジョン策定のための審議会に提出させていただきます。
 21世紀は,様々な将来像の中から,京都市民の皆さんと共に選択していかなければならない時代になってきており,その「京都の選択」をグランドビジョンの中で示していきたいと考えています。
 今後とも皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

 

[画像提供:KBS京都]

 

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