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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/中間報告/2.京都の現況と動向

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン  中間報告  第1部:現況分析編

(2)京都の現況と動向 -京都が現在抱える問題を中心として-

 

 21世紀のまちづくりの基本方針となるグランドビジョンの策定に当たっては,まず京都が現在どのような状況にあるのかを的確にとらえることが必要です。ここでは,京都が現在抱える問題を中心として京都の現況と動向を次の15項目にまとめてみました。

  1. 人口の減少 
  2. 高齢化の進行 
  3. 地域社会の弱体化 
  4. 暮らしの変貌 
  5. 工場,大学等の流出 
  6. 都心の空洞化 
  7. 京町家等木造ストックの保全・再生 
  8. 土地の高度利用の進展と景観の変貌 
  9. 産業の伸び悩み 
  10. 観光の低迷 
  11. 交通環境の悪化 
  12. 急がれる防災対策の充実 
  13. 地球環境問題への対応 
  14. 文化力の相対的低下 
  15. 国際化への対応

 

 

  • 人口の減少

 京都市の人口(現在約146万人)は,現在の低い合計特殊出生率(一人の女性が生涯に生む平均子供数,1.30),年齢5歳階級ごとの市外転出入率が今後このまま続くと仮定すると,徐々に減少し,2025年には現在より約30万人少ない118万人程度になると見込まれる。こうした中で65歳以上の高齢者数は22万人から32万人へと10万人増加し,総人口に対する割合も14.7%から26.8%へと激増する。
 このことは新規の都市基盤整備の財政需要を大きく低下させる一方,高齢者の福祉・医療などの社会負担が増大することを意味しており,労働力人口の減少を通じて都市の経済活力の低下が懸念される中で,市民一人一人の暮らしの豊かさをどう維持していくかが課題である。

 参考図表 人口の減少・高齢化(予測)増える単独世帯(予測)

 

  • 高齢化の進行

 2025年には要介護高齢者が1992年の約1.5倍(約2万人)にも達すると推測され,高齢世帯が増える中で,介護問題がさらに大きな社会問題となる。
 高齢者意識調査によると,子供との同居希望では「同居したいと思わない」が増え,「同居したいと思う」や「近くに住んでほしい」は減っている。希望する介護形態では「公的サービスにより家庭で」が増え,「家庭で家族の手で」が減っている。
 高齢者夫婦,一人暮らし老人を中心として,高齢者の在宅での介護の充実が大きな課題である。

 

  • 地域社会の弱体化

 地域活動への積極性の減少や学区に対する愛着心の低下など,市民の地域社会(コミュニティ)に対する意識は,かつてに比べると希薄化している一方で,ボランティアに関する活動や意識の高まりが見られる。
 地域社会の「弱体化」に歯止めをかけ,地域福祉や地域防災の推進,さらには地域文化等の積極的維持・発展を図るため,ボランティア活動の自主性・主体性を尊重しつつ,そのエネルギーの発揮を支援していくことが課題である。

 

  • 暮らしの変貌

 子育て期にある女性も含め女性の就業率は次第に高くなっており,女性の社会進出が進んでいる。また,就業者の転職率が増加し,雇用の流動化が進んでいる。一方,元気で就業希望のある高齢者の増加が予想される中で,就業状況は極めて厳しいものがある。
 消費者物価は,食料費を中心に全国平均と比べると概して高い水準で推移している。
 情報化については,「京都Iネット」加入者の激増など,着実に進展していることがうかがえる。
 21世紀における真の豊かさの実現に向け,市民の暮らしの充実を総合的に支援していくことが課題である。

 

  • 工場,大学等の流出

 工場の立地動向は,市外流出傾向が明らかであり,研究所の市内立地も停滞している。
 また,大学についても,依然市外への流出が進んでいる。
 こうした市外への流出や市外での新規立地は京都の生産力や都市活力,にぎわいの衰退につながっており,市外流出に歯止めをかけることが課題である。

 参考図表 工場の流出 ・ 大学の流出

 

  • 都心の空洞化

 都心4区における人口と事業所が減少しており,空洞化が進行している。一方,市民の都心居住意向は根強いものがある。
 都心の空洞化に歯止めをかけ,職住文遊の融合した魅力ある都心の再生のための総合的な対策が課題である。

 

  • 京町家等木造ストックの保全・再生

 非戦災都市である京都は,他都市と比較して,都心部を中心に戦前住宅の比率が突出して高い。このうち1万戸近くあると推定される京町家は建物の修繕費や相続税,固定資産税といった経済的負担が大きいこと,都市計画法や建築基準法の規制があることなどから保全・再生が困難となっている。
 また,都心部に約3,000か所(市内全体で約5,000か所)も存在するといわれる袋路では,建築基準法の規制により個別の建替え(再生)が困難となっている。
 京町家に代表される良質な木造住宅や京都らしい都市空間である袋路を,優れた都市景観づくり,都心居住の推進,都心の活性化等の観点から保全・再生することが課題である。

 参考図表 他都市と比較し依然高い戦前住宅率

 

  • 土地の高度利用の進展と景観の変貌

 近年,中高層マンション(共同住宅)をはじめとする建物の中高層化や高容積化が進み,京都らしい景観の変貌が避けられない状況にある。
 町家・袋路対策も含め,保存・再生・活用のための都市計画,土地利用の総合的な対策の樹立が課題である。

 参考図表 増える中高層の建物

 

  • 産業の伸び悩み

 京都市の市内総生産は,近年伸び悩んでいる。また,1人当たり市民所得も他都市に比べて低い数値となっている。
 全国9位の「ものづくり都市」である京都の製造業が総生産に占める割合は依然高いが,かつての主力産業である繊維産業の伸びは低く,製造業全体の付加価値率も低迷している。産業活力の指標となる新規開業率は全国平均より低い一方,廃業率は開業率を上回り,かつ全国平均を超えるなど状況が悪い。次代の産業を支える情報サービス業の集積も低調である。
 都市活力の基盤となる産業の振興が課題である。

 参考図表 実質経済成長率の推移 ・ ものづくり都市・京都

 

  • 観光の低迷

 「ものづくり」と並び京都の産業を特色づける「観光」も低迷しており,観光客数,国際会議開催件数ともに伸び悩んでいる。
 観光資源の再発見,ネットワーク化,新規資源の開発等により都市魅力の向上を図ることが課題である。

 参考図表 横ばい傾向の観光客数

 

  • 交通環境の悪化

 京都市にあっても他の大都市同様,モータリゼーションの進行が著しく,これに道路整備が追いついていないため,交通渋滞等が深刻化している。
 公共交通の優先を基本とし,広域的視点と生活的視点の両面から見た交通施設の整備,各種交通機関相互の有機的な連携の促進に加え,交通需要管理政策の導入により,人と環境にやさしい総合交通体系の確立を図ることが課題である。

 参考図表 交通機関別輸送人員の推移(1日当たり)

 

  • 急がれる防災対策の充実

 京都は火災発生率の低さを誇ってきたが,近年高まる方向にある。また,住宅との接道状況は約35%が4m未満で火災等に対して脆弱である。
 1200年の歴史の中で多くの地震被害の記録が残り,市内に活断層を有する京都市にとって,地震・火災等から市民の生命・財産を守り,災害に強いまちづくりを進めることが課題である。

 

  • 地球環境問題への対応

 ごみ処理量は年々増加している。また,1人1日当たりの排出量は約1.4kgと大都市の中で中位にある。ごみの発生抑制,分別収集等によるリサイクル・システムの整備,一層の適正処理が課題である。
 CO2排出量は全国の0.6%のウエイトを持つが,その大きな排出源となっている自動車交通の抑制に加え,産業の省エネ型,環境保全型への転換の推進,さらには断熱構造等の省エネ型住宅の整備支援など,総合的な施策の実施が課題である。

 参考図表 増えるごみ処理量

 

  • 文化力の相対的低下

 文化を創造し発信する担い手である芸術家等の対全国シェアは低下傾向にある。
 豊富な文化資源を生かした文化創造力・文化発信力の強化が課題である。

 参考図表 豊富な文化資源

 

  • 国際化への対応

 人の交流の指標である京都の外国人登録者数は横ばい傾向にあり,留学生数は増加が鈍化している。物の交流の指標である輸出入については,経済のグローバル化(地球規模での拡大)に伴い,輸出が東南アジア方面を中心に急増している。
 姉妹都市を中心とした従来の交流の分野のみならず,留学生,外国人就業者の受入れ等の内なる国際化,都市レベルの国際貢献など,広く世界と交流できる都市づくりが課題である。

 

 

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