スマートフォン表示用の情報をスキップ

京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第5回 都市整備・交通部会

ページ番号35845

2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第5回 都市整備・交通部会

日 時 : 平成11年3月30日(火) 午後3時~5時

 

場 所 : 都ホテル「愛宕の間」

 

議 事 :

(1) テーマ別討論「河川・上下水道」について     

(2) 「テーマにこだわらない討論」について

 

出席者 :

◎飯田 恭敬(京都大学大学院工学研究科教授) 

上村多恵子(詩人,京南倉庫㈱代表取締役社長) 

川﨑  清(左京区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,立命館大学理工学部教授)

○北村 隆一(京都大学大学院工学研究科教授) 

西村  毅(京都青年会議所直前理事長) 

エルウィン・ビライ(京都工芸繊維大学工芸学部講師) 

三木 千種(市民公募委員) 

三村 浩史(南区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,関西福祉大学教授) 

宗田 好史(中京区基本計画策定懇談会座長,京都府立大学人間環境学部助教授) 

山田 浩之(下京区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,大阪商業大学大学院地域政策学研究科長) 

中谷 佑一(京都市副市長)                                

 

以上11名 

◎…部会長     (50音順/敬称略) 

○…副部会長                               

 

 

1 開会

飯田部会長

  ただいまから,第5回都市整備・交通部会を開催させていただく。

 

 

2 議事

(1) テーマ別討議「河川・下水道」について

飯田部会長

  最初に,これまでの京都市の取組の状況や今後の課題等について事務局から資料を説明していただく。

 

事務局(進士水道局長)

  ――(資料1「「上水道」の視点から新基本構想(グランドビジョン)を考える」に基づき説明)――

 

事務局(岡本下水道局管路部長)

  ――(資料2「「下水道」の視点から新基本構想(グランドビジョン)を考える」に基づき説明)――

 

事務局(西村都市建設局理事)

  ――(資料3「「河川」の視点から新基本構想(グランドビジョン)を考える」に基づき説明)――

 

飯田部会長

  何か質問等はないか。

 

三村委員

  福岡や高松では市民の節水が大きなテーマになっているが,節水という概念は必要ないのか。

 

事務局(進士水道局長)

  限りある資源ではあるが,京都市では必要な水を必要なだけ使っていただける。

 

三村委員

  渇水対策は必要ないのか。

 

事務局(進士水道局長)

  平成6年に琵琶湖の水位が低下し,大阪市等の下流都市同様に京都市も流量の制限を受けたが,そのときは市内の水圧を落として使用量を少なくする対応をとった。その後もできるだけ水圧をコントロールし,深夜には水圧を落とすようにしている。

 

飯田部会長

  琵琶湖疏水の水利権量204万トンのうち112万トン確保となっているが,これは余裕があると理解していいのか。

 

事務局(進士水道局長)

  「水道需要と施設能力・水源水量の推移」(『京都市の水道技術』P.15)のグラフを見ていただくと分かるが,平成9年で水源水量が115万 m3/dに対して施設能力が105万 m3/d,一日最大給水量は人口とともに減り84.6万 m3/dで,今の人口使用量からいっても115万 m3/dの水源水量で十分ということになる。

 

上村委員

  各都市の水道料金平均単価を見ると,京都市の平均単価は他都市に比べて低くなっているが,札幌や福岡が高いのは投資金額などが大きいからか。水道料金の出し方はどうなっているのか。それと関連して,「おいしい水」という抽象的な書き方で窒素とリンの含有量のグラフが出ているが,おいしい水の基準は窒素・リンだけで判断してよいのか。また,工業用と飲み水を分けて供給しているのかどうか。

 

事務局(進士水道局長)

  水道料金については,神戸市のように原水を買う都市の場合どうしても高くつく。過去の設備投資も料金に跳ね返る。

  おいしい水ということでは,琵琶湖の水は厚生省の言っている要件では比較的おいしい部類に入る。ただ春から夏場にかけてプランクトンが発生し臭い水になるので,粉末活性炭を浄水場の上流で入れたり,薬品の注入法を変えたり,凝集剤を強化するなどして臭いをとっている。  年間で50日前後が臭い水の出る期間であり,大阪市のような下流都市では下水等が完備されていない周辺市町村からアンモニア等の物質が流入した場合,塩素を加えるのでトリハロメタンなどが発生する恐れがある。そのため下流都市では高度処理に取り組んでいるが,京都市の場合はまだ高度処理には取り組んでいない。

  工業用水については工業用水のための施設を持ちパイプを新たに敷設しなければならない。京都市の場合は工場も少なく,現在工業用上水道はないし,今後の計画もない。

 

ビライ委員

  リサイクルは具体的にどのように行っているのか。

 

事務局(進士水道局長)

  最近工場・事業所等では水のリサイクル,回収して再利用する手法が進んでおり,全国的にも75%くらいは再利用されている。

 

ビライ委員

  家庭・工場の排水処理は現在どうなっているのか。

 

事務局(岡本下水道局管路部長)

  家庭から排出される下水は道路下の下水道管で集水し,終末処理場できれいにして河川に放流している。今までは有機物の処理を主体に進めてきたが,富栄養化防止のための窒素やリンを対象にした高度処理や,染色廃水の脱色ということでオゾン処理をしている。

  リサイクルの関係では,下水から発生する55トンの焼却灰のうち7%を建設用のインターロッキングブロックやアスファルトの資材などに有効利用しており,今後もその拡大を図りたい。

 

三村委員

  汚泥の有効利用でコンポストや土壌改良など緑農地利用が縮小し,ゼロに近づいているのはなぜか。これを拡大することはできないのか。

 

事務局(岡本下水道局管路部長)

  コンポストについては重金属等の問題や販路の問題もあり,試験の域をでていない。また,土壌改良への利用の減少については,汚泥処理での助剤が石灰系から高分子系に変わり,改良効果が少なくなったことにある。

 

宗田委員

  下水の資料には老朽施設の改築・更新の資料があるが,上水でも同じような施設の老朽化の問題があるはずだ。上水・下水については膨大な管が市内にはりめぐらされている。共同溝で電線,ガスその他の都市のライフラインをどう処理していくかが問題になっているが,下水・上水の暗渠部分を更新するとき,都市景観や安全性に配慮するなど,道路と暗渠部分の総合的計画を持っているのかどうか。

 

事務局(西村都市建設局理事)

  ライフラインを集約するものとして道路の下に共同溝という大きな暗渠をつくり,水道,ガス,電気,電話などを入れており,それについては水道管も入っている。景観等に配慮して電線の地中化にも力を入れている。幹線の共同溝の整備では,現在進めている第二京阪から油小路通の共同溝はこれからの市内の幹線のライフラインとなる。

 

飯田部会長

  そろそろ本論に入りたい。事務局の説明について,基本構想に結びつけてご意見をいただきたい。

 

宗田委員

  年度末になるといたるところで道路を掘り返している。道路は道路台帳で管理されているが,道路の下には膨大なライフラインが通っている。今後施設の更新のため上水,下水とも道路を掘り返す機会が増えてくるが,上水,下水,電線を別々に考えず,合理的な道路利用の仕方を考えるべきだ。各局がばらばらに施工する今までの縦割り行政を見直し,道路への一元化,上下水道の一元化を考える必要がある。

 

事務局(西村都市建設局理事)

  現在既に道路調整会議を組織し,水道,下水,ガス,関電,NTT等企業者が集まり年間の何月にはどういう工事をするということを取り決めており,最小限の道路工事によって管の入れ替えなどが可能になるよう調整に努めている。

 

飯田部会長

  大学の近くで地下の放水路を整備されているが,かけがえのない地下の道路空間をめったに使わない放水路のみに使うのはもったいない。埋設管とかライフラインもそうだが,地下の利用に関してマスタープラン的なものがあれば何回も掘り返すことはなく,維持管理もうまくいくのではないか。地下の利用についての方針をつくりあげていくことがこれからの都市整備にとって重要なのではないか。

 

事務局(西村都市建設局理事)

  幹線道路については建設省の主導で,地下鉄から電線まで地下空間のあり方についてのまとめがされており,一定の方向はあるが,実際にとりまとめるとなると難しい点もある。

 

川崎委員

  上・下水道と河川と2つに分けられたが,分けられない部分もあるのではないか。琵琶湖の水を京都の人が使って淀川へ返すというマクロ的システムを考えた場合,琵琶湖の水質と淀川に流す水質は同じと考えていいのか。

  もう1つは七瀬川の問題で,二条から七条までの川端通の疏水でこういう景観的なものは実験済みだと思う。河川の3面張コンクリートが問題になっているが,地下を4面張コンクリートにしていくことが将来生態系が途切れるといった問題を起こすのではないか。例えば河川の下は通常伏流水が流れているように,砂利を埋めて下を地下水が流れるようにするなど,人工的技術と自然的技術が近寄っていく状態を考えられないか。

 

事務局(岡本下水道局管路部長)

  水の循環という理念から考えると,いただいた水はいただいた状態で下流に流すことが大事だ。処理場での処理状況としては,琵琶湖の水質にまで良くはなっていないので,今後の課題として,汚したものはきれいにして返すべきだという考え方に基づき高度処理の推進を挙げている。

 

事務局(西村都市建設局理事)

  水循環が都市の中で悪くなっており,堀川における京(みやこ)の川の再生においてもそれをどうしていくかが大きな課題だ。暗渠構造を水を下に通す構造にすると周辺の土が流れて空洞ができ,沈下が起こるという問題もあり,技術的に難しい面もある。堀川も下流は現在暗渠になっているが,全部ハコで囲った形にしてあり,流れている水を下に流すことは考えていない。七瀬川については水は平常上を流れ,大水のときに地下を流れることになる。

 

川崎委員

  一挙に理想的状態に持っていくのは難しいので,今までこういうやり方で問題がなかったかどうかお聞きしている。問題があれば将来の改善方策が考えられる。

 

三村委員

  水の循環と関連して,京都の市街地の地下水,伏流水や井戸の状態を調査したものはあるのか。ゆばや豆腐,酒など京都には地下水を使った食品の生産が盛んだが,河川,上下水道というフォーマルな水の流れと別に,地下水をどう京都において維持していくのかについても考えるべきではないか。

 

事務局(進士水道局長)

  以前梅津で地下水を上水道に使っていたが,水量が少なく休止した。高雄などでも河川,地下水が汚染され,水道に切り替わってきた経過がある。現在京都御所が地下水を利用されている。

 

事務局(西村都市建設局理事)

  地下水について全体的につかめていないことが多いが,都市部は地下水の低下があり,透水性の舗装などにより雨水を上から補充していきたいと考えている。

 

宗田委員

  下水道料金は上水道料金と一緒に徴収するようになっているので,家庭や事業所でどの程度地下水を利用しているかは下水道局等で把握しておられるはずだ。

 

事務局(岡本下水道局管路部長)

  井戸水の場合,使用状況等を認定して下水道使用料を徴収している。下水道の整備区域内での井戸の使用状況は把握している。

 

宗田委員

  日本では欧米と比べると地下水を水源として利用することが少ないので,地下水の水位や水質の問題に敏感でない。水質の問題に限れば上水でこれ以上良質な水を供給するために公共投資を行ったほうがいいのかどうか。日本の水道は世界でいちばん良質な水を供給している。水を買って飲むことが普及しつつあり,一定の安全さえ確保されればそれ以上のコストをかけなくていいのではないか。

  京都は扇状地であり,水の循環とヒートアイランド現象は密接に関係している。雨水から上水・下水の総合的管理が京都の都市環境を考えるうえで非常に重要な要素になる。先ほど部会長から道路の埋設物の総合管理に関するマスタープランについての提言があったが,環境的視点に立つと水環境管理に関するマスタープランもあってしかるべきで,どういう公共投資が今後必要になるかも含めて,効率的運用と環境にやさしい水資源の利活用を考える時期に来ているのではないか。

 

川崎委員

  浸透型の道路舗装などの環境技術は防災面でも,土の生態系の問題にも有効だ。共同溝をつくる技術も必要だが,地表をうまく処理すれば京都全体の水環境が良くなるというシミュレーションはできるのではないか。

 

山田委員

  京都は上水に関しては大阪と比較すれば恵まれている。下水はいただいた水を水質を変化させずに流すのが理想だが,影響を受けるのは京都市民でなく下流の住民であり,下水の料金について国から何らかの補助が出ているのか。汚染者負担の原則という考え方であれば京都市民が負担しなければならないが,そのあたりの考え方がどうなっているのか。

  京都にとっていかに良い親水空間をつくるかは重要な問題だ。七瀬川については完成すれば以前と比べればいい親水空間になると思う。堀川については平成11年度を目標に整備計画を策定するということになっているが,どういうものになるのか見通しを聞きたい。

  京都の課題である「歩くまちづくり」のためには,例えば京都駅から歩いて四条に来てもらうことが大事だ。21世紀の課題としては,高瀬川の五条以南を歩ける親水空間にしていくべきだ。

 

事務局(岡本下水道局管路部長)

  下水道事業については全額ではないが,一定の採択基準があり国からの補助金が出ている。下水道事業に要する費用負担の問題であるが,汚水については排出者を特定できるので,維持管理費や元利償還金分として使用料をいただいている。雨水については自然現象であり税金で賄っている。

 

事務局(西村都市建設局理事)

  堀川の水辺再生については,現在まったく堀川に水が流れていないので,水をどう持ってくるかが大きな課題になっている。疏水の水が流せないか,流域に水を貯留して流せないかどうか考えている。それに並行して,防災面での活用など,都心における水資源の利用を含めいろんな意味でこれからの堀川のあり方を考えていきたい。

  高瀬川については,現在木屋町通の二条船入りから五条までの整備を進めており,川側にも人が歩けるようにしたい。南については,現在七条から曲がっている高瀬川の流路を変え,崇仁のまちづくりと合わせた新しい高瀬川づくりを考えている。

 

宗田委員

  五条の南にも水辺を歩けるような空間ができればいい。

  七瀬川も堀川もそうだが,京都では建設局の自然型河川整備以外にも地域住民に支えられている魅力的な水辺がある。疏水や川を管理しながらホタルを飼うような動きが各地にある。行政主導で水辺環境を整備していくだけでなく,地域でどのように水辺が住民によって支えられ管理されているかを知っておく必要があるのではないか。公共事業だけでなく住民の理解・協力,管理・運営があって初めて市民に親しんでもらえる水辺環境になる。パートナーシップの展開に向けた水の総合管理が必要になる。

  京都市に限らず,河川の管理者は多岐にわたっているのが特徴で,住民が草を刈りたいとか木を植えたいということで役所に行っても,うちが管理しているところではないと言われる。市民から見るとせっかく身近に水辺があっても行政のどこが管理しているか分からない。京都市の建設局なら建設局がそれを一元化して,水辺をめぐる市民交流のデータ管理や情報提供をする役割を果たしてはどうか。パートナーシップを考えると,そういうソフトの対応で水辺環境を整備していくことになるのではないか。

 

上村委員

  河川美化条例をつくるなど,市民の河川美化運動を強化すべきだ。鴨川でも五条以南はゴミが散乱している。市民と共に管理・運営していくべきだ。

  河川工事に関しては何が優先かを明確にすべきだ。治水にも消防にも,自然景観や生態系,景観を守り,散策路にもしたいというように何もかもということでは,非現実的で手が出ない。すべてを可能にする技術があるのかもしれないが,コストの問題もある。いちばん優先すべき目的を明確にし,コスト・パフォーマンスからどの辺りで調和するか考えなければならない。

 

事務局(西村都市建設局理事)

  地方分権が進むとどうなるか分からないが,今のところ鴨川は京都府が管理者であり,河川によって管理者はいろいろだ。京都市の河川では,瀬戸川や有栖川では研究会をつくって住民と共に検討している。

  河川工事のプライオリティということでは治水が第一であり,それに付随してアメニティや環境の整備をしていきたい。

 

西村委員

  世田谷に暗渠の上に七瀬川の計画と同じような都のつくった一直線の並木のある川がある。他方には住民がつくった曲がりくねった川が流れていて,草が茂ったりメダカが泳いだりしている。どちらに人がいるかというと後者で,そういうところは住民もメンテナンスする気になるのだと思う。真っすぐに流して並木にしてしまうと道路と一緒でだれが掃除するのか知らないという状況になる。

  京都のまちの景観や住みやすさを考えた川づくりは,防災をクリアしたうえで,住民や歩く人の意見を反映した良い水辺をつくっていくことを念頭におき,ライフスタイルに密着した,憩いの持てるものをつくるということを明言すべきだ。

 

三村委員

  京都には中小河川や水路があり,その中には消えてしまったものや暗渠化したものもある。京都の自然生態を考えると,消えたものまで含め中小河川のあり方についての調査も必要だ。  南区は鴨川と桂川に挟まれ,西高瀬川など小河川などもあり,川に親しんでいいはずなのに親しめていない。河川改修が上流から進んでいるのはおかしいという声もある。南の河川の環境整備にも効果的な投資が必要だ。

  京都の下水処理場は非常に高度な設備で,地形的にも南区にあるのは当然だと思うが,もう少し施設周辺を整備して市民が親しめるように,施設のアメニティ化を考えてほしい。蹴上の浄水場はツツジの名所になっているが,鳥羽の下水処理場もアヤメを植えるなど名所をつくってはどうか。処理施設は循環の重要なつなぎ目であり,それが地域でも親しめるように施設のアメニティ化を考えていただきたい。

 

三木委員

  水を汚さないために,石けん運動に力を入れている地域があるが,京都では市民が水を汚さないようにするための啓発活動が弱いのではないか。地下水について言えば,寺社の井戸などには市民が集まって親水空間になっている。そういう空間を市民レベルで掘り起こしリストアップして,もっと市民が水のことを考えるようになり,上水・下水施設にまで関心が及ぶような啓発の工夫が必要ではないか。

 

飯田部会長

  他都市では上・下水道の博物館施設をつくっている。子どもに教育することは大事だと思うが,京都にはそういう施設はあるのか。

 

事務局(進士水道局長)

  疏水記念館を無料で開放している。小学生が浄水場に見学に行った後に疏水記念館で勉強している。

 

事務局(岡本下水道局管路部長)

  下水道館は京都市にはないが,下水道事業を進めるうえで市民に十分理解していただくことは非常に大事だ。今後市民啓発にも努めたい。処理場関係の緑化計画,市民に親しみを覚えていただける施設についても大きな課題と考えている。

 

(2) 「テーマにこだわらない討論」について

飯田部会長

  テーマごとの議論は本日が終わりということで,これまでの各テーマを含めて言い残されたことなどあればご意見をいただきたい。

 

三木委員

  南のほうでは農地がたくさん残っていると感じたが,それを生かすことは考えているのか。

 

事務局(人見政策企画室長)

  京都市では大都市の中で比較的農地が多い。生産緑地で農業をしておられる状況もある。南の開発で宇治川南部の巨椋池は国の干拓第一号農地でもある。京都市としては北部保全,中心市街地再生,南部開発というトータルなまちづくりコンセプトの下,水垂跡地などでこれから南部のまちづくりをどうしていくかが重要な課題である。

 

宗田委員  これで議論がすべて終わりということではないと考えていいのか。

 

飯田部会長

  全体のこれからの流れについて事務局から説明いただきたい。

 

事務局(高木企画監)

  現在基本構想の文案を検討中だが,後日これまで各分野ごとにご議論いただいた内容をもとに,どんなことを本格的に議論すべきなのかを事務局でまとめて論点整理し,基本計画に何を盛り込むかをご議論いただく予定になっている。

 

宗田委員

  交通体系をどうするかということを論点としてあげていただきたい。中心市街地活性化は全国的に深刻な問題になっている。産業構造の大きな変換の中にあって,京都も産業や商業・観光をどうするか,都心部,郊外あわせた都市構造をどう見直すかという時代の変わり目に来ている。交通と都市構造という視点に立ったうえで都心の交通をどうするか。欧米の都市のように中心市街地の交通を規制し,にぎわいのもどってくる歩行者空間を創出する工夫をしていく必要がある。

  また,南部のまちづくりを考えていくとき,いかに環境共生都市をつくるかが大きな課題だ。これも本部会で議論する必要がある。南部はグランドビジョン計画期間中に大きな公共投資が期待されるエリアで,そのビジョンをどうつくるか,環境に配慮した南部地域の開発をどう考えるかが重要だ。都心と南部についてはぜひ今後議論していただきたい。

 

飯田部会長

  特にご意見がなければ本日の議論はこのあたりで終わりたい。

  当部会のテーマ別課題については本日をもってひととおり議論いただいたということで,これまでの議論のうち構想に関連する意見については起草委員会に報告したい。また,基本計画の策定に向けて意見を整理し,議論する機会を設け,その後具体的な基本計画の策定に入りたい。

  現在起草委員会では新基本構想の文案化に向けた検討作業を行っている。起草委員会から素案が示される6月頃に各部会一斉に討論を行う予定なので,よろしくお願いしたい。  それでは,本日はこれで閉会としたい。

 

 

3 閉 会

 

 

審議会(記録一覧)ページ

京都市の総合計画(資料編)のページ

関連コンテンツ

京都市の基本構想・基本計画(第1期) (資料編)

お問い合わせ先

京都市 総合企画局都市経営戦略室

電話:075-222-3030

ファックス:075-213-1066

フッターナビゲーション