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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/中間報告/4.21世紀の時代潮流

ページ番号35801

2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン  中間報告  第2部:将来像検討編

(2) 21世紀の時代潮流

 

 「21世紀の京都像」を描くためには,21世紀の時代潮流を明確に認識することが前提条件となります。21世紀の日本と世界の大きな時代の流れを次の7つにまとめてみました。

  1. 真の生活の豊かさが求められる時代 
  2. 地球環境保全のための取組が求められる時代 
  3. 知識や技術の創造が都市の発展の重要な要素として求められる時代 
  4. 長寿化,少子化に対応した社会システムの構築が求められる時代 
  5. 幅広い国際交流・国際貢献が求められる時代 
  6. 情報化への的確な対応が求められる時代 
  7. 地方分権の推進を図り,自治体の自主性を高めることが求められる時代 

 

 

  • 真の生活の豊かさが求められる時代 

 これまで支配的であった物質的な豊富さや効率性の追求などの価値観に代わって,21世紀は,個人の選好に合った個性的な自由時間の過ごし方,ボランティア活動などによる社会貢献,自己実現,景観や自然の豊かさの実感などのクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)が重視され,物質的な豊かさと精神的な豊かさをともに味わうことのできる,真の生活の豊かさが求められる時代となる。
 その際,特に阪神・淡路大震災での貴重な教訓を生かし,宿命的な避けられない大災害に際しても,英知を結集して危機管理体制を充実し,市民の生命,財産を確実に守ることのできる災害に強いまちづくりが,豊かさを構成する大きな要素として位置づけられ,目指されねばならない時代となる。
 また,発展途上国等の大規模な市場参入により,地球規模での市場経済化とメガコンペティション(大競争)が進む中で,国際的に見て立ち遅れていると言われる我が国の経済的規制の緩和を進め,国際競争に耐えられるグローバルスタンダード(世界的標準)を確保することが必要となる。

 

  • 地球環境保全のための取組が求められる時代

 20世紀は,人類史上初めて,自分たちが作り出した人工環境や物質によって生活環境の悪化を招き,人類の生存が危うくされ始めた時代である。 21世紀は,人類を初めとする生物の生存環境をこれ以上悪化させないよう,使用エネルギー量の増大を抑制し,地球的規模で全人類的な視点に立った国際的な協力と調整が必要になる時代となる。
 特に,その大きな原因者である先進諸国は,エネルギー使用に影響の大きい車社会のあり方の再検討を含め,国,都市,産業,市民それぞれの役割分担に応じて,環境に配慮したものづくりや適正使用,廃棄物の発生抑制・リサイクル等の分野で,先導的な役割を果たすことが期待される。

 

  • 知識や技術の創造が都市の発展の重要な要素として求められる時代

 地球規模での大競争(メガコンペティション)の時代を迎え,また,情報通信技術の進展に伴い,豊富で低廉な労働力を有する発展途上国での生産力が飛躍的に高まる中,知識・技術集約型商品が付加価値を生む大きな源泉となる。
 その生産には,有能な人材(Competence),創造性(Creativity),文化(Culture),コミュニケーション(Communication)に優位性を持つ都市,すなわち,人と人が直接出会って交流を深め,知的な情報交換や共同作業を通じて多様性,創造性に富んだ新たな付加価値を生み出すことができる都市が強味を発揮する時代となる。

 

  • 長寿化,少子化に対応した社会システムの構築が求められる時代

 世界の人口は21世紀半ばに 100億人(1996年現在約58億人)へと増加を続ける中,日本の総人口は少子化に伴い21世紀初頭(2007年)にピークを迎え,その後は減少し,2050年にはほぼ1億人になると想定されている(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成9年1月)」の中位推計)。 20世紀を通じて続いた都市膨張の時代が終焉を迎える一方,高齢者の比率と高齢者を中心とした単身世帯の比率が急増することが予測される。
 このため,保健・医療・福祉の制度,雇用・就業形態を初め,社会のあらゆるシステムを長寿・少子化時代にふさわしいものへと改編することが求められる時代となる。また,家族の少人数化,特に中高年の一,二人世帯の増加により,夫婦と子供という標準的な核家族型の世帯構成が主流ではなくなり,ライフスタイル(生活様式)の多様化・個性化が一層顕著となる。

 

  • 幅広い国際交流・国際貢献が求められる時代

 21世紀は,地球上のさまざまな民族や文化が衝突と交流を繰り返しながらも,多様性を相互に認め合うことによって,より普遍性を持ったひとつの世界へとゆっくりと統合されていく時代になると考えられる。
 その中で,都市は外国人を同じ市民として受け入れ,市民レベルの国際交流・国際貢献の担い手として力量を発揮していくことが求められる時代となる。加えて,21世紀の前半は,地球環境の維持が極めて困難な局面を迎えることが確実であり,人間の自然支配の考え方を自然と人間との共生の考え方へと変えていくことなしには諸文明の存続が困難となるといわれる。こうした中にあって,アジア,日本の持っている文化の多様性,寛容性が大きく見直され,この特性を国際貢献に生かしていくことが求められる時代となる。

 

  • 情報化への的確な対応が求められる時代

 情報通信ネットワーク化の進展により,大量の情報が生産・流通する情報化時代にあって,簡素で効率的な行政組織の構築に留意しながら行政の情報化を推進して住民サービスの充実を図るとともに,CATV・衛星通信などの民間による各種メディア事業を活用して,これを公共性の高いセキュリティ(安全,防犯)機能の向上,交通の制御,在宅福祉の充実などに生かし,マルチメディア(複合情報伝達媒体)時代にふさわしい都市をどうつくるかが課題となる時代となる。
 その際,情報化の光の部分(在宅医療や在宅勤務の実現,多様な情報を容易に取り出せることによる自己実現など)と陰の部分(不適応者の増加,プライバシーの侵害など)の両面を見極め,健全な都市づくりを進めることが必要となる。

 

  • 地方分権の推進を図り,自治体の自主性を高めることが求められる時代

 時代の大きな転換期にあって,全国的画一性,統一性,公平性を重視してきた従来の中央集権型行政システムを,地域社会の多様な個性を尊重する地方分権型行政システムに変革することが大きな流れとなって進展する時代となる。
 その際,国と地方の事務・権限配分,国による関与・必置規制,機関委任事務の見直しのみならず,国庫補助金・負担金,税財源配分のあり方,さらには受け皿としての地方公共団体の組織のあり方(行政組織の簡素化,広域的連携など)が問われることとなる。

 

 

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