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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第11回 都市整備・交通部会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第11回 都市整備・交通部会

日 時 : 平成12年8月24日(木) 午前10時~12時30分

 

場 所 : 都ホテル「愛宕の間」

 

議 事 :

(1) 京都市基本計画素案について     

(2) その他

 

出席者 : 

上村多恵子(詩人,京南倉庫(株)代表取締役社長)

○北村 隆一(京都大学大学院工学研究科教授) 

清水 三雄(異業種交流コスモクラブ会長) 

高松 伸(京都大学大学院工学研究科教授) 

西村 毅(京都青年会議所特別顧問) 

野間光輪子(京町家再生研究会幹事) 

三木 千種(市民公募委員) 

三村 浩史(南区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,関西福祉大学教授) 

山田 浩之(下京区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,大阪商業大学大学院地域政策学研究科長) 

中谷 佑一(京都市副市長)                                

 

以上10名                            

(50音順/敬称略) 

○…副部会長

 

 

1 開 会

北村隆一副部会長

  ただいまから,第11回都市整備・交通部会を開催させていただく。

  本日は部会長が長期出張中のため,副部会長の私が代理を勤めさせていただく。

 

 

2 議 事

(1) 京都市基本計画素案について

北村隆一副部会長

  まず素案の位置付けについて説明したい。この素案は5つの部会での検討結果を持ち寄り調整委員会で作成したものであり,今後の各部会での議論やパブリックコメントでいただく市民のご意見を踏まえて,調整委員会で「基本計画第1次案」を作成することになる。その第1次案を10月20日の総会で審議し,その後さらに必要に応じて修正を加えて,年内に市長に答申することを想定している。以上のように,この素案は第1次案を作成するためのたたき台というべき位置付けである。

  引き続き,素案の概要について当部会とかかわりの深い部分を中心に説明したい。基本構想の流れに沿って政策を体系化しているため,従来のような行政分野別の縦割りでない,市民の視点から見た横断的な構成となっている。

 ――(資料1「京都市基本計画素案」に基づき説明)――

  議論の前に,3つの視点について改めてお願いしておきたい。

  1つ目は「スクラップアンドビルドの考え方に基づく政策の取捨選択」という視点である。事前に送付された資料「京都市財政のあらまし」でもたいへん厳しい財政見通しが示されており,調整委員会においても「お金がないというところから議論を始めるべきではない」,「法定外目的税を設けるなど積極的な議論をすべき」,「予算配分にメリハリをつけるべきで,これまでやってきたことをやらないというのも一つの計画だ」といったご意見が出ていた。新たに取り組んだり継続して取り組む政策だけでなく,縮小したり廃止すべき政策についてもご議論いただきたい。

  2つ目は「しくみや制度のあり方にまで踏み込んだ,京都ならではの前例にとらわれない大胆な政策の立案」という視点で,これまでの部会や調整委員会において十分に議論されていないところでもあり,改めてご議論をお願いしたい。

  3つ目は「計画にメリハリをつけるための重点政策の抽出」という視点である。調整委員会では「網羅的に政策を掲げた素案を基にして何を重点に取り組むのかを議論すべき」,「基本構想にある「信頼の構築」や新たな市民生活の理想を世界に先駆けて見出し実現していくという文章に対する具体的な答えを提示すべき」といったご意見があり,それも踏まえてご議論いただきたい。

 

三村委員

  基本構想のテーマ別に項目が並んでいるのは新しいシステムとしていいと思うが,各部会のテーマ別,所管別に索引をつければ分かりやすくなるのではないか。例えば住宅に関しては,「京都に合った新しい木造技術を開発・普及していく」という施策がない。既存の木造住宅を防災防火面で改造していくことは,地球環境や資源保全の政策だけでなく都市に住み続けられる政策にもなる。第1章第3節1(1)イ(イ)aで記述されている「住宅の防火防災指導の推進」だけでなくそうした技術開発や研究も必要だ。木造住宅と市街地の関係ということでまとめるとそうなるが,それぞれの章節にばらばらに入っているので,住宅なら住宅に関する項目が分かるように工夫してほしい。バリアフリーについても,公共建築のバリアフリー化は入っているが,「障害者や高齢者の状況に合わせた個別住宅の改修相談事業」が抜けている。新しい住宅マスタープランでは入ると思うが,そういったソフトサービス・システムや研究開発の必要性を強調しておきたい。第2章第2節1(4)「木の文化が息づくまちづくり」では文化的側面が強調されているが,中心市街地では過半数の住民が既存の木造住宅に住んでいる現状を踏まえておくことが京都らしい政策につながるのではないか。

 

北村隆一副部会長

  木の文化は新しく出てきたテーマで,施策が少ないのではないか。今のご提案にあった既存木造住宅のバリアフリー化や先端技術として燃えない木造住宅をつくっていく取組などの施策を追加していただきたい。

  もう1点はどういう切り口でまとめていくかということで,基本構想に従って横断的にするのもいいが,縦断的に見やすいように索引をつくってはどうかというご提案だが,この素案を使いやすくし,有用性を高めることになると思うので,可能であればつくっていただきたい。

 

上村委員

  「わたしたち京都市民は」という視点で書かれている基本構想に基づいて分野横断的にまとめるとこうなると思うが,索引があればもう少し見やすくなると思う。

  いくつか質問をしたい。1点目は,基本構想は議会の議決事項だったが,基本計画はそうではないのか。それとも関連するが,第3章の始めに「市民と行政が対等の立場で政策を議論し」とあるが,「対等に」という表現は適切かどうか。もう1点は,「再掲」とあるのは,前回の基本計画にあるということか,この素案の前のページにあるということか。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  基本構想は法律に基づく市会の議決事項だが,基本計画はその基本構想に基づき行政がつくるものであり,市会の議決事項ではない。「再掲」についてはこの素案の中で複数の箇所で取り上げているという意味だ。

 

上村委員

  この素案では,すでに進行中の事業とこれから着手する事業が混在しているが,その区別はしていないのか。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  素案の中には表記されていない。継続するもの,新しいものが混在している。

 

北村隆一副部会長

  「再掲」については,しつこくなるかもしれないが「第○章第△節○の△参照」,と記述するか,再掲の意味が分かるようにしてほしい。

  第3章の「対等の立場で」というのは調整委員会から出てきた表現か。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  素案作成に先立ち市民参加推進懇話会の委員等のご協力で「市民のあり方,行政のあり方」についてのワーキングを行ったが,その中でこういう表現が出てきた。

 

上村委員

  基本計画は市会議決事項ではないということだが,実際的な行政の意思決定プロセスの中にそういう手続きがないのに,このような抽象的な表現をしてしまっていいのか。

 

北村隆一副部会長

  行政は「市民のしもべ」であり,市民の意見を集約し実施していくのが本来の役目であって,「対等」という言い方はおかしいように思うが,これは非常に難しい問題だ。

 

三村委員

  「対等に」というのがどこまでかかるのか。「対等に議論する」までは分かるが,本当は市民の権利と行政の権限の関係であり,次元が違う。

 

 山田委員

  表現上の問題はあるかもしれないが,この部会の本来のテーマではないので,そういう指摘があったことを伝えて,調整委員会で検討していただいてはどうか。

  「再掲」については「第○章第△節の○の△」というように明記してほしい。例えば,第1章第3節3(2)ウ(ウ)「学校に安らぎの空間を創造する「花と緑のグリーンベルト」事業の推進〈再掲〉」とあると他にどこにあるか見たくなる。

  下京区の基本計画策定懇談会では,京都には花が少ないのでもっと花のあるまちづくりをすべきだという意見があった。また,同節3(3)ア(キ)と関連して路面電車やLRTについて真剣に考えてほしいという要望があった。路面電車については「市電の復活」ではなく「新しいLRTの導入」という考え方をすべきだ。

  この素案を読んでいて,「整備」「~づくり」「誘導」「促進」という言葉で終わっている項目と,「調査」「調査研究」で終わっている項目があるのが気になった。「調査」と「調査研究」に違いがあるのかとか,それより「実施」や「整備」とあるものに重きが置かれているのかなどと考えてしまう。同節(4)にア(ア)「交通情報の一元化を図り,…交通情報システムに関する調査研究」とあるが,京都市は他都市と比べて交通需要マネジメントについての取組が遅れているように思う。交通需要マネジメントの必要性については世界的にどの都市でも言われており,東京都では担当課がつくられ,実施推進のための取組が行われていると聞く。この表現では単なる調査を始めるような印象を受けるので,単なる調査にとどまるのではなく,積極的に実施に向けて取り組む姿勢を表明してほしい。「推進」と「調査」に違いがあるなら,この場合は「推進」としてほしい。

 

北村隆一副部会長

  「整備」「誘導」「促進」等と「調査研究」とは区別して使われているはずだが,TDMについては「推進」としてほしいということだ。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  用語の使い方については,第1次案に向けて文章化していく段階で明確にしていきたい。

 

都市計画局(田中都市企画部担当部長)

  TDMに関しては確かに京都市は遅れている面があるが,それぞれがそれぞれの形で取り組まれており,京都市としてどのような形で方向性を定めるかを調査し,今後推進していく必要があると考えている。今回新たな調査をしたいという意味でここに挙がっている。

 

北村隆一副部会長

  基本構想の中でどういうまちにしていきたいかという意思を表わしており,そのための具体的施策をつらねたものが基本計画素案であるということで,どうしたいかという意図がもう少し明確になるようにしてはどうかというのが山田委員のご意見だと思う。例えば「TDM施策の推進に関する調査」を「TDM施策の調査・推進」としてはいけないのか。

 

都市計画局(西局長)

  TDMについては範囲が広いためこういう書き方をしているが,個々の部分については実施していくことが基本であり,推進も含めて調整していきたい。

 

北村隆一副部会長

  できるだけ意思がはっきりした書き方のほうがインパクトがあり,市民にも分かりやすいので,表現についてはご検討いただきたい。

 

高松委員

  用語を整理してほしい。「整備」「建設」「創設」「推進」「促進」といった言葉もあれば「~づくり」「充実」「利用」などもあり,「決め言葉」のグレードが非常に多岐にわたっている。実現との距離がどの程度あるのかが市民に分かるように,言葉のシステムを簡素化していただきたい。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  これはあくまでも素案ということで項目の羅列になっている。今後第1次案の作成に向けて調整委員会で文章化していくことになるが,その中で用語の使い方なども整理されると思う。

 

北村隆一副部会長

  最終案は文章化するということなので,用語については調整委員会でご検討いただきたい。

 

野間委員

  この素案は項目の羅列でパーツごとに考えられているので,何を軸にしていくか,全体の目標として何を掲げるのかが見えてこない。木造建築の問題も交通の問題も環境というテーマの中に入ると思うが,例えば環境を中心に考えると循環型の木造住宅や市電の復活などいろんな施策が集約されてくる。

  事前に配布された資料『市政の各分野の構想・計画等について』を見るとたくさんの構想や計画があり,この中にはかなり以前に計画されたものもある。そういうものについては近年の社会情勢の変化に照らして見直すべきだ。西陣の状況も,環境や子どもについての状況もここ数年でかなり変化しており,今の状況に合わない計画については縮小や廃止も検討すべきだ。

  この素案は全体として膨れ上がって混乱しているように思う。索引をつくって見やすくするのも1つの方法だが,もう少し凝縮して簡素化し,分かりやすくしてほしい。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  あくまでも素案の段階であるため,総花的になっている。調整委員会でも重点取組について議論されたが,部会での議論を経て調整委員会として重点的な書き方をしていきたいということであり,何を重点課題とするかも含めてご議論いただきたい。

 

北村隆一副部会長

  交通について,第1章第3節3「歩くことが楽しくなるまち」と第2章第3節2「多彩な経済・文化活動を支える基盤のしっかりしたまち」はどうつながるのか。

 

清水委員

  市長が21世紀の京都の基幹産業として観光を挙げているが,21世紀の京都の基幹産業は観光なのか,他の産業なのか。それによって計画のメリハリも変わってくる。京都は他の大都市と比べて観光資源に恵まれているだけでなく,空気や水のきれいさが観光都市としての魅力の1つになっている。景観も大切だが,空気や水を今以上に汚してはならない。21世紀の基幹産業を観光と考えるならば,基本計画の中で観光に結びついた施策を重点的に取り上げるべきだ。

  第2章第3節2(2)アに高速道路網や高速鉄道網の整備として施策が並んでいるが,京都市内に通過車両を通さないようにすべきで,できれば国道1号線の通過車両を100%カットするぐらいの計画があっていいのではないか。

 

建設局(野嶋局長)

  ここには第2外環のように京都をバイパスするものと,京都高速道路のように京都市内への幹線道路,京都周辺の広域の道路が挙がっている。第2外環は現在整備中で,市内中心部をバイパスして大枝・大原野を通り丹波に入る道路であり,京都高速道路は市内に入る,あるいは市内から大阪や関空に出ていく長距離利用の道路として整備していくものである。市民に密着した生活道路から高速道路まで,役割別,目的別に整備していかなければならない。高速道路については,市内幹線道路と広域道路を結び市内の渋滞を解消し市域活性化を図るという目的を持っている。京都高速道路は5路線計画があり,そのうち山科に通じる新十条通と昨年事業化された油小路線については既に着手している。堀川線,西大路線はそれぞれ五条通まで,景観に配慮して地下で入ることになる。久世橋線は竹田街道から国道171号線まで都市計画決定している。

 

事務局(星川総合企画局長)

  現在の京都市は観光都市であり,「ものづくり都市」でもあるが,観光産業の市内総生産に占める割合は約13%であり,市民生活を支えているのは「ものづくり産業」と言える。21世紀においても先端産業を中心にものづくりが京都市の基幹産業となると思うが,他方で21世紀は観光の時代であると言われており,京都市としても観光を基幹産業の1つにしたいと考えている。今回の素案では第2章第1節2で観光関連の施策を整理しているが,量的にも内容的にも十分ではないので,部会でのご意見を踏まえ今後充実させていきたい。

 

野間委員

  観光産業の市内総生産に占める割合は約13%ということだが,どうやって算出されているのか。米屋や八百屋,クリーニング屋など,観光産業としてピックアップされない業種も観光で潤っている。観光は京都にとってまだまだ可能性があると思うが,そのためには環境が重要になる。環境は世界的な課題であり,日本が遅れている分野でもある。京都は日本の都市のトップランナーとして,いろんな施策を環境を中心に考えてはどうか。環境はソフトの面でも,子どもの教育や高齢者施策などすべての部分につながる。環境の視点からすべての施策を考え,それが最終的に観光につながるという基本計画にすべきだ。

 

北村隆一副部会長

  13%という数字はどのようにして算出されているのか。

 

事務局(星川総合企画局長)

  ごく単純に申し上げれば,市内総生産のうち観光関連産業に分類されるホテルやバス,タクシー,みやげもの屋などの売上が13%を占めるということであり,一部観光と関係のない経費も含まれる一方で,米屋や八百屋などにおける観光からの売上は入っていない。この観光関連産業の占める割合を,2010年には市内総生産の30%にすることを目標としている。 北村隆一副部会長  現在,京都市の市内総生産はどのくらいか。

 

事務局(星川総合企画局長)

  約6兆円である。

 

上村委員

  京都では「ものづくり都市」ということがよく言われるが,この言葉からはハイテクやベンチャーがイメージしにくい。京都市はハイテクや食品産業などの工業出荷額が他都市と比べて多いが,基本計画を考える際に,そうした産業が京都の経済を支えているという認識に立って考える場合と,観光と伝統文化,学術に生きるのだという認識に立って考える場合とでは全く違ってくる。等身大の姿を踏まえ,認識のレベルを合わせておかないと,イメージとして観光産業を考えている人にとっては道路はいらないということになる。実際は道路等のインフラが整備されなければ京都のGDPを担っていけない。ぜひ等身大の姿を再認識しておくべきだ。

 

北村隆一副部会長

  「保全・再生・創造」は,伝統的なものやものづくり,京都らしい住み方など広い意味での環境の保全・再生と,新しい産業の創造の両方を進めていくことで市民の選択の幅が広がるという考え方だと思う。

 

上村委員

  そういう意味では,この素案は両方を網羅して書かれているのでいいと思うが,議論の中では絶えずイメージの部分と実態の部分を押さえておくべきだ。

 

北村隆一副部会長

  どこかで経済的基盤を見つけなければならない。4千万人の観光客が1人1万円落としたとしても4千億にしかならない。やはり工業は産業基盤としては重要であり,それをどれだけ京都の良さを壊さず,市民がまちにプライドを持てる形で維持・強化していくかが課題ではないか。

  第2章第3節2(2)イ(ア)bに「(a)JR山陰本線の輸送力の増強等を図る複線・高架化の促進」とあるが,京都はどこでも三山が見えるのが魅力であり,JR山陰本線の高架化は山とまちの間に塀を建てることにならないか。鉄道輸送力の増強も大切だが,高架化の促進がいいのかどうか疑問だ。

  ここに挙がっている施策の中にはかなり以前に計画されたものが残っている。現在は経済的な状況も人口推計,人々の価値観も変わってきており,再度総合的に見直す必要があるのではないか。

  JR山陰本線は嵯峨嵐山まで高架化するのか。

 

建設局(野嶋局長)

  JR山陰線については,花園~嵯峨嵐山間の複線化と合わせて地域が鉄道により分断されないよう高架化し,道路をつくりまちづくりに役立てたい。輸送力増強とまちづくりの観点から高架化が必要と考えている。

 

北村隆一副部会長

  輸送力の増強というのは1960~70年代的な考え方で,人口が減り地価が下がる今の時代に必要なのか。

 

建設局(野嶋局長)

  JR山陰線については京都市民だけでなく,京都府北部の亀岡,園部等からもっと利便性を上げてほしいという要望がある。

 

上村委員

  JR山陰線の輸送力増強には賛成である。今はせっかく線があるのに単線のため,本数が少なく,十分利用されていない。最近は府北部の人は京都より大阪に出ていくようになっている。JR山陰線は京都府北部と京都市内をつなぐ唯一の鉄道であり,山陰本線で行ける地域の観光資源の発掘も重要な課題だと思う。

 

北村隆一副部会長

  輸送力の増強は結構だが,観光資源としての京都のまちに配慮するという意味では,高架化は問題ではないか。

 

建設局(野嶋局長)

  高架化は鉄道によりまちが分断されることを防ぐためであり,景観の面から,高架化する部分についてはデザイン面で工夫している。

 

野間委員

  第2章第3節2(2)アについて,学術会議を京都で開催したいという希望は多いが,空港から京都へのアクセスの充実策についてうかがいたい。観光収入を30%にしたいということだが,京都に入ってくる人を5千万人にすることと収入を30%にすることは別であり,収入を増やすためには京都市内で宿泊する人を増やさなければならない。

  また,三条京阪駅周辺の整備はどうなっているのか。

 

建設局(野嶋局長)

  京阪三条駅前の整備については地下鉄東西線の5大事業の1つとして取り組んできた。現在,駅前広場の整備に先立ち,大和大路通の道路工事を進めている。広場の中心部分には京阪電鉄が商業ビルの建設を予定しているが,市の整備事業である道路と広場については予定通り整備していきたい。

 

野間委員

  京阪が商業ビルを整備する際には,京都市として意見を言うことはできるのか。

 

建設局(野嶋局長)

  法的に条例等があり,必ず市に相談があるので,意見は申していく。

 

建設局(長谷川理事)

  空港へのアクセスに対応するのが大阪府域から京都市内に入る第2京阪道路整備であり,京都市域では京都高速道路新十条通,油小路線の整備であり,関空につながる流出入がネットワークとして構築されることになる。

 

北村隆一副部会長

  観光との関連では,JRで関空から京都に来てもらったほうがいいのではないか。

 

建設局(野嶋局長)

  鉄道と自動車と2通りのアクセスが可能ということだ。

 

山田委員

  高架化というのは20世紀の発想だと思うが,高架化するなら景観に配慮したデザイン等を考えなければならない。嵯峨嵐山駅周辺の雰囲気を壊さないように,景観や環境に配慮していただきたい。

  13%というのは市内総生産の中で観光産業の生み出す直接的な所得であり,産業連関分析を用いれば観光によって米屋の売上が増えるといった間接的効果も算出できる。概算で20%ぐらいになるのではないか。観光が基幹産業になることは間違いないが,直接で30%にできるかどうかは難しい。それと関連して,第2章第1節1「産業連関都市として独自の産業システムをもつまち」とあるが,産業連関都市というのはある程度の大都市では当たり前で,京都市としての新しい発展方向を示すキャッチフレーズにはならない。この節の書き方は工業,商業,農業,観光,大学となっているが,観光と大学,文化を総合的にとらえる視点が必要で,産業の中に文化と産業を関連づける形での目標を掲げる必要がある。文化産業の核としては芸術や学術,宗教があり,それを支える教育,情報産業もあり,観光もある。京都としてはもっと「文化情報産業」を打ち出すべきではないか。

 

三村委員

  最初に提案した索引や連関表をつくることの意味は,市民が読みやすくすることと部局の人が仕事の領域を点検することの両面がある。文中に「第○章第△節○の△の□を見よ」というように書き込むのもいいと思う。

  京都の場合,山の緑と同時に河川の役割は大きい。第1章第3節1(1)ウ(イ)に「中小河川の改修事業の推進」が挙がっているが,他方で第2章第2節1(3)では「水と緑のネットワークをつくりアメニティを高める」と書かれている。河川改修についての考え方は変わってきており,安全防災のためだけでなく多目的性を持った河川改修をすることが分かるように書いておかなければならない。同節1(2)ア「自然と歴史的な景観の保全」の中に河川に関する施策がない。かつて河川の多くは国や府の管轄事業であり,市はあまりタッチしてこなかったということがあると思うが,河川は京都のまちの景観にとって基幹的な要素であり,市民の原風景でもある。山の保全だけでなく,河川の環境をどうつくるかということをここにも書いておく必要がある。西高瀬川にしても,中小河川改修を防災中心にやってきた結果がああなっているのであり,それを踏まえて新しい河川に対する取組がいろんな局面で伝わるようにしてほしい。

  2番目は交通で,道路網を整備し,TDMでうまく車を流していくのは結構だが,南区では恒常的に大気汚染や騒音で基準を上回った状態が続いている。新しい高速道路も南区を通る。環境と道路整備計画やTDMがどう整合するのか。新たに策定される自動車公害防止計画との整合性を図りながら交通計画を立てるといった文言があってしかるべきだ。あちらは環境局こちらは建設局という形では整合性がない。クロスオーバーのチェックリストをつくって点検すれば,抜けているところが浮かび上がってくるのではないか。

  産業についても同様で,大学や芸術と産業をどう結び付けるかという視点が必要だ。京都市には金がなくても,ハイテク産業があり,大学があり文化がある。京都らしい新しい産業を開発していく際には研究開発が重要になる。ハイテク系ベンチャービジネスなどの新事業創設への支援や伝統産業での京都ブランドの開発といったことが挙がっているが,これでは弱い。ハイテクも芸術も伝統産業も大学も加わったハイブリッドな研究開発プロジェクトを起こし,新しい産業や市場を共同で開いていくべきで,大学や芸術文化,伝統産業とハイテク産業のハイブリッド化をもっと強調すべきだ。そのあたりで少し覇気が足りない。この部会の担当分野ではないが,個別項目をクロスのチェックリストにして相互乗り入れを図り,そこで出てくるアイデアを大事にしてほしい。

 

山田委員

  今の話と関連するが,第2章は第1節に産業,第2節が文化となっているが,第1節と第2節を逆にして,「活力あふれるまち」の部分をもう少し文化と関連ある形にすれば,京都らしさを生かすことになるのではないか。

 

高松委員

  章立て自体に問題があるように思う。重複が多くて分かりづらい。こういうものを分かりやすくデザインすることもアカウンタビリティの重要な側面だと思う。例えば歴史博物館を建てようとしても環境や観光,生きがい,文化などすべてが連関する。一つの施策が一つの理念に対応するのではなくハイブリッドな機能を持つ時代になっており,そういう視点で相互に連関するビジュアルな構成法を開発すべきではないか。その中で自ずから施策の重要度は見えてくる。もう一度ばらばらにして組み直す勇気を持ってほしい。

  もう一点は,パートナーシップの重要性である。第3章第3節1「市民が政策を実施していくしくみづくり」はかなりたいへんなことだと思う。適正なコストとクオリティをどう管理していくか,そのチェック機関をどう設立するか,それを誰がどう運営するかが実施の重要なファクターになりつつある。実施のしくみづくりまで踏み込んで言明できれば意味があるが,この素案ではそこまでのイメージは見えない。日本で初めて京都が,実施も含めた具体的な市民参加の施策体制づくりをするのだ,という姿勢を示していただきたい。

 

西村委員

  この計画は向こう10年間で実施されるべき施策であり,総花的にやっていると間に合わないのではないか。この中にはすでに形になっていて10年先には出来上がっているものもあれば,10年先に研究もできていないものもあるかもしれない。そういう意味で優先順位をつけるべきだと思う。いろんな切り口はあるが,環境という切り口は京都にとって一つの戦略であり,既存のものを壊してでも環境に良いものを打ち出していくという戦略を持つべきだ。この素案では戦略的なものは研究程度で終わっていて,従来からの施策の延長上にしかないように感じる。例えば,自転車利用の促進が挙がっている一方で,美化のために違法駐輪は撤去すると書かれているが,どちらを優先するかがはっきり見えるようにしないと戦略にならない。道路を整備して自動車が入りやすくしておいて,自転車利用の促進は不可能だ。そういう意味で環境を戦略として,向こう10年で実施するという切り口がほしい。

  前回も申し上げたが,住んでいる人,働いている人,訪れる人,また行政や市民,NPOなど,いろんな人が活動するうえでどんな道路や住宅,景観政策が重要であるのかをはっきりさせないと,総花のままでは10年たっても何もできない。矛盾を一つずつなくしていって,道路についてはこういう方針でいくということを示すべきだ。

 

北村隆一副部会長

  このように施策を羅列されると,今まで部会で議論してきたことはどこに反映されているのかが分かりにくい。これまでの市のレポートに並べられている施策が並んでいるだけではないか,という印象を持たれてしまう。

 

上村委員

  この基本計画は全体に「京都市一国主義」に陥っているように感じる。産業関連にしても京都だけでなく広域的に,京都府,関西,国との関連でとらえるべきだ。道路交通網にしても市道と国道と府道,JRも京阪も一緒に書かれているが,日本の中,関西の中,京都府の中の京都市であるという視点が見える書き方はできないのか。特に交通についてはどこが主体となって進めていくのかが見えにくく,京都一都市でできることできないことが一緒に羅列されているので分かりにくい。

 

三木委員

  高松委員から実施の仕方についてご指摘があった。この素案ではどの項でもボランティアの参加を促すということが書かれているが,そのためにはボランティアをいかに養成するか,ボランティアをどう定義するかが問題になる。行政が市民にボランティアとは何かということが分かり,活動できる場を提供しないと,市民が実施していくことは難しい。この素案では人を育てる仕組みがあまり書かれていない。

 

北村隆一副部会長

  市民が行政とともに政策の実施を担うことは,今までやられてきていないので具体的な案がまだないのではないか。ボランティア参加の仕組みづくり,市民一人一人にボランティアでありうるという意識をどうすれば持ってもらえるか,ということだと思う。

 

西村委員

  ボランティアを無償の労働力と考えるのは大きな間違いで,NPOも無償ではない。参加する人は権利もあれば義務も負うのであって,労働に対して対価も発生する。そういうボランティアの定義についてはどこかではっきり書いておくべきだ。

 

三村委員

  それぞれの項目ではNPOの話は出てこないが,ボランティアや活動支援センターをつくるということは書かれている。それを束ねて実質化していくのは第3章にならざるを得ない。第3章の第2節,第3節に,市民の持つ能力を活用するとか,市民プロデューサーを養成するとか,政策実施の担い手となる市民団体と連携するといったことが書かれているが,新味がない。ここはもっとしっかり行政が原案をつくるべきだ。市民という言葉が一般的に使われているが,現在は一般市民だけでなく,既存団体やNPOのような新しい団体,ボランティアと結びつく団体,企業,さまざまな機構がある。全てを一般的な市民という言葉で捉えるのではなく,もう少し社会福祉協議会や自治会などそれぞれの機関の協力関係をどうするかが具体的に描き出されてもいいのではないか。行政職員についても政策実施能力や形成能力については書かれているが,市民と連携して組織をつくり動かしていく実践力も必要ではないか。市民とは何か,どういう人や機関が市民なのかを定義しておいたほうが具体性が出るように思う。

 

北村隆一副部会長

  第3章は行政がこれまでやってきたことと違うので熟考を要し,なかなか迫力ある表現が出てこないし,概念そのものも緻密に定義されていないのが現況ではないか。

 

野間委員

  基本構想の「くらしに安らぎ」「まちに華やぎ」という理念に沿った形で書かれているが,基本構想があって,これからの10年間で何ができるのか,何が重要なのかをピックアップした結果こういう素案ができたということで,必ずしも基本構想に沿ったものにする必要はないのではないか。

  第1章第1節3(3)アを見ると,エレベーターやスロープの設置によるバリアフリー化やソーラーシステムの設置,快適トイレの設置,校舎の耐震補強,ステンレス製プールの導入といった細かいことが羅列されているが,こんなところまで基本計画に入れる必要があるのか。例えば校舎の耐震補強は公共物の耐震補強見直しとして括ることはできないのか。

 

清水委員

  観光産業を京都の基幹産業とし,市内総生産の30%にしたいという目標があるということだが,この計画を見ているととてもその数値目標を達成することはできないのではないか。観光産業には京都の持つ観光資源を世界に情報発信し,楽しんでもらうというサービスの側面がある。観光産業の戦略とは情報発信だと思う。いかにテレビで情報発信するかが課題であり,そのためには国際会議を誘致すべきだ。会議場を選定する際の条件の一つに空港からのアクセスがあり,関空から京都国際会議場まで2,3時間かかることはハンディになる。そういう意味で,京都国際会議場の近くか南部にヘリポートをつくってはどうか。国際会議を誘致して世界に情報発信し,海外からの観光客を誘致しないと,とても30%という数値目標は達成できない。そういう意味で,情報発信の戦略がこの素案には抜けている。例えば東京に情報発信基地を設けて,日本中,世界中に京都の情報を発信する。そのためにはうまく情報をニュースにして発信していくノウハウやテクニックも必要になる。国際観光都市・京都として,情報発信にもっと力を入れるべきだ。

 

北村隆一副部会長

  京都の料亭などを紹介するKBSの番組を東京の局が買って放映しているが,ああいう活動を市が援助してはどうか。国内では首都圏,世界的にはインターネットで積極的に情報発信していくべきだ。

 

中谷委員

  いろいろ貴重なご意見をいただいており,これからの市政に生かしていきたい。これからの市政で重点的に取り組まねばならないものは何かという市民アンケートの結果があるが,千葉市では大気汚染と緑地保存,川崎市では公害防止と救急医療,横浜市では防災防犯,交通安全と環境衛生,名古屋市は福祉のまちづくりというように,各都市のイメージと市民が取り組まねばならないと考えていることはだいたい一致している。京都の場合は道路や交通,住宅ということで,この部会のテーマそのものであり,この部会での議論と市民の思いがうまくミックスして,いい基本計画が生まれることを期待している。

 

野間委員

  付け加えていただきたいのは,第2章第2節1(4)に新しい形での木造住宅に関連する施策を入れてほしい。また,今は法律の厚い壁があって実現できないが,木造が建てられる形に誘導していくという文言を入れていただきたい。

 

北村隆一副部会長

  工場等制限法だけでなく建築基準法など,制度面での障害を除いていく姿勢を明記すべきだ。

 

三村委員

  一昨年建築基準法が改正になり,条例で新しい技術指針等を決めることができるようになった。研究開発中だが,新しい材料技術と伝統的木造を組み合わせたハイブリッド構造の建築には普及力があると思う。簡単には新しい技術基準はできないが,それぐらいのことを京都は率先してやっていくべきだ。もう少しアクティブに,「都市建築としての木造の新しい可能性を拓く」というような表現がほしい。住宅マスタープランの見直しを待っていたのでは遅い。

 

高松委員

  ドイツのハノーバー市で開かれている博覧会にも木造の新しい可能性を見せる建築が多数出展されているが,京都は率先して開発研究をしてほしい。

 

(2) その他

北村隆一副部会長

  調整委員会で第1次案を作成した段階でもご意見をいただく機会はあるが,今の時点でどうしてもというご意見があれば文書で8月31日までに事務局に送付いただきたい。本日のご意見は調整委員会に報告し,基本計画第1次案づくりに生かしたい。次回は10月20日の審議会総会で第1次案の審議を行う予定であり,その際に各区役所で策定作業が進められている行政区別計画案もご参照いただく。

  それでは,本日はこれで閉会としたい。

 

 

3 閉 会

 

 

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