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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第3回 環境・市民生活部会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第3回 環境・市民生活部会

日 時 : 平成11年1月19日(火) 午後3時30分~5時30分

 

場 所 : 京都ロイヤルホテル「翠峰の間」

 

議 事 :

(1) 新基本構想の基本的考え方(案)について     

(2) テーマ別討論「ボランティア」について       

 ※予定していた「消防・防災」については,時間の都合で,次回に行うこととなった。

 

出席者 : 

浅岡 美恵(気候ネットワーク代表) 

石田 一美(京都市東山消防団団長) 

片山戈一郎(日本労働組合総連合会京都府連合会会長) 

笹谷 康之(西京区基本計画策定懇談会座長,立命館大学理工学部助教授) 

須藤 眞志(京都産業大学外国語学部教授) 

田尾 雅夫(京都大学大学院経済学研究科教授)

○高月  紘(京都大学環境保全センター教授) 

田端 泰子(山科区基本計画策定懇談会座長,京都橘女子大学文学部教授) 

内藤 しげ(住みよい京都をつくる婦人の会会長)

◎内藤 正明(京都大学大学院工学研究科教授) 

仲尾  宏(京都芸術短期大学造形芸術学科教授) 

村井 信夫(各区市政協力委員連絡協議会代表者会議幹事)    

 

以上12名 

◎…部会長     (50音順/敬称略)

○…副部会長

 

 

1 開 会

内藤正明部会長

  第3回環境・市民生活部会を開催させていただく。

 

 

2 議 事

(1) 新基本構想の基本的考え方(案)について

内藤正明部会長

  これは第3回起草委員会で検討された案で,第2回審議会の場で決定していただくことになるが,それまでに起草委員会で各部会の意見を踏まえて最終案を練り直すことになる。本日当部会でお出しいただいた意見は,部会長から起草委員会に伝えたい。

  「3 新基本構想の枠組み」までに関しては,第2回までの起草委員会で確認されていることは前回の部会でご報告した。本日は「4 新基本構想の骨格」の部分についてご意見を賜りたい。まずざっと目を通していただきたい。――(3分間黙読)――

  なお,これは項目を箇条書きにしたもので,文章的には後日これをふくらませることになるので,本日は項目としてこういうものがあってもいいとか,この認識は違うといったご意見をいただきたい。

 

浅岡委員

  「生産,消費,廃棄というサイクルにはまった都市文明のあり方」とあるが,地球全体も日本も京都も,ここに書かれているような甘い状況ではない。もう少し危機感が必要だ。もっと環境そのものの考え方を変えなければならない。その柱が強調されないと豊かなまちは築けない。少々甘く夢を描き過ぎている。

  もう1つは,ライフスタイルを変える,省エネ型まちづくりをするというように,持続可能な社会,京都の持続可能性をどこに求めるかの部分が目立つようにすべきだ。

 

笹谷委員

  100年200年先に風格のあるまちをということを考えてまちづくりに取り組んできたが,20年後30年後の地球が危ないとなると,都市や地域は存立しえない。まちづくりを考えるときも地球環境的制約を前提にしなければならない。右肩上がりでない21世紀的地球市民としての新しいライフスタイルを先導的に切り開いていくのだということを,持続可能性も含めて書くべきだ。「世界」「文化」「自由」は時代の落とし子的な感じがする。もっと切り込んだ言葉が必要だ。

 

仲尾委員

   「持続可能な発展」というキーワードが必要だということには同感だ。京都の中心部の人口減少や町家の破壊を考えると,京都は住みやすいまちとして存在し続けるかどうかの岐路に立っている。美しいまちも世界文化自由都市宣言の引用も結構だが,1999年現在に立ったキーワードを設定しなければ,現実から遊離したものになる。

  「市民のつくる京都のまち」は重要な章だと思う。後半で市民がどうやって市政に参加できるかということでモニター制度や公募審議会委員,ワークショップなどが挙げられているが,京都市全体ではまだまだ見えてこない部分がある。国から地方への地方分権が言われているが,市民生活に密着した部分については,市から行政区に権限を下ろし,行政区の中で具体的問題を把握し,ある程度政策立案ができるような京都市における分権方式がないと問題は見えてこないのではないか。

  市民の参画の問題については,住民投票条例を視野に入れるべきだ。議会制民主主義の役割は評価するが,個別の問題について,住民としての利害関係や課題については議会では十分機能しえない。今は条例制定の市民運動から始めなければならない状況で,神戸空港の例を見ても,あれだけの署名があっても議会は一顧だにしない。課題によっては住民投票が実現できる展望を市民参加の中に持ち込む必要がある。多様な回路が編み出されるべきで,その中に直接民主主義としての住民投票を取り入れていくべきだ。

 

笹谷委員

  区の座長をやっていると,財源がなくて独自のことができずに困る。市民の団体やパートナーシップ型の事業に金を下ろす仕組みをつくらないと,役所の中で金をまわしていてもだめだ。分権の際に金や権限をすべてそういうところにまわすことを具体的に書き込む。横浜や川崎では区が使える金が億単位と聞くが,京都の場合まったくない。

  環境だけでなく人権,国際理解,平和,ジェンダーなどすべての問題がグローバルにかかわってくる。総称してグローバル教育,地球市民教育と呼ばれているが,人類的課題が地域の中に噴出しており,地球全体につながっている。そういう視点に立った現代的な内容の話にしてほしい。

 

田端委員

   これに肉付けされるときに,各部会の意見を盛り込んでいただきたい。これだけではきれいごとに終わっているように思う。どのように具体的に肉付けしていくかが部会に問われているのではないか。

  山科区の懇談会で,ヨーロッパの福祉都市にあるような,障害者だけでなく一般住民が利用できる市内を循環する小型バスがほしいという意見が出た。そういうものも具体的に基本構想の中に「例えば」という形で入れていただきたい。

  前回にしゃんた委員から,外国人のためには施設ではなく生活を何とかしてほしいという発言があったが,障害者についても普段の生活を快適にすることが問題になっている。そういう部分をもう少し具体的に出せるようにしてほしい。

 

内藤正明部会長

  具体的な項目を肉付けの中で盛り込みたいということだが,肉付けをするには骨がなければならない。柱立てについてのご意見も賜りたい。前回の起草委員会でも,ハードは難しくないが,ソフトやさらにその後の「ハートウエア」が大切だということを申し上げた。

 

仲尾委員

  「人権文化の創造」という言葉をキャッチフレーズに入れていただきたい。京都は長い間首都であったため,差別もひどかったが,その中から水平社やライトハウス運動などのすばらしい文化を生んできた。京都が豊かな人権文化を生んできたことを今の時代に再評価し,これからの課題を市民と行政が一体になってつくり上げていくべきだ。

 

高月紘委員

  持続可能な社会をつくっていくとき,京都で産業活動をどういう形で営んでいくかという視点が必要ではないか。伝統産業だけで持つとは思えない。経済が活発になることを望んでいるわけではないが,産業にかかわる人たちの意見が反映できるように検討すべきだ。

 

田尾委員

  全体としてはこれでいいと思う。基本構想では明るい未来を描いたほうがいいのかもしれないが,市民に行政との間である程度負担を分担する覚悟を迫る文章があってもいいのではないか。「市民と行政がともに責任ある主体として協力し合えるしくみを創出」というだけでは,2025年の時代にこたえられるとは思えない。

 

片山委員

  美しい言葉を並べることにも意味があるが,これからの21世紀の日本や京都を考えると,右肩下がりの経済,少子・高齢化社会という現実の中で,市民自らがどう自立していくかという視点がなければならない。これからの21世紀の厳しい状況の中で行政と市民のパートナーシップが必要で,市民の参加には当然責任や負担が伴う。自助努力と,支え合う連帯意識と,それを行政がバックアップする体制という「自助・共助・公助」の「三助」がどう構築されていくかが大事だ。

 

須藤委員

  ある意味でこれを読むと愕然たる気持ちがする。今京都にこういうことが欠けているからこうしようという問題提起がされていると考えると,京都にはこの世の地獄のような状況があって,それを解決していかないと新しいビジョンができないような気がする。そうかと思うと「シティ・オブ・ザ・シティズ」という言葉も出てくるが,2025年になっても京都がそうなるとはとうてい考えられない。

  「京都型」とか「京都らしさ」,「京都的」という言葉がよく分からない。「めきき」「たくみ」といった言葉についても意味が分からない。きちんと定義せずに言葉を使っているが,こういう意味でこの言葉を使っているという説明がほしい。

 

内藤正明部会長

  なるべく難しい言葉を避けたいということで,こういう言葉を苦労して引き出し,新しい光を当てようとしているのだが,1つひとつの言葉をどれだけ概念として定義して使っているかはよく分からない。

 

浅岡委員

  起草委員長は,大都市が共通して抱える課題への取組は当然のこととして,そのうえで京都市に何が必要か,何ができるかというところで苦労された結果こういうものが出てきたのではないか。もう1つはいつまでも右肩下がりの時代が続くわけでないというコンセプトがあるところからこういうものになっているのだと思う。

  もっと現実を見るべきだ。京都が世界から離れてはありえない時代であり,昭和53年の宣言を引き継いで発想する限り,京都は生き残れない。今日本は経済的にも資源的にも世界的制約の中に置かれている。その制約は我々自身のものであり,どれだけ大きな方向転換をしなければならないか,どういう方向を目指すべきかという部分が新たに必要だ。その柱は「世界文化自由都市宣言」の自由,文化,平和ではないということをきちんと整理すべきだ。その整理の場がこの部会ではないのではないか。そこに起草委員会とのギャップがある。

  現状は客観的にどうか,その困難をチャンスに変えるのはどういう方向か,そのために京都の環境や資源を生かして何ができるのかを明確にして,協力の手法についても参加や審議会などでない実質的な参加の仕組みをつくっていこう,それには責任を伴う,という流れ,力強さが出ないと困難な時代に活力をもたらす指標にならない。

  起草委員長は文学的に考え過ぎているのではないか。「京都のめざす都市のすがた」も社会的仕組みを考えず,個人の気質など感性的なところでとらえられている点が気になる。

 

内藤正明部会長

  部会長として部会の雰囲気を起草委員会に伝え切っているかどうか不安だが,次回には本日のトーンをできるだけ伝える努力をしたい。

 

田尾委員

  この文章を公表する場合は,「癒(いや)しの文化」「めききの文化」などの文言は入れないほうがいい。レトリックな言葉を使う場合ももう少し重厚さが必要だと思う。

 

内藤正明部会長

  なるべく分かりやすい,従来型の役所の文章とは違う新しいものをという起草委員長のねらいのようだ。

 

田尾委員

  分かりやすいかどうかは文章の構成の問題で,単語の問題ではない。NPOという言葉も流行語的に使われているので入れないほうがいいかもしれない。

 

内藤正明部会長

  NPOもきちんとした日本語で定義できたほうがいい。

 

笹谷委員

  世界文化自由都市宣言からきているので,ストーリーが通らないが,時代性は表れていると思う。こういったキーワードを否定するのであれば代案を出すべきだ。「めきき」や「もてなし」といった言葉で,ストーリーが通るのであれば,こういった言葉を使っていただいて結構ではないか。

 

内藤正明部会長

  意味の共有ができることが必要だ。

 

須藤委員

  この言葉の意味が共有できるように説明していただきたい。

 

田尾委員

  単語で勝負するのではなく,本来文章は構成力で勝負すべきだ。

 

内藤正明部会長

  これはキーワードを選んで箇条書きにしたものなので,後にきちんと肉付けして文章化したときにどうかという問題になる。今の議論をきちんと伝える努力はしたいが,それを反映して納得いくものが出てくるかどうかについては起草委員会にお任せいただきたい。

 

田端委員

  「ジェンダー」という言葉を考え直すというか,未来に向けて性差を解消していく方向に向かっていることを書いてほしい。「町衆」という言葉には女性は含まれないので注意してほしい。

 

村井信夫委員

  「めききの文化」などの言葉については理解できない。

 

内藤正明部会長

  生粋の京都人が分からないのでは問題だ。

 

石田委員

  交通について,東山通の渋滞を解消するために環状線をつくってほしい。何か手段はないかという問題提起をしたい。

 

内藤正明部会長

  先程も循環バスの話が出たが,交通部会とも連携しながら検討していかなければならない。

 

村井信夫委員

  住民投票など,直接民主主義については疑問があるが,21世紀は人権の世紀ということも含めて人権の大切さを盛り込んでいただきたい。

 

内藤しげ委員

  きれいに書かれているが,もうひとつ分かりにくい。「京もの」という言葉には抵抗を感じる。京ものと言っても,作家と素人のつくるものでは値段に差がある。

  交通についても,川端通の開通によっても東大路通の渋滞は解消されていないので,もう少し流れがよくなる方法はないかと思う。

 

浅岡委員

  骨格的議論がなされないで肉付けされるのはいかがなものかと思う。もっと大枠の議論をする場が必要ではないか。部会が並行してやっていることにも無理があるのではないか。

 

事務局(高木企画監)

  これは基本構想を文章化していく際の骨格について,意見をいただくために叩き台として起草委員会でつくったものであり,ここで結論を出すのではなく,起草委員会で各部会の意見を尊重して基本的考え方の骨格を修正し,その結果についてさらにご意見をいただくことになる。全体の審議会の場でもう1度意見をいただく機会がある。審議会で意見が出尽くしたところで起草委員会が骨格を固め,その後文章化作業に入る。文章についても部会の意見をうかがうことを他の議題と並行して続けていきたい。おおよそ皆さんの意見は反映できると思う。理解できない言葉がそのまま盛り込まれることは最低限ないと思う。

 

内藤正明部会長

  各部会が納得できる形のものができるかどうかは分からないが,一定期間で成案を得るためには今のやり方で進めるしかない。どうしても意見がある場合は,審議会の場で遠慮なく言っていただきたい。

 

浅岡委員

  大きな方向として,市民にバラ色の夢を与えるのであればこれでいいが,社会的状況はもっと厳しいと思う。どこかギャップがある。

 

内藤正明部会長

  起草委員会でもそういう内容の意見を申し上げたが,こういうまとめ方になるとそれが十分反映されていないように思う。もう一度主張したい。

 

浅岡委員

  次の審議会にはこの素案が出てくるのか。

 

内藤正明部会長

  今回の議論を踏まえて起草委員会がもう一度整理し,それが改めて出てくる。今回の意見がどれだけ反映できているかはそのときにご覧いただける。

 

笹谷委員

  ストーリーが通ることが重要で,現状認識として今日出てきたような問題があり,「市民がつくる京都のまち」の部分も現状認識を踏まえればもっと書きやすくなるのではないか。細かい言葉について批判すると,起草する人が書けなくなる。起草委員会は尊重したい。その言葉がふさわしくない場合は,代案を出せばいい。

 

村井信夫委員

  学者の委員の方々にも分からないという意見を聞いたので安心した。

 

須藤委員 

  起草委員の意見は尊重すべきだというのはおかしい。理解が共有されないものを基に話し合っても仕方がない。ここが分からない,通じていない,違和感があるということは言わないと,後の議論が進まない。挙げ足取りは良くないが,定義され共有されない言葉で議論するのは危険だということが言いたい。

 

内藤正明部会長

  一部の学者が書いて納得しているのではいけないということは起草委員も十分認識している。その点についてはご安心いただきたい。 

 

(2) テーマ別討論「ボランティア」について

内藤正明部会長

  まず事務局から資料を説明していただく。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  ――(資料2「「ボランティア」の視点から新基本構想(グランドビジョン)を考える」について説明)――

 

内藤正明部会長

  それではご説明いただいた資料をもとにして議論していきたい。

 

笹谷委員

  市民活動支援センターやボランティアセンターなどの3つの施設は,相互にどういう関係にあってどう調整し,いつごろできるのか。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  ボランティアセンターは,平成9年に策定した福祉ボランティア振興計画に基づき開設するもので,福祉を略してボランティアセンターと呼んでいる。

  市民活動支援センターは情報発信や市民参加の呼び掛けを行う拠点施設で,福祉や国際交流,青少年活動など分野ごとにボランティアの拠点施設があるが,市民のボランティア活動への関心が多様化しており,さまざまな分野の情報が得られる総合的な窓口になる。

  施設としては,今までなかった福祉ボランティアのセンターと総合的窓口となる総合支援センターを一体化させ,さらに民生局の高齢者支援施設「市民すこやかセンター」とも一体化した整備を考えている。現在基本設計段階で,平成12年度着工,14年度完成を目指している。

 

笹谷委員

  NPO支援はどこまで考えているのか。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  NPOの許認可等は法的には京都府が窓口になる。まだ申請件数は少ないと聞いている。京都市としては,収益事業を行わないものについては,法人住民税(均等割)を減免することとしているが,その他に具体的にどのような支援ができるかは,市民活動支援センターの運用の中で,それぞれの団体の意見も聴きながら考えていきたい。

 

笹谷委員

  NPOに対するアンケート調査はしているのか。資料を見ると,個々の市民に対してどのような支援をすべきかは分かってきているが,NPOに共通する悩みについてはどうか。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  「ボランティア活動等市民活動推進のための調査報告書」では,企業のボランティア活動や学生の団体等も含め把握しているかぎりのボランティア活動を行っている団体に対してアンケート調査を行った。NPO法の規定より幅広い団体が入っている。

 

須藤委員

  ボランティアの定義は何か。少年野球のコーチはボランティアか。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  福祉や社会奉仕がボランティアの出発点だが,近年は営利を目的としない自発的意志に基づく社会貢献活動と定義されている。野球のコーチも特定のグループのための活動という側面を見ればボランティア活動とは言えないが,地域の青少年の健全育成活動という側面では広い意味での社会貢献活動になる。

 

須藤委員

  阪神大震災で被災した親戚を引き受けたのはボランティアか。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  行政の支援対象としては,営利や宗教活動を目的としないという一定の枠内でボランティアを定義している。

 

内藤正明部会長

  親族を引き受ける場合はボランティアとは言えないように思うが,専門家の意見はどうか。

 

田尾委員

  NPO法案で定義されるボランティア組織は一部分にすぎない。ボランタリー組織には自助的組織とサービス提供組織の2つがあるが,行政はサービス提供組織をボランタリー団体と認定し,自助的団体を排除する傾向にあり,NPO法案がそれをはっきり方向付けた。これからの高齢化社会を考えると行政は自助的組織を視野に入れるべきだ。

 

浅岡委員

  NPO法に則るか否かは別にして,幅広く市民の活動ととらえるべきだ。団体として政策形成にかかわる活動がこれからの市民参加のためには必要だが,それに近い部分を政府はNPO法案で削ろうとした。

  サービス提供では福祉や災害時の援助などがあるが,これからの京都市の行政では,政策形成過程に参加し遂行する役割を担う市民活動が重要だ。必ずしも無償である必要はなく,市民活動をボランタリーに行う団体ととらえるべきだ。事務局の説明ではそのあたりをごちゃごちゃにしていくつかのセンターをつくろうとしているようだ。市民活動支援センターは設計に入っているというが,どこにどんなものをつくろうとしているのか。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  元菊浜小学校の跡地に計画している。何もかもごちゃごちゃというわけではなく,1つの建物の中にいくつかの機能を入れるが,それぞれの役割はきちんとしたうえで,同一場所で相互の連携が図れるようにしたい。

 

浅岡委員

  エコロジーセンターでも環境保全活動を支援する役割を入れるかどうか議論があるが,全然別の形でそれも包摂する活動支援センターが動いているのは理解しがたい。局が違うのかもしれないが,どんな部分をどう連携させようとしているのか,どんな規模なのかを知らせていただかないと,今後それをどう使っていいのか分からない。ボランティアというより「参加」といったほうがよいのではないか。

 

須藤委員

  参加しないとボランティアでないのか。金銭的支援をした場合はボランティアでないのか。阪神大震災の際1億円の寄付を集めたがボランティアとして認定してもらえなかった。

 

浅岡委員

  ボランティアは非常に幅広い概念で,お金を出すのも参加の1つの形だが,行政の枠の中では扱いにくい。多様な参加の仕方があるのに,その一部分を政府や行政が法律の枠の中で規定しようとしている。

 

須藤委員

  ボランティア活動の中に寄付も入れるべきだ。

 

石田委員

  情報が豊富な時代に,ボランティアをしない理由で「情報不足」がいちばんに挙がっているのはおかしい。ボランティアの経験で「防災」「環境」「芸術文化」の数値が高いが,これはどういう統計なのか。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  市政モニター調査,市民3万人アンケート調査からそれぞれピックアップしたものだ。

 

内藤正明部会長

  ボランティアが幅広い概念だということは分かったが,グランドビジョンの中ではある程度範囲を限定したほうがいいのではないか。

 

笹谷委員

  市民団体も一種の経営と考えれば,人や金,情報をどう集めるか,活動場所や設備をどう確保するかという経営資源の配分の問題になる。そういう目で整理すればいいのではないか。

  連携をどう図っていくか,参加をどう推進していくかが大きな課題だ。区レベルの話だが,川崎市の宮前区では市民が区づくりプランや実働組織をつくり上げている。横浜市の金沢区では,里山を管理するグループや河川愛護団体などが連携し,共同作業所の身体障害者や地元の漁民を巻き込んで,川を掃除しながら筏を流したりする活動をしているが,そういう連携が区レベルの総合計画をつくって5,6年で花開いた。

  行政の担当者に聞くと,1つには,総合計画の立案にかかわった学者のゼミの影響が大きかったそうだ。もう1つは総合計画をつくる過程で役所の中にインフォーマルな横断的なグループができ,役所の支援体制ができた。また,ひととおり開発が終わり,新旧住民の意識の違いにも一段落ついたという地域の状況もあった。

  西京区は市民団体が少なく,その育成シナリオを書きたいということでワークショップを始めているが,全市的にも工夫が必要だ。団体同士をうまくつなげる手法として,大規模なワークショップをしてはどうか。デンマークのシナリオ・ワークショップや英国のフューチャー・サーチなど,ヨーロッパでは総合計画の立案をワークショップでやっている。専門家と市民のパネルがいるシナリオ・ワークショップとか方法はある。そういう参加の方法も検討すべきだ。これを機に参加の中からNPOが育っていくシナリオが描けないか。

 

浅岡委員

  アンケート調査については分野別に分けるのでなく,何をボランティア活動と考えているのかを整理,分析すれば問題が整理され,ボランティアの余地のある活動が抜けていることにも気付く。企画立案や施策決定プロセスへの参加,遂行プロセスで地域ができることや点検作業などいくつかの段階に多様な形でかかわれる。かかわり方は一定ではない。また,人,物,金,情報がなければ動けない。それらを整理して市民活動をとらえるべきだ。

 

内藤正明部会長

  ボランティアという項目の立て方については固定的なものととらえなくてもいいのか。

 

事務局(前葉政策企画室参事)

  この資料はボランティアの視点からグランドビジョンを考えるもので,「環境・市民生活」にかかわる分野の1つの切り口として材料を提示しているだけであり,こういう柱を基本計画で立てるかどうかについては,論点を整理した後で意見を賜りたい。

 

内藤正明部会長

  ボランティアを「参加」に変えたほうがいいのかどうか難しい。

 

仲尾委員

  各区レベルに下ろさないと市民の問題は見えてこない。そういう点では,菊浜小学校跡地に1つ施設をつくるだけでなく,各行政区ごとにボランティアの活動拠点になる場所をつくるべきだ。そういう将来展望を織り込まないと,国際交流会館と同じことになる。

  「国際交流」という分野はいらない。市民レベルの交流に「国際交流」という言葉を持ち出すこと自体が間違いだ。外国籍市民が増え,京都も多文化社会になっているが,「国際交流」と言うと通訳か日本語教育かという狭い意味になる。在日一世が福祉についての知識を持たず,制度があることも知らないとか,新しい外国籍市民が自助的な住民組織や行政システムに入っていない状況があり,そこにボランティアの活動する余地がある。それは国際交流をはるかに超えている。

  京都の社会は多文化社会であり,いろんな文化を背負った人が市民として暮らしていて,ホスト社会として日本人がそれにどうかかわるかというところまで目を広げないと,このアンケート調査のようにボランティア経験も少なく,今後やることが分からないことになる。情報不足は,外国人にも日本人にもそういう問題があることが分かっていないところに問題がある。分野別の「国際交流」はやめ,「多文化交流」とか「多文化共生」という言葉に変えたほうがいい。

 

田尾委員

  「ボランティア」を「市民参加」に変えるのは問題だ。「市民参加」からは自助的な集団が抜けてしまい,違う意味での偏りを感じる。  NPOという言葉はよく使われるが,法案が施行されるにしたがってこれからその中身が見えてくる。NPO法に従って申請した団体は少ないと聞いている。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  現時点において府内で3件ということだ。

 

田尾委員

  そんな状況では将来NPOという言葉は使われなくなる。

 

笹谷委員

  「市民参加」と「コミュニティ」という2つの言葉を使えばいい。  市民参加という言葉は,市民活動に行政も市民として参加するという意味を含んでいる。「パブリック・インボルブメント」という言葉になるのかどうか分からないが,公的活動に行政も企業も普通の市民も参加する。

  コミュニティを日本語に訳すのは難しい。地方分権を進めていくと,行政から市民団体に,市役所から区役所や町内会,コミュニティに権限を渡すことになる。災害に強いまちづくりなどを進めていくときにも,コミュニティという範ちゅうで考えればいいのではないか。

 

内藤正明部会長

  今出ている「ボランティア」「コミュニティ」「市民参加」などは切り口が全部異なる。同じ活動でも切り方によってコミュニティ的なものが見えたり,自発的なものや社会貢献的なものが見えたりする。代償関係になっているわけでもない。項目立てについては継続して議論していきたい。

  本日の議論をできるかぎり整理して起草委員会に報告したい。今回議論できなかった「消防・防災」については次回のテーマとしたい。

 

事務局(前葉政策企画室参事)

  次回は「消防・防災」とあらかじめ予定していた「人権」「仕事・くらし」「青少年・スポーツ」のうち1テーマ,第5回は残りの2テーマ,その次に「環境・エネルギー」という日程で進めていただくことを事務局から提案したい。

 

笹谷委員

  市民サイドできょうとNPOセンターなどができているので,そういう現場の人たちの意見も反映させていただきたい。

 

内藤正明部会長

  テーマごとの意見聴取の可能性を事務局で探っていただきたい。

 

事務局(高木企画監)

  NPOにかかわらず,部会として特に必要ということであれば,意見聴取をしていただくことは不可能ではないが,日程的にその分余計に部会を開催していただくことになる。

 

内藤正明部会長

  部会の場ではなく,担当でヒアリングをしてほしいということか。

 

笹谷委員

  我々が議論しただけでは決められない。例えばNPOという言葉は使うべきでないと言われるが,現場担当者がどう考えているのかを踏まえないと判断できない。ボランティアという言葉にしても同様だ。

 

田尾委員

  ボランティア団体にはいろんな人が集まっており,百人聞けば百の意見が出てくるので,収拾がつかなくなってしまう。問題はボランタリーな組織に対して行政がどう対応するかだけで,行政にしっかりしてほしい。行政がまだまだ意見を持っていないように感じる。

 

笹谷委員

  市民団体が集まりきょうとNPOセンターを市民主導で発足させ, 社会福祉会館を拠点に,NPOの基盤強化,企業や行政とのパート ナーシップの拠点を目指し活動している。そういう独自性の芽は支 援したい。

 

事務局(高木企画監)

  グランドビジョンや新基本計画にかかわることを部会で立案するのに必要であれば,部会として調査活動をし,この場でご議論いただきたい。

  ボランティアにかかわる行政を進めていくうえで必要だというご提案であれば,日常の行政の中でボランティア団体の意見に留意して行政を進めていきたい。

 

内藤正明部会長

  行政としてそういった団体との接点は持っているのか。改めて意見を聞かなくてもいいだけの情報を持っておられるのか。

 

事務局(永岡プロジェクト推進室長)

  ボランティアセンター等の計画を進める中で関連団体の意見聴取はしていきたい。ボランティア活動推進のための基本方針の策定段階でもボランティア活動に携わっている方々の意見をお聴きしている。新たにつくる市民活動支援センターについてもハード,ソフトとも関係者のご意見を十分反映したい。

 

内藤正明部会長

  最小限の情報収集は行政がしているようだが,笹谷委員が個人的に意見聴取し,部会にご報告いただくことはお願いできないか。

 

笹谷委員

  事務局と相談のうえ引き受けてもいい。

 

内藤正明部会長

  笹谷委員のフィルターを通じて,部会にぜひ伝えたいことがあればご報告いただくことにしたい。

  本日の議論は以上で終わりたいが,事務局から何かあるか。

 

事務局(高木企画監)

  最初にご議論いただいた新基本構想の考え方については,他部会でも意見をいただいており,中には対立するものもある。起草委員会でそれを整理して,それぞれに納得いただけるよううまく書き込んでいただくようにしたい。次回の審議会に提出いただくのは本日とは形が異なるものになると思う。

 

内藤正明部会長

  それでは,これで閉会としたい。

 

 

3 閉 会

 

 

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