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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第6回 教育・人づくり部会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第6回 教育・人づくり部会

日 時 : 平成11年6月30日(水) 午後2時30分~4時30分

 

場 所 : 都ホテル「山城の間」

 

議 事 : 京都市基本構想(第1次案)について

 

出席者 : 

梶田 真章(法然院貫主)

◎金井 秀子(京都教育大学名誉教授,京都文教短期大学児童教育学科教授) 

川阪 宏子(市民公募委員) 

北川 龍市(京都市日本保育協会会長,京都市社会福祉協議会会長) 

佐々 満郎(京都府私立中・高等学校長会事務局長) 

佐々木博邦(市民公募委員)

○シュペネマン・クラウス(同志社大学文学部教授) 

八田 英二(大学コンソーシアム京都理事長) 

韓  銀順(京都市生涯学習総合センター講師) 

福田 義明(京都市私立幼稚園協会副会長)                               

 

以上10名 

◎…部会長     (50音順/敬称略) 

○…副部会長     

 

 

1 開会

金井部会長

  第6回「教育・人づくり」部会を開催させていただく。

  本日はご欠席だが,人事異動のためNHK京都放送局長の高月委員に替わり,後任の山本壮太氏が当部会の委員として就任されたことをご報告しておく。

 

 

2 議事

○ 京都市基本構想(第1次案)について

金井部会長

  本日は起草委員会で取りまとめた「京都市基本構想(第1次案)」についてご審議いただく。

  これまでの部会での基本構想に関しての意見を取りまとめたものを資料2として配布している。全部会の意見を整理し,文案としてまとめたものが今回の第1次案であり,当部会の意見が十分盛り込まれているかどうか,あるいは,まだ指摘していない点があればご指摘いただきたい。その際,どこをどう直すべきか,どこに追加すればいいかを含めてご意見をいただきたい。

  本日出たご意見についてはそれをどう考えるかについて討論し,そのうえで起草委員会に当部会として意見を出したい。基本構想に盛り込むことのできる事項には限界があり,具体的な施策のアイデアについては,基本計画に関する意見として取りまとめ,次回にご議論いただき,今後の基本計画に関する部会の審議に生かしたい。

  なお,新基本構想を要約した素案を『市民しんぶん』で公表し,市民からのパブリックコメントを募集している。

  最初に第1次案作成の経緯や内容について簡単に説明したい。全体は3章立てで,起草委員会で細かい語句に至るまでの検討を経て出来上がった第1次案であり,皆さんの忌憚のないご意見をうかがいたい。

  まず,前文についてお気づきの点があればご指摘いただきたい。

 

梶田委員

  昭和53年に「世界文化自由都市宣言」があり,昭和58年に「京都市基本構想」が策定されて今日に至っているが,それが最初の理念どおりに着実に推進されてきたのかどうかの評価がされないまま,さらに新しい基本構想をつくることになっているのが気になる。具体的な表現は難しいが,21世紀のグランドビジョンを策定するに当たって,これまで京都市の行ってきたことに対する評価がされていないのはおかしいのではないか。

 

佐々木委員

  前文が基本構想全体の中でどう位置づけられるのか。『市民しんぶん』の素案では短縮されており,これを見ても実際にどう書かれるのか分からない。やはり,総括をした後に21世紀のグランドビジョンはこうするという書き方をしたほうがいい。前の構想から25年たったので新しい基本構想が出るのであって,同じものが内容を少し変えて出ているように市民には受け取られる。良いことは良い,悪いことは悪いと整理して,市民に成果を示したうえで21世紀に向けて次の25年をこうしたいというように,市民が1つのコンセンサスのもとに結集できるような前文を掲げるべきだ。

  当初からキーワードということを盛んに言われているが,この前文にはキーワードがない。私自身個人的に文章化を試みており,文案化がたいへん難しい作業だということは十分承知している。

 

八田委員

  キーワードということでは,これまでは「世界文化自由都市」や「文化首都」「平成の京づくり」といった副題があった。今回もキャッチフレーズがあったほうが分かりやすい。本文中には「「たくみ」の文化」といったキーワードがあるが,前文にも基本構想全体が何を目指すのか,どういう都市を目指すのかが分かるキーワードやキャッチフレーズがあるほうがいい。

 

金井部会長

  ひとつひとつ評価するのは難しい。前文では歴史的流れを踏まえたうえで,これからということが書かれている。

 

シュペネマン副部会長

  起草委員会でももともと前文にキャッチフレーズやスローガンを入れるべきだという意見があった。それに対してキャッチフレーズがあると大雑把な話になるのではないかという意見が出て,少しドライな形で今までのいきさつを書くことになった。

 

金井部会長

  こういう経過を踏まえて2025年に向かってこういう目標を持つということ,2025年に何が必要かということが次に書いてあるというように,この前文を解釈していただければと思う。

  それでは,続いて第1章についてご意見をいただきたい。

 

梶田委員

  「自然との共生」という表現があるが,「自然」という言葉を日本人が曖昧に使い過ぎているせいで色々な面で変な方向になっているのではないかと思う。「自然との共生」という表現をすると,人間は自然の外側にいるという意味になり,自然を狭い意味で使うことになる。21世紀は「自然の一部としての人間」という意識で生きていかなければならない。人間の周りのもの全体を「自然」という枠で表現するのは難しい。国語辞典を見ると「人間を含めた宇宙全体」「人間以外の周りの環境」「人間と生き物以外のうつわ,山や川」という3つの意味が書かれているが,「人間と自然との共生」と言うと,人間は自然の外側で勝手に生きていけばいいという意味にとられる。「周りの命との共生」とか「人間以外の他の生きものとの共生」といった意味を表現していただきたい。第2章第2節にも「自然との共生」という表現がある。日本ではこういう使い方をしているが,そのこと自体がおかしいので,何か適当な表現がないかと思う。

 

シュペネマン副部会長

  日本語では「自然との共生」と言うが,英語でもドイツ語でも意味のない言葉で,「living together with Nature」では意味をなさない。環境や周りの生きものという意味で「自然」という言葉を使っているが,人間と自然の関係はもっと複雑であり,外の世界という意味で「自然」を使うことはできない。

  もう1つ気になる表現は第1節のタイトルで,「文明の大きな転換期のなかで」と「文明」という言葉を使うことが適切なのかどうか。内容的には社会のことが書かれており,「時代」や「社会」なら意味が分かる。

 

佐々委員

  第1節に「人権,健康,福祉,安全,環境など,現在の市民生活にかかわる問題」とあるが,どうしてここに教育の問題が抜けているのか。生涯教育や子育て支援は市民生活にかかわる重要な問題だ。

 

金井部会長

  生涯教育については,第3章に「参加できるような人材を教育していく」と触れられている。市民が行政と手を携えて理想的な京都の社会をつくるとき,「めきき」等の才能を育てていくのは教育にほかならない。十分表現されていないかもしれないが,人づくりは大事なポイントになっている。

  第1章では第3節に「学校教育」という言葉が入っているが,第1節のこの部分に「生涯教育」や「教育」という言葉を入れたほうがいいということか。

 

事務局(前葉政策企画室長)

  補足説明すると,第2章第2節との関連で「人権,健康,福祉,安全,環境」がこの部分であげられている。教育や人づくりについては,起草委員会での金井部会長のご発言を受けて,第2章第4節の「市民文化の成熟にはまた」以下の部分で,まちづくりを支え,担っていく人づくりについて書き込んではどうかということになった。

 

金井部会長

  第1章についてまとめると,ほかに「自然との共生」を「人間以外の生きものとの共生」など別の表現に変えたほうがいいというご意見があったが。

 

梶田委員

  「自然との共生」に替わる適当な表現があれば,「周りの命といかに調和して生きていくか」ということを表現していただきたいという趣旨だ。

 

シュペネマン副部会長

  もうひとつ付け加えると,第1節の最後の段落は言葉はきれいだが,内容的にこういうことが言えるのかどうか。「つくっていく」という言葉が「価値観」と「文化」にもかかっているが,価値観や文化をつくることはできない。英語に訳す場合,文化を「produce」「make」と表現すると笑われる。

 

金井部会長

  新しい価値観をつくろうという意気込みがあるのだと思うが,一応ご意見として承っておきたい。 

 

梶田委員

  「得意わざ」のところで,「わたしたち市民は…成熟した都市文化の形成をめざしてきた」が,現状は「大量消費,効率重視,過度の競争といった近代社会のあり方」に飲み込まれてしまっているという評価があって,「もう一度京都の本当の特性を思い出そうではないか」としたほうが分かりやすい。起草委員会の認識はそういうことであるなら,きちんと表現しておいたほうが,現状に危機感を持つという意味ではいいのではないか。

 

八田委員

  第3節に「大量消費,効率重視,過度の競争といった近代社会のあり方」とあるが,果たして「過度の競争」は近代社会のあり方と言えるのか。競争があったから効率が重視されてきたように思うが,起草委員会では何を念頭において「過度の」と表現したのか。「競争の重視」なら分かる。

 

金井部会長

  それでは,次に第2章についてご意見をうかがいたい。

 

佐々委員

  一市民としてこれを読むと,きれいに書かれ過ぎていて,知らぬ間に文章におぼれてしまう。特に気になったのは「安全と環境保全」のところで,阪神大震災の直後,地域で安全について真剣に討議したが,京都であのような地震が起これば中京や下京などはたいへんなことになる。これはあまりにもきれいに書かれ過ぎていて,安全の観点が弱い。

  最近ある高級料亭の横にマンションが建つことに文化人が反対しているが,安全と関連して京都のまちづくりをどうするのか,ここでは逃げたような書き方になっている。大規模な震災が起きたときどうするか,21世紀に向けたまちづくりのなかで真剣に考えなければならない。京都は非常に危険な都市だと思う。そういう意味で「安全と環境保全」というくくり方でなく,環境保全と切り離して安全について書く必要がある。

 

金井部会長

  もっと危機感のある文章にしたほうがいいというご意見か。

 

佐々委員

  2025年を目指してプランを立てるとき,下京や中京の住宅事情をどうするかは看過できない問題だ。安全対策をどうしていくか他の部会でも討議があったと思う。あまりにもあっさりと書かれているという印象だ。

 

川阪委員

  全体としてとても分かりやすく,漢字の使い方なども工夫されている。特に第2章は納得できる書き方になっており,人権や環境の視点が盛り込まれていることを評価したい。安全と環境も大事だが,高齢化や教育も含め,この(1)(2)(3)はどれも差し迫った大事な問題だ。安全を強調するのであれば,それによって他の部分の影が薄くならないよう配慮していただきたい。

  これまでも繰り返しこのようなビジョンを実現するためには高い人間的教養を持った人材の育成が必須であることを提言してきたが,第1次案には十分にそれが反映されていないという印象を持った。もう少し人材育成が大切だとはっきり提言したほうがいいのではないか。

 

金井部会長

  第4節の「人物の育成」を「人材の育成」にするということか。

 

梶田委員

  ここは「材」という表現を避けるために,あえて「人物」という言葉を使っているのではないか。この部分でもいいものを持っているということが書かれているが,第1章の「得意わざ」のところで「十分に発揮できていない」というように現状認識としては遠慮した書き方がされている。「全然発揮できていない」というようにもっとはっきり書いたほうがいい。「いいものを持っているのだから一緒にがんばろう」というように,市民を元気づけ,その気にさせる表現にしたほうがいい。

 

北川龍市委員

  文章の表現がこうなるのは仕方がないのかもしれないが,あまりにもきれいに書かれている。次に何を市民が求めるのかもう少し具体的な表現がほしい。「緑豊かな自然環境が都心のすぐそばにあり,ここに住むひと,訪れたひとが非常に深い精神的充足をもって時間を過ごすことができる」と美しい字句が並んでいるが,それは京都全体に当てはまるわけではない。例えば,鴨川や桂川を考えても上流と下流で違いがある。まち全体の環境をどう整備していくのか。答申としては突っ込んだ表現はしにくいが,2025年に向かってここをこう変えていかなければならない,一緒に環境を良くしていこうということを市民に訴えてはどうか。

  もう1つは安全の面で中京,下京の住宅密集地には問題がある。21世紀に向けてのまちの姿はこうあるべきだという将来展望,全市で洛西のような,自然と調和した,人が住みやすいまちづくりをするという展望を示してほしい。

 

金井部会長

  書くとすれば,第2節の「安全と環境保全」のところか。

 

北川龍市委員

  便利さを追求するあまり,自ら将来の環境を破壊し,それに気づいたときにはもう遅いという今日の状況があり,それを21世紀に修正していこうという展望を示すことができればと思う。

 

金井部会長

  中京,下京の住宅の密集の問題については,第1節の「住む人が美しいまち」に入ると思うが,具体的にどう書き加えればいいのか。

 

北川龍市委員

  建築基準が変わり,中京区でも三階建住宅が建てられるようになったのはひとつの前進だと思うが,まだまだ安全とは言えない。もっと思い切って空間の都市計画を考えたほうがいいのではないか。社会福祉協議会は桂坂で「ふれあい洛西センター」を運営しているが,桂坂の住環境はすばらしい。あのような住環境整備を京都市の将来展望として考えるべきだ。西部地域にはそうした住環境整備のできるスペースがある。

  また,京都市は公園が政令指令都市の中で最も少ないが,住環境整備と関連して緑地公園をつくることも重要だ。そうした新たな都市づくりを計画として立てるべきだ。人が住まないとまちはつぶれてしまう。

  何もかもというわけにはいかないので,何を重点に整備していくか,将来展望はこうしていくというプランを立てていただきたい。事務局はどう考えるか。

 

事務局(前葉政策企画室長)

  第3節に住宅や公園緑地の問題を含め,居住環境の整備などの基盤整備が必要だということが書かれているが,当部会で人づくりや教育環境との関係で二世帯住宅や居住環境が話題になっていたことを踏まえて,起草委員会でこの部分が書き加えられた経緯がある。もう少し表現を書き込むべきという趣旨であれば,それを起草委員会に伝えていただけばいいのではないか。

 

北川龍市委員

  非常に一般的な書き方になっているが,もっと具体的に上京や中京の住環境をどうするかということまで書き込めないのか。

 

事務局(前葉政策企画室長)

  基本計画のレベルでどういう具体的施策を打っていくかという話であり,その糸口となる表現を基本構想に書き込んでおくことが適当だと思う。表現を精査する形でご議論いただきたい。

 

北川龍市委員

  「必要となる」ということだけではなく,どの辺りを整備し良質な住宅や公園を確保するか,より具体的な表現をしてほしい。

 

金井部会長

  基本構想はこうあるべきだ,こういうことが必要だということを示すものであり,これを受けて京都市が安全な住宅や緑地公園をどこにつくるかといった行動計画を立てることになる。基本構想にひとこと書き込むことによって,具体的なことは新しいまちづくりの行動計画の中に盛り込まれていくことになる。あまり具体的なことを書くと,たくさんのことを書かなければならなくなり,意見の対立も出てくる。「良質な住宅」という言葉には安全など幅広い内容が含まれている。

 

韓委員

  住宅の話がなぜ「産業の振興」の部分に書かれているのか分からない。川端通から河原町通の後姿を見ると,雑然としていて見られることを意識していないように思う。保全か開発かは難しい問題だが,京都人の培ってきたすばらしい文化を京都人自身が分かっていないのではないか。新しいものを取り入れることがすてきなことだという意識が先行して,古いものを保全する意識が欠けている。一般の住宅にも保全すべきものがあるが,それがなぜ産業に付属する形で書かれるのか。むしろ「安全と環境保全」の部分に加えるほうが自然ではないか。

  京都市は世界文化自由都市宣言をしたことにたいへんプライドを持っているように感じる。人にかかわる問題を語るとき最初に「人権」という言葉が出てくるが,言葉がひとり歩きしているように感じる。第2章第1節の「長期滞在者」という言葉が外国からビジネスで京都に来ている人を示しているのか,どういう場合を表現しているのかよく分からないが,オールドカマーまで含めて「外国人」とひとくくりにしているように感じる。在日韓国・朝鮮人のような帰るところのない外国籍の市民もいる。このように外国人と長期滞在者をセットにすると誤解を招くのではないか。

  「人権の尊重」の部分の市民の定義も曖昧だ。第3章第2節にも「外国人や長期滞在者まで含めてこのまちに住むひとの意見を十分に訊(き)き」とあるが,外国人が意見を訊く対象にとどまっているように感じる。日本にしか住めない外国人の場合,交流や意見を訊くだけでは不十分で,市政への参加ができなければひとりの人間として生きていけない。外国人の記述を明確にしていただきたい。

 

金井部会長

  明確にするにはどのようにすればいいか。 

 

韓委員

  外国人と長期滞在者がセットで出てくるところでは,「外国人」という言葉はいらない。日本からの長期滞在者はいない。「外国からの長期滞在者」や「長期に滞在する人」で十分だ。今の書き方では,オールドカマーもひとくくりにして理解される恐れがある。

 

梶田委員

  「長期滞在者」には日本人も含まれているのではないか。

 

事務局(前葉政策企画室長)

  学生なども含めて「長期滞在者」と表現されている。外国籍の方でも「市民」に含まれている場合もある。この「外国人」が市民である外国人と市民でない外国人の両方を含めて読めるようになっているので,今のような疑問が出てくるように思う。当部会から起草委員会に投げ返していただいてはどうか。

 

韓委員

  京都に仕事で来ている日本人は税金を納めていたりするので,市民と言える。「長期滞在者」が具体的に学生なのであれば,「学生」という言葉にすればいい。その場合,学生は市民になるのかどうか。

 

事務局(前葉政策企画室長)

  市内に住所,すなわち生活の本拠を有していれば市民ということになる。「長期滞在者」には幅広く色々なケースが想定されているが,確かに分かりにくい表現かもしれない。

 

北川龍市委員

  「長期滞在者」はなくてもいい。「外国人」だけでいい。

 

事務局(前葉政策企画室長)

  この部分の表現については,本日の当部会でのご議論を踏まえ起草委員会で検討していただいてはどうか。

 

金井部会長

  第2章については,ほかに「産業の振興」のところに書かれている住宅の問題を「安全と環境保全」に盛り込むほうがいいというご意見があったことを起草委員会に報告したい。  続いて,第3章の議論に移りたい。

 

佐々木委員

  この章がいちばんインパクトが強かった。第1節で,これから地方分権が進むと,市財政がこれまで以上に厳しい制限を受けることになり,「そうした制約を行政サービスの制限というかたちでではなく乗り越えるためには…」と書かれているが,市政への市民の参加と行政サービスの低下を一緒にするのはおかしい。まず行政が人員削減などの行政改革をすることを明確にすべきだ。「市政の負担をともにみずからも引き受けるという市民の自覚なしに市政参加はありえない」の部分も脅しのように取れるし,「市民による市政参加とそれを支える行政の日々の努力のなかでこそ」と書かれると支えているのは行政だということをほのめかしているように受け取れる。当初から繰り返し言われている「市民と行政との厚い信頼関係に基づいたパートナーシップの構築」が表現されているとは思えない。

  基本構想は市民に対するアピールであると同時に,行政の関係者がこれを目標に施策の立案や計画の実行をしていくものだ。総花的でない順位付けを持った明確な構想の提示が必要であるなら,この部分にもう少し具体的な目標や施策を盛り込むべきだ。行政改革や人員・コストの削減はここまでやる,規制緩和や情報公開はここまでやるというように行政がどこまで努力をするかを示したうえで,市民に一緒にやっていこうと提示されれば,市民もがんばろうという気になるのではないか。

  京都の「得意わざ」と言われるものを今の京都の人はほとんど持っていない。現実を見ると,「得意わざ」を21世紀の新しい創造に役立たせるだけのバックグラウンドがあるとは思えない。行政サイドでこれだけの規制緩和等をしていくのでこういう展望が開けるということを示し,それに対して市民が夢を描けるようにしたほうが一般市民の協力や理解を得られるのではないか。痛みを伴わないと単なるきれいな文章で終わってしまう。文章については個人的に対案を提出したい。

  誰も経験したことがないことが世界で同時に起こっている時代には,全く新しい価値観や考え方で対処しないと乗り越えられないことがたくさんある。もう10年するともっと恐ろしいことが起こる予感がする。次の時代を切り開いていくのは今の子供たちだが,今の子供には「たくみ」などの「京都の得意わざ」はないが,教えれば興味を持つ子供も多い。社会改革のためには意識改革が必要で,自分たちで選択し次の時代をつくっていけるように,いろんな情報を子供の頃から与えていくシステムがないと,京都の培ってきたものは引き継がれていかない。京都は教育に力を入れるということをグランドビジョンの中にぜひ盛り込んでいただきたい。

 

北川龍市委員

  市民も行政の財政状況や行政改革の取組を理解している。府会議員,市会議員の定数が多過ぎる。政令指定都市の場合は市会議員が府会議員を兼任すればいいのではないか。

  また,これからの市民参加を考えるとき,行政のあり方として,各区の区長を公選で選び,区の行政に市民が協力しそれを市の行政に反映していくことを考えるべきだ。

 

福田委員

  人間関係や環境教育など,これをビジョンとして,このビジョンに近づけるための実施していく手立てが大切であり,それほど文言にこだわる必要はないのではないか。非常に良く練られた案だと思う。この案と素案との関係が不明確であるが,パブリックコメントで市民の意見を求めることにも,この構想の広がりやおもしろさがあるように思う。

 

佐々委員

  地方分権が進み小さな政府になると言われているが,地方に仕事だけ与えて予算は与えないのでは地方分権とは言えない。基本構想は市民の夢を語る場であり,「これからますます厳しい制約を受けることになる」ということをここで簡単に認めてはいけない。「地方がますます仕事ができるよう,予算がもっと地方に来ることを望む」という表現にすべきだ。今は公共事業をほとんどは国がやっているが,そういうシステムを変えることも必要だ。京都市民としては地方がやりたいことができる財政基盤を求めていきたい。

 

金井部会長

  第3章第1節の「国から地方への税財源の移譲が進まないと」以下の部分だが,書き換えるとすればどう書き換えればいいのか。

 

佐々委員

  国から地方へ税財源の移譲を進めてもらわなければならない。地方分権を言うからには「国から地方への税財源の移譲が進むなかで」というようにして,それを実現させるような時代を2025年にはつくっていくべきでは。 

 

金井部会長

  そうすると,以下の文章との整合性がなくなる。

 

佐々委員

  「国から地方への税財源の移譲が進むように」「市の財政がこれまで以上に厳しい制約を受けることがないように」とすればいいのではないか。

 

金井部会長

  「市民の積極的分担と協力」の部分とうまくつながらない。ここに「分担と協力」という表現があるので次の文章の展開がある。 

 

梶田委員

  京都の市民は動かない人は動かない。動こうかどうしようかと迷っている人が動こうという気になるようにアピールする文章でなければならないが,その際にここまで書かなくてもいいという意見とこう書いたほうが協力していただけるという意見がある。微妙な問題で,どう表現しても反対する人がいると思う。起草委員会で検討していただいてはどうか。

 

金井部会長

  今のご意見は報告し,文章については起草委員会に一任したい。

 

事務局(前葉政策企画室長)

  ご質問があった点を中心に事務局より補足的にご説明する。区レベルでの分権が重要だという議論は第3節で触れられているが,表現について起草委員会でさらにご検討いただくことが適当ではないか。起草委員会では税財源の移譲について,国から地方への分権では仕事に見合うような財源が地方に移譲されるべきだということと,人口が少なくなると国税も地方税も減ることから,今と同じ行政サービスが供給できるかどうかということと,2つの議論がされた。それを重ねて表現されているので誤解を招いているように思う。この部分についても起草委員会でさらに検討していただいてはどうか。また,その部分に行政のスリム化や市政改革についての表現があってしかるべきではないかというご意見があったことを起草委員会にご報告いただきたい。

  パブリックコメントと第1次案との関係についてのお尋ねもあった。ひとりでも多くの市民の皆さんに基本構想に関心を持っていただこうということで,パブリックコメントでは素案を示していただいた。文案については部会でのご議論を受けて,起草委員会でさらに第2次案を作成していただくが,その際,市民の皆さんからのパブリックコメントも参考にしていただくことになる。

 

金井部会長

  本日いただいたご意見については,パブリックコメントの意見も参考に起草委員会で再検討し,次回第2次案をこの部会で検討していただく。

  最後にどうしても言っておきたいことがあればご発言いただきたい。

 

韓委員

  子供たちのことを第1章第4節に付け加えてほしい。独特の「「めきき」の文化」等を子供たちに受け継がせるという意味を込めて,未来の子供たちを描く部分がほしい。

 

金井部会長

  細かい語句の修正も含めお気づきの点があれば,7月2日までにコメントを事務局にFAXでお寄せいただきたい。それらのご意見の扱いについては部会長に一任していただきたい。

  それでは本日はこれで閉会としたい。

 

 

3 閉 会

 

 

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