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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第1回 福祉・保健部会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第1回 福祉・保健部会

日 時 : 平成10年10月27日(火) 午後3時~5時

場 所 : 京都ロイヤルホテル「麗峰の間」


出席者 :

乾   亨(右京区基本計画策定懇談会座長,立命館大学産業社会学部教授)
北村よしえ(京都市精神障害者家族会連絡協議会会長)
玄武 淑子(京都市老人クラブ連合会会長)
小林 達弥(市民公募委員)
竹下 義樹(京都市身体障害者団体連合会副会長)
中原 俊隆(京都大学大学院医学研究科教授)
◎浜岡 政好(佛教大学社会学部教授)
浜田きよ子(高齢生活研究所代表)
宮下れい子(市民公募委員)
森田 久男(北区基本計画策定懇談会座長,元佛教大学教授)  
渡邊 能行(京都府立医科大学付属脳・血管系老化研究センター教授)
薦田 守弘(京都市副市長)
                              

以上12名

◎…部会長     (50音順/敬称略)

 


1 開 会

 

 

2 部会長あいさつ
浜岡部会長
 第1回福祉・保健部会を開催させていただく。第1回審議会総会で,会長より福祉・保健部会長に指名された。よろしくお願いしたい。
 また,本日の部会は公開とし,報道関係者の席を設けるとともに,市民の方々にも傍聴いただいているので,ご了承いただきたい。
 本日は第1回でもあり,最初にお1人ずつ自己紹介をお願いしたい。

 

 

3 委員紹介
浜岡部会長
 京都市の高齢者調査を手がけてきた関係もあって,この審議会に参加させていただいている。


渡邊委員
 京都府立医科大学付属脳・血管系老化研究センター社会学人文科学部門に所属している。公衆衛生学,特に疫学を専門にしている。十数年前に京都府の保健所長をしていた。京都市では介護保険の委員もしている。健康都市構想の検討委員会の委員もさせていただいた。


森田委員
 北区の基本計画策定懇談会の座長を務めている。2年前まで佛教大学で社会福祉を研究していた。


宮下委員
 市民公募で選ばれた。双子の子供の1人が障害を持ち,また現在義母が痴呆になっている。下の子供が学校でいじめに遇っていることもあり,教育の部会にも入りたかった。知的障害者の相談員をしている。


浜田委員
 西陣にある高齢生活研究所で,十数年前から福祉用具の試用貸出,介護に関する相談をしている。厚生省の指定法人の福祉用具のアセスメント・マニュアル作成にかかわっているが,使う側にとっての使いやすさにこだわって,地域の方の意見を聞きながら介護や福祉について考えている。


小林委員
 市民公募で選ばれた。一市民がこのような場で話す機会を与えられて感謝している。本業は販売促進・企画で,案内状やDMの仕事をしている。河原町三条のサクセス・ビジョンの運営の手伝いもしている。
 アートテックまちなみ協議会という,京都のベンチャー企業の技術を京都の町並みやまちづくりにどう反映していくか協議している団体のお手伝いをする過程で,まちづくりに興味を持つようになったが,市民がまちづくりに無関心であり,行政に任せ放しで,問題のあるときだけ批判するという姿勢が問題ではないかと考えるようになった。この審議会に期待したい。


玄武委員
 京都市老人クラブ連合会の会長をしている。京都市老人クラブ連合会は高齢者団体としては大きな団体で,現在会員は7万6千人いる。奉仕,友愛,健康の3つを核に,地域に役立つ活動と自己を高める自分の幸せのための活動という2路線で活動している。


北村よしえ委員
 京都市精神障害者家族会連絡協議会は平成4年に結成された。精神障害に関しては鉄格子と鍵のかかった扉の中での治療が主だったが,昭和62年に初めて地域医療という厚生省の方針が出され,関係者の努力で協議会が結成された。当事者と家族が市民の支援や理解をいただきながら,共に生きていける社会をめざしている。
 21世紀は心の時代と言われる。昭和62年には 150万人だった心を病む人が現在は 217万人,統計に表れない人も含めるとその10倍20倍も心を病む人がいる社会になってきた。京都が京都らしく,歴史のまち,観光のまちであるならば,人にやさしい思いやりのあるまちでなければならないと思う。心を病む人への理解はそこから始まる。


乾委員
 右京区基本計画策定懇談会の座長を務めている関係でこの審議会に名を連ねている。住民参加のまちづくり,パートナーシップ型のまちづくりということで,いろいろ京都市のお手伝いをさせていただいている。建築,都市計画が専門で,畑違いのように思われるが,まちづくりの現場にいると,まちづくりは福祉とは切っても切れない関係になっていることが分かる。神戸の震災後,「防災福祉」というキーワードが語られ始め,高齢者や障害者がそのまちで生きることを地域や市が支え,そこに1人ひとりの暮らしがあるということが,まちづくりそのものだという気がする。そういった立場から発言したい。


中原委員
 京都大学の医学部の公衆衛生学の教授が肩書きだが,公衆衛生学とは医学を社会的に運用していくというのがクラシカルな定義で,発展段階に応じて社会の変化に応じて変化していく宿命を背負っており,今は福祉との連携や介護を視野に入れた医療システムが学問の対象になっている。常に新しいことを勉強していかなければならないので,この審議会でも勉強させていただきたい。


浜岡部会長
 本日欠席の委員については,次回以降に自己紹介をお願いしたい。なお,北川龍彦委員からは南区ふれあい事業実行委員会,南区自治会連合会等会議が重なるため欠席する,本日の部会についてはお任せするという文書が部会長宛てに届いている。

 

 

4 議事
(1) 副部会長の指名
浜岡部会長
 審議会条例施行規則第1条第2項で部会長が副部会長を指名することになっている。
 副部会長は,渡邊委員にお願いしたい。これからこの体制で進めさせていただくのでよろしくお願いしたい。


(2) 基本構想の視点,枠組み,キーワード,理念等について
浜岡部会長
 2番目の議題に移りたい。第1回審議会総会を欠席された委員もおられるので,再度確認の意味で,最初に事務局からグランドビジョン策定についてご説明いただき,その後意見交換ということにしたい。


事務局(人見政策企画室長)
 (「21世紀・京都のグランドビジョン」の策定についての説明)


浜岡部会長
 それでは意見交換に移りたい。全体としては5つの部会に分かれて議論を進める形をとっているが,本日は第1回でもあり,必ずしも保健と福祉に限らず,基本構想全体について幅広くご意見をいただきたい。この部会のテーマである福祉・保健にかかわる具体的問題は,次回以降に詳しく議論していただくことになっている。
 とりあえず全員に何らかの形でご発言いただき,議論をつめるべきところについてはさらに議論を深めることにしたい。


森田委員
 社会福祉には国の施策にかかわる部分が非常に多く,その中で京都市がどういう独自の将来構想を描いていくのか。限界も考えなければならないし,他方で政令指定都市でもこういうことができるということを,提起し議論していくことにも意味があると思う。


宮下委員
 京都はよそから帰ってきたときほっとするまちだと思う。京都には歴史的な名所がたくさんあるが,町家に宿泊できて伝統的工芸を教えてもらえるというようなことができればいいと思う。また観光客のために,バスを次々乗り換えて史跡をまわれるようなシステムや,多国語によるガイド,知的障害者のためにもなる絵文字の表示があるといいと思う。
 現在西京区に住んでいるのだが,非常に交通の便が悪い。キリンビールの工場跡地にJRの駅や駐車場をつくれば市内の移動が便利になると思う。


浜田委員
 日本全体が高齢社会を迎える中で,これまでの拡大・発展していく社会から,循環や継続性,科学技術に対する技(ワザ)といった,私たちがこれまで超えてきたと思っているものを改めて取り戻す時代になってきていて,それが経済的不況とも重なっているような気がする。
 逆に言えば,高齢社会は非常な危機感をもって語られるが,高齢社会が暗いものでなく,私たちが超えてきたはずのものを改めて見直す中に,何か乗り越えていけるものが含まれているような気がする。今は高齢者が「介護」という言葉で語られているが,どんな障害を持った人でも,1人ひとりの生きる形は見出せるはずだ。
 そういう考え方から循環型社会や技などと絡んで,何かが見えるのではないか。効率を考える社会とは違った社会を語らなければならないという必然性が,不況と高齢化が重なったところに見えてくるのではないか。


中原委員
 最初に経歴が学者でないことを説明しておきたい。大学を卒業した後厚生省に入り,20数年間にわたり厚生行政に携わり,その間山梨県の保健予防課長や鹿児島の衛生部長を経験し,その後国立公衆衛生院を経て現職に至った。鹿児島県で当時つくった構想がやっと今,実を結びつつあるが,こういう基本構想というものには忍耐が必要で,逆に言えばじわじわと効いてくるところがある。
 どうしても大きな国全体のシステムから発想してしまうが,京都市は政令指定都市であり,住民の声を直接反映できる。府県というのは国と市町村の中継団体で,そこで施策を打ち出すのは難しい。財政難だと言っていてもその気になれば金は出てくるものだ。
 保健医療福祉は国全体の中で虐げられてきたが,高度経済成長を経て国も次第に福祉に力を注ぐようになり,高齢化が問題になるとともにクローズアップされてきた。一方で福祉は金を食う。京都市といえども国全体のシステムを超えたことはできないが,その中でどう工夫するかが問題になる。大きなシステムの中でも地域の実情に応じて味を付けていくことはできる。
 現在保健所行政が全国的に見直される情勢にあるが,京都市の保健所は活力があり,非常に市民に近いところにある。これは全国的にも珍しいことだ。市民に行政に対し手を抜かせない土壌があると思う。
 今回のグランドビジョンも基本的な部分は市がきちんと押さえておかないと,絵に描いたモチになってしまう。 10年20年後にこの構想を花開かせるためには,市の職員がその気にならないと実現しない。日本はこれまでの中央集権から地方分権の方向に進もうとしている。市の職員に自分たちがやるのだという気概を持って,萎縮しないで取り組んでほしい。

 

浜岡部会長
 竹下委員が来られたので,簡単に自己紹介をお願いしたい。


竹下委員
 本業は弁護士だが,仕事を通して本当に住みよいまちづくりを考えたときに,当事者の声が反映され,当事者が自分たちのまちを自分たちでつくったという自信を持てる進め方ができればいいと感じている。


小林委員
 事務局の説明にあったようにやはり選択が必要だと思う。しかし,簡単に答えは出ない。答えを出すためにする作業,現状分析にもっと重点を置くべきではないか。マーケティング分野では企業を分析するときに「SWOT分析」をすることがある。Sは強み,Wは弱点,Oは機会,Tは脅威で,これを京都に当てはめて,何が京都の長所であり,また短所であるのか,世界的な環境の中で京都にどういう機会があるのか,どういう脅威に立たされているのか。そういう論議を進めていく過程で自ずと答えが出てくればいいのではないか。
 市民の意見にも,明快なほうへ,分かりやすいほうへという声が多かった。「分かりやすさ」はこれからのキーワードになるのではないか。特に京都は中途半端にあいまいに避けてきたところが多い。そういう部分にチャレンジし,はっきり分かりやすいことを提言していくことがこれからは必要ではないか。


玄武委員
 梅原猛氏の著書に「京都は日本文化の冷凍庫」という表現があるが,京都には世界的なすばらしい文化遺産が多数散在し,美しい自然環境の山紫水明の都市,人々の心を癒し明日への鋭気を養ってくれる砂漠のオアシスのような都市だと思う。京都を日本人の心のふるさと,世界の人類が憧れる平和文化自由都市として再構築することが,いちばんに考えられなければならない。
 京都は高齢化が進んでいる。昔から歳をとったら京都で住みたいという声を聞いてきたが,調和のとれた豊かな長寿社会の実現をめざすとき,思いやりやいたわりの心を育てる福祉の風土づくりが大事だと思う。世界の人が憧れる京都に豊かな高齢化社会ができればすばらしい。そのために福祉施策をしっかりとして,心と施策の両面から福祉都市京都をつくり上げていきたい。
 現在老人クラブ連合会の中で相互支援活動を行っている。これは元気な高齢者が弱った高齢者をいたわり励まし,生きがいを与える事業で,訪問する側も訪問することが病気の予防になり,訪問される側も訪問を待ちかねている。そういう小さなスケールの運動が京都市全体に広がっていけば,元気な人が増え,医療費もかからずにすむ社会になるのではないか。
 まずは文化都市と福祉都市の2つが夢だ。


北村よしえ委員
 京都生まれではなく,京都がすばらしい歴史文化都市であることに憧れて,20代に京都に来た。京都の人は表面上はきれいでやさしいが,実際はプライドが高く,したたかで入りこみにくいところがある。京都が世界に冠たる文化・歴史都市であることは間違いない。御所を中心に寺社仏閣があり,道路の整備されたすばらしい中心部を持っている。他方で私の住んでいる山科区や西京区,伏見区といった周辺部には都市化の活力が感じられ,新興住宅地には都心部とはまったく違う雰囲気がある。そういう意味で21世紀の京都には違った発展が望まれるのではないかと思う。
 中原委員から保健所の話が出たが,現在は保健所が精神医療にも力を入れており,保健所なくして精神保健はなりたたないと感じるほどだ。精神保健については,やっと3年前に精神障害者が福祉手帳がもらえるようになったばかりで,施設の整備も遅れている。そういう点では京都市に心の健康増進センターができたことは,心を病む人と家族にとって非常に喜ばしいことだ。
 外国から京都に憧れて大勢の人が来ているが,どんなきれいな風景があり立派な名所旧跡があっても,やはり住む人の心のやさしさがいちばん大切だ。人の心も文化程度の高い,教養高い市民の住むまちだと思ってもらえるようなまちが理想だと思う。そういう意味で心の問題はこれからだと思う。


乾委員
 設計からスタートして,住民参加で住まいやまちをつくる支援をしてきた。プランナー的にローカルな中で暮らしやすさをつくる立場で今でも活動している。昨年から神戸の長田区の間野地区で復興まちづくり支援として高齢者の調査をしている。間野地区は高齢者支援を地域の力で行うなど自立するまちの見本のように言われるが,間野地区のお年寄りを支える高齢者福祉の仕組を,1人のお年寄りが機嫌良く暮らせるのはなぜかという視点から見ると,地域活動や,近所の人や友人,家族などいろいろなものがお年寄りを支えている仕組が見えてくると同時に,銭湯や喫茶店が近くにある住み慣れたまちの形が見えてくる。町工場をどう存続させるか,なじみの友人たちを外へ出さないためにはどうするかといったいろいろな問題とも絡んでいることが分かる。
 コレクティブ・ハウスは,多家族がリビングやダイニングを共有し,場所だけでなく生活のある部分を出し合いながら共に暮らす住宅だが,それを拡張した「コレクティブ・タウン」がキーワードたりうるのではないか。支う合う人がいて場所がある,機嫌良く暮らせるまちという意味だ。基本方針の中にそういう方向性が見出せればと思う。それを見出すためのブレークダウンしたキーワードが3つある。1つめは「地域ごと」という感覚で,1人ひとりの市民がどうなのかというチェックが大事だ。また,地域の違いを大事にしなければならない。学区のあたりまで視点を降ろしていくスタンスが必要ではないか。2つめは「縦割りではない」ということで,この審議会でもできれば2つの部会のバトルをいくつかの組合せで考えてほしい。例えば防災と福祉とまちづくりはセットで考えなければ手の出しようがない。3つめは「住民参加」で,指摘しておきたいのは,大切な財産である京都の地域の力を生かすべきだということ,アクションプラン的なものが大切だということだ。いろんな都市で都市計画策定の報告書が作られているが,ほこりをかぶって眠っているものも多い。固定化されたビジョンの共有も大事だが,市民の活動を支える活動を並行して始める必要がある。言ったら行政に届く,動き出したら支えてくれる,そういう雰囲気づくり,プロセスづくりが重要になると思う。グランドビジョンの中にも,そういったプロセスを生み出す仕組の提案があればいいと考えている。


渡邊副部会長
 「健康都市構想」もほこりをかぶっている報告書の1つだと思う。あの中に住民が参加するコミュニティ・インボルブメントの考え方や,縦割りではいけないというインター・セクショナル・コラボレーションという部門間協調の考え方も入っている。
 北川委員の意見書には熱い思いが書かれている。
 過去の京都市の様々な計画を見直して,それをベースに論議を進めていく視点が必要だ。 10年20年前に京都市が何を目指していたか,それが現在どうなっているかを見つめるべきだ。現在「21世紀の大阪府を考える委員会」の委員をしている。大阪府の財政状況はご存じのとおりで,きれいごとを書いても府民に受け入れられない。大阪府というパブリック・セクターが何をするのか,府民が何を分担するのか,府政の中身を議論する必要がある。京都市も同じで,財政が逼迫する中, 21世紀に向けて京都市は何をするのか,民間が何をするのか。行政の機構そのものについて論議しなければ,きれいごとを並べて集約しても絵に描いたモチにしかならない。あれもしたいこれもしたいということではだめだ。
 保健福祉はこれから必要とされる分野でもあり,必要な人に対していかに必要とされる施策を展開していくのか。意見を寄せてくれる市民の影にある声なき声をどうすくい上げるかを考えないと,市民が本当に納得できるものにならない。


薦田委員
 京都市はこれまで福祉の先進都市と言われていた。今ではどれだけの施策があるのか分からないほどの数の施策がある。福祉・保健はこれからの高齢化社会の中で行政がやらなければならない大きな柱だと思う。他方で,介護保険など行政や市民の負担も出てくる。行政のやるべきこと,市民に負担してもらわなければならないことの分別が必要というご意見があったが,それについては別に市政改革の懇談会を設けて討議している。 25年先がどうなっているかは誰にも見通せない。金がない,選択しなければならないというばかりでなく,この構想には夢の部分があってもいいのではないか。


竹下委員
 福祉を考えるとき,福祉を単独で考えるとゆがんだものになる。障害者は障害者として生活しているわけでなく,市民として生活していると考えれば答えは出てくる。
 2つめは,こういう基本構想を見ていると,文章として並ぶ項目が抽象的で具体的イメージが出てこないことが多い。市民が見てイメージできる基本構想にしたい。
 3つめに,ヨーロッパはなるほど障害者がまちに出ているが,他方で障害者が社会からとり残されているところもある。欧米を見習うのでなく,日本や京都の特徴を生かしたまちづくりを考えたい。例えば現状では観光地に障害者が入りこむのは負担が大きいが,観光を生かして,そこに障害者がどう参加していけるのかということを考えることで,京都ならではというところに近づけていければいいと思う。


浜岡部会長
 各委員からひととおり発言いただいた。この計画は25年先を見通す計画だが,浜田委員のご意見にあったように今後20年25年の間に社会の基本的あり方がどう変わっていくのか,このビジョンをつくるうえで重要な課題だと思う。浜田委員から,「高齢社会は負担の大きい厳しいイメージで語られるが,そうではないのではないか」という明るい21世紀前半のイメージが出たが,それに関して何か追加することがあればご発言いただきたい。
 もう1つは「京都らしい」ということでいくつか意見が出た。「京都にも東西南北個性があってひとくくりにはできない」というご意見もあった。どこがいちばんまちづくりのプランで生きてくるのかについて,何かご意見はないか。


浜田委員
 補足させていただくと,必ずしも高齢社会が明るいわけではない。言いたかったのは,「介護」という視点だけで語るべきではないということ,1人ひとりの主体に寄り添って考えると,「介護」だけでは語り切れない「生」があるということだ。具体的施策を考えても,大きな施設をつくってどんどん人や金を投入するのでない,民家を使ったボランタリーな形でのグループホーム的試みが行われているが,これは単なる具体的な施策の方法論ではなく,人をどうとらえるかという価値観の転換のような気がする。社会の変容の中で様々なキーワードを構築し直す過程で,新たな見え方,高齢社会が大変だと一口で語るだけではない考え方がありうるのではないかということだ。


浜岡部会長
 産業社会のイメージからすると,高齢化社会は停滞というマイナスのイメージでとらえられがちだが,成熟とか,新しい可能性を持った社会として見ることはできないかというご意見だと思う。


中原委員
 部会長にも残り時間でご意見をうかがいたい。


浜岡部会長
 特に付け加えることはないが,京都の個性,京都らしいという場合,京都がずっと日本の都市であり続け,都市として蓄積してきた文化や暮らし方の中に,今後日本の他都市でもアジアや世界に発信できるものが含まれているのではないか。京都は戦前戦後を通じていろんなものを発信し続けてきた。新しいものを取り入れ,古いものを残してきた。京都の特徴といった場合,このことを意識してはどうか。
 もう1つは,京都が工業都市,産業都市から少し違う方向へ変わりつつある気がするが,その点で京都の持つ文化性が生かしていけるのではないか。新しい都市の暮らし方のようなものが発信できればいいと思う。神戸のコレクティブ・タウンの話があったが,京都には西陣などいろんな形ですでに同様のものがある。そういったものを自覚化し,政策として磨き上げていけば,いいものができるのではないかと思う。
 どうしても言っておきたいことがあればご発言いただきたい。


宮下委員
 障害者の施設がいろいろできてきているが,施設の中だけで終わるのでなく,開かれたものにしてほしい。障害者が家族と共に楽しめる場所をつくってほしい。


乾委員
 共有できる唯一のキーワードは「住み続けられるまちをつくろう」ということではないか。京都らしさは大都市の中ではまだ定住性の良さを保ち続けているところにあるのではないか。住み続けるというのは簡単ではなく,住まいの問題や高齢で1人になったとき遠くの施設に移らなくてすむことも意味する。近所や愛着の問題,支え合い,産業振興の問題とも連動していると思う。


浜岡部会長
 ご欠席の北川(龍彦)委員から文書でご意見が出ているので簡単にご紹介したい。 (「今後の社会福祉のあり方について」「高齢者福祉について」「児童福祉について」「障害者福祉について」「ボランティアについて」「人権の尊重について」「市民の目線に立ったグランドビジョンづくり」の紹介) 次回ご出席いただいたときにさらに詳しいご意見が聞けると思う。
 本日出たご意見を整理させていただき,起草委員会の場に出させていただきたい。次回以降の部会では1983年の基本構想後の施策がどのように評価できるか, 21世紀に向けての課題は何かなどについて,テーマごとに議論していきたい。
 当部会では「高齢者福祉」「障害者福祉」「社会福祉」「保健医療」というテーマを,3回くらいに分けて議論していきたい。最初は「高齢者福祉」から始めたいと考えているので,よろしくお願いしたい。
 なお,次回以降も原則として公開ということにさせていただく。

 

 

5 閉会

 

 

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