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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第3回 文化・観光・産業部会

ページ番号35835

2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第3回 文化・観光・産業部会

日 時 : 平成11年1月13日(水) 午前10時~12時

 

場 所 : 京都ロイヤルホテル「青雲の間」

 

議 事 :

(1) 「新基本構想の基本的考え方(案)」について     

(2) テーマ別討論「観光」について

 

出席者 : 

市田ひろみ(服飾研究家) 

川原 陸郎(京都みやこ信用金庫会長) 

竹村 寿子(市民公募委員)

○橋爪 紳也(伏見区基本計画策定懇談会座長,京都精華大学人文学部助教授) 

古川 敏一(京都府中小企業団体中央会会長) 

溝川 幸雄(京都府農業会議副会長) 

三谷  章(市民公募委員) 

村井 康彦(上京区基本計画策定懇談会座長,京都市歴史資料館館長) 

森谷 尅久(東山区基本計画策定懇談会座長,武庫川女子大学生活環境学部教授)

◎吉田 和男(京都大学大学院経済学研究科教授) 

増田 優一(京都市副市長)                               

 

以上11名 

◎…部会長     (50音順/敬称略) 

○…副部会長

 

 

1 開 会

吉田部会長

  第3回「文化・観光・産業部会」を開会させていただく。

 

 

2 議 事

(1) 「新基本構想の基本的考え方(案)」について

吉田部会長

  第3回起草委員会で新基本構想の考え方について検討が行われ,起草委員会としての案が示されたので,これを最初の議題としたい。部会で意見を伺い第4回の起草委員会で修正していくことになる。

  最初に私から資料1について説明する。「1 新基本構想策定への思い」,「2 新基本構想策定に当たっての留意点」にあるような考え方で基本構想をつくっていくこと,「3 新基本構想の枠組み」の構成についてはすでに第2回までの起草委員会で確認されており,第3回起草委員会で「4 新基本構想の骨格」に列挙されているような事項を書き込んではどうかというところまで議論が進んでいる。本日各委員からご意見をいただき,第4回起草委員会で内容を整理し,2月3日の審議会に提出する予定である。

  資料1のP.2~5に書かれている内容への意見や,このような観点からのポイントも織り込んではどうかといったコメントをいただきたい。事務局に資料を読んでいただく。

 

事務局(寺井政策企画室担当課長)

   ――(資料1「新基本構想の基本的考え方(案)」 の「4 新基本構想の骨格」部分を朗読)――

 

吉田部会長

  最初の案では「都市」という表現が多かったが,「都市」か「まち」かという論議があって,比較的「まち」のウエイトが高くなったように思う。

 

村井康彦委員

  満点の答案で,書かれている内容については文句のつけようがない。基本構想では細かなことまで必要はないが,次はこの考え方を受け,「都市のすがた」を実現するには何をすべきかを考えていかなければならない。個別分野で基本構想を考える委員会ができるようでは困る。 

 

吉田部会長

   構想は理念で計画が実行の仕組みということになる。ご指摘のように,構想から計画にどう結びつくかが分かりやすくなるようにしたい。

 

森谷委員

  P.5の「市民的公共性」をもう少し強調して,「市民がつくる京都のまち」をむしろ「市民的公共性の確立のために」というようにしてはどうか。今それが問題になっていて,様々な衝突が起きている。自治宣言をつくるなど自治については京都は先進的地域。もう少し市民的公共性とは何かを考える必要がある。

 

市田委員

   内容的にはすべてを網羅していると思う。「成熟社会,都市の気品」に心をひかれた。他都市と比べ歴史や伝統があるのが京都であり,都市の気品こそ京都の特徴だ。若い人と対話していると,京都の人はいけずだとか,京都は何となく気を使わなければならないところだと思われているようだ。「くわだての文化」というのは面白いが,21世紀になったとき我々が何を企ててこの会を終わったかを問われるとすれば,具体性がもう少しあったほうがいいのではないか。「成熟都市,都市の気品」で,京都人の気質の温かさとか控えめなところに言及して,そういう良い気質を次世代に伝えていく必要があるということを書いてほしい。

 

三谷委員

   21世紀は多文化主義の時代になると思うが,京都はそういう面でかなり遅れている。多文化主義への京都の対応がいかにあるべきかについての言及がほしい。

 

吉田部会長

   入れるとすればどこに入れればいいか。

 

三谷委員

   「21世紀の新しい価値体系をつくっていく」云々の後あたりにひと言でも入れていただきたい。

 

吉田部会長

  「世界文化との共生」という感じだろうか。

 

古川委員

  経済的発展の基盤をどこに持つのかについて触れられていない。自由都市から自由貿易都市にもっていくとか,もう少し経済的発展の方策がなければならないのではないか。

 

吉田部会長

  基本構想というものはだいたい文化中心に書かれているものだが,生活は経済が支えているのが現実なのだから,経済についてももう少し書いてほしい。

 

古川委員

  京都には伝統産業もあれば近代工業もあるのだから,特色ある産業機構を強調してほしい。

   「癒しの文化」とは具体的にどういうことかもう少し説明がほしい。

 

市田委員

  「元気大賞」の応募作品にも,京都に行って癒されたという内容のものが非常に多かった。

 

吉田部会長

  「癒しの文化」は柱なので,もうひとことほしい。柱ということでは,経済の柱が1つしかないのは寂しい。

 

森谷委員

  産業については入れる場所が問題だ。「支え合うまち」に入れるのか,「豊かなまち」に入れるのか。

 

川原委員

  「市民の選択とその実施」のところで,「大都市では」という一般論でなく,「京都では」不十分とはっきり問題提起したほうがいい。

 

市田委員

  「成熟社会,都市の気品」のところで,歴史と文化を踏まえての都市の気品であるという意味で,「この都市」を「この歴史文化都市に」としてはどうか。

 

吉田部会長

  昨日できたのではないということだ。

 

橋爪副部会長

  「市民がつくる京都のまち」という項目を強く打ち出したのが画期的だ。「都市」か「まち」かという話とも関連して,まちづくりとか「市民がつくるまち」というように,やたら「つくり」たがっているが,少子化等を考えると,これからはまちを守っていくとか,育てるといった,今までなかったものをつくるのではない,まちに対するアプローチを出すと,最後の市民参加が生きてくる。

 

吉田部会長

  「つくる」には計画的雰囲気,「育てる」には自生的雰囲気がある。行政のつくるものはどうしても計画的なものになりがちだが,自治的なみんなで育てていくようなところを強調したほうがいい。

 

竹村委員

  経済的基盤があってこそ,この立派な基本構想は生きてくる。市の経済基盤がしっかりしていないと市民が行政とまちづくりをするにしても予算がつかない。経済という枠を新たに設けて,京都の経済的発展がどうあるべきかという経済の基本構想が必要ではないか。

 

吉田部会長

  やはり経済をどうするかについての書き込みが少し足りない。

 

溝川委員

  京都の場合守りの姿勢に終始していて,過去の財産を引きずっているような印象だ。未来の都市づくりをどうしていくかがぼやけている。過去の財産を守っていくのも大切だが,この限られた地域の枠組みの中で将来いかにまちづくりをしていくか,もっと具体性がほしい。全体的には異存はない。

 

吉田部会長

  都市の発展の原動力は経済であり,牽引していく力を柱として立てるのも1つの方法だ。起草委員会では経済についての考えは弱かったので次回に圧力をかけたい。

 

森谷委員

  「豊かなまち」は抽象的かもしれない。「くわだて」という言葉は企画という意味で使われているが,陰謀のような悪い印象がある。いい言葉を工夫してほしい。

 

吉田部会長

  他に何かあれば事務局にご連絡いただきたい。

 

(2) テーマ別討論「観光」について

吉田部会長

  最初に事務局に資料説明をお願いしたい。

 

事務局(西口産業観光局長)

   ――(資料2「「観光」の視点から新基本構想(グランドビジョン)を考える」に基づき説明)――

 

吉田部会長

  今後の課題,行政の取組への評価等ご意見を賜りたい。

 

三谷委員

  奥嵯峨に住んでいるが,案内板や標識が非常に分かりにくい。中には逆方向を示している石標もある。そういう状況が20年間一向に改善されず,どこへ苦情を言っていいかも分からない。一度観光部の方に見に行っていただきたい。

  息の長さが必要な仕事もあるが,早くやらなければ意味のない仕事もある。観光道路は電線の地下化が進みつつあるが,電話線が処置されても電柱は残っていたりして,観光客にも意味がなく,地元にも迷惑なだけという結果に終わっている。計画は意地でもやり遂げるのでなく,見直して必要ないことはやめる勇気を持ってほしい。

  『都市研究・京都』(第10号)の佐伯順子氏の論文に,自動車の規制など京都の観光をうまく進めていく際に必要と思われることはすべて書かれている。このとおり実行していただきたい。

 

森谷委員

  この資料にはお金に関するデータがない。観光客1人当たりどれだけお金を使っているかの統計がほしい。1つは観光産業の問題で,観光は生涯学習であり行動文化であるという位置付けをきちんとして,観光客に1人当たりどれだけお金を落としてもらうかの目標値の設定が必要だ。ショッピングが楽しめるかどうかのイメージ評価が28.8%というようなことではだめだ。

  もう1つは観光行政の新資源を開発することで,今の社寺中心の観光では限界がある。上・中・下・東山の都心部を歩く観光を考えてはどうか。そのためには町内ごとに駒札を各通りに立てるなどして,通りを縦横に歩いてもらうことが重要になる。また,町家を見せるなど市民に協力してもらうネットワークをつくる必要がある。すでに持っているものを利用することを本気で考え,それを構想に織り込むべきだ。

  また,地元住民の迷惑の問題との兼ね合いをどう考えるかも観光を推進するうえでは重要で,駐車場の問題なども考慮しなければならない。

 

村井康彦委員

  データを見ると京都の観光客は一定の数量を保っているが,日本人全体の観光を考えると,モータリゼーションの中で移動範囲が広がり,府県単位の案内書類もたくさん出ているなど,データで確かめることはできないが,観光地は確実に拡大しており,この数字は日本人全体の観光からすれば京都観光の低下を示していると考えたほうがいい。

  観光客の内訳を見ると,西国は少なく東国が多いという歴史的に見てもうなずける数字が出ているが,これは京都の観光政策のありようを示唆する数字ではないか。

  高度経済成長期にはディスカバー・ジャパンということで小京都がクローズアップされ,都会的でないものとしてもてはやされたが,今はより田舎へ,地方へという方向が出てきている。それに京都はどう対応していくのか。1つは特化する方法がある。カルチャーセンターでも最近では概論でなく特殊講義でないと通用しなくなっているが,観光地もある意味で特殊講義になっていく必要がある。そのバリエーションの中に社寺だけでなくまちなかへとか,映画村のようなものを考える。もう1つは複合化で,京都は複合文化の都市であり,いろいろなものを組み合わせていくことが考えられる。

 

吉田部会長

  案内板の不備についてどこに言えばいいのか,経済分析をしているのか,まちなかを歩く観光をつくれないか,観光公害をどうするのか,観光客数の維持はしているがシェアダウンではないか等々の質問に対して,市から答えられることはあるか。

 

事務局(島田産業観光局観光部長)

  案内板については「平成の道しるべ」と銘打ち,本格的に観光図板等を整備している。不十分なところについては調べて改善したい。

  経済効果については,外から観光に来た人が実際に使った金額のデータをとっており,平均すると日帰りで6千円,宿泊で3万円使っている。宿泊費,土産代等の分析もしている。13%という数値は消費額ではなく,京都で観光に携わっている25業種の売上高を調べ,観光産業の付加価値額の市内総生産に占める割合を出したもので,それを30%にしたいということだ。オフシーズンに集中的に企画・宣伝する,宿泊観光の魅力をつくるなど,具体的施策に取り組んでいきたい。

  まちなか観光ということでは,冬の賑わいとして石畳の道を歩く観光や世界遺産のスタンプラリーなど,新しい観点から企画・提案している。宣伝についても,この秋にはおこしやす京都委員会や関連業界がこぞって東京で宣伝してきた。

  観光と市民生活との調和はたいへん重要で,お客さんをどうもてなすか,また来たいと言うお客さんをどう増やすか,おこしやす京都委員会で知恵をいただきながら進めていきたい。

 

橋爪副部会長

  今まで観光は民間の仕事で,行政や公共が深く関与してこなかった。韓国のように大統領がテレビCMで観光キャンペーンをすることは日本では考えられなかったが、ここ数年で考え方がかなり変わってきている。日本や世界から大勢の人が京都に集まってくることを前提に考えることで,これからのまちのありようは変わってくる。従来のやり方では現状13%の観光産業を10年で30%にすることはできない。

  基本構想の中でも,単なる産業振興の1分野でなく,これからのまちのあり方として,世界中から人が集まってくるような都市,それが世界都市であり,自由都市であり,シティ・オブ・ザ・シティズだということを書いてほしい。京都に住まう人向けのメッセージという以上に,世界から人が集まってくるような基本構想になればと思う。

  知人が障害者の新婚旅行のビジネスを始めたが,日本には障害者が2人だけで新婚旅行に行けるまちはない。オーストラリアやニュージーランド,南フランスなどには車椅子の2人だけで安全に新婚旅行ができるまちがある。観光産業に直接結びつくわけでないが,京都は配慮のある安全なところだとPRできる。

  産業振興の分野以外でも,行政の施策の中で世界中から京都に来てもらうための画期的施策を打ち立てていくべきだ。アメリカのオーランドなど外国の都市では車椅子の老夫婦などが多数ゆっくり滞在しているのが見られるが,日本にはそういう観光地はない。京都はそういうことをめざしてもいい。

  ニューヨークのブロードウェイは治安が悪かったが,観光が基幹産業であるという市の方針から,夜も安全で楽しい場所にまちそのものをつくり変えた。住んでいる人のためではなく,外から来る人のための特化した施策が計画の中に組み込まれたからそれができた。京都が目指す都市の理念の中に,産業振興だけでなく,より上位の項目で観光あるいはそれに類する,住んでいる人だけでなく,世界中から来た人が安全で快適で楽しく過ごせる京都のまちを強く打ち出してほしい。

 

川原委員

  月別観光客数の平準化の話があったが,全体の観光客を増やす点でも観光産業として知恵をしぼる必要がある。京都には多くの文化財がある。修学旅行生やシルバー層など観光客をセグメントすることと平準化を合わせて考えてみてはどうか。修学旅行で観光シーズンをはずす工夫をしている学校があるが,地元側の工夫が足らない。観光における中華思想を排し,汗を流して京都のいい所を見てもらう気持ちがほしい。

  舩橋市長時代にマイカー観光お断りということをやったが,実行するためにはパーク・アンド・ライドのようなシステムが必要だった。市の行政に頼るより市民の努力が大切だ。高速道路も反対運動が起こっているが,市政を支える地元の熱意がまず必要ではないか。

  目新しくはないが,京都府下や滋賀県とのタイアップなど,広域の観光を平準化と合わせた構想をつくるべきだ。例えば,夏の観光でも琵琶湖などウォーターフロントとセットにする。伏見港など地元にもウォーターフロントはある。伏見は商店街の活性化に取り組んでいるが,御香宮などの観光スポットを商店街の来客に結び付けたいということで,商工会議所や市,府,通産省などの協力を得て事業を進めている。市民1人ひとりの立ち上がりが何よりも大事だと思う。

  もう1つは,市民の政治力によって京都にサミットを誘致したい。そういうことも合わせて平準化でパイを増やすことができる。今までの歴史的経過を反省して,サミットなどを実現することで自信や勢いが出てくるのではないか。

 

竹村委員

  修学旅行生は神社仏閣をまわっているが,歴史が嫌いな子供もいる。修学旅行生が京都の伝統産業の工房でものづくりを体験できるようにすれば,伝統産業の若手育成や市民の協力にもつながる。「おこしやす京都」という意識を市民1人ひとりが持ち,ソフト面を大切にしなければならない。

  若い人向けには神社仏閣や伝統産業だけでなく,任天堂やロームを見学するとか,南のほうに球場をつくってそれを見に行くことを考える。シアター1200も大事な観光資源で,それを将来どう活用するかも重要だ。若い人が集まるようにしないと,老人が増えて静かなまちで終わってしまうのはもったいない。

  東南アジアからの観光客向けにはファッションなどに将来性があるのではないか。本物の技術や文化・学問を学べるようにお膳立てを考えなければならない。

 

村井康彦委員

  修学旅行生のタクシー観光は,観光公害を緩和するためなのだろうが,教師の責任放棄だと思う。体験観光は最近の傾向だが,伝統工芸の一端に触れさせるためには,行政が折衝して,積極的にメニューをつくるべきだ。修学旅行生をいかに増やすかは長い目で見ると大切だ。そのあたりで行政の出番がもう少しあってもいい。

  案内板については,必ず分かりやすい地図を入れてほしい。

 

三谷委員

  修学旅行生は歴史的知識がなく,史跡の意味も知らない。稚内では市職員が観光案内をしているが,産業誘致と同じで,観光についても市職員が京都の文化財の説明をするくらいのサービスをすべきだ。京都にはそういう活動が欠けている。修学旅行生が何も分からず帰っていくのは残念だ。次の客を増やすためには今すぐそういうアクションを起すべきだ。

 

橋爪副部会長

  観光担当の人が分かっていても動くことができないのは,行政の中での観光の役割,観光分野において行政の果たすべき役割がこれまであまりなかったからだ。年間4千万の観光客が来ているということは,平均1日10万人の観光客が京都にいることになる。15人に1人は観光客なのに,行政の観光客向けのサービスの割合は15分の1よりはるかに低い。シンガポールやホンコンは政府に数十人,数百人の専従スタッフがいて,年間数十億,数百億という予算を持って観光行政をしている。諸外国では税金の一部が観光行政に回る仕組みがあるのでそういうことが可能なのだと思うが,日本の場合人員も予算も少ない。

 長期ビジョンで見れば,観光をまちの基幹産業とするためには,観光において行政が何をするのか,地方税制で観光に重点的財源がつくれないなら,京都が先導して日本の税制にもの申す程度の心意気を持ってほしい。

  エコツアー型の修学旅行とか,従来型でない新しいタイプの修学旅行を提案していくなど,従来の日本の観光とはまったく違う観光を提案できる体制を行政の中でつくっていくべきだ。   

 

市田委員

  市内交通と八条口へのアクセスについて質問したい。河原町通を南下して八条口に行く地下道はいつ完成するのか。塩小路通の東側も工事中だが,どうなるのか。また,高島屋の駐車場待ちの車の問題についても何とかならないのか。寺町通の二条から丸太町にかけては不法駐車がひどいが,その対策はどうなっているのか。

 

増田委員

  河原町から八条口に抜けるアンダーパスについては昨年切り替えをして現在整備中で,1,2年後には完成予定である。駅へのアクセスと関連して,京都駅の北口広場は今年の夏には完成するし,南口についてもダブルデッキ化等の整備を検討している。京都駅前はバブル期に荒れた状態になっているので,それを整理したい。

  行政としても,これからは観光を基幹産業に据えて,従来の観光の枠にとらわれずやっていきたい。入洛客数の問題もあるが,観光客を迎え入れ,楽しんで帰ってもらうだけでなく,京都の物産展の各地での開催や,CS京都チャンネルの開設など,関連産業全体の振興策も含めて観光問題に取り組んでおり,関係職員も少なくない。

  市としては高齢者や修学旅行生など特定の人をターゲットにするのでなく,広い年齢層,広い価値観を持つすべての人に喜んでいただける観光振興策を総合的に考えていきたい。メリハリがないように思われるかもしれないが,京都は複合文化都市であり,地方の1村1品のようなわけにはいかないので,総合的観光行政を進めていきたい。

  京都高速道路は現在着実に工事が進んでいる。新十条通から南下する部分については高架で,都心に入ってくる部分については地下化で計画を推進している。

 

事務局(人見政策企画室長)

  不法駐車の問題については,都心部などで,交通指導員により週何日か見回りと撤去指導を警察の協力を得ながら行っているが,難しいのが現状である。

 

吉田部会長

  総合的観光行政ではだめだ。どういうポイントで進めるかを議論していかなければならない。村井委員のご意見にあったように概論でなく特論にどう対処していくか。概論を知っているから関心を持つのだが,市の案内には知りたいことが書いていない。インターネットなどの情報網が発達するのは知りたいことが分かるからだ。あらゆる人に対応しようとすると,知りたいことだけが分からないものになる。これだけ価値観が多様化すると,何かに特化していかなければならない。

  財政の問題でも,アメリカのコンベンション・シティなどではホテルの部屋に税金をかけているが,そういったことが決断できなければ何も進まない。コンベンションの数はもとに戻っているが,ウエイトは落ちている。能力に問題があるわけで,それを解決するにはお金が必要だ。受益者に課税することを納得してもらう,市民とのパートナーシップの中でも負担ということは避けられない話だと思う。本日の討議に基づきさらに議論をしていきたい。

  次回の部会開催は3月の予定で,テーマは高度情報化を予定している。

 

事務局(西口観光産業局長)

  本日の議論の中ですぐ実行できそうなこともあるので,それには即対応したい。将来的課題についても認識はしているつもりだ。

  出版物も含め,各論で専門化しマニアックになってきているあたりまでマス媒体で情報提供していかなければならないのか,ビギナー向けの広報をマス媒体でもっとしていく必要があるのかというところでジレンマを抱えている。

  関西テレビが京都チャンネルを開設したが,行政としても24時間放映に対応できる体制をとっていきたい。

 

吉田部会長

  それでは次回もよろしくお願いしたい。

 

 

3 閉 会

 

 

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