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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第12回 文化・観光・産業部会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第12回 文化・観光・産業部会

日 時 : 平成12年11月14日(火) 午前10時30分~12時30分

 

場 所 : ホテルフジタ京都「比叡の間」

 

議 事 :

(1) 京都市基本計画第2次案について     

(2) その他

 

出席者 : 

伊住 政和(裏千家今日庵常務理事,京都市ユースボランティア21顧門) 

内田 昌一(京都市中央卸売市場協会会長) 

竹村 寿子(市民公募委員) 

中村 弘子(千家十職塗師十二代中村宗哲)

○橋爪 紳也(伏見区基本計画策定懇談会座長,大阪市立大学文学部助教授) 

古川 敏一(京都府中小企業団体中央会名誉会長) 

三谷  章(市民公募委員) 

森谷 尅久(東山区基本計画策定懇談会座長,武庫川女子大学生活環境学部教授) 

山上  徹(同志社女子大学現代社会学部教授)

◎吉田 和男(京都大学大学院経済学研究科教授)                               

 

以上10名

◎…部会長     (50音順/敬称略)

○…副部会長

 

 

1 開 会

吉田部会長

  第12回「文化・観光・産業」部会を開会させていただく。

 

 

2 議 事

(1) 京都市基本計画第2次案について

吉田部会長

  本日ご議論いただく第2次案は,総会や文書でのご意見を参考に調整委員会で第1次案を修正したものである。調整委員会では先般京都市から発表された「市政改革大綱(案)」で示された行財政の方針にも配慮して検討を行った。

  第1次案からの変更点のポイントの一つは交通体系に関する記述で,特に高速道路計画について分かるような記述がいるとの意見があった。第2次案では自動車に過度に依存しない「歩くまち」の考え方に基づき基盤整備を進めるという書き方がされている。もう一つは,複数の部会から若者に向けたメッセージがないという意見があった。若者に京都市に定住してもらい,次代を支えてもらわなければならない。第2次案では各章でその点にも配慮されている。

  それでは,当部会に関連した主な変更点に関して説明したい。 まず,第2章第1節では2(6)「文化財保護の推進」に「ウ 文化財の活用と情報発信」の項が追加されている。

  次に,第2章第2節1では「基本的方向」や(1)ア(ウ)等で,「「産学官」の「官」は本来国家に関する表現である」という意見に基づき,「産学官」をパブリックという意味での「公」を用いて「産学公」に変更している。また,「日常生活の中に伝統が浸透しない限り,伝統は継承されない」というご意見に基づき(2)ウ(イ)の記述を強化し,「中央市場の使命は市民に安全な生鮮食料品を安定的に供給することにある」というご意見に基づき(3)ウの記述を改めた。2では(1)カに食文化の体験,歩行者天国の実施についての記述を付け加えている。

  第2章第3節では,交通体系全体の構造が分かりにくいというご意見に基づき,2をこの計画の目玉とも言える「歩いて楽しいまちをつくる」という考え方に沿って修正した。また,3では高度情報化について陰の部分への対応を含め,記述を追加した。

  第3章については,市政改革の考え方に基づき記述を強化している。

  そのほか,各章の最初に「数字で見る2010年の市民のくらしとまち」として数値目標を示している。また,新規性などのある事業については,重点事項とそうでない事項の選び方の問題や重点の意味について調整委員会で議論があり,「ちょっと注目!」という表現で掲げている。

  部会と関連しない部分についてもご意見等があればうかがいたい。

 

山上委員

  「産学公」という表現について,「公」はパブリックの意味であるとのことだが,見方によれば「学」も「産」も公と言える。こういう表現は他でも使われているのか。そうでない場合,市民も「公」に含まれるというような注釈をつけておく必要はないのか。

 

吉田部会長

  NPOや外郭団体,商工会議所や業界団体,社会福祉協議会なども「公」に含まれる。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  今までは「産学官」と表現されていたが,「官」は基本的に国であり,市の基本計画としては少し違う表現を工夫したほうがいいのではないかというご議論があり,第2次案はそれを反映したものとなっている。

 

吉田部会長

  この計画の特徴の一つは市民とのパートナーシップだが,「官」には上から下へという印象があるので,一般的な表現ではないが「公」とした。

  産業については当部会でも十分議論を尽くせなかった。京都経済の起死回生策はなかなか見つからない。少し記述を強化し,今やっていることをさらに推し進める方向でまとめている。ベンチャー企業も中小企業も支えなければならず,あれもこれもということになるが,それらを同時並行で,しかも京都らしさを出して進めていかなければならないところに市政の難しさがある。第2章第2節4では若者関連の記述もかなり強化されている。

 

三谷委員

  第1章第1節1(2)ウについて,京都市職員の女性管理職の割合は現在どのくらいで,また,具体的な目標値があるのかどうか。大学や官公庁の女性管理職率の低さは常に問題となっている。全体的に今回の計画には具体的なところとそうでないところの精粗の差があるが,この部分などは具体的な目標値を示せるのではないか。

 

吉田部会長

  中央官庁では今年の女性キャリアの採用は15%であり,放っておいても15%が管理職になる。京都市の女性職員採用の現状と採用比率はどうなっているのか。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  京都市としての具体的な数値目標はないが,ここに書かれている方向で管理職としての素養を備えられる条件整備等を進めていくことになる。なお,審議会への女性委員の登用比率については,第1章の「数字で見る2010年の市民のくらしとまち」に目標数値を掲げている。

 

吉田部会長

  職員採用時の女性比率についてはどうなっているのか。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  この場で具体的な数字はお示しできないが,ここ10年で増加している。

 

吉田部会長

  まず大学の行政職員向けの学部での女子学生の比率が上がらなければならない。

 

三谷委員

  審議会等での議論を経て,皆の意見を取り入れてつくった計画であり,きちんと実現されるよう,継続して取り組んでいくようにしていただきたい。

 

吉田部会長

  計画のフォローアップについては改めて議論しなければならないが,審議会の使命は答申すれば終わる。答申時に会長から市長に対してその旨を伝えてもらうようお願いしたい。

 

内田委員

  以前,食文化会館やドームを建設すべきという意見を申し上げたが,この計画では「建設」という言葉が使われていない。「建設」という言葉を使うとつくらなければならない責任が出てくるので,「整備」や「促進」という表現になっているのだと思うが,第2節2(1)カでは,「食文化会館をつくってそこで食文化を体験させる」というように,もう少し具体的な表現をしてほしい。

 

吉田部会長

  「食文化を含め京都文化を若者に体験させる施設等の整備を促進する」といった表現にしてはどうか。

 

内田委員

  外国人の間で日本食に対する関心が高まっているが,21世紀のキーワードとなると思われる健康の観点から見ても,日本食がバランスのとれた食文化であることは疑いない。京都は伝統的な日本の食文化のルーツであり,ぜひ拠点となる施設がほしい。

 

産業観光局(西口局長)

  食文化会館というハード面からの書き方はしていないが,ご発言の趣旨は表現しているつもりだ。

 

竹村委員

  第2章で留学生や外国人観光客を増やすという目標数値が掲げられているが,高齢者や子どもとも関連して,第2章第2節2(5)イで「安全に観光する」という部分がもう少し強調されてもいいのではないか。

 

吉田部会長

  観光に限らず,最低限まちには安全が必要だ。

 

橋爪副部会長

  観光地の安全の問題は今後ますます重要になる。大阪のアメリカ村など若い人が集まる観光地でたびたび事件が起こっているが,京都でも木屋町などで観光地としての魅力を削ぐような状況が出てくる可能性がある。書き方が難しいが,「京都をあげての防犯活動」だけでは具体性がない。オフィス街や住宅地とは異なる観光地における安全の確保について,今後具体的な施策を考えなければならない。

  食文化会館にしても同様だが,「ちょっと注目!」に入っていれば具体性があり,逆に入っていないものは優先順位が低いと受け取られる。「ちょっと注目!」でどういう項目を取り上げるかについて議論すべきではないか。例えば,第2章第2節4(1)の若者に関する項にはないが,その意味では,「ちょっと注目!」がない項については何らかの施策を挙げるべきではないか。

 

竹村委員

  清水市はサッカーが盛んで,子どもからお年寄りまでがサッカーを楽しんでいるところにまちとしての特徴が出ている。京都は文化資源が豊富なまちであり,子どもの頃から文化を体験したり,観光学を学ぶようにしてはどうか。それが実際の観光にも生きてくる。

 

吉田部会長

  重要なご指摘だが,観光のところに入れるべきか,若者のところに入れるべきか。

 

中村委員

  若い人に京都のことを語る機会が多いのだが,今の若い世代が本当の京都のおもしろさを知る機会が少ないと感じる。京都のことを若い人に伝える「京都塾」のような場がほしい。京都の人が京都のことを知ることが大切だ。

 

吉田部会長

  「伝統文化に親しみ次代へ引き継ぐ教育」については,第1章第1節3(2)アに記述がある。第2章第2節3では「京都学」という言葉も使われている。教育の側面と活動の側面があり,両者は対になっている。第2章第2節4の若者の活動に関する部分に京都らしさについての記述を追加するのもいい考えではないか。この部分では芸術文化の担い手育成が挙がっているが,もう少し観光資源の開発や伝統文化の活用に関する研究というような記述があればいい。

 

中村委員

  昔は町ごとに仁丹の標識があった。町名には歴史があるので,町ごとの標識を復活してほしい。観光客にとっても京都に住む人にとっても大事なことだと思う。

 

吉田部会長

  観光についてはまち全体を観光地として捉えようという基本的方向があり,それに合った施設をつくらなければならない。第2章第2節2(1)オ「歩いて楽しむ「まちなか観光」の推進」などに,外国人にも分かりやすい,まちの構造や歴史の分かる標識を整備するという事項が入っているといい。「まちなか観光」というのは今までにない画期的な考え方なので,これを生かしていければいい。

 

産業観光局(西口局長)

  観光客にやさしい対応は市民にとってもやさしい対応になる。第2章第2節2(5)アで「外国人をはじめ来訪者に親切な案内標識の計画的な整備に努める」という記述があり,すでに駒札だけでなく地図の入った分かりやすい標識を,民間の寄付をいただいて各地に設置している。京都では町名より通りを基準にした「上がる・下がる」「西入・東入」という表記のほうが便利なこともあり,これらの標識には両方を記載している。都心部以外も含め,引き続きこうした標識を整備していきたい。

 

三谷委員

  以前,案内板の標示が消えたまま放置されているという話をしたが,最近修復されていた。京都には仁丹の標識や三宅安兵衛の石標が市内全域にわたってあるが,石標にしても工事のとき勝手に動かされたり,近くに塀があるなどして読めないものがある。これらをもっと生かすべきだ。京都の通りは碁盤目状になっていて,市民には「上がる・下がる」,「東入・西入」が分かりやすいが,よそから来た人に分かるような東西南北の標示が必要だ。リピーターを確保するためには標識の整備は急いで取り組むべき課題だ。

 

産業観光局(西口局長)

  標識の整備等については,基本計画の記載とは別に日常の業務の中でも対応していきたい。案内板を設置しようとすると建物のオーナーの協力を得なければならず,今のところ公共建築物が中心となっているが,民間にも理解を得て増やしていきたい。

 

吉田部会長

  第2章第2節2(5)アの記載を「案内標識や歴史的説明板」としてはどうか。

 

森谷委員

  「ちょっと注目!」の中には,先に書かれているものを要約しただけで分かりにくいものがある。例えば,第2章第2節2(1)の「ちょっと注目!」に「界わい観光の創出」が挙がっているが,(1)イ「行政区や地域ごとの界わい観光の創出」で書かれている内容を要約しただけで,界わいが何を示すのかよく分からない。「三条通界わい」というようにもう少し具体的に書くべきだ。第2章第2節3(1)の「ちょっと注目!」のようなものはいいが,要約であれば必要ない。

 

吉田部会長

  「界わい観光」より「まちなか観光」にしたほうがいいのではないか。

 

森谷委員

  「界わい観光」というと,東西の通りである三条通あたりが念頭にあるのだと思う。

 

吉田部会長

  交通の統制をするには難しい問題があると思うが,東西の通りの観光への活用は重要だ。

 

産業観光局(西口局長)

  「界わい」は洛中だけではなく伏見や右京などの界わい,歩いて移動できる小単位のローカルなものも含めて使っている。現在行政区ごとに観光案内マップをつくっており,市民にとっても目新しく感じるものとして「ちょっと注目!」に掲げている。「界わい」そのものの意味付けが必要で,趣旨が理解されるよう表現を工夫したい。

 

三谷委員

  三洋化成の「京を歩けば」という本が参考になるのではないか。これは西陣などのスポットについての著名人の観光案内的なエッセイを集成したものだが,小さい界わい地図と写真が掲載されていて,非常によくできている。

 

吉田部会長

  商工会議所が「京都21世紀産業ビジョン」の中で伝統産業の発想を生かしながら新産業を創出する「京都・ビジネスモデル」という考え方を打ち出しており,どこかにこれを付け加えておいてほしい。京都には島津製作所や京セラなど伝統の工芸技術を生かして新しい産業を創出してきた企業があり,それが京都・ビジネスモデルと言える。

 

産業観光局(西口局長)

  第2章第2節1(2)ウに趣旨は盛り込まれているが,キーワードとして「京都・ビジネスモデル」を盛り込むことを検討したい。

 

吉田部会長

  「ちょっと注目!」に入れてもらえるとさらにいい。

  観光教育についてはどこにどう表現すればいいのか。京都の大学で観光学を研究しているところはあるのか。

 

産業観光局(西口局長)

  同志社女子大学では商工会議所と協力して京都の文化観光という特別講座を開講しており,また,来年4月から嵯峨美術短期大学に観光デザイン科の講座ができるなど,いろいろな取組がされている。大学コンソーシアム京都の「京都学」というテーマにも観光の視点が入っている。

 

吉田部会長

  大学では実学のウエイトが高くなる傾向にあるので,ぜひ観光学研究・教育をどこかに盛り込んでほしい。外国ではコーネル大学のように大学がホテルを経営して観光について教えている例がある。日本では観光のスキルしか注目されず,体系的に研究するしくみがない。

 

橋爪副部会長

  観光に関連する講座を持つ大学は増えている。宮城県立大学は産業政策の観点から観光に力を入れているし,静岡県立大学ではイベントにかかわる専門家を養成している。立教大学は古くからホテル系の観光研究を専門としている。観光研究の中身は多様であり,京都としての特徴を出すべきだ。

  小中学校の学校教育の中に観光の要素を取り入れることは大切だと思う。京都市民でありながら京都の主要な観光地に行ったことがないまま大人になる人も多い。学校教育の中に観光都市としての京都について学ぶ視点があっていいのではないか。

 

吉田部会長

  観光研究,観光教育について,第2章第2節3の大学での研究教育の支援や,第1章第1節3(2)アに盛り込むかどうかについては,調整委員会の場で検討したい。

 

山上委員

  東京都では観光教育として,小中学生に文化財に対するマナーなどを教えようという提言がされている。

 

吉田部会長

  「観光学」を柱に立ててはどうか。

 

中村委員

  文化を発信する側の記述は多いが,文化を楽しむ側についての記述がない。例えば,茶の湯は芸術文化を楽しむサロンであり,着物も工芸もそういうサロン的なものがないと,送り手だけではどうにもならない。個人の力でサロンをつくるのは難しい。楽しむ場所については第2章第1節2(5)ウで「親しみ,集い,語らい,学べる空間」を用意すると書かれているだけで,受け手がもっと学び,参加し,楽しむ「京都サロン」をつくってほしい。

 

吉田部会長

  知り合いの小説家が連歌の研究をしているが,寺を借りて上等の料理を食べながら終日連歌に親しむことも考えられる。京都には場所もインフラも豊富にある。着物も着ていく場がなければならない。

 

竹村委員

  NHKの「ようこそ先輩」という番組で,小学生が井上八千代さんに日舞を教えてもらっていたが,子どもたちは生き生きと学んでいた。大学の総合的な観光学研究も必要だが,子どもの頃から文化を楽しく体験し,人をもてなすことを学ぶことができれば一生の財産になる。自分を誇りに思う糧があればもてなしの心も育つ。子どもたちが文化を体験する基盤づくりについての記述を充実させてほしい。

 

吉田部会長

  第1章第1節3(2)アの記述を充実させてほしい。

  第2章第1節2(5)ウについては,施設の機能向上だけでなく,施設を活用して伝統芸能などを楽しむものがあればいい。京都に住んでいて文化や伝統を享受できないようでは寂しい。

 

伊住委員

  全体の記述は洗練されてきたが,ここに挙がっている事業を全てやろうとすれば,とても財政が足りない。市にも民間にもお金がない中でどう知恵を絞っていくかということでは,既存施設をどう活用するかが課題になる。特定の目的の施設だからそれ以外には使わないというように,今までの施設運営のあり方はあまりオープンでなかったように思う。全体について言えることなのでどこに書き込むべきか分からないが,既存の施設を再活性化していくソフトが必要だ。行政も無駄をつくらない努力をしているが,運営に当たっては人・金・モノの問題が重要で,もっと幅広く受け皿をつくり,参加者や団体が偏らないようにすべきだ。

 

吉田部会長

  市民と行政のパートナーシップで互いに負担をしていこうということであり,第2章第1節2(2)アに「文化ボランティアの育成を行う」とあるだけでは寂しい。

 

伊住委員

  京都には学生も多いので,ボランティアを通じて京都を知ってもらう機会にもなる。

 

吉田部会長

  商工会議所が中小企業にパソコンを配布しているが,ITを導入すればいいのではなく,それによって経営システムを変えなければ意味がない。今,学生に中小企業のIT経営を指導させようとしているのだが,ボランティアをすることが学生にとっても勉強になる。観光や文化に学生ボランティアを使えばいろいろなことができる。NPOの形で組織化し,手続きやトレーニングの方法が明確になればやりやすい。クラブやNPOをつくるなど,参加させるしくみを考えたい。

 

伊住委員

  鴨川の床は京都らしい風景であり商売でもあるが,あの床を保管したり組み立てたりするのに何百万円もかかるらしい。もし規制する条例によってそうした事態が生じているのであれば,条例を変えることにより負担を軽くし,活性化するという考え方もできる。新しいものをつくるだけでなく,もっといろいろな視点で既存のものを活性化する方法があるのではないか。

 

吉田部会長

  行政としては,規制緩和についてどう考えているのか。

 

産業観光局(西口局長)

  鴨川は北のほうで一定量の雨が降れば流量が増える。所管の建設省や京都府としては降雨期には床の許可を出しにくいところがあるのではないか。

 

吉田部会長

  大水が出たとき壊れないように床をつくらせるやり方もあれば,大水が出たら床を使わせないようにする規制もある。規制は強くしておくという傾向があり,それがコスト高やいろいろな障害を引き起こす。規制緩和は時代の流れであり,そういったことはどこに書き込むのか。

 

森谷委員

  第1章第3節4(1)エ(ア)に水辺を歩こうという記述があるが,基本的に河川は府の問題だ。

 

産業観光局(西口局長)

  河川によって管理者は異なるが,規制緩和ということになると府との協議が必要となる。

 

吉田部会長

  ソフトウエアについての記述は,具体的になると迫力がなくなる。施設をつくっても利用の仕方が悪いためうまくいかない例は多い。

 

森谷委員

  京都芸術センターの利用時間はどうなっているのか。

 

文化市民局(中野局長)

  一般施設より遅くまで開けている。夜間も制作室を開放し,最長3カ月間無料で芸術文化の団体に貸している。

 

森谷委員

  都心から離れており面積も広いなどの条件はあるが,金沢市の芸術村は24時間営業で,夜中に積極的に使わせている。若者文化との関連でも夜間の利用は重要だ。そういうことが他都市では行われていることに留意してほしい。

 

吉田部会長

  ベンチャーの仕事を始めたい人がいても,サラリーマンは勤務中に窓口に相談に行くことができない。役所の窓口を土日に開けるなら,平日は閉めてもらってもいい。芸術センターにしても,夜中に開けて昼間は閉めておけばいい。

 

中村委員

  先ほど文化の受け手の問題について申し上げたが,第2章第1節2(1)のタイトルの「文化の創造・発信」の後に「享受」を入れれば,受け手が楽しむという趣旨が表現できるのではないか。

 

吉田部会長

 文化は楽しまなければ意味がない。文化の享受については,工夫すれば書き加えられる。これまでは,若者は元気なので放っておけば自分たちで何とかする,老人と子どものことだけ考えればいいという発想だった。文化施設についても施設をつくることが目的で,利用の仕方が考えられていないのは,施設を利用するのは当たり前だという前提があるからだ。施設はそれを楽しませるソフトウエアがないと使えない。

  本日はたくさんのご意見をいただいた。観光教育については今までなかった視点であり,ぜひ柱として盛り込みたい。伊住委員のご指摘にあったように,ボランティア等をやろうと思っても受け皿が少ない。誰かがマネジメントし,組織化しなければならない。京都商工会議所の「京都・ビジネスモデル」はビジネスなので商工会議所がアレンジできるが,文化は誰がアレンジするのか。昔は英語の勉強になるというので外国人の観光案内を学生がやっていたが,アレンジする人がいれば効率的になる。市がアレンジすることは難しいので,ソフトウエア面ではNPOをどう育てていくかに尽きるのではないか。

 

産業観光局(西口局長)

  京都学生観光連盟という組織が昭和20年代からあるが,そうした行政から少し離れた組織をどう活用するかが課題だ。例えば,映画産業の振興についても,映画館の整備は民間の仕事であり,この基本計画には書けない。それぞれの事業にふさわしい主体がある。京都学生観光連盟は行政がかかわらなかったため自主的な運営ができた面があり,現在も行政の重要なパートナーである。

 

吉田部会長

  チャンバラ映画が壊滅したが,これだけドラスティックに文化が衰退していいのかと思う。

 

三谷委員

  現在は映像が氾濫しており,新しい映画もテレビで見られる。映画館でなければ見られない作品をつくらなければならない。

 

吉田部会長

  アメリカでは映画産業は成長産業だが,日本映画は衰退している。

  京都市から,本日のご意見に対する対処の仕方を説明していただきたい。

 

産業観光局(西口局長)

  本日いただいた意見については,観光学,京都学を含め何らかの形で記載できるようにしたい。既存施設の活用については,日常の業務の中でも考えていきたい。新しい施設についても記載できることがないか検討したい。食文化プラザ,食文化研究所については現状ではこの表現しかできないが,ご意見の趣旨を生かした展開が必要と考えている。

  ソフト面では,観光教育については関係局と協議して記載を検討したい。

 

三谷委員

  観光学については子どもや中高校生を含めて考えられる。京都には文化財の保存や環境問題を含め,うまくシステム化すれば観光学が成り立つ芽はたくさんある。お金はかかるかもしれないが,市立芸大などに研究所をつくって体系化することも考えてほしい。

 

山上委員

  第2章第2節2(3)ア以外「マーケティング」という言葉が使われていないが,内容的にはこの言葉で説明できることが多く書かれている。「マーケティング戦略」といった表現があってもいいのではないか。

 

吉田部会長

  文化には供給だけでなく需要も必要というご意見があった。キャッチアップ時代には需要は無限にあり,供給が障害になっていたが,現在は供給体制が完成し,需要者を教育したり啓蒙したりして,本当にいいものを選択してもらう努力が必要だ。

 

竹村委員

  21世紀の京都がここに書かれているような素晴らしいまちになればいいと思うが,それを引っ張っていくのは経済だと思う。今は産業構造の転換期にあり,伝統産業も厳しい状況にある。既存のものを生かして育てるというソフトの部分を表現することは難しいが,それがあってこそ,この計画が生きるという自覚がほしい。

 

吉田部会長

  今は第2次産業革命期であり,IT革命とは需要に応じて生産されるしくみへの転換で,現在多くの企業で見込み生産から注文生産に切り替わっている。文化・観光・産業の分野でもそれに対応したしくみをつくっていくことが重要だ。

 

産業観光局(西口局長)

  マーケティングの観点から言えば食文化は非常に重要であり,食文化体験やショッピングなど,アーバンツーリズムと言われるジャンルが行政の課題になっている。局内でも民と官の境目が未整理だという議論があったが,今後官民の役割分担を明確化し,行政の基本計画としてふさわしいものとなるようにしたい。

 

(2) その他

吉田部会長

  言い足りないご意見があれば,11月17日までに事務局に文書で提出していただきたい。本日のご意見は調整委員会で検討し,最終答申案を作成したい。答申案は12月15日の総会で審議される予定である。

  部会は本日で終了し,答申を終えた段階で審議会としての役目を終了することになる。画期的な考え方もかなり盛り込まれ,一般論としての次の時代の都市のあり方のようなものも入った基本計画になったと思う。21世紀の京都市の大飛躍を期待したい。

 

 

3 閉 会

 

 

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