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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第10回 教育・人づくり部会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第10回 教育・人づくり部会

日 時 : 平成12年6月16日(金) 午後3時30分~5時30分

 

場 所 : 都ホテル「コスモスホール」

 

議 事 :

(1) テーマ別討論「大学・生涯学習」について     

(2) その他

 

出席者 : 

梶田 真章(法然院貫主)

◎金井 秀子(京都教育大学名誉教授,京都文教短期大学児童教育学科教授) 

川阪 宏子(市民公募委員) 

佐々 満郎(京都府私立中・高等学校長会事務局長) 

佐々木博邦(市民公募委員) 

庄村 正男(京都市PTA連絡協議会元会長) 

八田 英二(大学コンソーシアム京都理事長) 

韓  銀順(京都市生涯学習総合センター講師) 

福田 義明(京都市私立幼稚園協会会長) 

水谷 幸正(佛教大学理事長) 山本 壮太(NHK京都放送局長)                               

 

以上11名 

◎…部会長     (50音順/敬称略)

 

 

1 開 会

金井部会長

  第10回「教育・人づくり」部会を開催させていただく。

  本日は基本計画素案の作成に向けたテーマ別討論の最終回であり,本日までの討論を受け調整委員会で素案を作成することになるので,よろしくお願いしたい。

 

 

2 議 事 

(1) テーマ別討論「大学・生涯学習」について

金井部会長

  それでは議事に入りたい。

  最初に,京都市から資料を説明いただき,その後討論に入りたい。

 

総合企画局(本田プロジェクト推進室担当部長),教育委員会(高桑生涯学習部長) ―

―(資料「基本計画検討資料「大学・生涯学習」」及び冊子『みんなで考えよう 京都の21世紀を切り拓く生涯学習』に基づき説明)――

 

八田委員

  大学人の立場から,なぜ京都から大学が移転するかについて説明したい。少子化時代を迎え,大学は生き残りに懸命になっているが,新しい学部をつくってより多くの学生を集めようとしても,京都市内では福祉,看護,情報,環境など例外的ないくつかの学科・学部を除くと新設できない。例えば経済学部や法学部を増設したり定員を増やすことは,市内では不可能だ。同志社大学として新たな学部をつくる場合は工場等制限法のエリアの外,すなわち京都市以外でつくるしかない。東京では大学の都心回帰が進んでおり,明治大学や法政大学は高層校舎を建てて教室を確保しているが,京都市内で高層化は考えられない。いい施設・設備を整え,学生にゆったりした教育研究環境を提供しようとすれば京都市内から出ていかざるを得ない。大学流出の背景には,文部省による学部学科の設置制限と京都に立地することによる建物の制約という2つの理由がある。

  もう1つは,他の地域から土地や建物を無料で提供するから来てほしいというような,大学にとって非常に魅力的な申し出がある。九州のある市では大学を誘致するため60億円も出資している。長浜市に計画中のバイオ関連大学にも関連自治体からかなりの助成があると思う。京都市は1つの私立大学にそれだけの補助をするわけにもいかないと思うが,先ほど申し上げた理由も含めて,出ていかざるを得ないということと,出ていったほうがこれからの大学経営が楽になるという2つの力によって大学が流出している。

  また,大学院やロースクールをつくろうとしても,最低定員50名,1500平米の建物が必要で,それだけの場所が市内にあるかどうか。工学部関係には廃水処理の問題もあり,さらに,情報処理施設を整備するには建物自体を一新する必要があるが,それに対する規制もある。本来は市内で活動を展開することが望ましいが,いろいろな問題があって出ていかざるを得ない。

  他方で京都では大学の連携が強化されており,すべての大学の集まった「財団法人大学コンソーシアム京都」がつくられて,単位互換制度など画期的な試みがされている。生涯学習と関連して,市民に大学の講義を公開するシティーカレッジの取組も行っている。大学コンソーシアム京都の代表者として,大学の連合体としては全国でも最先端を行っているという自負がある。京都市として個別大学に対する支援はあまりされていないが,大学の連合体に対しては積極的に支援していただいている。今後は大学コンソーシアム京都や大学のまち交流センターを中心に進んでいくことになると思うが,連合体が繁栄して個々の大学・短大がつぶれていく可能性もある。現在全国で50%以上の短大が定員割れとなっており,4年制大学でも定員割れするところが増えている。大学の場合固定費である人件費が支出の約半分を占めており,収入が減ればつぶれざるを得ない。競争があれば淘汰されていくのは当然のことかもしれないが,市民の生涯学習のために大学を開放するような活動に対しては行政から何らかの補助をいただければと思う。市民が使うことを前提に補助をいただけるということであれば,積極的に図書館等を開放する大学も出てくるのではないか。

  また,学生に対して何らかの補助をしていただきたい。留学生や地方から京都に来ている学生に対して下宿等の生活補助や市営地下鉄の割引を考えてほしい。

 

川阪委員

  現役の学生として,大学の京都市からの流出はやむをえないと思う。京都市としては,南部創造のまちづくりの中に大学設置について検討する余地があるのではないか。

  国際学術研究都市として京都市が生き残っていくためには,留学生に対する補助に力を入れていただきたい。また,大学コンソーシアム京都についてのご説明があったが,広報が行きわたっていないところが残念だ。学生としてシティーカレッジの授業に参加したことがあるが,たいへん有意義だった。ぜひこれを発展させていただきたい。大学教育については学生の学力水準の低下が問題になっているが,周囲の学生を見ているとまじめに勉強している学生も多く,このあたりは正しく認識したうえで,整理・分析して解決策を考えてほしい。

  生涯学習については,以前も申し上げたが,京都市の場合図書館が貧弱で,質量ともに滋賀県など他の自治体と比べて圧倒的に劣っている。統計資料等定期刊行物も充実してほしい。この件について以前質問したところ,大学の図書館を利用していただくことを念頭においているという話があったが,実際には学生をターゲットにしている大学図書館を一般市民が使うのは難しい。図書館は生涯学習の基盤だと思うので,ぜひ充実してほしい。広報について,高島屋7階の生涯学習情報プラザはたいへんいい試みだと思うが,内容的に学校コミュニティプラザのスペースが少ないので,もう少し増やしてボランティアによる運営を考えてはどうか。また,学校コミュニティプラザ事業で学校施設を公開することが望ましいのは分かるが,日野小学校の事件もあり,不特定多数の人が出入りすることの危機管理についても考えていただきたい。また,管理職である教頭の仕事の比重が大きいので,それも解決していかなければならない問題だと思う。

  冊子『京のカルチャースポット』はよくできており,生涯学習にも観光振興にも役に立つと思うので,ホームページで公開し,いつでもどこでも見られるようにしてほしい。

 

山本委員

  資料に「マルチメディアの活用のあり方」があがっているが,映像に携わる人間として,インターネットを含めたバーチャルな情報に対して疑問を感じる。現実のものに手で触れて動かして得られる知識とフラットな画面から得られる知識には決定的な違いがある。われわれには子どものころ田んぼでカエルを殺した経験があり,それが命の痛みを学習する機会となった。ここ数十年でそういう環境や経験が急速に失われ,コンピュータの画面を操作することで人の命が簡単に失われていくゲームなどバーチャルな環境が生じている。それを必ずしも否定するわけではないが,「モナリザ」をテレビ画面で鑑賞するだけでなく,現物を見ることができればそれほど幸せなことはない。その両面が補完し合うことが求められている。教育全般にかかわる問題だが,そういう意味では京都にはお寺に行けば国宝の仏像が見られるといった豊かな環境が身近にあり,この京都の特権を人を人として育てるために生かしていくべきではないか。

 

梶田委員

  暴論かもしれないが,学生が減るのは時代の流れであり,合併すべき大学は合併したほうがいい。仮につぶれる短大があれば別の大学が合併して生涯学習施設として使っていくという方向で考えてはどうか。無理に学生を増やす必要はない。22歳になっても自分のやりたいことが分からない大学生を増やすのではなく,小・中学生の間から何をやりたいかを考えて,進学する代わりに伝統産業等を受け継ぐ子どもを育てていく方向で京都は再生していくべきだ。もちろん大学に行きたい人が行ける環境はつくらなければならないが,今までのように学びもしないのに大学に行くという時代は終わってもいいのではないか。これだけ大学進学率が高くなれば,学生のレベルが低下するのは当たり前で,優秀な本当に学びたい学生にとって満足できる大学,将来像を描ける環境をつくっていくことが大切だ。

  また,大学の中で学ぶ時代も終わったのではないか。京都はいろんな場所があり,生のものに触れる場所が用意できる。大学では分野によってはインターネットやテレビで学ぶのと変わらない教育が行われているが,京都市として20代前後の人にいかに有意義に過ごしてもらうかを考えるべきだ。その中で寺が果たすべき役割があれば果たしていきたい。

 

佐々委員

  日本の大学に対してはこれまで大きく2つの批判があった。1つは日本の大学は入るのは難しいが出るのは簡単だと言われる。日本の初等・中等教育のレベルは欧米に比べてかなり高いように思うが,それに対して高等教育のレベルは低い。少子化にともない大学に入りやすくなると,今後日本の大学教育はどうなるのか心配だ。両極になるのではないか。ある大学では最近エスカレーターをつけ,シャトルバスを出すなど学生を確保する努力をしているが,こんな教育環境の中で育った子どもがどういう形で21世紀を背負っていくのかと心配になる。日本の大学はこれでいいのかを再考し,卒業するのが難しいような大学にすべきだ。

  日本の学校教育は明治以来,先生一人が何十人もの生徒をかかえて一斉に指導する形態しかなかった。アメリカなどでは学級の人数が少ないせいもあり,個別指導が徹底して行われている。大正期の法学の権威である末弘厳太郎先生が「日本は法学概論から入って学ばせようとするが,アメリカのように判例から入って興味を持たせて,血の通った人間の姿を理解するところから始めるほうがいい」ということを書かれていたが,少子化時代には大学のあり方を考え直すべきだ。

  また,留学生を温かく迎えるための施策も考えてほしい。京都でオペラを見ようとすれば大津に行くか大阪に行かなければならないし,チケットも学生が行けるような値段ではない。ウィーンでは立ち見席であれば300円でオペラが見られる。学生が安く文化施設等を利用できるサービスなど,京都に来ればいろんなものを見聞きできる環境を提供すべきだ。京都は観光客5千万人構想を打ち出しているが,京都の社寺は拝観料が高くいくつも見て回れない,食べ物も高いという声を聞く。若者を引きつける魅力ある都市にするためには,そのあたりで何らかの工夫をすべきだ。

 

水谷委員

  大学コンソーシアム京都は素晴らしい取組だと思う。京都市には大学のまち交流センターを建設していただいており,これからは大学のまち交流センターを核として「大学のまち・京都」を考えていくべきだ。「大学のまち」というのは学生にたくさん来てほしい,そのために大学がたくさんあってほしいということなのか。まち全体が大学であってこそ大学のまちと言えるのではないか。就職を考えて東京の大学を選ぶ学生もいるが,京都の大学にはまち全体の持つアカデミズムの雰囲気にひかれて来る学生が今でも多い。まち全体を大学の雰囲気にする意欲を持っていただきたい。

  前回の資料を見ると紫野高校に英文科をつくったりしているが,英文科をつくることが「新世紀を切り拓く魅力ある高校づくり」の目玉になるのか。政府レベルで英語第二公用語構想が出ているが,賛否両論がある。日本にとっては中国や韓国は重要な国であり,中国語・ハングル教育の導入も考えてはどうか。留学生は大事にしなければならないが,特にアジア系の留学生が京都の大学に来るようにしてはどうか。大学コンソーシアム京都から一歩踏み出してそういうことも考えていただきたい。このたび園部に京都伝統工芸専門学校ができるが,なぜ英文科をつくる前に伝統工芸専門学校をつくらないのか。光悦村ももともと京都にあったものだ。「大学のまち・京都」の実現に向けて,その中身をしっかり考えていただきたい。

  また,佛教大学では13年前から生涯学習のために四条烏丸に四条センターを開設している。法然上人の精神に基づき,大学を一般市民に公開していこうという趣旨で50年前から通信教育にも取り組んできた。四条センターの開設に当たっては京都市の支援を求めたが全く相手にされなかった。年間1億数千万円の金を使いながら四条センターを運営しているが,市民のための大学の事業に対して京都市から補助金をいただけるのであれば素晴らしい。

 

総合企画局(高橋プロジェクト推進室長)

  大学のまちのイメージについては,われわれとしては市内全域をキャンパスとする1つの大きな大学ができるととらえている。しかし,個々の大学が独自性を発揮し,切磋琢磨される中で,それぞれの建学精神に基づいて教育を行っておられる。個々の大学ではできないことを集積の力で新たな魅力を創造されるものと考えてやっていきたい。京都市としては他地域よりすばらしい学生生活を送れるよう大学の連合を進め,その中核として大学のまち交流センターを整備したいという趣旨である。

 

佐々木委員

  伝統工芸専門学校のいちばんの問題は,京都の人が伝統工芸品を使わないため卒業生の就職先が少ないことで,そういう学校を京都につくるのであれば,まず市民が日常に伝統産品を使うようにしなければならない。

  自分は大学で国文学を専攻したが,高校までに英語を十分勉強したおかげで日本文化と日本語に興味を持つようになった。英語を勉強させれば日本語に興味を持つようになる。なぜ英語かという問題があるが,英語を話せると多くの国の若者と対話できる。各国の言語を理解してコミュニケーションするのが理想だが,一気に枠組みがはずれて世界各国と同時にコミュニケーションする状況が生まれたとき,英語は若い人にとって魅力ある言語であると言える。英語のせいで日本語が乱れるというのは間違いで,英語を学ぶことが日本語や日本文学を大切にする契機となる。それは教える方法論や指導者の力量の問題だ。

  大学や生涯学習についての個々の施策はいいが,基本的なところで,どういうものをつくろうとして,何を理念にして行っているのかが明確でない。小学生から大人までいろんな世代の人に茶道を教えているが,昨今の青少年の事件について意見を求めても,どの子どもも興味がなく同世代の問題として考えようという姿勢がない。自分で考えて信念を持って行動できる人づくり,学生づくり,市民づくりを基本にして諸施策を進めていくべきだ。21世紀を切り拓くために必要な人づくりが大学に課せられた使命だと思うが,今はそれが実現できていない。経営等の問題もあるとは思うが,こんな学生をつくっていていいのか,大学はこうでなければならないのではないかという素朴な疑問に立ち返って,大学や生涯学習を考えていければ実効ある計画が出てくるのではないか。

 

水谷委員

  先の発言を補足しておきたい。前回の議論と関連して,市立の高校で中国語やハングルを教育できればいいと思って申し上げた。京都市の特徴を出すために,市立芸大や専門学校に中国語,ハングルの学科をつくることも意味があるのではないかという趣旨だ。

 

山本委員

  昨今の子どもたちをめぐる状況を見ていると戦後50年の総決算期に来ているように思う。戦後の学校システムの問題もあるが,最もドラスティックに変わったのは家庭,もう1つは地域だと思う。今までのテーマ別討論では,幼児教育,学校教育,大学・生涯学習というように時間軸を基本に学校教育を中心とした整理の仕方をしてきたが,学校,家庭,地域がどういう関係にあるのかという観点から横軸で整理し直してみてはどうか。先ほど梶田委員から寺は何ができるかというご意見があったが,今の人づくりの軸から寺という観点は抜け落ちている。青少年の事件が起こったときに,ある僧侶がお寺に相談に来ないのはなぜかを自問自答していると話していたが,宗派にかかわらず人が人であるための黄金律のようなものがあるはずだ。

  大学と地域のかかわりについても,多くの大学が連合してコンソーシアムをつくるのもいいが,横軸で見て大学が立地する地域で果たすべき役割について考えてみてもいいのではないか。時間軸的な縦の流れだけでなく,横軸で整理し直してみてはどうか。その際には他部会との関連も重要になると思う。人が人であるための基本が問われており,京都市が率先して理念をつくっていくべきだ。

 

金井部会長

  教育の根本となる部分だと思う。京都市では人づくり21世紀委員会がすでに発足しており,今後そこで何らかの成果が出てくるのではないか。

 

庄村委員

  大学の流出に関連して,神主という職業柄全国に2つしか専門の大学がないが,私の行った東京の大学は学部が増設されて神奈川の不便な山の中に移った。今行くなら伊勢の大学に行くと思う。大学としてたくさんの学生を受け入れることも大事かもしれないが,こじんまりとした規模の大学もあっていいのではないか。

  生涯学習について,PTAや人づくり21世紀委員会にかかわってきた。今までは神社に来る方を迎えるだけだったが,地域に出ていろんな活動に参加することで活動が活発化する面がある。今の大人は自分の生活に閉じこもっていて地域に出ていかないが,21世紀に向けて生涯学習の中で学んだものを他のところに生かしていくサイクルが展開できればいい。

 

福田委員

  幼稚園の15年,20年先が大学の姿だと思うが,昭和30~45年くらいまでは年間220~180万人の子どもが生まれていた。ここ10年くらいは120万人台が続いている。200万人を受け入れるために大学はどんどん肥大化してきたが,広大な場所がないと大学経営ができないという錯覚に陥っているのではないか。幼稚園も20年前には200~300名いなければ運営できないと言われた時代があったが,現在では100~150名いればやっていける。同じことが中学・高校,大学にも言えるのではないか。

  去年人づくり21世紀委員会の行政区別討論会を契機に,中学生を数名幼稚園に受け入れた。このたび職場体験学習制度を試行することになったそうだが,中高校生が地元の職場に触れることは大切だ。大学に行かなければいい職業に就くことができないという感覚がなくなるし,京都の伝統産業をやってみたいという子どもも出てくる。それとともに,小学校でボランティアで植木の手入れをしている人がいるが,地域住民を教壇に招くとか土曜に遊びを教えるといった取組を充実していくことが生涯学習につながる。21世紀には「おらが学区」「おらがまち」を取り戻す時代になるのではないかと思うが,そうなると地域や学区に学校を中心として市民が貢献できる場をつくっていくことが大切になる。大学も門戸を開いて,数カ月間大学で学べば何らかの資格が取得でき,それを有料ボランティアで教えるような制度があってもいいのではないか。それが生涯学習につながっていく。そういう意味では人づくりと教育について京都は先進都市になりつつあると思う。

 

韓委員

  昔京都のまちは大学関係者に優しいまちだったそうだが,最近は市民が大学や学生に優しいとは言えない。京都に来たくても来れない留学生は多いが,実際に京都に来た留学生に対する支援が行き届いていない。支援というとお金を出すことと考えられがちだが,学生の日常生活を充実させるような精神的支援のあり方を考えるべきだ。留学生が空いた時間を利用して,京都の文化に触れたいと思ったときにどれだけ制約があるかは数え切れない。日々の生活に追われて本当の京都の良さを味わえないという声をよく聞く。特に留学生だけを支援するというのではなく,大学に優しいまちというのであれば,市民の心がまとまった支援をしていかないと,本当の支援になりえない。

  学生の来ない大学はつぶれてもいいというご意見があったが,実生活に役立つものだけを優先させればいいという考え方には抵抗を感じる。東洋では教育への意欲が高い。大学生活を送ることで得られる人間的な余裕があると思う。高校まで受験勉強をしてきたのだから,4年間ぐらいゆっくり人生を考える時間があってもいいのではないか。京都にとって大学は大切であり,「大学のまち・京都」は海外から見ても魅力的なので,もっと真剣に考えてほしい。

  生涯学習については,カルチャー的講座ばかりでなく,人について考える講座がもっとあってもいいのではないか。

 

佐々委員

  先ほどの意見を補足しておくと,大学が経営を中心に考えることも必要だが,それによって現在の世相に迎合するようなものとなっては困るという意味で申し上げた。

 

梶田委員

  大学を無理につぶせと言っているわけではなく,大学が生き残っていくことが至上命題で,そのために無理な学生獲得競争をして,大きな器をつくって残していくのは意味がないのではないかという意味で申し上げた。

  前回宗教についての議論がされたようだが,宗教と道徳は重なり合う部分はあるが,基本的には別のものだ。道徳からはずれた者でも救われるというのが宗教であり,寺が日本人の道徳をつかさどってきたわけでもなく,寺がだめになったから日本の道徳がだめになったのでもない。親のしつけや周囲に目標となる大人がいないために子どもが未来を見据えられなくなっている。寺が教えてきた自業自得やおかげさまということもなくなってきた。東洋で人間の倫理道徳をつかさどってきたのは輪廻思想であり,あの世や前世が信じられなくなれば日本人の行動を倫理的に規制するものは何もないと言っても過言ではない。あの世が信じられない人に道徳的に宗教を教えることは難しい。それに代わるものとして何があるのか,新しい倫理道徳をどう教えていくかという課題が宗教者に対してつきつけられている。

 

八田委員

  「大学のまち」とは大学のあるまちではない。大学の多く立地するまちが「大学のまち」ということであれば,東京や八王子は「大学のまち」ということになるが,東京や八王子は「大学のまち」とは言えない。京都の目指す「大学のまち」は,大学と地域,産業,文化施設等が有機的に関連しているまちだと思うので,基本計画でそういう方向で考えてほしい。大学コンソーシアム京都もその1つだと思う。

 

金井部会長

  昔の京都は大学に在籍する何年間かを過ごす学生たちが人生を論じ合い,自分の夢やアイデンティティをつくっていく,ゆとりある学生生活を送れるまちだった。哲学の道に代表されるそういう学生のまちの良さが観光化していっているように思う。知識教育だけでなく,昔の学生のまちの雰囲気を取り戻せば,それがゆとりある人間形成につながるのではないか。  

 

(2) その他

金井部会長

  本日はいろいろなご意見をいただいた。言い足りなかった点があれば,事務局まで文書でお寄せいただきたい。本日いただいたご意見については調整委員会に報告し,基本計画の素案づくりに生かしたい。

  次回は8月下旬に基本計画素案をご検討いただく予定であり,よろしくお願いしたい。

  それでは,本日はこれで閉会としたい。

 

 

3 閉 会

 

 

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