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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第7回 福祉・保健部会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第7回 福祉・保健部会

日 時 : 平成12年4月24日(月) 午後3時~5時

 

場 所 : 京都ロイヤルホテル「青雲」

 

議 事 :

(1) 基本計画策定作業の進め方等について     

(2) テーマ別討論「高齢者福祉」について     

(3) その他

 

出席者 : 

乾   亨(右京区基本計画策定懇談会座長,立命館大学産業社会学部教授) 

北川 龍彦(京都市民生児童委員連盟会長) 

北村よしえ(京都市精神障害者家族会連絡協議会会長) 

玄武 淑子(京都市老人クラブ連合会会長) 

竹下 義樹(京都市身体障害者団体連合会副会長)

◎浜岡 政好(佛教大学社会学部長) 

宮下れい子(市民公募委員) 

森田 久男(北区基本計画策定懇談会座長,元佛教大学教授)   

横田 耕三(京都府医師会会長)

○渡邊 能行(京都府立医科大学付属脳・血管系老化研究センター教授)                               

 

以上10名 

◎…部会長     (50音順/敬称略) 

○…副部会長

 

 

1 開 会

浜岡部会長

  第7回「福祉・保健部会」を開催させていただく。

  当部会は昨年の8月以来の開催になるが,昨年12月には基本構想が市会に提出され,全会一致で議決された。本日から基本構想に示された「くらしに安らぎ,まちに華やぎのある21世紀の京都」を市民とともにつくっていくため,今後10年間に取り組むべき政策についてご議論いただくことになる。

  当部会には本年3月に退任された薦田副市長の後任として高木副市長に加わっていただく。

  続いて事務局の総合企画局の人事異動についてご紹介いただきたい。

 

 ――(事務局自己紹介)――

 

 

2 議事

(1) 基本計画策定作業の進め方等について

浜岡部会長

  第1回調整委員会での検討結果として「基本計画策定作業の進め方」「基本計画の構成・枠組み」を事前に送付させていただいているが,資料1に基づき簡単に説明したい。

  1点目は,まず想定される作業の流れということで,4月から6月にかけ各部会で京都市の作成する資料を参考に計画に盛り込むべき事項をテーマ別に議論していただき,そこでのご意見を調整委員会に持ち寄り検討する。また,調整委員会では併行して特定の部会に属さないテーマ「市民のあり方,行政のあり方」や財政問題等について検討する。当部会には素案の段階で改めてご意見をうかがうことになるのでよろしくお願いしたい。

  それ以降基本構想と同様,部会と調整委員会の間で何度かやり取りしながら12月の答申案の作成に向け作業を進めていくことになる。

  第1回調整委員会では複数部会に関連するテーマの取扱いが議論されたが,部会としての専門的テーマ別討論の後,素案を審議する段階で関連の深い部会を中心に他部会に任意でご参加いただくことを考えている。具体的な参加方法については他の部会長とも相談のうえ,後日報告させていただく。

  2点目は基本計画の構成で,大きく「前文」「政策」「推進」の3部構成とし,「政策」部分を「安らぎ」「華やぎ」「市民のあり方,行政のあり方」の3項目に分けて10年間に取り組む主要政策を掲げることとしている。ボリューム的には新基本計画とアクションプランの中間くらいのものを想定している。

  なお,京都市長からの当審議会の委員に対するお願いということで「市民感覚からの議論の積み重ねによる審議会の意思形成」,「行政が責任を持って実施できるものであることとの接点を見出すことによる計画の実効性の確保」,「既存の枠組みを超えた大胆な発想に基づく京都ならではの政策の立案」という3点があったことを紹介しておく。

  特に質問やご意見がないようであれば,引き続きテーマ別討論に移りたい。

 

(2) テーマ別討論「高齢者福祉」について

浜岡部会長

  最初に検討資料の構成について簡単に説明したい。最初に「基本構想における関連記述」ということで,基本構想の中から当部会のテーマに関連する記述を抜き出している。次に「政策の検討項目」ということで,今後10年間の京都市の政策の方向についてご議論いただく柱となる検討項目を例示してある。この3つの柱で尽きるかどうかについてもご議論いただきたい。審議会の自主性を尊重するということで,自由な議論のための材料を出していただく形になっている。それ以降はこれまで行政が取り組んできた主要施策・事業を参考として示している。こうした構成でテーマ別に資料をまとめていただいており,これを参考に議論していきたい。

 

保健福祉局(谷口長寿社会部長)

  ――(資料2「基本計画検討資料「高齢者福祉」」について説明)――

 

浜岡部会長

  今の説明について質問やご意見があればうかがいたい。

 

渡邊副部会長

  本日のテーマは「高齢者福祉」だが,基本構想と同様に「高齢者福祉」,「障害者福祉」「地域福祉」,「保健・医療」という3つの枠組みで審議を進めるということだと思う。資料1の基本構想と部会討論テーマとの関係表を見ると,第2章の「安らぎのあるくらし」の中にすべて「高齢者福祉」が入っている。また「安全なくらし」にかかわる議論は資料2の政策の検討項目のどこに該当するのかということになる。本部会で単独で議論するより,先ほどの関連表の「まちの基盤づくり」の欄の教育・人づくり部会のところに「学校教育」「生涯学習」という項目があがっており,ここで高齢者福祉の観点から学校教育や生涯学習を議論をすることになると思う。そうするとここでは教育・人づくり部会に対して当部会からどういうお願いをするのかを議論することになるのではないか。

 

浜岡部会長

  進め方ともかかわってくるが,当部会のテーマである「高齢者福祉」,「障害者福祉」「地域福祉」,「保健・医療」は必ず押さえなければならないが,これらのテーマも他部会とかかわっており,当部会で審議するだけでなくどう他部会と連携しながら素案を組み立てていくかは課題として残っている。とりあえず前回と同じスタイルで議論を始めるということだ。

 

乾委員

  資料1の基本構想と部会討論テーマとの関係について,「まちの基盤づくり」と「市民がつくる京都のまち」はあらゆる分野と絡んでくる。どの部会にもこのテーマが見えていなければならないが,そういう意味で当部会のところに何も書かれていないのは気になる。この部分をすべて埋めておく必要があるのではないか。

  われわれが検討しようとしている基本計画と高齢者保健福祉計画など先行計画との関係はどう考えればいいのか。同じことを二度やるのは意味がない。先行計画を受け止めてそれにプラス・アルファするのか。

 

事務局(葛西政策企画室長)

  総合計画以外に各分野でそれぞれの個別計画がある。先行計画で説明が必要なものについては関係部局から説明し,資料を提出して新たな発想でご議論いただくことになり,今後策定する個別計画についてはここでの議論を踏まえて策定されることになる。

 

浜岡部会長

  ここで議論する基本計画が最上位の計画になる。

 

乾委員

  そうであれば,何が今までの到達点で,何が今後の課題として残されているのかという説明が必要ではないか。

 

北川龍彦委員

  この議題を取り上げることについては事務局から事前に部会長に相談があり,部会長の同意のうえで資料が提供されているということであり,この資料を基にして課題があれば出していただき,この場で整理していこうという趣旨だと思う。

 

浜岡部会長

  本日は高齢者福祉から議論を始めようということだ。審議会の主体性を尊重するため,事務局からは控えめに材料を出していただいている。「政策の検討項目」もあくまでも例示であり,これで十分かどうかも含めこの場で議論していただきたい,先行計画についてもこの点が足りないのではないかというご意見を出していただきたいということだ。

  乾委員はこれまでどこまでやって,どういう課題が残されているかかが本日の資料では分からないというご意見だが,具体的にこういう資料を出してほしいという要望はあるか。

 

北川龍彦委員

  今まで積み重ねてきた経緯の報告がなく,いきなりテーマ別討論に入るから委員の間に混乱が生じる。

 

浜岡部会長

  基本構想で審議した分野については当部会で議論しなければならないが,渡邊副部会長からご指摘があったように,どのテーマも他の部会とリンクしており,どういう取り上げ方をするかは当部会での議論を踏まえて調整委員会で検討したい。構想と部会討論テーマとの関係についても,調整委員会では高齢者福祉は基盤整備などとも関係するという議論があった。いろいろな切り口が考えられるが,とりあえず今回は高齢者福祉,障害者福祉など構想のときと同じ切り口で議論しようということだ。足りない点については今後補っていきたいと考えている。

 

乾委員

  高齢者福祉の専門家ではないため,京都市のこれまでの取組状況やこれからやろうとしていることについて十分理解していない。それにとらわれなくていいということもあるのだと思うが,先行計画と基本計画がずれた場合どうするのか。大筋でずれることはなくても,細かい力点の置き方でずれる可能性はある。できればきちんとした資料を提出してほしい。

 

浜岡部会長

  高齢社会対策基本計画や高齢者保健福祉計画など,この部会に関連する既に策定された計画があり,それと基本計画に整合性がないと問題だが,先行計画で議論されなかった項目もあり,福祉の専門家からだけでなく,なるべく多方面から見て,こういう課題があるのではないかという意見を出していただき,それに対して事務局からこういう施策があるという説明をするというようなやり取りをしながら進めていきたい。これまでの取組についての資料は適宜事務局から出していただきたい。

 

北川龍彦委員

  今後は部会長と副部会長が事務局と十分に話し合い,議案の提案者となってもらうということで,本題に入っていただきたい。

 

竹下委員

  20年,30年先にどういう社会を築いていくかをイメージする必要があるのではないか。個々の項目を検討するのであれば行政がやったほうがうまくいく。行政をリードするものでなければ基本計画についてわれわれが議論する意味がない。

  京都であってこそ意味のあるものでなければならない。京都には古い町並みもあれば学園地域もあり田舎もある。高齢者の今置かれている状況が前提になると思うが,今高齢者が自分たちの住みよいまちにするために何を望んでいるかというデータはあるのか。

 

浜岡部会長

  京都市では一昨年介護保険と関連して高齢者調査を行っているが,介護に限定した調査なので,高齢者がどういう社会を望んでいるかという意識調査まで含んだものではない。5年前に本格的な高齢者調査を実施しており,今年も同様の調査が予定されている。今後の10年を考えるうえで5年前のデータに基づいて議論するのは十分ではないかもしれない。

 

北川龍彦委員

  今までの当部会での基本構想に関する議論について,部会長としてはどう認識しておられるのか。

 

浜岡部会長

  本日の資料にも,関連する記述が抜き出されているが,基本構想ですでに少子高齢社会についてのイメージが打ち出されていると思う。

 

竹下委員

  計画策定の前提として,例えば老人クラブ連合会などに対するヒアリングの形で,この部会として高齢者のニーズや高齢者が望む社会像についての調査をしていただくことは可能なのか。

 

浜岡部会長

  包括的な調査ではないが,高齢者保健福祉計画と介護保険事業計画策定プロセスでそれらの団体の方にも参加していただいており,その意見が計画に盛り込まれている。改めてヒアリングが必要ということであれば,当部会の委員からもご意見をいただけると思う。

 

宮下委員

  うちは痴呆性老人を抱えているが,1月に介護保険の認定が終わり3月末に計画ができてきたが,北区には認定もまだしてもらっていない人がいるらしい。

  これまで保健所を中心に痴呆性老人を抱える家族が集まる機会を持ってきたが,もっと多くの人に参加していただけるものにしたいということで,洛西で3月に「マスカットの会」を立ち上げた。現在月2回ほど会合や勉強会を行っているが,同じような会があちこちにできて介護する家族が少しでも楽になればいいと思う。

  今までは月2週ショートステイを利用してきたが,介護保険になってから1週間にしたところ,期間が短く十分休めないような気がする。資料では特別養護老人ホームの整備は1999年度に100%完了となっているが,先日見学に行った施設では50名の定員に対して150名の申し込みがあったということを聞いた。ショートステイ枠も在宅で介護する場合もっとほしい。ケアハウスが25%の整備状況というのは残念だ。

  それ以外にも,高齢者世帯で配食サービスを希望している人は多いが,そういった情報はどこで得られるのか。緊急通報システム事業についても独居でなく高齢者二人の世帯の場合は適用されるのか。高齢者が二人で暮らしている場合,片方が要介護の状態で,介護者が倒れた場合どうなるのか不安で,そういうところにも配慮してほしい。また,家族で高齢者を介護している場合,家族が休養できるよう考慮してほしい。

 

玄武委員

  どういう社会をイメージするかということは大事で,高齢者がどのように生きていくかということと結びつけて考えなければならないと思う。介護保険で介護を受ける高齢者は約1割であり,それ以外の人は元気な高齢者ということだが,高齢者にとっては健康がいちばんの課題だ。老人クラブでも健康,生きがいを重視しており,また独居老人を訪問する友愛活動を展開している。「くらしに安らぎ,まちに華やぎ」ということで,高齢者にとって安心して生き生きと暮らしていける社会をイメージし,そういう社会の実現に向けた責任の一端を高齢者も担っていかなければならない。老人クラブの活動に対する行政のさらなる支援をいただきたい。

  個別の課題としては老人のいじめなどいろいろな問題があると聞く。無料パスにしても,市バスの運転が乱暴なのでタクシーを安く利用できるサービスがあるほうがいいという意見もある。いろいろ検討していただきたい課題はあるが,まず目指すべき方向をきちんと定めてから個別の項目を検討していくべきではないか。

 

北村よしえ委員

  山科区は集合住宅が多く,そこで一人で暮らす高齢者も増えている。障害を持つ子供も将来は一人暮らしの高齢者になる。京都市は一人暮らしの高齢者についてどの程度把握しているのか,民生委員はどのようにかかわっているのか。高齢者の中でも特に集合住宅の一人暮らしの高齢者の施策がどうなっているのか気になる。

 

乾委員

  どんな社会をイメージするかというところに常に立ち返らなければならない。大筋は基本構想で書かれているが,もう少し具体的なイメージを描く必要がある。

  まず,都市基盤やまちづくり,防災,教育,文化という視点抜きでは空虚な議論になるのではないか。各部会に共通することだが,総合的という意味では当部会にも福祉・保健担当部局だけが参加するのでなく,建設局や消防局などにも参加してもらい生の声を聴いてほしい。都市基盤の話は避けて通れない。地域ごとに拠点施設が配置されなければ,住み慣れた地域で暮らし死んでいける社会は実現できない。京都市高齢者保健福祉計画の施設には人口当たり何施設といった設置基準や配置目標があると思うが,それを資料として出してほしい。同時に市内の配置図もあればいい。数は足りていても配置に行政区単位で偏りがあるのではないか。中学校区レベルより小学校区レベル,さらにはもっと分割したレベルで配置するという方向は正しいと思うが,施設についてはそういったデータをチェックしながら議論したい。

  2点目は,施設には入らず元気な間は一人で生きたいというのが高齢者の本音であり,施設だけでなく,例えば店や公園など「居場所」のようなものがどれだけあるか。千葉県の市川市では「地域の縁側」という言葉でそういった場所を表現しているが,「地域ケア体制の構築」とセットでそういった拠点についても議論しておく必要がある。さらに都市基盤整備との関連で,特に高齢者の場合,車に脅かされず徒歩圏域の中でどう動けるかは非常に大事だ。資料では制度的なことが多く取り上げられているが,そういった都市基盤に関する論点も入れていただきたい。

  3点目は,京都の生の現状を踏まえないと通り一遍のものになる。施設分布マップなどのデータは極力集めていただきたい。また,区別計画の中でも議論が進んでいるはずで,それを事務局で整理してこの場に出していただくと議論の役に立つのではないか。

  最後に提案になるが,この基本計画を達成目標羅列型ではなく,地域の高齢者との応答の中で見直しを図っていく,ある種のプログラムのようなものにしたい。独居老人がどれだけいるかなどのチェックを始めている学区もあるが,高齢者や障害者の生活という観点から地域カルテのようなものをつくり総合的なチェックをするとか,今の京都のポテンシャル,地域の力量がどのあたりにあるのかというデータを集めながら,それをどう市全体の財産にしていくかという意味でのプログラムのような話が基本計画の中に盛り込めると面白いのではないか。

 

浜岡部会長

  基盤整備に関連していくつか委員から質問や要望が出ているが,事務局から答えられるものはあるか。

 

保健福祉局(谷口長寿社会部長)

  最初に基本計画と個別計画の関係について確認しておきたい。最上位に基本構想があり,その下部計画として今ご議論いただいている基本計画がある。これらは京都市総体としての総合的指針であり,その高齢者部門の総合計画という形で高齢社会対策推進計画があり,そのさらに下部に保健福祉に限った総合計画として高齢者保健福祉計画がある。その推進を担っているのが保健福祉局である。

  高齢者保健福祉計画の中にさまざまな福祉政策の項目や実施状況,目標を掲げている。その大きな柱が基盤整備で,資料には第1次高齢者保健福祉計画の目標数と目標達成状況が出ている。目標を100%達成しているのに施設が足りないというのは,これが予算ベースでの目標数だからで,例えば特養を建てるには1年半から2年かかるので実際に完成されるのは12年度になる。そういう意味で12年度末から13年度半ばには第1次高齢者保健福祉計画で計画した施設は完成し,希望する高齢者には入居していただける。基盤整備には鋭意努力しており,この2月に策定した第2次高齢者保健福祉計画でも高齢者数を基に基盤整備の目標数値を掲げ,それを5年計画で16年度までに達成することになっている。

 

浜岡部会長

  介護保険事業の中で行政区レベルでの基盤整備はされているはずだが,それが実際の行政区のニーズに合っているかどうかという点では課題があると思う。保健福祉計画で中学校区レベルで整備するという方針は出ているが,地域でどの程度整備されているかについてのデータがあればいい。

 

北川龍彦委員

  施設についても,実態と立地場所がどこにあるかを考えてほしい。数値目標は達成されていると言うが,僻地の山村に施設があっても,対象者はどうやってそこまでたどり着くのか。そのあたりを議論するのがわれわれの役割であり,例えば岡崎の動物園を郊外に移して跡地に高齢者施設をつくるというようなことを考えるべきだ。伏見や左京,西京,右京に高齢者福祉施設が多いのは土地が安いからである。介護保険で金を取るからには施設を整備していかなければならないが,それが5年,10年先では今の高齢者は利用できない。1年,2年以内に都心で施設対応ができるのかどうか。この資料ではまったく分からない。

 

乾委員

  どんな社会像を描くかということにもつながるが,地域で生き生きと暮らしながら死ねる状況をどうつくるかという議論をするためには,この資料は不十分だ。数が足りたかどうかというチェックではなく,地域で死ねるのか,地域で生き生きと暮らせるのかというチェックがされるべきだ。そのためには配置基準目標が中学校区でいいかなどについても,分布状況などきちんとデータに基づいた議論をしておきたい。

  この達成された目標値が予算目標に基づく数値とすれば,それ以外に京都市として達成すべき目標数値があるはずで,このデータは二重の意味で不完全であり,事務局からきちんとしたデータを出していただきたい。

 

竹下委員

  宮下委員のご指摘は大事だと思う。この場で介護保険の実施状況やそれ以外の生活支援事業について一つ一つ議論するわけにはいかないが,そこから出てくる一つ一つの不満や疑問,不信感をどう解決するかが重要だ。本当にチェックする力はユーザーである市民にあり,そこから上がってくる声は制度を改善する最も大きな力になる。介護保険ができたときに苦情処理機関はつくっているが,そこに持ち込まれた苦情がどう処理されたかを発表する場が保証されなければ制度の改善に結びつかない。

  あるべき社会という話をしたのは,ハートビル法やバリアフリー法など法律も整備され,企業の動きも良くなってきたが,それで社会はどう変わったかというところに戻ってこざるを得ない。制度や政策で見ると数字が出てくるので前進したように見えるが,一人の高齢者や障害者が地域で生活しているとき,どういうサービスを受けてどう生活の質が向上したかという点検がなければだめだ。個々の高齢者や障害者が地域の生活の場において十分なサービスを受けるための条件がどう整備されているか。一朝一夕で完成するわけはないので,常にそれを点検するシステムがつくられることが大事だ。10年間動かないような計画は死んだ計画であり,計画は常に動いていなければならない。全体としても個々のユーザーから見ても,自分の目指すもの,社会の目指すものが形として見えてこなければならない。乾委員や北川委員のご意見とも共通するが,京都市の目指しているもの,京都市民の目指しているものが見えるようにするためには何が必要なのかを考えなければならない。大きなあるべき姿がどこかでうたわれる計画であってほしい。

  2点目に,パートナーシップやNPOの活用といったことが言われているが,老人クラブなどの実際の活動や生の声を議論の素材としてこの場に出してほしい。行政が事務局として資料を出してくるものがすべてではないと思う。

  最後に,ネットワークという言葉を使うのはいいが,計画を議論するとき,市民がイメージできる項目立てをしていきたい。基本構想はわれわれの運動を引っ張る目標になるものなので言葉が踊ってもいいと思うが,計画はアクションプランであり,変化し続けるものとするためにも,個々の項目が分かりやすく,中身が具体的に提示できるものであってほしい。

  「障害者や高齢者が住みにくい社会は不完全な社会だ」という言葉を聞いたことがある。10年先には高齢者や障害者という言葉がもっと違ったイメージで使われたり,その意味が変わってくるような社会の変化をつくり出したい。今の社会が不完全だという出発点から議論を始め,そのための材料集めをしていきたい。

 

渡邊副部会長

  保健の分野では「必要とされる人々に必要なサービスを」ということが言われるが,必要とされる人々,必要とされるサービスの評価が難しい。辺鄙なところに施設があり,対象者は都心に住んでいる場合,数として目標値に達していても質としてはどうなのか。当部会としては保健・福祉にかかわり具体的にこういう社会をつくっていくのだということを提案していかなければならない。最近行政では「アウトプットからアウトカムへ」ということが言われるが,計画を立てて数値目標が100%が達成されればいいのではなく,京都市民がその成果に満足することが目標であるべきだ。崇高な基本構想に基づく計画として,今後われわれはその遂行の責務を負わなければならないわけだが,現場を忘れず,数字に躍らされず進んでいくことが大事ではないか。

 

北川龍彦委員

  今までやってきたことが市民に認知されているかどうかチェックしながら,抽象的でなく具体的に行政に提案しないとこの審議会の意味がない。行政がここでの意見をもっと大きく取り上げ,それに基づき問題を整理し,実現していける意見をこの場で提案していくべきだ。行政だけではできないことでも,われわれが市民とのパイプ役を果たし,市民に答えが正しく伝わり,市民の要望が実現していけるようにこの審議会を運営していってほしい。

 

森田委員

  計画の基本的な性格について疑問がある。市長からの要望として「実効性」ということを言われたが,それは実現可能という意味なのか,市政を運営し基本構想を実現していく際に役立つという意味なのか。「専門性と継続性を考えてほしい」ということだが,継続性ということは既存計画から大きく踏み出しては具合が悪いということだと思う。これから基本計画をつくっていくうえで実効性や継続性が強調され,さらに資料1の「策定作業の流れ」のところで「京都市から中期財政見通しの報告を受け,財政に係る検討を経ることとする」とあるが,これでは大胆な計画が出てくるはずがない。この計画は大胆なものであってほしいというもう1つの市長の要望と矛盾している。

  目標数値の羅列型であってはならないが,目標を具体化しない計画であっては構想に後戻りしてしまう。この計画が今後市政を進めるうえで役に立っていくという実効性の点で存在理由があるとすれば,既存の高齢者保健福祉計画などから相当はみ出さないと意味がない。市長の言われる継続性や専門性との調和をどう考えていくのかが問題になる。

  資料1の「基本計画の構成・枠組み」にはスクラップ・アンド・ビルドの考え方を徹底するとあるが,そうすると政策に介入していくことになるので,基本的考え方をはっきりしておかなければならない。目標を具体的に掲げながら,それがまちづくりに実際の効力を発揮するものでなければならないというのは非常に矛盾した要望なのではないか。

 

浜岡部会長

  市長の部会に対する要望は,構想の具体化という点で実際に行政が使って効果を上げられるような内容の提言をいただきたいということだ。既存の枠組みを超えたものというのは,制度や枠組みに縛られて行政として動きにくいところがたくさんあり,予算の制約をまったく無視することはできないが,同時にこれまでの制度の持っていた問題を大胆に打ち破るような提言をしてほしいということではないか。

 

横田委員

  具体的な計画として数値目標を入れることになると相当勉強しなければならないが,部会長のほうでテーマを絞って2,3週間前に宿題を出し,部会当日までに各委員が意見書を出すようにしないとこの審議は進まないのではないか。例えば,ケアハウスが25%の達成率であるのは利用者が少ないからなのかどうかといった現状を知らないと具体的な意見が出せない。構想時と同じ総論的議論になってしまう。

 

浜岡部会長

  本日は来るべき高齢社会をどういうイメージで具体化すればいいかというところから始まり,高齢者福祉にかかわる課題はひととおり出たと思うが,計画に盛り込むような具体的レベルまでは議論できなかった。今後素案として具体化していく過程で何度も議論を重ねることになるが,本日の議論で触れられなかったご意見や,こういう材料を用意してほしいというご要望があれば,メモにして4月28日までに事務局に提出していただきたい。本日のご意見については部会でのまとめ方や進め方も含めて,調整委員会に報告し,素案づくりに生かしたい。

 

(3) その他

浜岡部会長

  5月には「障害者福祉」「地域福祉」,6月には「保健・医療」をテーマに当部会の開催を予定している。このテーマで議論するときにはこういう資料を出してほしいといった要望があれば事前に事務局にお出しいただきたい。日程については調整の後事務局から連絡する。

  本日のテーマで議論が尽くせなかった部分を今後どう整理するかについては,事務局と相談のうえ改めてご提案させていただきたい。

  それでは,本日はこれで閉会としたい。

 

 

3 閉 会

 

 

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