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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第1回 都市整備・交通部会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第1回 都市整備・交通部会

日 時 : 平成10年10月29日(木) 午後3時~5時

 

場 所 : 京都ロイヤルホテル「ロイヤルホール」

 

出席者 :

◎飯田 恭敬(京都大学大学院工学研究科教授)
奥田 正治(市民公募委員)
川崎  清(左京区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,立命館大学理工学部教授)
北村 隆一(京都大学大学院工学研究科教授)
高松  伸(京都大学大学院工学研究科教授)
西村  毅(京都青年会議所理事長)
野間光輪子(京町家再生研究会幹事)
長谷川和子((株)京都放送取締役)
エルウィン・ビライ(京都工芸繊維大学工芸学部講師)
三木 千種(市民公募委員)
三村 浩史(南区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,関西福祉大学教授)
宗田 好史(中京区基本計画策定懇談会座長,京都府立大学人間環境学部助教授)
中谷 佑一(京都市副市長)

 

以上13名
◎…部会長     (50音順/敬称略)


 


1 開 会

 

 

2 部会長あいさつ
飯田部会長
 第1回都市整備・交通部会を開催させていただきたい。第1回審議会総会で,会長より都市整備・交通部会長に指名された。よろしくお願いしたい。
 また,本日の部会は公開とし,報道関係者の席を設けるとともに,市民の方々にも傍聴いただいているので,ご了承いただきたい。
 最初にお1人ずつ自己紹介をお願いしたい。

 

 

3 委員紹介
奥田委員
 市民公募委員として参加している。地域で皆が主役のまちづくりに取り組んでいる。その経験をこの場で生かしていきたい。


北村隆一委員


高松委員
 建築計画を専門にしている。


西村委員
 京都青年会議所でパートナーシップ型のまちづくりを市民の手でと思い,いろいろな活動に取り組んでいる。


長谷川委員
 京都放送に勤務している。建築や土木の専門家の中でどういう発言ができるか分からないが,よろしくお願いしたい。


ビライ委員
 建築史・建築論と建築意匠論を専攻している。


三木委員
 市民公募委員で,もともと絵描きで都市計画については分からないが,よろしく。


三村委員
 専門は建築・都市計画だが,最近は福祉とのつなぎの部分を研究している。また,南区の基本計画策定懇談会の座長をしている。


宗田委員
 専門は都市計画で,最近は町家街区から車を減らすことを焦点に研究している。中京区の基本計画策定懇談会の座長をしているので,中京区からも交通について考えていきたい。


中谷委員
 市役所生活37年で,諸先生方の意見を聞いて,実行時には討論経過を踏まえよという意味で委員になっているのだと考えている。


川崎委員
 現在立命館大学の理工学部に勤務しており,左京区の基本計画策定懇談会の座長をしている。


飯田部会長
 欠席されている委員の方には次回以降に自己紹介をお願いしたい。

 

 

4 議 事
(1) 副部会長の指名
飯田部会長
 副部会長は,審議会条例施行規則により部会長が指名することになっており,私から北村隆一委員を指名したい。


(2) 基本構想の視点,枠組み,キーワード,理念等について
飯田部会長
 第1回審議会総会を欠席された委員もおられるので,事務局からグランドビジョン策定についてご説明いただき,それから議論に入っていきたい。


事務局(人見政策企画室長)
 (「21世紀・京都のグランドビジョン」の策定についての説明)


飯田部会長
 これから意見交換に入りたい。当審議会は5つの部会に分かれて議論を自由に行い,そこで出された意見を起草委員会に持ち寄ってまとめていくことになっている。この部会のテーマの詳細は次回以降の部会でご議論いただくことにし,本日は基本構想の大枠についてご議論いただきたい。
 まずひととおりすべての委員に簡潔にご発言いただき,その後ご発言いただいた論点に沿ってご議論いただきたい。


川崎委員
 京都の21世紀の大きな課題として,南部開発の問題がある。これからの京都市の計画の進め方はパートナーシップが中心になるという話があったが,パートナーシップで進めていけるだけ密度の濃い地域とそれでは難しい地域がある。南部の場合も,伏見区のような密度の濃い地域では当然そういうやり方が必要だと思うが,油小路あたりの京都の軸線を中心とする部分では基盤整備をしないと,将来,バランスのとれた都市はできにくい。そういう点については行政主導の進め方があっていいのではないか。
 南部開発には何か目玉がいるということで,市役所の移転や,文化施設や大学などを南につくるという考えがあるが,地球環境サミットを開催した記念に地球環境の研究所や啓蒙する博物館,教育する学問の場などの施設をつくってはどうか。地球に向かって京都がどうあるべきかを考える段階だと思う。
 もう1つ南部のことを申し上げると,都市は中心商業施設だけで成立するわけではない。現在油小路を中心に業務施設が集まりつつあるが,健全な都市には健全な住民が必要だ。 21世紀の良好な環境の住まい,住宅都市整備も考えていかなければならない。隣の伝統ある伏見と一体となった21世紀のモデル都市を考えてはどうか。


高松委員
 グランドビジョンの「グランド」という言葉に抵抗がある。まだそんな時代なのだろうかと疑問に思う。1つの理念や枠組み,美しい標語がまず存在して,そこへ向けての運動としての創造活動が果たして存在しうるか。設計の場合,ある理想や理念をたてて,それに向けて設計するとたいてい失敗する。うまくいった数少ない例を考えると,何もない状態からその建築物が建つことになる状況をいかに把握し,分析し,運動としてそれをとらえるかという,活動のストラッグルの中からのみ創造活動が生まれたように思う。
 設計を展開するとき,いつも「3つのG」を考える。1つは「ground」地形,地勢で,様相をいかに見つめるかということ。次に「grade」即ち勾配で,気配,傾向といった,現象の持っている傾きのようなものをとらえること。3つめは「grass」即ち草で,草の根という言葉があるが,そこに自生するもの,放っておいてもそこで育つものをいかに手をつけずに見守っていくかということ。この3つを創造のキーとして考えるようにしている。
 理念や標語にはつながりにくいのだが,そのような活動,運動を大きくくくるものはやはり言葉として問われるベきだと思う。そしてそれは「美」ではないかと考えている。府の基本構想の標語に「風流」という言葉があったが,新たな創造に向けての標語が生まれるとすれば,それは固まってしまう,内部に向けて凝縮してしまう言葉ではなく,運動の概念を示すような言葉ではないか。
 もう1つは,南部は,内外に対して示す姿において重要な役割を担っているのではないかと考えている。美とは触れる,見る,読むといった行為によってのみ把握可能なもので,いかにビジュアルに美しく表現するかが第一歩だと考えたい。


西村委員
 1つの理念でこのまちをくくることにはしんどさを感じる。地域によってそれぞれがパターンを持っていて,それを崩すと変になってしまうような気がする。いつも思うのは人口は増えなくてもいいから,人がそこへ行けば何かがあるのではないかと期待して勝手に集まってくるようなポイントが点在しているまちになってほしいということだ。例えば,環境問題について日本でも類を見ない市民活動がされている地域があるとか,町家を町家に建て直すような地域とか,それぞれのまちがそれぞれの個性を持ち,人が勝手に集まってくる仕掛けが散りばめられていれば,京都はどんどん発展するのではないか。そういう意味で,標語をつくるなら抽象的にして,各地域がそれぞれの個性でつくっていくものを見つけられるようにしてほしい。
 パートナーシップという言葉が出てくるが,これも時と場合による。行政にしかできないこともあれば,行政に手を出してもらうと困ることもある。それを十把ひとからげのパートナーシップという言葉で語ってほしくない。互いが手を携えて生きる場所,行政にしかできない場所,地域住民にしかできない場所をある程度示していったほうが,これからのパートナーシップは育つと思う。
 ドーナツ化現象は都市衰退の原因ではないか。住みたい人が住んでくれるまちにすることで,京都は機能するまちとして生き残っていける。バイパスをつくって外側を開発し,そちらに人が出ていって真ん中に人がいなくなるというような衰退する構想はつくりたくない。


長谷川委員
 近年デジタル化により放送業界を取り巻く環境は激変している。日本の場合,いつもハード先行でものごとを考えてきた経緯があるが,ハードを使いこなすのは人でありソフトだ。それが京都の魅力ではないか。「おこしやす委員会」が発足したが,これは市民と行政と観光業者が手を組んで観光振興していくものだ。今はバーチャルな世界でいろいろな情報を手に入れることができるが,バーチャルな世界で手に入れた情報をリアルに自分たちの目で見たい,という欲求を満たす仕掛けをどうつくっていくかが重要になってくる。
 これからは右肩上がりの社会ではないという話があったが,それでは2025年に京都で何人の人が生活できる場所をつくっていくのか,そのためにはどういう税収がなければならないのか,その辺りを数量的に明確化する必要がある。大阪のユニバーサル・スタジオのような目玉となるものを京都にもつくる必要があると思うが,どういう都市にしていくために,なぜそれをつくらなければならないのか,そのあたりのストーリーをつくっていただきたい。
 世紀末の現象なのか,最近いろんな面で問題が露呈している。 21世紀にはがらっと時代が変わるのではないかと感じるが,次の世代を育てる人づくりの問題抜きにこの構想は語れない。そこには従来型の価値観やヒエラルキーと異なる新しい価値観をつくっていくべきで,その中で教育の問題をクローズアップしていかなければならない。
 京都の強みは歴史をつくってきた町衆にあると思う。町衆のノウハウや知恵を生かすための装置づくりをしていくことが,情報化時代のテーマとなるのではないか。関連して大学の活用や宗教の活用の問題も出てくると思う。これまでの日本をつくってきた人ではなく,若い人や女性の意見を入れながら基本構想を固めていく必要がある。


ビライ委員
 世界の都市を考えると,例えばブラジルのリオデジャネイロの市長は都市計画家で,積極的な都市整備を進めている。そのためまちに活気があるのでサンパウロの人がうらやましがっていた。都市が何をやっているか考えるとき,いちばん目に見えるのは都市整備で,都市整備がうまくいっている都市は経済の状況もうまくいっていると分かる。他方で,目に見えるものをつくるためには見えない部分をどうつくるかが大切になる。どのようなシステムをどのような方法でつくるかが課題ではないか。また,今まで日本をつくってきた人よりも,これからつくる人の意見を聞くことは大切だと思う。
 整備をするときリアルということは非常に大切になる。西欧では世紀末ということでいろいろな議論がされ,「リアルの再来」というテーマの中でエコロジーや住まい方,資源の使い方が議論されている。京都や日本がそういった問題についてどう考えているのかよく分からない。このような機会を設けていろんな人の意見を聞くのはいいが,外国では市長がビジョンを提案すべきだという感覚があり,市長が変わると環境や都市の雰囲気が変わる。京都の場合はどうなのか。
 どういうやり方で実現するかということでは,透明性や情報公開が重要だ。市民に参加しているということをどう実感させるか。その辺りでメディアと市民,知識人や行政がどのような関係をつくるかについて疑問を感じている。日本は大学の教師でも自分の専門領域以外のことはあまり知らない。専門ということは部分だけ見えて全体が見えなくなるということで,そこに限界を感じる。多様な人との交流が大切だと思う。方法を工夫してほしい。
 個性的なものをということだが,個性は意図的につくれるものではなく,好きなものをやっていると自然に出てくるものなので,この審議会も,好きになってやっていければと思う。


三木委員
 中間報告を読んで,「生きがいのある市民の豊かな暮らし」とか,「市民の夢やニーズに沿った」というような,人を中心に考えていきたいという京都市の考え方とは逆のものを感じた。中間報告はモノ的で人に関する記述は少なく,今までと同じだという印象を受けた。もっと人を中心に,まちづくりも交通も考えられるといいと思う。人を中心とするものの考え方を大事にしてほしい。


三村委員
 3つほど意見を言わせてもらう。1つは意見をテーマにするということで,机の上には大量の意見なるものが積み上げられており,さらにご意見拝聴と言われてもこの上何を付け加えていいのか。総意は何か,課題は何かというテーマの立ち上げが重要ではないか。これだけの素材が集まっているのだから,それを読み込んで事務局のほうでいくつかシナリオ立てをしてほしい。その場合,複数のテーマの立て方があると思う。
 2番目に,新しい概念を立てることが必要だ。交通・都市整備というような,従来どおりのジャンルでは面白くない。例えば交通でも,今までの輸送とは違った福祉の概念から見直していかなければならない。防災でも,耐震や防火のハードではなく,防災の日常化という概念が出てきている。備蓄倉庫をつくってもいつ災害が起こるか分からないが,毎年防災デーをつくって乾パンを食べるといった新しい対処方法もある。観光でも,京都の人は訪れた人を客として迎えているとは言えない。概念としては,これからのまちづくりでは福祉,環境,芸術が重要になると思う。京都にはこれを産業化し経済化していく能力がある。福祉や環境が新しい産業になり得るというように,複合的概念を立てていくことがテーマともかかわってくる。
 3番目に,共生とかパートナーシップはそう簡単なものではない。仲良しクラブ的なものではなく,対立の中からぎりぎりのところで出てくる選択がパートナーシップだと思う。そういう意味で,このグランドビジョンを誰が主体となってやるのか,役割分担を考えていかないと,「市民皆で」というような仲良しクラブ的発想ではだめだ。行政がやるべきことをやっていくのか,市民のライフスタイルとか京都人のあり方までこのグランドビジョンで決めるのか。グランドビジョンの働きがどこまでなのかについては,もう少し厳しく問いつめる必要がある。


宗田委員
 申し上げたいことは2つある。1つは我々の役割がどういう意味を持つかということ,もう1つはグランドビジョンの位置付けということだ。グランドビジョンを決める過程での透明性の確保が必要というご意見があるが,協力する市民が 300人いることにも,本日傍聴人や記者がおられることにも意味がある。このグランドビジョンは合意形成をその目的とする部分が大きいと思う。市民の意見を反映するためには,我々が中心となり,より多くの市民を巻き込み,意見や議論を引き込んでくる役割が期待されているのだと思う。研究課題として議論の内容を追求することも必要だが,我々は市民に対する大きな責任を担っているのではないか。
 先ほど高松委員が虚心坦懐に3つのGを見るということをおっしゃったが,中京区の第1回の委員会の後,座長として個別に20名の委員全員の意見を聴いてまわっている。そこに動きや気配があり,中京区の原動力があることを実感した。例えば,明倫学区は電柱の地中化を連合自治会をあげてやろうとしており,次は交通規制をしてほしいということを学区の要望として自治会長がおっしゃる。本能学区では友禅の職人が暮らしていくためのタウンウォッチング的なことを始めようとしているという具合に,いろんな情報が1人ひとりの委員の中にある。それを集めて,また我々も議論に加わって一定の方向性を見出してくることが非常に重要で,それが我々の役割だと思う。
 2番目のグランドビジョンの意味についてだが,高度経済成長期にはあれもこれもしなければならないというので総合計画をつくった。今は右肩上がりの時代ではない。攻めていくときと撤退するときの戦略の違いで,京都がどうしたら生き残れるかという厳しい選択の時代に,この厳しさに対する十分な自覚が根底になければ,総花的計画の立て方を変える意味はない。
 「おこしやす京都委員会」では,市長が他都市と比べて京都市の事業税,法人税の比率が低く,明日の京都を支えるためには法人税を上げ,現在製造業が3割を占めるGDPの構造を観光関連産業が3割を占めるところまで変えていきたいという話をされた。その市長のビジョンをもとに,観光都市をつくっていくとはどういうことかを具体的に考えている。我々が生き残るための税収構造を改善する,そのためのまちづくりは何かというテーマが与えられていることも,グランドビジョンの意味ではないか。そういう認識を明確に打ち出すことで京都の選択,京都の個性が明確に浮かび上がってくると思う。


中谷委員
 この部会は難しい部会だと思う。総花的でないものを,選択をと言っても,歩行者にやさしいまちづくりも公共交通も道路も大切なので,選択して方向性を打ち出していくことはできても,それをどう実行に移すかという部分が難しい。今まではこういう構想をつくると,進めるにあたっては市民の理解を得て,十分市民と話をしてということで行政に投げてきたが,今回はどうすれば市民の理解を得られるのかというところまで立ち入った方法論を出していただければありがたい。


野間委員
 ずっと建築設計を業としてきた。今は京町家研究会の幹事をしており,どういう姿勢でまちづくりを見ているかについてお話ししたい。
 野性生物研究所の友人が話していたが,野性生物は空間的に 100%満足した環境に生息しているのではなく,満足度は70%で,1種類でも多くの生物が生き残るために 30%の我慢を共有している。町家ブロックの研究をしていて,町家は都市の中で大勢の人が住むうえで,1軒1軒が我慢しているけれども,その我慢を共有しながら,ブロックとしてはお互いいちばん心地良い理想的な形をつくっている。明治までの千年間都市の中で人が住み続けてたどりついた形が,野性生物の生態とよく似た形をしているということに非常に興味をひかれた。生物のベースに立った本当の快適さというものを町家に見出していきたい。それが結局京都の人だけでなく日本中の人が京都に求めるものなのではないか。
 大勢の人が都市の中で住んでいくために快適なまちづくりは何かを考えている。それが実現されれば,京都の集人力にも集客力にも,集金力にもなっていくのではないか。「京都の高齢者はなぜ美しいか」という1人暮らしの高齢者のルポをしたとき,見えてきたものがある。青少年の問題や自己コントロールを含めて,これからの都市を考えていくときに京都の町家ブロックを通した住まいのあり方が生かせるのではないか。それをベースにこれからのビジョンを考えていきたい。


奥田委員
 自分の考え方を示したものなので,公募の際の原稿をお読みしたい。(原稿朗読,以下はその要約)
 崇仁学区は美しい環境と交通の便に恵まれた学区で,昭和30年代から京都市による改良事業が進められ,現在半分程度が完成されているが,活気のあったまちは高齢化し商店街も減り,空き地が目立つようになった。
 こうした中,住民1人ひとりのまちへの思いを尊重し協調しながらまちづくりを進めることを目的に,平成8年に「崇仁まちづくり推進委員会」を設立した。勉強会やワークショップ,住民報告会など「皆が主役のまちづくり」を合い言葉に会合を重ねている。この取組を通して,住民自身が思いを出し合い,まちに対する将来の夢を描いていくことによってまちが築かれていくものと確信するに至った。
 少子化や高齢化,商店街がさびれていくことなど,崇仁の抱える悩みと京都市の抱える悩みは共通する。 21世紀の京都のまちづくりは,住んでみたいまち,住み続けることのできるまち,活力にあふれるまちをめざし,市民1人ひとりが自分のまちの良いところや思い出を掘り起こし,地域コミュニティを守り築き上げていくところから始まるのではないか。
 21世紀の京都のまちづくりの指針となるグランドビジョン検討の場に,地域コミュニティにかかわる1人として参加させていただき,互いに京都に対する思いや意見を交わし,崇仁のまちが個性豊かなまちでありながら,京都全体と調和のとれたまちとなるよう,住民が主役のまちづくりの具体化に向けこの経験を生かしていきたい。


北村隆一副部会長
 専門の交通の視点から申し上げたい。福祉と交通とか,都市内での混雑の問題,歩行者に快適な空間の確保などほとんどの問題についてすでに研究されており,解決策が出ている。問題は,それが実施できないことだ。1つにはゼロサムゲームというか,例えば道路空間の一部を歩行者にまわすにはその分をどこかから削らなければならない。交通空間を増やすには莫大な金がかかる。自動車による混雑や大気汚染の問題にしても,皆が車の利用を控えればいいのだが,それができないという社会的ジレンマの問題がある。先ほど70%でがまんして30%を譲り合って町家の形態をつくればコミュニティ全体の福祉が高まるという話があったが,今の状態は皆が 100%を要求するのでタガがはずれてまちがめちゃめちゃになり,結果として全体の幸せのレベルが低下している。結局は市民の間での合意ができてこなければならない。そういう意味で市民にこういう形で参加していただくのは画期的で重要だと思う。学区単位での活動の積み上げ等々によって,すでにたくさんある,試されている手法を実施していくことも重要になると思う。
 京都のまちを歩いていても楽しくないが,人が歩いて楽しいところは,1つはショッピングモールでもう1つはディズニーランドだと思う。京都のテーマパーク化を考えてはどうか。中心市街地,祇園東山,西陣をはじめ,京都には個性ある地域があるが,テーマパーク化という概念を与えることで個性の掘り起こしができるのではないか。テーマパークの交通を考えると馬車やトロリーバスがあるが,ほとんどは歩いている。ほとんどの交通空間が歩行に当てられていることが,都市空間を快適にする秘訣ではないかと思う。徒歩空間を快適なものにすると人が集まってくる。特に居住空間を選ぶ優秀な人たちが集まってくるのではないか。優秀な頭脳が集まってくれば産業や税金も集まってくる。 20世紀は自動車の世紀だったが,21世紀は自動車を超えた都市,その先にくるものを先取りした都市を考えていかなければならない。


飯田部会長
 都市の魅力は優秀な人が集まってくることだ。京都の場合,交流人口は多いが,定住人口が減っている。京都大学にも優秀な学生が集まってくるが,京都で就職する学生は非常に少ない。都市が活性化するにはいろんな人が集まりそこに住みつくことが大事だが,そのためにどうするかが課題だと思う。
 これからどのようになるかという見方にもいろいろある。各地区レベル,京都全体,近畿圏,国際的な視点など見方にいろんなレベルがあるが,これからは外との関係がどうかということが非常に大事になってくると思う。国際化の進展や技術革新のおかげで,他都市と比べて京都の水準がどのレベルか直ちに分かる。外からの視点も大事だ。
 この部会で大事なことは,三村委員のご発言にあったように課題づくり,どのようにまとめていくかということで,京都にとって大事なことは何かということとも関連してくる。テーマの絞り方について,次回以降ご意見をいただくことにしたい。
 本日は一般的な事柄についてご意見をいただいたが,次回以降は具体的なことについてご意見をいただく。議事全般について,特にご意見はないか。


川崎委員
 左京区の懇談会の座長をしているが,そこで出た意見はどこで発表し,まとめればいいのか。


事務局(高木企画監)
 各区の座長も部会では部会に属する審議会委員としてご発言いただいている。審議会と行政区別の懇談会との関係については,1つには審議会で議論していく基本構想が策定される方向について,各区の懇談会での議論に反映していただきたい。
 また,審議会の総会時に各区のご意見を発表していただく時間をとらせていただくことを考えている。実際上,それによってどういう問題が起こってくるか分からないので,問題に応じて解決すべき方策を考えていく。


三村委員
 京都都市圏の自治体の意見聴取をしておられるが,意見だけでなく京都都市圏の統計データもまとめていただきたい。


飯田部会長
 京都市だけでなく周辺を含めた実態がどうなっているかの資料を検討していただきたい。


ビライ委員
 今後のテーマはどうなっていくのか。できれば資料も事前にほしい。


飯田部会長
 この部会は今後3,4回開催する予定だが,毎回テーマを決めて議論してもらうことになる。次回は交通に絞ってご議論いただきたい。


西村委員
 どういうプログラムで進めたいかが分かれば,準備もしやすいのではないか。交通の中でいちばん問題と思われることを出しあうとか,対策を考えるとか,明文化するにはどうするかというような,詳細なプロセスがないと,思いつきでしゃべってしまう。


飯田部会長
 その点について,事務局から何か説明はないか。


事務局(前葉政策企画室参事)
 次回以降の進め方について,1983年の基本構想策定後どのような施策をしてきたかをご説明し,それがどのように評価でき, 21世紀に向け何をしなければならないか,新しい状況のもとでの課題は何か,といった観点でテーマ別にご議論いただければと考えている。結果として出てくる課題への対応をどうしていくかが,グランドビジョンや基本計画につながっていくのではないかと考えている。
 資料については,お手元の資料はあくまでも基礎資料であり,各課題に向けての資料は別途用意するつもりをしている。


飯田部会長
 本日いただいたご意見についてはまとめて起草委員会に報告させていただく。また,特に異論がなければ本部会については次回以降も原則として公開とさせていただく。

 

 

5 閉会

 

 

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