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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/京都市基本構想等審議会/第4回 審議会

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2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 京都市基本構想等審議会 記録/第4回 審議会

日 時 : 平成12年10月20日(金) 午前10時~12時

 

場 所 : 京都全日空ホテル「平安の間」

 

議 事 :

(1) 京都市基本計画第1次案の検討について     

(2)その他

 

出席者 :

(1) 浅岡 美恵(気候ネットワーク代表)

(1) 石田 一美(京都市東山消防団団長)

(3) 伊住 政和(裏千家今日庵常務理事,京都市ユースボランティア21顧問)

(2) 乾 亨(右京区基本計画策定懇談会座長,立命館大学産業社会学部教授)

(3) 上平 貢(京都市芸術文化協会理事長,京都市美術館長)

(4) 上村多恵子(詩人,京南倉庫(株)代表取締役社長)

(3) 内田 昌一(京都市中央卸売市場協会会長)

(5) 梶田 真章(法然院貫主)

(5) 川阪 宏子(市民公募委員)

(4) 川崎 清(左京区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,立命館大学理工学部教授)

(5) 北川 龍市(京都市日本保育協会会長,京都市社会福祉協議会会長)

(2) 小林 達弥(市民公募委員)

(5) 佐々 満郎(京都府私立中・高等学校長会事務局長)

(5) 佐々木博邦(市民公募委員)

(1) 笹谷 康之(西京区基本計画策定懇談会座長,立命館大学理工学部助教授)

(4) 清水 三雄(異業種交流コスモクラブ会長)

(5) 庄村 正男(京都市PTA連絡協議会前会長)

(1) 須藤 眞志(京都産業大学外国語学部教授)

(4) 高松 伸(京都大学大学院工学研究科教授)

(2) 竹下 義樹(京都市身体障害者団体連合会副会長)

(3) 竹村 寿子(市民公募委員)

(1) 田端 泰子(山科区基本計画策定懇談会座長,京都橘女子大学文学部教授)

(1) 土岐 憲三(京都大学大学院工学研究科教授)

(1) 内藤 しげ(住みよい京都をつくる婦人の会会長)

(1) 仲尾 宏(京都造形芸術大学芸術学部教授)

(2) 中原 俊隆(京都大学大学院医学研究科教授)

(5) 永田 萠(イラストレーター)

(5) 西川 國代(京都市保育園連盟副理事長)

会 長   西島 安則(京都市立芸術大学長,京都大学名誉教授) 

(4) 西村  毅(京都青年会議所特別顧問) 

(1) J・A・T・D・にしゃんた(市民公募委員) 

(4) 野間光輪子(京町家再生研究会幹事) 

(5) 八田 英二(大学コンソーシアム京都理事長)

(2)部会長  浜岡 政好(佛教大学社会学部教授) 

(5) 韓  銀順(京都市生涯学習総合センター講師) 

(5) 福田 義明(京都市私立幼稚園協会副会長) 

(3) 古川 敏一(京都府中小企業団体中央会会長) 

(3) 堀場 厚((株)堀場製作所代表取締役社長) 

(4) 三木 千種(市民公募委員) 

(5) 水谷 幸正(佛教大学理事長) 

(3) 三谷  章(市民公募委員) 

(4) 三村 浩史(南区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,関西福祉大学教授) 

(2) 宮下れい子(市民公募委員) 

(4) 宗田 好史(中京区基本計画策定懇談会座長,京都府立大学人間環境学部助教授)

副会長   村松 岐夫(京都大学大学院法学研究科教授) 

(2) 森田 久男(北区基本計画策定懇談会座長,元佛教大学教授) 

(3) 山上 徹(同志社女子大学現代社会学部教授) 

(4) 山田 浩之(下京区基本計画策定懇談会座長,京都大学名誉教授,大阪商業大学大学院地域政策学研究科長)  

(5) 山本 壮太(NHK京都放送局長) 

(2) 横田 耕三(京都府医師会会長)

(3)部会長  吉田 和男(京都大学大学院経済学研究科教授)

副会長   鷲田 清一(大阪大学大学院文学研究科教授)

(2)副部会長 渡邊 能行(京都府立医科大学付属脳・血管系老化研究センター教授) 

(4) 中谷 佑一(京都市副市長)

(1)(3)(4)  増田 優一(京都市副市長)

(1)(2)(3)  高木 壽一(京都市副市長)     

 

以上56名   

(50音順,敬称略) 

(1)…環境・市民生活部会 

(2)…福祉・保健部会 

(3)…文化・観光・産業部会 

(4)…都市整備・交通部会 

(5)…教育・人づくり部会

 

 

1 開 会

西島会長

  できるだけ具体的で現実性のある計画にしたいということで,これまで5つの部会でたいへん熱心なご議論をいただいた。当初は合同部会の開催という案もあったが,部会相互の横断的な交流や傍聴者の参加など,限られた時間で横のつながりをつくりながら審議を進めていただけたと思う。平成10年10月の第1回総会で審議会全体の構造ができ,鷲田起草委員長を中心に議論を重ね,京都のまちに信頼関係を再構築するという観点から「わたしたち京都市民」を主語として書かれた基本構想を昨年10月に答申し,市議会で全会一致で議決された。

  その後,村松調整委員長を中心に基本計画の審議を進めてきたが,基本計画は構想と異なり,行政の責任で実施すべき実現可能なものでなければならない。素案に対しては,部会で議論を行うとともに,パブリックコメントを実施した。市民の皆さんや諸団体から多数のご意見が寄せられたが,具体的な施策については両立しにくいご意見もあった。また,特に今回は21世紀の主役となる20歳代の若者からのご意見を多数いただいた。本日はそうした貴重なご意見を基に調整委員会で作成した第1次案について,ご審議をお願いしたい。

 

 

2 議 事

(1) 京都市基本計画第1次案の検討について
 ○前文,全体の構成について

西島会長

  最初に,村松調整委員長から全体の構成についてご説明いただく。

 

村松副会長(調整委員長)

  調整委員会と総会の日程調整がうまくつかず,第1次案が皆さんのお手元に届いてから本日の総会までの期間が短くなったことを,初めにおわびしておきたい。

  この第1次案は,8月に調整委員会で作成した素案に対して各部会や市民の皆さんからいただいたご意見を基に修正,文章化したものである。まず,素案からの構成の変更点について説明したい。

  第1次案では最初に基本構想を掲載している。

  基本計画の前文では,計画策定の趣旨や4つの基本的な視点を示し,その後ろに計画に掲げる政策の全体像が分かる体系図を掲載している。

  素案から構成を大きく変更した点が3点ある。1点目は第2章で,京都における魅力を生かすことが都市の活力を生み出すという考え方に基づき,第1節と第2節を入れ替えた。2点目は,第2章第3節に第3項「高度情報社会に対応できる基盤づくり」を追加した。3点目は,第3章に新たに第5節として「個性を生かした魅力ある地域づくりを進める」を設けた。

  そのほか,各章の扉に「数字で見る2010年の市民のくらしとまち」を,最後に参考資料として「データで見る京都市の現況と課題」等を添付している。

 

西島会長

  必ずしも章や節の最初にあるものが大事ということではなく,流れとして最初に強調しておくべきことと,最後に強調すべきことがある。構成の変更や追加について特にご意見がなければ,各章の内容の検討に移りたい。

  まず,第1章について,調整委員長からご説明いただきたい。  

 

○第1章について

村松副会長

  基本的方向と柱立てを中心に説明したい。――(資料1「京都市基本計画第1次案」に基づき,第1章の各節・各項ごとに「基本的方向」と政策の柱立てを読み上げ,以下に掲げる素案から変更・充実した主な点を加えて説明)――

 第1節では第1項において「外国籍市民の就職差別の解消を入れるべき」というご意見に基づき,(7)アの「市職員への採用の拡大」という記述に加え,「エ 就職差別の解消に向けた取組の推進」を追加した。また,第3項において学校の中で「京都を学ぶ機会を持つことが必要」,「京都らしい計画に」とのご意見に基づき,(2)に「ア 京都の歴史や伝統文化に親しみ次代へ引き継ぐ教育の推進」など京都独自の政策の記述を強化している。

  第2節では第1項において「弱者を地域社会全体で助け合い,サポートすることが重要」とのご意見に基づき,(1)アに「(ア)地域コミュニティの活性化」として「各種の保健福祉関係団体や民生委員・児童委員,ボランティアとの連携の強化など」を記載している。また,第3項において「歯科保健についての記述を加えるべき」とのご意見に基づき,(2)に「エ 歯科保健対策の推進」を追加した。

  第3節では,第2項において「地震時の出火を防ぐための市民啓発が必要」とのご意見に基づき,(2)に「ア 京都の歴史的な町並みを災害から守るため,市民みずからが考え行動する防災啓発・教育の推進」にその旨の記載を追加している。第3項「日常生活における身近な安全や安心を確保する」は,素案では防災及び環境関係のところにあったものを,新たに項を起こした。また,第4項は部会での議論を基に,「環境の重視」,「ゆとりある空間の創出」という観点から全般的に記述を強化しており,特に,公共交通機関優先の交通体系の実現に向けた「自転車利用の促進」や自動車交通の増加に対応した需要追従型でない「交通需要管理施策(TDM施策)の推進」,「軽量軌道公共交通機関(LRT)」の検討などの政策を記載している。

 

西島会長

  基本構想は市民が抱くこういうまちでありたいというイメージであり,基本計画はまずそのために最初の10年で何をすべきかということであって,記述の仕方も変わってくる。ご意見の反映の仕方について,慎重過ぎるという感想を持たれるかもしれないが,市民の立場からこういうまちをつくろうということだけでなく,行政の責任としてこれをしなければならないという意識がないと,実現可能な計画にならない。また,指標となる数字については,努力目標もあれば客観的にこの程度はできるという予測も混じっている。

 

笹谷委員

  第1節第3項(1)ア(ア)に挙がっている「学校評議員」については,運用方法を相当考えてほしい。一部の地元の肩書きのある人だけで運用されると,かえって硬直化してしまう。こういうところにこそ若者をどんどん入れてほしい。中学校の学校評議会に高校生が入れば活性化するのではないか。

  第3節第1項(2)「環境と共生する暮らしの実現」は,素案の「環境先進都市として,環境行政の総合的推進による持続型都市の構築」という壮大なタイトルに合わせて中身を充実させるべきということで,環境税を含めた経済的メカニズムや法規制,環境情報システムの活用などを体系化し充実させることになっていたはずだが,第1次案は既存施策を並べただけのものになっている。この部分については文書で意見を提出したいが,相当体系化・記述強化を図らなければ,二酸化炭素の削減などは実現できない。

 

西島会長

  評議員制度の本来の趣旨から,高齢者や有識者だけの意見を聞くという意味ではないことをひとこと書いておく必要があるかもしれない。

 

村松副会長

  評議員制度は分権化とともに新たに法律で書き込まれた制度であり,その運用が重要であることはおっしゃる通りである。

 

西島会長

  環境について書き込みが足りないというご意見だが,長期的な自然と人間の関係という意味では取組が始まったばかりで,二酸化炭素の削減についても,京都議定書に書かれた目標を達成するための具体的施策がこれでいいかどうかについてはいろいろなご意見があると思う。

 

北川龍市委員

  素晴らしい基本計画が出来上がっても,行政だけでは実現できない部分がある。われわれ委員としても,行政がこの計画を実現できるための体制づくりに責任がある。また,市民としても行政の手助けができるように考えるべきだ。今後の取組に関連してくるが,各部会で計画実現のための手立てを検討すべきではないか。市民参加という意味で,そのあたりの取組を考えてほしい。

 

西島会長

  本審議会としては答申を出せば任務を果たしたことになる。第1次案では構想より行政の責任について厳しく記述し,市民の主体的参加と行政の責任とで必ず実現できるという意気込みで書いたつもりだ。本審議会がこのまま計画を推進し評価する役割を担うことには無理があるが,この計画を10年で実現させるためには何らかのメカニズムが必要であり,それについては次回の総会で具体的に議論したい。第1次案でも「計画の推進」にそれに関連する記述がある。

 

田端委員

  第1節第1項(2)アに「(ア)女性に対するあらゆる形態の暴力への対策強化」という記載があるが,ドメスティック・バイオレンスへの対応は緊急性を要するテーマであり,明日でもいいことと今すぐに取り組まなければならないことのメリハリをつけ,「シェルターなどの保護体制を早急に整備する」としていただきたい。

 

川崎委員

  左京区は多くの山林を抱えており,区別計画には「自然との共生」という項目が盛り込まれている。近年の山林の脆弱化や,市民と自然をどう接触させるか,地場産業にどう還元させるか,都市市民と山村市民との交流など,「環境との共生」と同時に「自然との共生」も大きな柱になるのではないか。

 

西島会長

  環境というと,どうしても人工の環境と生活のあり方との関係に焦点が当たりがちだが,自然環境と人工環境との関係についての視点も必要ではないかというご意見だ。

 

三谷委員

  第1節第1項(7)「多文化共生社会の実現」は大きな問題になってくる可能性がある。「オ」に「シンポジウムの開催」が挙がっており,開催にあたっては,多文化共生社会の先進国であるアメリカを参考にするなど,他国に学ぶ謙虚な姿勢がほしい。

 

にしゃんた委員

  第1節第1項で人権文化の構築のためのアプローチの仕方として5つの項目が挙がっているが,これでは既存のアプローチの仕方から何も変わっていない。モラルの向上ということであれば,啓発活動,国際交流の推進や人権センターの整備でいいが,これだけでは不十分だ。京都市では外国人の5割が住居について何らかの形で入居差別を受けているというデータがあるが,それに対する取組として既存のやり方のままでは,何も変わらない。留学生が多く,外国人比率が3%もある京都市で,川崎市の住宅基本条例のようなものがなぜできないのか。部会でも意見を述べたが,第1次案には取り入れられていない。人権月間に外国人講師を招いて話をしてもらったり,講座を開催するといった啓発に頼った取組では,一定の人間にしか波及効果がなく,社会の隅々までそれが反映されない。行政として条例をつくることも必要ではないか。

 

西島会長

  教育やモラルの問題で徐々に解決するだけでなく,並行して行政が条例などで支えていく必要があるというご意見であり,調整委員会で検討させていただきたい。

 

清水委員

  日本の将来で心配なのは急激な少子高齢化で,その先には人口の急激な減少がある。前文の「計画策定の趣旨」に「少子高齢化など日本社会の大きな転換期に…都市としての魅力と活力をもち続けるために」とあるが,若い人がたくさん住んでいることが活力ある京都の絶対条件であり,少子高齢化を前提とするのでなく,少しでも少子高齢化を食い止めることを前提にした計画にしていただきたい。

 

西島会長

  日本全体が人口の減少傾向にある中で,京都だけがその流れを食い止めることは困難だ。若者が集まる魅力あるまちづくりとして,大学や文化に関連した部分は,京都のまちを若々しく,何か新しいものが生まれているまちにしたいという趣旨で書かれているが,それをさらに強調したい。

  続いて,調整委員長から第2章を説明していただく。  

 

○第2章について

村松副会長

  ――(資料1「京都市基本計画第1次案」に基づき,第2章の各節・各項ごとに「基本的方向」と政策の柱立てを読み上げ,以下に掲げる素案から変更・充実した主な点を加えて説明)――

 第1節では第1項で「文化的側面だけでなく,過半数の市民が住んでいる木造住宅の現状を踏まえた京都らしい政策を」というご意見から,(4)に「新素材や新技術を活用した木造建築物の開発など,京都の風土に合った新しい木造住宅の開発,普及について検討する」と記載している。また,第3項では「留学生だけでなく,外国籍市民を巻き込んだ国際交流活動を進めるべき」とのご意見に基づき,(1)に「エ 地域住民と外国籍市民との多彩な交流の促進」にその旨を記載している。

  第2節では第1項で「観光を産業と見なし,産業連関都市の中に位置付ける視点が抜けている」というご意見に基づき,(1)アに「(イ)地域に密着した観光産業の振興」を追加した。第2項では「観光と関係がないと思われていた施策も観光の視点で見直すことが必要」とのご意見に基づき,(1)に「ウ 文化と観光の連携の推進」,「エ 自然,環境を大切にするエコツーリズム,グリーンツーリズムの推進」,「オ 歩いて楽しむ「まちなか観光」の推進」などの記述を強化し,また,「国際会議の誘致や海外からの観光客誘致に力を入れるべき」とのご意見に基づき,「(3)海外からの観光客誘致の強化」「(4)コンベンション誘致の強化」の内容を充実させた。第3項では「大学の持つ知識,人,施設をもっと京都市や市民のために開放すべき」とのご意見に基づき,(3)に市民への大学施設等の開放に向けた働きかけや大学と地域との人的交流について記述している。第4項では,「若者・学生が社会の中で活躍する場をつくり,連携役となることを期待すると明記すべき」というご意見に基づき,(2)アで若者の自発的活動についての記述を充実させた。

  第3節では第2項で「山陰線の高架化などについて,景観や環境に配慮すべき」とのご意見に基づき,(3)ア(イ)に「市民生活や景観について十分に検討を加えたうえで,計画を促進する」と記述を追加し,第3項では「高齢者などの情報弱者に対する対策が必要」とのご意見に基づき,(1)に「ウ 情報格差(デジタルデバイド)の解消」を追加している。

 

西島会長

  内容が多岐に及んでいるが,第2章についてご意見をうかがいたい。

 

笹谷委員

  部会でも議論になったが,都市内の高速道路については本当に必要かどうか。どういう議論をどこでやってきた結果,堀川線や久世橋線,西大路線などの記載があるのか。メリハリのある内容にすることが構想時からの方針であり,これらの記載は削除してはどうか。油小路線についての記載も削除すべきだ。

  第2節第4項(2)イについて,青少年活動センターを廃止する計画があるが,他方で「青年の家」の利用者数が指標に挙がっている。青年が市政やまちづくりにいろんな形で参加するという趣旨から考えれば,右京区や西京区にそうした施設がないことも含め,もっと積極的な書き方をしてほしい。

  第3節第1項(3)アの「都市計画マスタープラン」に関して,他の政令指定都市では緻密な区別計画を市民参加で策定している実態があり,もう少し踏み込んだ記述をしていただきたい。

 

川崎委員

  都市整備・交通部会の一員として,高速道路不要論に対して反対意見を申し上げたい。京都市は高速道路の整備が非常に遅れているが,油小路線,新十条通,久世橋線,第二外環状道路等,東西南北と周囲を囲む高速道路の構想・計画があり,既に着工しているものもある。これらの道路には慢性的な東西南北間の交通渋滞を解消すると同時に,都心部の「歩くまち」づくりのために幹線道路のバイパス化を図る意味がある。

  木造のまちづくりについては,京都は山林資源を多く抱えており,その活用を推進しないと形だけの木造のまちづくりになる。同様に伝統文化の問題についても,「新しい伝統文化の創造」など供給側の意見が出ているが,伝統的生活を守る市民が育たない限り,ブランドをつくっても何にもならない。地場の材料を利用する,和風の生活をする,床の間のある空間をつくる,集会に着物で出かける等,日常生活の中に伝統が浸透しない限り,伝統は継承されない。これらの点についてもご検討いただきたい。

 

内田委員

  京都には食文化に関する会館がない。部会でも日本の食を求めてやって来る外国人観光客が多いという話があり,京都に食文化会館がないのはおかしいという意見を申し上げたが,第1次案には反映されていない。食文化会館や食文化プラザ構想についての記述を盛り込んでいただきたい。

 

浅岡委員

  全体についての意見になるが,語尾が「計画を推進する」,「推進する」,「整備を推進する」,「検討する」,「検討を進める」など多様であり,「計画の推進」には「既に計画決定された事業についても…必要に応じて政策を見直し」とあり,どこを進め,どこを考え直すと理解すればいいのか分からない。例えば,この基本計画は10年以内に実施するということだが,「検討する」というのは検討することを実施すると理解すればいいのか,検討した結果が動き出すと理解すればいいのか。

  それと関連して,交通体系に関してはいろんな立場から議論されており,時代の変化が著しい中で検討していかなければならない重要な課題の1つである。第3節第2項の「(1)歩くまちの交通網の整備」と様々な道路整備計画との調整をどうするのかが論点になっているが,「自動車交通についての対応は,自動車公害防止計画との整合を図りながら」となっている。本来基本計画は自動車公害防止計画等を傘下におくべき性質のものであるはずだ。TDMなどは交通需要を抑制するための手段であり,都心部の交通量そのものを抑制していくという大きな方向性が見えないところに問題がある。運輸省の審議会でも脱自動車社会を打ち出す時代であり,特に旧市街地は交通量そのものを削減していくという大きな方針を示し,その中にどう政策を盛り込むか,どう調整を図っていくかを時間をかけて議論しなければならない。大気汚染や公害防止の観点だけでなく,運輸省等の審議にしても京都議定書を実行し,地球温暖化防止対策を進めるところから出てきているわけであり,そのことも含めてまちづくりの計画の中に交通政策をきちんと位置付けていただきたい。

 

上村委員

  事業主体が京都市だけではなく,国や関西,府との関係の中で進めていかなければならないものも混じっている。第3節第2項(3)の交通基盤づくりなども,国道,府道,市道などが混在して書かれているが,事業主体を明確にして,京都市独自でできることとできないことを整理する必要がある。そのうえで「歩くまち・京都」として自転車を生かすことには賛成だが,環境を守るためにも機能的な道路整備をしなければならない。今は高速道路がないため市内を大型車が走らざるを得ない都市構造になっており,目的別に産業用道路と都市生活用道路を使い分けるようにしないと,かえって都市の環境を守ることができない。

 

山上委員

  まちなかの観光が柱になっているが,京都は碁盤目状の都市であり,歩道等は自転車の走行によって危険になる。また,京都にはコミュニティの核となる面的な広場がなく,商店街などにも面的空間が少ない。若者を引きつけるための施策がいろいろ挙がっているが,例えば,週末には歩行者天国をつくるなど,オープンスペースを設けることを考えてみてはどうか。

 

西島会長

  時間の制約もあり,第3章に移りたい。引き続き「計画の推進」についてもご説明いただきたい。

  

○第3章及び「計画の推進」について

村松副会長

  本日いただいたご意見については調整委員会でできるだけ第2次案に反映するよう努力したい。また,複数の委員から計画の具体化についてのご意見をいただいているが,「計画の推進」で基本計画策定後,主なものについては具体的な内容とスケジュールを示していくことを明記している。――(資料1「京都市基本計画第1次案」に基づき,第3章の各節ごとに「基本的方向」と政策の柱立てを読み上げ,以下に掲げる素案から変更・充実した主な点を加えて説明)――

 第3章では,「行政から提供される情報が障害のあるひとにそれぞれの障害に合った形で提供されない状況を改善すべき」とのご意見に基づき,第1節の第1項に「障害のあるひとや学生など市政に関する情報を得にくいひとのニーズに対応する」という記述を強化している。また,「区への分権を1つの節としてもいいのではないか」など,区・地域に関する記述の強化を求めるご意見が多数あったことを受け,第5節を新たに起こして,区・地域に関する記述を強化している。

  「計画の推進」では「1 政策の進行管理」で,計画策定後に主な事務事業について具体的な内容とスケジュールを示し,インターネットの活用などによりその進捗状況を定期的に公表することを示している。また,部会でのご議論を踏まえ,「2 計画の点検・評価」で「社会経済状況や市民ニーズ等の変化に的確に対応するため,市民参加による計画内容全般の定期的な点検・評価を行い,必要に応じて政策を見直し,その結果として新たな政策を展開するなど柔軟な対応に努める」としている。

 

西島会長

  市民との信頼関係についてはこれまでずいぶん議論してきた。情報の共有や評価,市民が意見を述べ,それに対して行政が答えることを積み重ねることによって信頼関係が構築される。「計画の推進」に書かれているように,これは実現のための具体的計画であり,実現までの過程をきちんと進行管理する必要がある。そういう点で,先ほど文章の末尾が「検討する」,「推進する」など濃淡があるというご指摘があったが,そのあたりが明確になるようにしたい。

 

(2) その他

西島会長

  本日は時間がなくなったので,10月25日までに文書でご意見をいただきたい。いただいたご意見についてはできる限り第2次案の中に盛り込み,年内に最終案を確定したいと考えている。

  交通や情報などの部分を全体像にどうつなげていくかは大きな課題であり,そうした部分と全体との関係を踏まえながら,京都市の将来計画がいきいきとしたものになるようにしたい。

  それでは,本日はこれで閉会としたい。

 

 

3 閉 会

 

 

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