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京都市の基本構想・基本計画(資料編)/中間報告/5.京都の都市特性

ページ番号35802

2001年2月1日

21世紀・京都のグランドビジョン 中間報告  第2部:将来像検討編

(3) 京都の都市特性

 

 「21世紀の京都像」の創出のためには,京都の都市特性を再度とらえなおすことが不可欠です。次代に生かして行くべき京都の都市特性を次の7つにまとめてみました。

  1. 世界的な文化遺産を有し,日本の顔となる我が国の文化を代表する都市 
  2. 長い歴史の中で先駆的なことを試みてきた都市
  3. 優れたものづくりの技術,気質,システムを持つ都市
  4. 自由で進取の気風に富む大学都市・学術都市
  5. 芸術文化が生活や産業の中に息づく都市
  6. 人々に心の癒(いや)しを提供できる都市
  7. 国際文化交流の資源(シーズ)ともてなしの心を持つ都市

 

 

  • 世界的な文化遺産を有し,日本の顔となる我が国の文化を代表する都市

 京都は,1994年(平安建都1200年)に「古都京都の文化財」として世界に遺産登録された社寺・城を初めとする多数の貴重な文化遺産,山紫水明の自然環境,歴史的環境を継承し,洗練された日本らしさを象徴するまちであり,日本の顔となる我が国の文化を代表する都市である。それは内外の人々を引きつける魅力の大きな源泉となっており,文化的情報のコンテンツ(内容)として世界的,人類的な価値を有している。

 

  • 長い歴史の中で先駆的なことを試みてきた都市

 京都は伝統をただ守り続けてきたまちではない。明治期の日本最初の小学校の設置,琵琶湖疏水の開削,戦後の京都市交響楽団の設立や京都会館の建設などの文化行政,市街地景観条例の制定を初めとする景観行政等に代表されるように,長い歴史の中で,古き良きものを守ろうとする姿勢を維持しつつも,進取の気風を持って,新しいものを取り入れ,先駆的なことを試み,調和を基調とする京都独自の手法により,新たな都市活力を創造し続けてきている都市である。

 

  • 優れたものづくりの技術,気質,システムを持つ都市

 京都は,近世まで全国最大規模の,現在でも最高水準の製品を生み出す人材,ノウハウ(方法,こつ)等が蓄積された,全国有数のものづくり都市である。そして,高付加価値製品を生み出す中核企業と,多様で優れた適応力を持つ中小企業の集積が大都市としての京都の経済を支えている。そのものづくりの技巧手練や,素材に関する深い知識,感性,デザイン(意匠)の蓄積,質の高さを追求する産業人としての気質,柔軟なシステム思考など,ものに新しいソフトやサービスの付加価値をつける伝統は,今日のハイテク(高度技術)産業,ベンチャー(冒険的・投機的)企業創出にも生かされている。

 

  • 自由で進取の気風に富む大学都市・学術都市

 京都は,建都1200年の間に政治・経済・文化の中心に位置する中でさまざまな学術・文化を育み,日本を先導する役割を果たしてきた。こうした伝統の上に京都は,明治以降近代的な大学が集積していく中で,大学都市として,東京とは性格の異なる自由闊達(かったつ)な雰囲気のアカデミズム(学問を追求する精神)を築いており,また,ユニーク(独創的)な産業の創出にも多大の貢献をしている,現在でも大学生数の対人口比が日本一の大都市である。

 

  • 芸術文化が生活や産業の中に息づく都市

 京都の芸術文化は,各分野において権威のある芸術家や専門家によって支えられているところが大きいが,京都はこうした高い水準にある芸術文化や,それによって培われた知識やデザインセンスが,京町家での伝統的都市居住様式や西陣織を初めとする伝統工芸産業など,市民の日常生活となりわいの中に息づいている大都市である。

 

  • 人々に心の癒(いや)しを提供できる都市

 京都は,現に2400の宗教法人を有する宗教都市であるが,他方で特定の宗教・宗派との関係を超えて,深い精神的な雰囲気をたたえた都市であり,21世紀という予測の困難な不確実性の時代に,ますます求められるであろう,人々の心を癒(いや)すという機能を強く有している都市である。
 また,京都は,従来から町衆の伝統に見られるように他人を思いやり共に力を合わせる暮らしを実践してきたまちであり,在宅介護の支援をはじめとするボランティア活動を活発に展開し,共助によるコミュニティ(地域社会)の再生・充実を可能とする土壌を強く持っている都市である。

 

  • 国際文化交流の資源(シーズ)ともてなしの心を持つ都市

 京都は有形・無形の文化遺産や38の大学,数多くの多彩な研究所などの国際文化交流の資源(シーズ)を数多く有している都市である。また,わが国で最初に設置された国立の国際会議場を初め,メッセ(見本市,物産展)会場,国際交流会館などさまざまな交流施設を有し,多様なコンベンション(会議)機能と洗練されたもてなし(ホスピタリティ)の精神,国際交流のノウハウ(方法・こつ)を有している都市である。

 


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