新指定・登録文化財 第27回京都市文化財

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2016年4月7日

新指定・登録文化財 第27回京都市指定文化財

京都市では京都市文化財保護条例に基づき,文化財の指定・登録を毎年行っています。平成21年2月に京都市文化財保護審議会から答申を受け,新たに4件を指定・登録しました。(平成21年4月1日告示)これにより,京都市の指定・登録文化財は全部で469件になりました。

美術工芸品

張旭揮毫図

紙本墨画張旭揮毫図

紙本墨画張旭揮毫図(しほんぼくがちょうきょくきごうず) 長澤蘆雪筆 4面(指定)

〔京都市右京区嵯峨天龍寺角倉町 公立学校共済組合嵐山保養所「花のいえ」〕

 18世紀の京都で活躍した長澤蘆雪(1754~99)が描いた新出の襖絵である。蘆雪は円山応挙の弟子。画題は杜甫の「飲中八仙歌」から,唐代の書家・張旭を描いた「張旭揮毫図」である。

 「飲中八仙図」はしばしば描かれるが,その単独像は珍しい。落款から蘆雪晩年の寛政(1789~1801)後期の頃の制作と考えられる。蘆雪の襖絵は本拠地の京都では知られておらず貴重。

 また,本図が伝来した右京区嵯峨天竜寺角倉町の公立学校共済組合嵐山保養所「花のいえ」は高瀬川等の開削で知られる豪商角倉了以の邸宅跡に所在し,本図は角倉家の建物(現存せず)とともに伝えられた可能性のある作品である。

 

     

地福寺阿弥陀如来坐像

木造阿弥陀如来坐像

木造阿弥陀如来坐像(もくぞうあみだにょらいざぞう) 1躯(指定)

〔京都市西京区大枝中山町 地福寺〕

 寺伝によれば行基菩薩作とされ,もとは峯ヶ堂中山寺にあったものが,子院の地福寺に移されたとされるが,伝来については未詳。

 カヤ(ないしはヒノキ)材製の一木造で,頭体と脚部の大半を一木で彫成,頭体部の背面からそれぞれ内刳をほどこすという平安前期からの本格的な一木造の技法を用いる。仁和4年(888)の仁和寺蔵の阿弥陀如来坐像(重要文化財)や右京区西光寺の阿弥陀如来坐像(重要文化財)などに通ずる点があり,製作は9~10世紀頃と考えられる。

他方,背面の彫りを省略する手法や,頭頂から背面にかけて螺髪を刻まず,側面から前面にかけて各粒に丸みを与えて球状に表す手法,極端に浅い目の彫りなど特異な表現も目立つ。個性に富んだ一木造の遺例として貴重である。

 

 

金剛力士像面部残欠

木造金剛力士像面部残欠

木造金剛力士像面部残欠(もくぞうこんごうりきしぞうめんぶざんけつ)     

裏面に文永十年八月,仏師法橋覚円の銘がある 1点(登録)

〔京都市上京区一番町 立本寺〕

 金剛力士像のうち吽形の面部の残欠である。ヒノキ材の寄木造で3材を矧いでおり,木寄せの方向等から,当初は2体一対のうちの右方像(向かって左側)であったと考えられる。

 裏面に墨書銘があり,文永10年(1273)8月に,仏師法橋覚円によって造立されたことが判明する。本像が伝来した立本寺は元亨元年(1321)の創建で,当初の安置寺院から移された経緯等は不明。

 作者の法橋覚円は,『弘安三年長谷寺建立秘記』に記される奈良・長谷寺の十一面観音像再興に参画した「上野法橋覚円」にあたる可能性が高く,運慶の流れを汲む慶派仏師の1人と見られる。岐阜・即心院蔵の清凉寺式釈迦如来像が平成14年の修理で,文応元年(1260)の「覚円仏子」の作であることが判明したが,本像はそれに次ぐ2例目の実作品。残欠ながら,鎌倉末期の慶派仏師の事績を伝える貴重な遺品。

 

 

六角壺

色絵牡丹唐草透彫七宝繋文六角壺

色絵牡丹唐草透彫七宝繋文六角壺(いろえぼたんからくさすかしぼりしっぽうつなぎもんろっかくつぼ) 1口(指定)

附 箱 享保十七年壬子十一月十日の銘がある 1合

〔京都市西京区大原野小塩町 善峯寺〕 

 善峯寺に伝来した古清水の色絵陶器である。ベージュ色の精良な陶土を用い,胴部と蓋には花頭窓を開けて七宝繋文の透彫がほどこされている。青と緑に金彩を加えた古清水特有の色調で,きわめて丁寧に牡丹唐草文を絵付する。保存状態も非常に良好である。

 また,本作には箱が備わっており,箱書によれば,享保17年(1732)11月10日,霊元天皇夫人であり,東山天皇の母であった敬法門院(1657~1732)が,善峯寺の多年の功労に対して寄進したものである。本作の優れた作柄は他から傑出しており,箱書が示す通り,禁裏からの特注品にふさわしい。

 確かな伝来と箱書によって,年代を推定しうる希少な基準作であるとともに,典型的な古清水の作風を示す出色の遺品として,数多い京焼の伝世品にあって重要な作例である。

 

 

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