京都市指定・登録文化財-建造物(下京区)
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2022年12月14日
京都市指定・登録文化財-建造物(下京区)
燈籠町会所(保昌山)(とうろうちょうかいしょ(ほうしょうやま))
当町は祇園祭のときに保昌山を出す町内である。町会所には現在,会所家(明治3年・1870),土蔵(文化5年・1808),稲荷大明神社が建つ。会所家2階の表の間は祭りの時にはお飾り場となる。格天井を張り,御神体を安置する中央部を折り上げて格式ある構成とする。
輪違屋(わちがいや)
揚屋である角屋(重要文化財)と並び古い由緒をもつ島原の置屋で,元禄年間(1688-1704)創建と伝える。現在の建物は安政4年(1857)の再建で,明治4年(1871)にはほぼ現在の姿になった。2階の客室の内,傘を張った襖をたてる傘の間と,土壁に赤や黒の押型の紅葉を散らす紅葉の間は立派。
旧二条駅舎(きゅうにじょうえきしゃ)
京都鉄道株式会社の本社社屋兼駅舎として明治37年(1904)に建てられたが,現在はJR西日本の梅小路蒸気機関車館に移築されている。建物は本屋の両端に翼を張り出した工字型の平面で,本屋の中央を2階建としている。本屋1階を待合所,2階を事務室とし,正面向って右側の翼には壱貮等待合室と特等待合室が,反対側の翼には貨物係室・駅長室が置かれていた。伝統的な和風の意匠を基調とするが,柱頭飾りや窓などに洋風の意匠が取り入れられている。明治期に建築された本格的な和風駅舎としては現存する唯一の例である。
秦家住宅(はたけじゅうたく)
表屋造形式の町家。店舗棟は明治2年(1869)頃の建築で,玄関棟と居住棟は多少遅れる。表構えは南側3間半を厨子2階建とし,2階に虫籠窓を開き,北側1間半は下屋庇付き平屋建とする。正面に屋根付きの大看板を作りつけ,伝統的商家の趣きを残す。登録部分は店舗及び玄関部である。
島原大門(しまばらおおもん)
島原は寛永18年(1641)に設けられた我が国最初の公許の花街である。当時四周は堀と塀で囲まれ,門はその東辺北寄りに設けられていたが,明和3年(1766)に現在地に付け替えられた。現在の門は慶応3年(1867)に建てられた。控柱の上にも屋根をのせる高麗門形式である。
旧柳原銀行(きゅうやなぎはらぎんこう)
旧柳原銀行は,明治40年上棟の銀行建築であったが,現在は地域の歴史的資料館として利用されている。建物は正面部を隅切りしたほぼ長方形の平面をもつ木造2階建で,寄棟造・桟瓦葺の屋根をのせる。外観は少し簡素だが,細部装飾は様式的に仕上げられており,1階の格天井と階段の手摺の意匠は優れている。地区内で資本金を集めて自らの地区の発展を図るために設立された銀行の建築遺構であり,この地区の歴史を知る上でも重要である。
長江家住宅(ながえけじゅうたく)
長江家は代々呉服の卸を営んできた。主屋北棟は慶応4年(1868)の建築で,通り土間と居室を一つの屋根で覆う通りにわ形式である。主屋南棟は明治40年の建築で,表の店舗部と奥の居室部を玄関部でつないだ表屋造り形式である。2棟の主屋は,1階に格子窓や大戸を備えて通り庇を付け,2階にむしこ窓を開くなど,京町家の典型的な表構えをもつ。離れ座敷も明治40年の建物で,座敷と次の間からなる。化粧部屋は天窓の付いた6畳室で,浴室と脱衣室が接続する。旧蔵と新蔵はともに明治期に他所から移築された2階建ての土蔵である。
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