京都市指定・登録文化財-美術工芸(西京区)
ページ番号189581
2020年4月6日
京都市指定・登録文化財-美術工芸(西京区)
紙本著色密雲円悟像,紙本著色費隠通容像,紙本著色隠元隆琦像,紙本著色木庵性瑫像,紙本著色鉄牛道機像(しほんちゃくしょくみつうんえんごぞう しほんちゃくしょくひいんつうようぞう しほんちゃくしょくいんげんりゅうきぞう しほんちゃくしょくもくあんしょうとうぞう しほんちゃくしょくてつぎゅうどうきぞう)
本図は,5人の黄檗僧を,黄檗系独特の写実的な肖像画を学んだ喜多元規が,元禄6年(1693)8月に描いたもの。
木造地蔵菩薩坐像(もくぞうじぞうぼさつざぞう)
染殿地蔵とも呼ばれる丈六の赤色檀色像。やや面長で脇を固く締め,衣文を浅彫りとする点は,同じく丈六像である右京区花園地蔵院の地蔵菩薩坐像(11世紀初)と酷似する。ただし,左肩から腹部にかけての衣の波打ちや,裳の上縁の堅い表現などから鎌倉時代前半の模古作と考えられる。
紙本著色松尾大社絵図(しほんちゃくしょくまつおたいしゃえず )
神体山の松尾山を背景に,社頭や近郷一帯を東方から見て描いたもので,室町時代前期の制作。古代,中世前期のいずれの時期の景観を描いたものかは不明だが,松尾大社盛期の社頭及び近郷の景観を伝える資料として貴重。
小西康夫氏所蔵文書(こにしやすおししょぞうもんじょ)
禁裏外記局に関するもので,元は外記局若しくは大外記押小路家に伝わったものか。特に酒麹役関係の文書は中世後期の商業史を知る上で貴重。
木造阿弥陀如来坐像(もくぞうあみだにょらいざぞう)
寺伝によれば行基菩薩作とされ,もとは峯ヶ堂中山寺にあったものが,子院の地福寺に移されたとされるが,伝来については未詳。カヤ(ないしはヒノキ)材製の一木造で,頭体と脚部の大半を一木で彫成,頭体部の背面からそれぞれ内刳をほどこすという平安前期からの本格的な一木造の技法を用いる。仁和4年(888)の仁和寺蔵の阿弥陀如来坐像(重要文化財)や右京区西光寺の阿弥陀如来坐像(重要文化財)などに通ずる点があり,製作は9~10世紀頃と考えられる。他方,背面の彫りを省略する手法や,頭頂から背面にかけて螺髪を刻まず,側面から前面にかけて各粒に丸みを与えて球状に表す手法,極端に浅い目の彫りなど特異な表現も目立つ。個性に富んだ一木造の遺例として貴重である。
色絵牡丹唐草透彫七宝繋文六角壺(いろえぼたんからくさすかしぼりしっぽうつなぎもんろっかくつぼ)
善峯寺に伝来した古清水の色絵陶器である。ベージュ色の精良な陶土を用い,胴部と蓋には花頭窓を開けて七宝繋文の透彫がほどこされている。青と緑に金彩を加えた古清水特有の色調で,きわめて丁寧に牡丹唐草文を絵付する。保存状態も非常に良好である。また,本作には箱が備わっており,箱書によれば,享保17年(1732)11月10日,霊元天皇夫人であり,東山天皇の母であった敬法門院(1657~1732)が,善峯寺の多年の功労に対して寄進したものである。本作の優れた作柄は他から傑出しており,箱書が示す通り,禁裏からの特注品にふさわしい。確かな伝来と箱書によって,年代を推定しうる希少な基準作であるとともに,典型的な古清水の作風を示す出色の遺品として,数多い京焼の伝世品にあって重要な作例である。
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