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新指定・登録文化財 第39回京都市文化財

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2021年4月16日

新指定・登録文化財 第39回京都市文化財

 京都市では,京都市文化財保護条例に基づき,文化財の指定・登録を毎年行っています。

 令和3年1月に京都市文化財保護審議会から答申を受け,新たに7件を指定,1件の附の追加指定をしました(令和3年3月31日告示)

 これにより,京都市指定・登録文化財は全部で538件になりました。(令和3年4月1日現在)

 *〔  〕内は,文化財の所有者又は保持団体名です。

建造物

心城院岸駒堂

心城院岸駒堂 1棟(指定)

〔心城院〕

 岸駒堂は,京都画壇に一大勢力を築いた岸派の祖・岸駒を顕彰するため,大正12年(1923)に本禅寺の塔頭である心城院内に建てられた小堂で,堂内には岸駒の等身像と墓碑を納める。大正末期から昭和初期にかけて京都で活躍した京都府技師阪谷良之進が,古代・中世建築の伝統的手法を復活させつつ,これまでの寺院には見られない新しい造形を盛り込んで設計した先駆的な作品として近代和風建築史上,重要な遺構である。

德正寺

德正寺 5棟(指定)

本堂,客殿,書院,表門,六角堂

〔德正寺〕

 德正寺は真宗大谷派の寺院である。堂宇は幕末に焼失したが明治3年(1870)の仮堂再建後,時代の要求に応じて増改築を重ね,市中の近代寺院建築のあり方を示す。その建築は,明治期のものは本山・東本願寺の堂宇造営で用いられた新しい技術や意匠を参照しつつ,住職の好みと相俟って創出された優れた近代和風建築であり,大正期以降は本山で仕事をした職人によるモダンデザインの建築が採用された。近代建築の展開過程をよく伝える点においても貴重である。

長尾天満宮 本殿及び透塀

長尾天満宮 本殿及び透塀 3棟(指定)

石燈籠 3基

 竿に承応二癸巳年六月の刻銘がある 1

 竿に承応三甲午年六月の刻銘がある 1

 竿に寛文元辛丑年九月三日の刻銘がある 1

棟札 7枚

 文政四辛巳年五月四日の記がある 1

 文政四辛巳歳五月四日の記がある 1

 文政三庚辰歳九月五日の記がある 1

 明治十一年寅四月二十八日の記がある 1

 明治十一年寅年五月二十九日の記がある 1

 明治廿八年十月吉日の記がある 1

 昭和五十五年二月七日の記がある 1

〔長尾天満宮〕

 長尾天満宮は醍醐寺の鎮守社の一つである。現在の本殿は,文政4年(1821)に造営された。本殿は三間社流造,銅板葺で,全体にわたり華麗で,市内有数の装飾に富んだ建物と言える。当社は醍醐寺の影響が見られつつ,近世に活躍する播州大工の影響を受けていることも窺え,貴重な遺構である。また棟札は,当社が醍醐寺と密接に関わりながら,醍醐村の産土神として祀られたことを示す重要な資料である。

萱尾神社本殿

萱尾神社本殿 1棟(追加指定(附))

末社 4棟

 末社柳社 1

 末社田中社 1

 末社若宮社 1

 末社稲荷社 1

木札 7枚

 柳社棟札 慶安五年二月五日ゟ同三月朔日の記がある 1

 田中社棟札 慶安五年二月五日ゟ同三月朔日の記がある 1

 田中社木札 慶安五年三月朔日の記がある 1

 田中社木札 文政二卯年八月の記がある 1

 田中社棟札 昭和十八年の記がある 1 

 稲荷社棟札 于時承応四乙未暦三月廿日の記がある 1

 稲荷社木札 于時承応四乙未暦三月の記がある 1

〔萱尾神社〕

 当社は日野村の産土神で,江戸時代までは法界寺の鎮守社ともなっていた。現在の本殿は,慶安5年(1652)に造営されたもので,その後も屋根葺替や彩色等の修理が繰り返されてきた。建物は大型の一間社流造で,全体に丹塗り,胡粉塗,極彩色が施されている。附として4棟の末社,及び棟札が指定されている。

美術工芸品

絹本著色朝儀図

絹本著色朝儀図 土佐光起筆 六曲屏風

 裏に紙本著色錦花鳥図がある

1双(指定)

〔非公表(所在地及び管理:茶道資料館)〕

 小朝拝(こちょうはい)を右隻に,朔旦冬至(さくたんとうじ)を左隻に描く。小朝拝は元日,清涼殿で公卿・殿上人が天皇に拝賀する儀式で,朔旦冬至は19年に1度,陰暦11月1日が冬至に当たることが瑞祥とされ,宮中で宴が行われた。筆者は土佐派中興の祖とされる土佐光起(みつおき)(1617‐1691)で,制作年代は承応3年から延宝9年(1654~1681)までと考えられる。光起が宮廷絵所預としての職責を見事に果たした証しとして,また当時の朝儀復興のありさまをとらえた記念碑的な作例としても貴重。

木造阿弥陀如来坐像

木造阿弥陀如来坐像 1躯(指定)

〔西念寺〕

 浄土宗寺院,西念寺の本尊。寺の創建時期を遡る鎌倉時代の制作と考えられる。針葉樹材の一木割矧造,玉眼嵌入,漆箔仕上げ。像高60.2cmの比較的小さな像で,説法印を結び,左足を外に結跏趺坐する。上げ底式像底や,頬の引き締まった面相,動きのある衣文表現には,鎌倉時代前期の慶派彫刻の特色が見られ,とくに端正な顔立ちと均整のとれた体つきからは,運慶・快慶の次世代である湛慶及びその周辺仏師の制作であることが推定される。

小野瓦窯跡出土品

小野瓦窯跡出土品 351点(指定)

〔京都市〕

 小野瓦窯は,平安時代の法令集『延喜式』巻34,木工(もく)寮式・車載条に記された「小野瓦屋」と推定される平安時代中期の窯である。発掘調査で,「小乃」銘の軒瓦に加え,「木工」銘の平瓦が出土した。
 小野瓦窯跡出土品は,史料から瓦屋名が分かる平安時代中期の木工寮所管の瓦工房であることを決定づけた資料である。平安時代の瓦生産・流通史を解明する上で貴重な資料である。

京都市電関係資料

京都市電関係資料 877点(指定)

一,土木関係資料 200点

一,電気関係資料 390点

一,車両・運輸関係資料 287点

〔京都市交通局〕

 京都市交通局が保管する京都市電に関する資料群。明治17年度から昭和55年度までの約100年にわたる記録で,簿冊形式で保存される。内容は土木(軌道,営繕),電気(電力,饋電,信号・通信),車両・運輸(狭軌電車,広軌電車,無軌条電車,運輸,庶務・渉外)に分類され,各資料の保存性は極めて高い。近代日本を象徴する交通機関の公的記録として貴重であり,京都鉄道史はじめ,近代産業史・科学技術史等に資する一括資料である。

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お問い合わせ先

京都市 文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課

電話:075-222-3130

ファックス:075-213-3366

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