京都市指定・登録文化財-建造物(西京区)
ページ番号189345
2020年4月6日
京都市指定・登録文化財-建造物(西京区)
淨住寺(じょうじゅうじ)
本堂は元禄10年(1697)の造営で,その後方に位牌堂・開山堂・寿塔が一列に並ぶ。一連の建物は,京都市内には数少ない黄檗宗寺院を代表するもので,とくに開山堂と寿塔は黄檗宗寺院の特色をよく残している。境内は京都市文化財環境保全地区に指定されている。
玉村家住宅(たまむらけじゅうたく)
近世山陰道の宿場町であった樫原に残る市内唯一の本陣遺構。現在の主屋は寛政9年(1797)類焼後の再建で,床上部は9室が3列に並び,西列最奥の6畳は床を一段上げて上段の間とし,二の間・三の間を続ける。この3室は書院造りの構成である。背後には土蔵(明和3年・1766)が残る。
大原野神社(おおはらのじんじゃ)
本殿は,同規模・同形式の四棟の一間社春日造社殿であり,各社殿間は板塀で連結されている。身舎の平面は,170センチ四方の正方形である。擬宝珠に文政5年(1822)の銘があり,この頃に再建されたと考えられる。この本殿は,奈良の春日大社同様に一間社春日造の社殿が四棟並立する形式である。本殿前の中門・東西廊とともに,春日社系社殿の形態をよく伝えるものとして価値が高い。
地蔵院方丈(じぞういんほうじょう)
臨済宗の寺院。方丈は貞享3年(1686)に延慶庵の方丈として建てられ,嘉永7年(1854)頃に仏間が増築された。内部は8畳3室と6畳の仏間が1列に並ぶ。竹林で囲まれた境内は京都市文化財環境保全地区に指定されている。
五社神社本殿(ごしゃじんじゃほんでん)
五社神社は,西京区下津林に所在する。当社は旧下津林集落の東南に鎮座し,天手力男命(たぢからおのみこと)をはじめ10座の諸神を祀る。当社の創建は詳らかではないが,本殿前東側に建つ石灯籠に暦應二年(1339)の刻銘があり,中世には成立していたことが推測される。 現在の本殿は棟札により文化6年(1809)に建築されたことがわかる。 建物は奥行にくらべ間口の広い一間社流造(ながれづくり)で,身舎(しんしゃ)正面の柱を省略して一間とした二間社の変形とも考えられる。本殿の細部に着目すると,素木(しらき)造りで彩色をほとんど用いず,柱上の組物は舟肘木(ふなひじき)にとどめるなど,装飾が控え目である一方,神座のある内陣の正面に対しては装飾的考慮が払われており,特に内陣の正面性が強調されている。また,身舎側面中央柱の柱頭の納め方として,柱頭に大斗(だいと)を据え,妻虹梁(つまこうりょう)の眉を含み込んで支持するという,構造的な特徴として,あまり例がない納まりをもつ。当本殿は,単純かつ素朴な形態を温存しつつ,建築各部で洗練された変則的手段を用い,平面形式や構造技法の独自性をもつ建物といえる。建築年代も明らかであり,覆屋の中に建ち保存状態も良好であることからその価値は高い。
正法寺遍照塔(しょうぼうじへんじょうとう)(旧忠魂堂)
この建物は,日露戦争の戦没者慰霊のため,明治41年(1908),京都尚武義会により東山区の高台寺境内に建設されたものを,平成22年に当地へ移築したものである。移築前には「忠魂堂」の刻銘をもつ額が上層に掲げられていた。設計主任には京都府技師亀岡末吉が担当している。亀岡は明治後期以降,社寺建築を中心とした設計活動を展開し,その華麗な意匠は「亀岡式」と名付けられ,模範的な作例として当時の建築界に大きな影響を与えた。この建物は,亀岡が実現させた最初の設計作品と位置付けられている。建物は六角二重塔という特異かつ稀有な形態をもつが,その意匠には,建築史学の知見を踏まえた,時代ごとの特徴を把握した細部意匠が採用され,建築全体として整った諧調を得て破綻なくまとめられている。本建築は大正以降,全国的に社寺建築の作風手法に感化影響を与えたとされる所謂「亀岡式」意匠確立のための歴史的な創生源であったと位置付けられ,日本近代における社寺系和風建築の進展・形成過程を知るうえで,極めて貴重な遺構といえる。
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