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京都市指定・登録文化財-建造物(東山区)

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2021年4月16日

京都市指定・登録文化財-建造物(東山区)

新熊野神社本殿(いまくまのじんじゃほんでん)

 法住寺殿の鎮守として永暦元年(1160)に勧請された。現本殿は寛文13年(1673)の造営。入母屋造・妻入で奥行3間のうち手前1間分を外陣,その奥を内陣とする。熊野本宮証誠殿と同じ形式で全国的に希少。熊野本宮より古く熊野社系社殿の古制をよく伝える。

新熊野神社本殿

瀧尾神社(たきおじんじゃ)

 現在の社殿は豪商下村家の援助で天保10年(1839)から翌11年に造営された。本殿は貴船神社奥院旧殿を移築したもので,その前に幣殿・拝所・東西廊が並ぶ。これらが屋根を錯綜させながら,独特の社殿景観を形成している。豊富な彫刻装飾は京都市内では珍しい。

瀧尾神社

若宮八幡宮社本殿(わかみやはちまんぐうしゃほんでん)

現本殿は承応3年(1654)の造営と伝える。三間社流造の正面庇を取り込んで前室とし,更にその前に向拝を付けた前室付きの流造である。屋根は銅板葺だが,当初は檜皮葺であった。前室付き流造本殿は,滋賀県下に多く見られるものの京都では珍しい形式である。

若宮八幡宮社本殿

法観寺(ほうかんじ)

 2棟並列する堂のうち,西寄りの太子堂は寛文3年(1663)に門前の町人の寄進で建てられた。東寄りの薬師堂も17世紀後半の建築とみられる。共に宝形造・本瓦葺で正面3間・側面2間である。いずれも当初から境内仏堂として計画・造営されたものと考えられる。

法観寺

養源院(ようげんいん)

 淀君が父浅井長政を弔うために創建し,元和7年(1621)に淀君の妹徳川秀忠夫人が再興した。本堂は伏見城の殿舎を移したと伝え,室中の襖や広縁の杉戸は俵屋宗達,仏壇の唐獅子図は狩野山楽の筆による。護摩堂・鐘楼・表門・中門・通用門も江戸前期の建物である。

※ なお,本堂(客殿),護摩堂,鐘楼(鐘楼堂),表門,中門は平成28年2月9日付けで国指定重要文化財となった。

養源院

長楽館(ちょうらくかん)

 J.M.ガーディナーの設計により明治42年(1908)に竣工した実業家村井吉兵衞の別荘。1・2階ともに中央広間の周囲に洋室が配される。一方3階は和室で,豪華な書院造風である。内部の凝った意匠は見事で規模も大きく明治時代の和洋折衷住宅の代表例である。

長楽館

下里家住宅(しもさとけじゅうたく)

 当住宅は明治28年(1895)にお茶屋として建てられた。内部は土間に沿って居室6室を2列に配するが,室境に半間幅の廊下を通して客の動線を確保し,さらに2階の客室も中央の板間から直接出入りできるようにしている。また正面外観は1階は出格子・平格子を装置し,通り庇を付けて一般の町家と変わらないが,2階は正面を客室とすることから建ちが高く,また間口いっぱいに窓を開いて手すりを張り出し,軒下にはすだれを吊って,お茶屋としての趣をよく残している。

下里家住宅

粟田神社(あわたじんじゃ)

 粟田神社は旧粟田口村の産土神である。本殿・幣殿は文化2年(1805)6月に焼失後,文政6年(1823)に再建された。建物は,三間社流造の本殿の前に桁行2間・梁行3間で正面に方1間の拝所を付設した幣殿が接続する複合社殿である。拝所の彫刻装飾には時代的特色がみられ,また流造の屋根の前に入母屋造・妻入の屋根,さらにその正面に向唐破風造の屋根を続けて変化に富んだ外観をみせており,江戸時代後期の複合社殿として価値が高い。拝殿は,元禄16年(1703)に建てられたと伝える入母屋造・檜皮葺の建物である。

粟田神社

尊勝院本堂(そんしょういんほんどう)

 尊勝院は天台宗の寺院で,文祿年間(1592-96)に豊臣秀吉によって本堂が再建されたという。大正4年(1915)に本堂が現在地へ移された。本堂は桁行3間・梁行4間の規模で正面1間通りを外陣,奥寄りの方3間を内陣とし,内陣には中央に四天柱を立てて,背面に仏壇を設ける。内陣は常行三昧堂の形式である一間四面堂の構成で建てられ,また極彩色が施されて桃山時代の趣が良く残されている。

尊勝院本堂

長楽寺本堂(ちょうらくじほんどう)

時宗の寺院。現在の本堂は寛文6年(1666)に造営された愛宕郡西賀茂村の正伝寺仏殿を明治23年(1890)に購入して移築したものである。建物は桁行3間・梁行3間で,本瓦葺の屋根をのせ,四周に裳階(もこし)が付く。全体としては当初材が比較的よく残っており,京都市内では数少ない本格的な小規模禅宗仏殿の遺構として貴重である。

長楽寺本堂

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京都市 文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課

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