京都市指定・登録文化財-美術工芸(山科)
ページ番号189553
2020年4月6日
京都市指定・登録文化財-美術工芸(山科)
宸殿障壁画 狩野益信筆(しんでんしょうへきが かのうますのぶひつ)
阿弥衣(あみえ)
時宗(じしゅう)独特の法衣である阿弥衣は,麻をむしろ編みにした質素なもので,時宗僧にとって象徴的な意味を有していた外套衣である。本資料は,最も古い法脈を有する六条道場・歓喜光寺に伝えられたもので,元亀3年(1572)の年記があり,遊行派の総帥である遊行上人(ゆぎょうしょうにん)第30代他阿有三上人の所持していた衣である。
福井家京枡座関係資料(ふくいけきょうますざかんけいしりょう)
宸殿障壁画 狩野益信筆(しんでんしょうへきが かのうますのぶひつ)
木造毘沙門天立像(もくぞうびしゃもんてんりゅうぞうりゅうぞう )
近世には山科厨子奥村の総鎮守として永正寺に安置されていた像。口を固く結び,左脇を締める一方,右手は袖を翻して動きを見せ,全体を巧みにまとめる。鎌倉時代初期慶派の写実的作風の流れに属すものの,平板で長めの胴や抑揚に乏しい面部の表現等から,制作は鎌倉時代末期。
木造伝梵天立像(ぼんてんりゅうぞう),木造伝帝釈天立像(たいしゃくてんりゅうぞう)
両像は元慶寺(がんけいじ)山門に安置されていたもので,寺の記録から,享和元年(1801)に,妙法院から元慶寺に移されたことがわかる。両像とも平安時代の造立ながら,様式からすると制作年代にやや開きがあると見られる。伝梵天像は,若干遡る可能性はあるが,10世紀後半頃の特徴を示し,伝帝釈天像は,それよりもやや下る11世紀初め頃の様式とみられる。また,両像とも着甲しているが,通常着甲するのは帝釈天像であるため,現在,梵天とされる像も,当初は帝釈天として造立された可能性がある。ただし,唐招提寺金堂の木造梵天・帝釈天立像(国宝)のように両像とも着甲する例もあるため,現状で尊像名は確定しがたく,伝梵天像,伝帝釈天像とするのが妥当である。本格的な作風を示す平安時代半ば頃の作例として貴重。
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