京都市指定・登録文化財-無形民俗文化財(北区)
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2024年8月30日
京都市指定・登録文化財-無形民俗文化財(北区)
賀茂競馬(かもくらべうま)
5月5日に賀茂別雷神社(上賀茂神社)で行なわれる競馬の行事で,寛治7年(1093)5月5日にはじまると伝えられる。中世には賀茂社の年中行事として定着しており,競馬料所と呼ばれている荘園20箇所が費用を負担し,20頭の馬が左右に分かれて10番の競馬を行なうのが通例となっていた。現在は2頭ずつ5番おこなわれる。
船形万燈籠送り火(ふながたまんとうろうおくりび)
五山送り火のひとつ。8月16日夜,西賀茂船山において行なわれる。近世前期の地誌『案内者』(寛文2年刊)にはすでに船形が記されており,少なくとも江戸前期には行なわれていたことがわかる。なお,船形万燈籠送り火は,西賀茂鎮守庵町,総門口町,今原町の3ケ町の旧家で構成され,各世帯の長男が17歳になると,まず若中に加入し,以後中老,年寄と階梯を上がるという座的組織を有する。
左大文字送り火(ひだりだいもんじおくりび)
五山送り火のひとつ。8月16日夜,金閣寺北側の大文字山にて行なわれる。寛文5年(1665)刊の『扶桑京華志』に,左大文字の記載があり,少なくとも江戸前期には行なわれていたことがわかる。16日の午後7時頃,菩提寺である法音寺で門火が焚かれ,先祖供養の法要がおこなわれる。その火を松明に移し変え,行列を組み山上へと向かい,送り火が点火される。
雲ケ畑松上げ(くもがはたまつあげ)
同行事は,雲ケ畑の出谷町と中畑町の2箇所で,愛宕山への献灯行事として行なわれる。点火当日,昼間より山の上へ資材を運び,100束余の真割木の松明を3メートル四方の字の形をした櫓にくくりつける。夜になって,松明に点火された櫓を直立させる。市域の他の柱松行事とは異なった内容・形態であり,加えて,自体は毎年異なったものが選ばれ,点火まで秘密にされるということも特色のひとつである。
烏相撲(からすすもう)
9月9日,賀茂別雷神社(上賀茂神社)境内において,重陽の神事の後,東の祝方と西の禰宜方とに分かれて行なわれる。相撲は地取や烏鳴きの儀が行なわれた後に,氏子域の小学生(高学年)により執り行われる。古くは,宮廷の年中行事として行なわれていた相撲に由来すると伝えられ,中世には,賀茂六郷のうち,大宮・小山・小野・岡本の各郷が奉仕した。
上賀茂紅葉音頭(かみがももみじおんど)
9月8日夜,賀茂別雷神社(上賀茂神社)鳥居前で踊られるもので,江戸時代に庶民の間で流行した踊りや音頭に起源を持ち,はやり歌や歌舞伎の台詞などから逐次作詞され,節をつけてきたと考えられている。楽器を用いず,音頭取りの音頭に合わせて,萩の葉で葺いた屋台の回りを浴衣の男性と,三幅前垂に襷がけ,手拭で姉さんかぶりをした女性たちが輪になって踊る。
上賀茂さんやれ(かみがもさんやれ)
旧上賀茂村の7地区(上記表記)で,すぐき漬け作業も終った2月後半,成人儀礼の要素の強いさんやれ行事がおこなわれる。15歳に達した男子(アガリ)を主役として,同地域のアガリに至らない男子全員が,太鼓や鉦で囃子ながら,町内,山の神,大田神社,上賀茂神社に参拝するもので,囃子は室町時代の風流拍子物(ふりゅうはやしもの)の遺風を伝える。
大田神社の巫女神楽(おおたじんじゃのみこかぐら )
賀茂別雷神社(上賀茂神社)の境外摂社のひとつである大田神社でおこなわれる巫女神楽で,毎月10日の夜のほか,節分や2月24日のさんやれの際にも行なわれる。この神楽の奉仕は,大田神社の刀禰の家に限られ,銅拍子,鼓,締太鼓の奏者と巫女の4人で構成される。巫女神楽そのものは素朴なもので,京都で行なわれた古い巫女舞の芸態や特色を知るうえで貴重なものである。
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