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■平成20年度実践UD第5回講義の様子(中野仁貴先生)

ページ番号42758

2016年4月14日

カラーユニバーサルデザイン

(はじめに)

人は外界を把握するために「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」の五感を主につかっていますが,その中でも視覚に最も依存しています。特に色によって情報を得ることが多く,色は情報伝達の重要な役割を担っています。

(色って?)

色を認識するためには,「光」「物」「目」が必要です。すなわち,物に当たった光を目で受光することではじめて色がわかり,この3つのうちのひとつでも欠けると色を認識することが出来なくなります。色は宇宙線やガンマ線,X線,レーダーなどの電磁波の一種で,人の目で見ることができる波長の電磁波のことです。

(カラーユニバーサルデザインへの取組)

これまでは,色の受け手側のことをあまり考えずにデザインされたものがありました。たとえば,ハザードマップ(災害時における危険箇所と避難先を色で区別した地図)では,危険な区域が赤色で示され,安全な区域が緑色で示されていましたが,色覚障がい者には赤と緑の区別がつきにくいことがあるため,どこが安全な場所かわからないということが起こっていました。このようなことが起こらないよう,はじめから誰もが見やすい色でつくることが,カラーユニバーサルデザインです。その他のカラーユニバーサルデザインの事例としては,地下鉄の路線図(各路線ごとの色使いを配慮)や,ビル内や校内などの案内表示,報告書や教科書のグラフや図,パッケージのデザイン,カレンダー(平日と休日の色使いを配慮)など様々なものがあり,色で情報を伝えるもの全てがその対象となります。

(色覚障がいについて)

人の網膜には,赤,緑,青のそれぞれの色を感じる細胞と明暗を感じる細胞の計4種類があります。色覚障がいとは,簡単に言えば色を感じる細胞のどれかが欠落していること,又は欠落していないが各細胞の色を感じる反応(感度)の差が小さいことと言うことができます。日本では先天的に色覚障がいのある人の数は約320万人にのぼり,このうち欠落している細胞が赤の人が約25%,緑の人が約75%,青の人が約0.02%という構成になっています。また,発生率は男性が約5%,女性が約0.2%となっています。

(カラーユニバーサルデザインシステムの開発)

東洋インキでは,色を提供する企業の重要な取組として,色を使ってデザインする際のカラーユニバーサルデザイン支援ソフトを提供しています。

ひとつ目は,「CFUD(Color Finder for Universal Design)」です。これは,さまざまな色覚タイプの人にとって判別しやすい配色パターンを作成するソフトです。ソフト上で特定の色を指定した際に,色覚障がい者がその色と区別困難となる色には「×」印が表示され,容易に色を選択できるようになっています。

ふたつ目は,「UDingシミュレーター」です。これは,製作されたデザインが色覚障がい者にはどのように見えているかを再現し,判別しづらい配色部分を自動抽出し,色覚障がい者にとっても正常者にとっても区別しやすい色に自動的に変換できるようになっています。

(これから)

色は誰でも見分けられるということを前提とせずにデザインすることが大切です。行政からは色使いに関するガイドラインが発行され,教科書においてもカラーユニバーサルデザインに配慮された取組が進められています。また,東洋インキでは,子どもの頃からカラーユニバーサルデザインに触れることも重要と考え,子ども向けの小冊子などを作成し,啓発に努めています。

 

講義の様子

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キャンパスプラザ講義「実践ユニバーサルデザイン」について

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