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■平成20年度実践UD第4回講義の様子(曽和治好先生)

ページ番号42535

2016年4月14日

五感のUDへ,ヒューマンスケールと音環境を中心とした空間の読み取りかた

(環境デザインについて)

視覚だけでなく五感を使って環境を見ていくと,視覚的のみで見ていたときに比べて,環境に対する考え方が変化していくのではないかと考えています。

環境デザインとは,人間がつくり出せない大地や光,水などとどのように向き合っていくかを考える分野であり,環境デザインを考えるうえでは,これらのものに対してどのように感じるかが重要です。そして,大地,光,水,大気などは等しくすべての人に供給されているため,究極のユニバーサルデザインであるということもできるとともに,これらのものを大事にしていかなくてはならないと思います。

(ヒューマンスケールについて)

環境を設計していくためには,ヒューマンスケールを十分に理解しておくことが必要です。ヒューマンとは「人間」のこと,スケールとは「尺度」のことですが,要するにひとりの人間としての身体や立場を基準として考えることが大切です。大量生産社会の中では,人は機械的な発想に陥り,ヒューマンスケールが無視される危険性がありますが,機械的な価値観のもとでは,人間自身が自然の産物であるため,自らが邪魔者となってしまうことがあります。また,ノイズや汚れなどの乱雑さについても,人間が動物である以上,人間も持ち合わせており単純に人間から切り離すことはできません。

都市環境を考える際には,「身体」→「建物」→「都市」→「自然環境」のように「身体」がベースとなった連続性がなければ,都市がゴーストタウン化する恐れがあります。実際の環境では,国家的プロジェクトのような大規模な空間と,個人の生活の場のような小規模な空間が並存していますが,それぞれが互いの環境を意識しながら環境をつくっていくことが重要です。

(サイトスペシフィックについて)

サイトスペシフィックとは,その国の文化や時代に応じたものつくるということです。「みやこユニバーサルデザイン」についても,京都ならではのユニバーサルデザインを考えることが重要であり,住民自身が自分たちのヒューマンスケールの中でつくりあげていくことが求められています。

(人間の五感について)

人間には環境を読み取るために,「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」の5つの感覚が備わっていますが,これらのうち環境をデザインする際に大きく関係してくるのが,「視覚」「聴覚」「触覚」の3つです。このような人間の特性を踏まえた上で,聴覚によって受け止められる空間と視覚によって受け止められる空間とは異なることの認識や,ザラザラ感を意識したような触覚から入るデザインも重要です。

 

 

講義の様子

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キャンパスプラザ講義「実践ユニバーサルデザイン」について

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