■平成20年度実践UD第1回講義の様子(京都市保健福祉局)
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2016年4月14日
みやこユニバーサルデザインについて
(ユニバーサルデザインの考え方について)
ユニバーサルデザインは1970年代から80年代にアメリカのロン・メイス氏によって提唱された考え方で,「はじめからできる限り多くの人が利用可能であるように,製品,建物,環境をデザインすること」とされています。その対象は,障害のある人や高齢者に限らず,子どもや外国人,重い荷物を持つ人など,様々な状況にある人とされています。ユニバーサルデザインには「使い方が選べる」「簡単に使える」「すぐに理解できる」「ミスや危険につながらない」「楽に使える」「スペースや大きさを確保している」「公平に使える」という7つの原則があり,それぞれの原則の具体例としては高さの異なる公衆電話やセンサー感知式の蛇口などがあります。
(バリアフリーとユニバーサルデザインの違いについて)
バリアフリーはすでにあるバリアを取り除き,対象を高齢者や障害のある人など特定の人としているのに対し,ユニバーサルデザインははじめからバリアをつくらず,対象を様々な個性や状況にあるすべての人としています。しかし,現実的にはすべての人のニーズを満たすような完全なものをデザインすることは難しいため,ユニバーサルデザインを進めるうえでは,事前にできる限り多くの人の意見を聞いてデザインし,完成後にも意見を聞いて改良を加えていくという過程(スパイラルアップ)を繰り返していくことが大切な視点となります。そして,ユニバーサルデザイン達成のためには大きく(1)選択肢の提供,(2)オプションによる対応,(3)汎用性の高いデザインの提供の3つの手法が考えられます。
(みやこユニバーサルデザインについて)
京都市では,平成17年4月に「みやこユニバーサルデザイン推進条例」を施行しています。条例制定の背景としては,長寿化や少子化,国際化,情報化,障害のある人の社会参加などの社会情勢の変化に対応するため,だれにとっても暮らしやすい社会環境づくりを行っていく必要がありました。条例では,京都市や事業者には責務を,市民や観光旅行者その他の滞在者には役割を定めており,それらが交流と協働をしながらユニバーサルデザインの理解を深めるとともに,取組を推進していくことが求められています。これまでの京都市の取組としては,国際ユニバーサルデザイン会議の開催やシンボルマークの制定,子ども向けパンフレットの作成,みやこユニバーサルデザイン賞の創設などがあります。
(身の回りのユニバーサルデザインについて)
具体的な事例として,区役所にある高さの違う記載台や,地下鉄車両の中の文字表示板,いすに腰掛けながら料理が出来るようシンクの下が空洞になっている台所などがあります。
(結び)
様々な設備やものを整備しても,ひとりひとり心の中にユニバーサルデザインの考え方が定着していなければ意味がありません(点字ブロックのうえに自転車が置かれているなど)。また,環境を整えていくことにも限界があるため,私たちひとりひとりが心づかいの基本マナーを身に付け,ハートのユニバーサルデザインを実践していくことが大切です。
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