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■平成17年度実践UD第7回講義の様子(三橋 哲夫先生)

ページ番号27607

2016年4月14日

「実践ユニバーサルデザイン」第7回講義の様子

講義の様子


第7回講義
 6月4日(土曜日)

講師
 京都府立大学教授 三橋 哲夫 氏

テーマ
 ユニバーサルデザイン・生活現場からの発想

講義の概要

 今回は「ユニバーサルデザインを,人間の尊厳を高める活動の一つと捉え,高齢者・心身に障害のある方の生活現場における実態調査・解析から,何をデザインすべきか,如何にデザインすべきかを考える。」ことについて講義されました。
 まず,「デザインとはスタイリングデザインだけでなく,社会的問題の発見・抽出と,その解決方法についてのプロセスと結果の双方を指す。」と定義されました。
 次に,実態調査・解析の具体的プロセスを説明するため,まず,在宅高齢者介護のビデオ調査対象者(Aさん)の介護ビデオ(食事介護・おむつ交換)を概説しながら上映されました。
 次に,受講者に対し,このビデオの中で,介護の道具,空間,環境,介護技術,コミュニケーション,精神的負荷などの項目について,気づいた問題点を抽出し,用紙に記入してもらった上で,受講者に発表してもらいました。この一連の作業が「何を,如何にデザインすべきかのための問題点の発見・抽出」につながると説明されました。
 次に,専門家(在宅介護支援センター相談員,ホームヘルパー,施設相談員等)による,同様のビデオ解析・評価結果を示し,そこから得られた結果を踏まえたものとして,「在宅高齢者介護問題の解決に必要な不適合評価の視点,設計指針」を説明されました。指針は8つで構成されており以下の通り説明されました。
(1)適正介護姿勢誘導性デザイン(介護者の負担軽減のデザイン)
(2)自動能力誘導性デザイン(自立支援のためのデザイン)
(3)要介護者の介護参加性デザイン(要介護者自身も介護に参加できるデザイン)
(4)一連介護合理性デザイン(個々の介護用具と動作の一連化による介護負担軽減のデザイン)
(5)介護用具が浮いていることのデザイン問題(生活様式,嗜好性に馴染んだ介護用具デザイン)
(6)「癒し・心の安寧」デザイン(要介護者が精神的な癒し等を得られる介護用具のデザイン)
(7)十分なヘルパー介護技術(質の高い介護サービスの提供)
(8)介護用具購入・レンタルの制度的・経済的合理性(適正な介護用具情報の欠如等)
 次に,これに基づき,福祉機器の開発事例として,フットレス自動開脚型車椅子(車椅子からの移動補助),ベット高プリセット型(ベッドでの介護労力軽減),取っ手付きヘルパーベスト(要介護者の介護参加),上下サポート歩行具「Walking Aid」(自助能力誘導)等を紹介されました。

下サポート歩行具「Walking Aid」






←上下サポート歩行具
   「Walking Aid」

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キャンパスプラザ講義「実践ユニバーサルデザイン」について

お問い合わせ先

京都市 保健福祉局障害保健福祉推進室

電話:075-222-4161

ファックス:075-251-2940

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