■平成20年度実践UD第2回講義の様子(村田京子先生)
ページ番号40836
2016年4月14日
演習:「デザインチャレンジ」の説明
(デザインチャレンジの進め方について)
ユニバーサルデザイン(以下,「UD」)の理念に基づくモノやサービスをグループごとに考案し,模造紙に書き込んで,(本講座の最終日に)発表します。
(UDを考えるに当たって)
UDについて考えるためには,まず自分たちの生活上の不便さに気づくことを出発点にしてください。そして自分たちの取り組むモノやサービスをよく知り,だれが何をどのように使うのかを理解することが大切です。たとえば,「ドアノブ」については,回すタイプもあれば,下に押し下げるタイプ,ボタンで押すタイプのものなど様々ですが,どのタイプのものが多くの人にとって使いやすいものなのかを考えてください。ただし,答えはひとつではありません。
ひとりひとりに個性があり能力も違うことから,UDについて考えることは決して簡単ではありません。それでは,自分以外のユーザーについて理解しやすくする方法をいくつか紹介します。
1つ目は,実際のユーザーにインタビューしてみることです。たとえば、外国人がバスの乗り方に困っている場合,その原因は決して言葉の問題だけではないことがインタビューによってみえてくるでしょう。2つ目は疑似体験をしてみることです。指の関節を曲がりにくくした状態でビンの蓋を開ける場合,いつもと同じ方法ではうまくいかないために困難を感じるでしょう。そして、人によって開け方が異なることがわかるでしょう。3つ目は,プロセスを見てみることです。モノやサービスを利用する際の手順について他の人であればどのような手順を踏むのか,どこに困難を感じるかを考えてください。また,ロン・メイスのUD7原則や,共用品推進機構の5原則などを評価指標として利用することも大変有効です。
(デザイン化するに当たって)
自分たちの取り組むことについて,以下の3つのことに留意してください。
1 なぜUD化しなければならなかったのか。
高齢化の進行によってUDの重要性は高まってきています。そのような背景も踏まえて、今回は,今よりも多くの人が使える(見落とされているユーザー群が使える)ということに焦点を当てて取り組んでください。
2 なぜその部分をUD化したのか。
ユーザーの使用方法を想定して,使用するプロセスの中でどの段階が重要となるのかを深く考えてください。単なる機能付加型では機能がありすぎて,かえって使いにくいこともあります。今回は、すべての課題点を埋めるということではなく、限られた部分でも良いので、熟考されたアイディア・デザインを期待します。
3 本来の利用目的に沿っているか。
モノやサービスが本来の利用目的をゆがめずに利用することができるかに立ち戻って考えてください。
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