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■平成19年度実践UD第5回講義の様子(曽和治好先生)

ページ番号27595

2016年4月14日

「実践ユニバーサルデザイン」第8回講義の様子

曽和先生の講義の様子

第5回講義
 6月23日(土曜日)

講師
 曽和治好(京都造形芸術大学・環境デザイン学科教授)

テーマ
 五感のUDへ,空間を読み取る。

 

○環境は,空気,水,光,人が互いにかかわり合うことで成り立っており,これらを大事にすることがユニバーサルデザインの基本である。

○環境を設計していくためには,ヒューマンスケールを十分に理解しておくことが必要であり,ヒューマンスケールを直訳すると,ヒューマンとは「人間」のこと,スケールとは「尺度」のことと表すことができるが,要するに人間の身体を基準として設計することが大切である。そして,ユニバーサルデザインの前提として,このヒューマンスケールに基づいた身体的・時間的な尺度が適切な環境であれば,そこで活動する人々にとって,ストレスを感じずに快適に生活することが可能になってくる。

○また,環境には,国家的プロジェクトのような大規模な空間と,個人の生活の場のような小規模な空間が並存しているが,それぞれが互いの環境に配慮しながら環境をつくっていくことも重要である。

○さらに,人間には周囲の環境を読み取るために,「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」の5つの感覚が備わっている。これらのうち空間をデザインする際に大きく関係してくるのが,「視覚」「聴覚」「触覚」の3つであるが,このような人間の特性を踏まえた上で,身体から連続したデザインとして,滝の音色を楽しむなど,論理とは異なる人間らしさ(ノイズや汚れなど)も組み入れたデザインとしていくことも求められる。

○環境デザインにおいては「時と場合に応じて多様な「解答」がある中で,環境デザイナーの主体性が問われており,長い年月の中で10年後,20年後にその環境が残っているのかを考えながらデザインしてくことが大切であり,例えば,桂離宮がなぜ400年間もその環境を維持できたのかを考えた場合,桂離宮は設計者だけにととまらず,桂離宮にかかわるすべての人がゴミを拾うなどデザイナーの役割を果たしてきたからと言えるのではないか。

○ユニバーサルデザインの前提としての環境デザインは,ただ見るだけのような受身的なものではなく,人が参加し行動することで成立していくものであり,人々が参加することで感じて読み取ることが,環境デザインの設計に当たっての第一歩である。

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キャンパスプラザ講義「実践ユニバーサルデザイン」について

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京都市 保健福祉局障害保健福祉推進室

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