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上京区の史蹟百選,区民誇りの木/北野天満宮,オアガタマノキ・クスノキ・ウメ

ページ番号12886

2008年10月21日

Fエリア
北野天満宮
北野天満宮

 

 21日の弘法さん,25日の天神さん──これは京都に定着した縁日です。北野天満宮は菅原道真を祭神とする旧官幣中社ですが,その始まりは平安時代の政争にかかわります。というのは,藤原氏の出身でないのに右大臣まで昇った秀才に対する妬(ねた)みが怨霊になる要素となったのでしょう。
 菅原道真は菅秀才といわれたように学問の家の出で,その実力で昇進しました。しかし藤原時平らの策謀により太宰権帥に左遷され,延喜3年(903)に太宰府で亡くなります。その後道真の崇りとする災禍が度々起こり,やがて天慶5年(942)右京七条二坊に住んでいた巫女の多治比文子(たじひのあやこ)に神託があり,さらに天暦元年(947)には近江比良の神主良種の子にも託宣がありましたので,北野朝日寺の僧最珍と相談の上,北野右近の馬場に天満天神として祀られました。以来,御霊神の一つとして崇敬は高まり,雷除けや学問の神としての信仰が起こってきました。
 国宝の本殿・石の間・拝殿・楽の間からなる社殿は慶長12年(1607)の造営になります。俗に八棟(やつむね)造といわれるように,本殿と拝殿を石の間でつなぎ,両脇に楽の間を付属した宏大な社殿で,権現造の先駆的な建造物です。中門・廻廊・後門・透塀・東門が重要文化財に指定されているほか,絵馬所も京都市指定有形文化財になっており,境内社の伴氏社の鳥居は柱の根元に蓮弁が彫り出された珍しいもので,伴氏鳥居の名で知られています。北野型といわれる六角型の石灯篭とともに重要美術品に認定されています。
 根本縁起といわれる鎌倉時代の北野天神絵巻8巻は国宝に指定されており菅原道真の一代記と霊験譚を語る天神縁起の最初の作品です。その流れを汲む鎌倉・室町・江戸時代の3件の北野天神縁起をはじめ,5件の刀剣,日本書紀の古写本や慶長13年に長谷川等伯が描いた昌俊弁慶相騎図絵馬など13件が重要文化財に,曽我直庵筆の曳馬図絵馬など4件が京都市指定有形文化財になっており,これらの文化財は宝物殿に収蔵されています。また元禄14年(1701)に建てられた絵馬所にも所狭しと絵馬がかけられていて,ギャラリーの感じを深くさせられます。
 道真の忌日である2月25日の梅花祭や10月1日から4日までの瑞饋(ずいき)祭は特に賑わいます。瑞饋神輿は芋茎(ずいき)で屋根を葺き,野菜で飾りつけた珍しい神輿です。
 境内には多くの摂末社が祀られています。その数は60社,おそらく全国でも最も多いのではないかと思われます。巡拝すると全国の神社にお詣りできるようです。また牛の像や石灯篭に彫られた大黒天など,参詣者によって信仰が深められたところもあります。

 

DATA
・御前通今小路上る 馬喰町

 

■誇りの木    
オガタマノキ

・高さ 12.0m   
・枝張 12.4m
・幹周 2.53m
・モクレン科/常緑高木 

 

クスノキ
・高さ 20.0m   
・枝張 21.7m
・幹周 3.07m
・くすのき科/常緑高木 

 

ウメ
・高さ 3.5m   
・枝張 5.0m
・幹周 0.74m
・ばら科/落葉小高木~高木

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