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第8回「京都市道徳教育振興市民会議」概要

ページ番号6489

2008年2月12日

日  時 平成14年9月17日(木) 14:00 ~ 16:10

場  所 京都市大学のまち交流センター キャンパスプラザ京都 第1会議室

出席者

【委 員】
牛尾 誠三  京都市立中学校道徳研究会会長・京都柳池中学校長
小野山正彦  京都新聞社論説委員長
皆藤  章   京都大学大学院教育学研究科助教授 【副座長】
梶 寿美子  市民公募委員
小寺 正一  京都教育大学副学長 【座長】
高田 道弘  市民公募委員
中井 隆栄  (社)京都青年会議所理事長
中野 悦子  平成12年度京都市中学校PTA連絡協議会副会長
橋本三千代  市民公募委員
藤本奈々子  平成12年度京都市小学校PTA連絡協議会副会長
正木 隆之  人づくり21世紀委員会副幹事長
         (財)京都ユースホステル協会事務局長
迫田 敏暉  京都市教育委員会教育次長

【専門員】
村田 喬子  京都市立永松記念教育センター研究課主任研究員

【教育委員会事務局】
生田義久指導部担当部長,森田正和学校指導課長,宮本昌昭学校指導課担当課長,佐藤卓也永松記念教育センター指導主事



1 報告「道徳教育1万人市民アンケート」について
 事務局より,申し入れ等の実施状況報告及び意見交換が行われた。

・ 答えるのに15分以上はかかる長いアンケートに対して,1万人を目標としていたのに, 22,327通に及ぶ回答をいただいたのは,驚いた。このアンケートに対する市民の意識の高さをすごく感じた。アンケートの目的の一つだった自分自身の道徳観をもう一度問いかけるということができたのではないか。

・ これだけの数があれば,統計上は問題が無い。

・ このデータは,このアンケートの結果分析のために,特定の項目間に焦点を当ててクロス集計を取ることが大切になる。特に意識と行動で差のある項目に注目して分析することが重要ではある。

・ 「人生に夢や目標を持つことについてどう思いますか」で,意識は高いが,行動ができていない。さらに細かく見て,実際に夢や目標を持つと答えた人の中で,どれだけの人が行動しているのかを分析したい。「朝食を食べることについて」等も同じ傾向があるので,意識している人の中で,どれだけの人が行動しているかのデータを見たい。

・ 児童は,学校を中心にアンケートがされているので,立前と本音の差もあるのではないか。分析するときに,そのことも踏まえる必要があるのではないか。

・ 30歳から50歳までの意見が圧倒的に多く,子どもを持つ世代の不安感の現れが,これだけの回答につながったのではないか。こういった不安感を取り除くために,どうしていくかを考えていかねばならない。
 全体の印象として,大人は建前的な意見が少し強いかな。「こうあるべき」と「こうありたい」という意識が混同され答えているのではないか。結果と実態を考えて見ても,大人は「本当か。」という集計結果もあるが,むしろ,子どもは正直に答えている。
 意識と行動のギャップで,携帯の問題やボランティアとかで中学生の子どもに注意するかという結果がはっきり出ている部分はいいが,はっきりしない部分をどう分析していくかが重要だ。
 また,子どもも以外に敬語等の意識が高い等の結果を見ても規範意識を案外意識はしているが,こういった部分をどう評価し,どう提言に結びつけるかが大切だ。

・ 考えやすくするために,カテゴリー別にグループ分けしてまとめるべきだ。アンケートで,意図的に散らして質問

・回答をランダムに聞いていたのを,元に戻して集約,分類することが必要だ。
 提言に結びつけるため,方向性や傾向が分かる形にしたい。例えば,意識と行動のギャップが,はっきりする形になっているので,意識はしているのに行動できていないことを洗い出す中で,みんなが大事にしていて行動していることやその逆になっているといった傾向がでてくるのではないか。

・ 今までの話をまとめると,内面についてもっと丁寧に見るべきではないか。意識と行動のギャップについてももっと考えるべきだ。傾向性についてもはっきりと結果を出せているものを基に考えるべきだ。

・ 障害を持つ人にもこういうアンケートの存在を知らせて欲しかった。
 「挨拶をする」が高いことはいいことだが,障害を持つ私が道の真ん中を歩いていると,自転車に乗った人に,丁寧な言葉で,「危ないですから,端を歩いてください。」と言われた。形としての敬語ではなく「心」が問題。「心の教育」は絶対にしなければならない。最低限のモラルというものは,しっかりと教えねばならない。
 このアンケート結果を提言にどう活かしていくかを,決められたことをするのではなく,私たちの意見やアンケートからの子どもたちの意見も含め,さらに深めて考え,いろいろな人の意見も踏まえて,提言をしたい。
 反対意見もあるかもしれないが,今まで関心を持たなかった人が持つようになり,意見が出るようになった。まず,行動を起こすのが大事であることが,今回のアンケートを通して分かった。

・ 批判もでているが,一つ一つの批判に答えるというより,市民の声をどう吸い上げるかということを市民会議として押えておくべきだ。座長宛に申し入れ書が来ているので,委員一人一人が一つの意見として踏まえつつ,今後も論議していくことが大切だ。

・ 予想以上に関心をもたれていることが,アンケート数から見られる。いいという意見もある。一方でご批判もあるが,意識のあらわれとして反映していけばいいのではないか。幅広い議論のきっかけになれたと理解している。
 どこまでが,お互いの共有すべきルールか。どこまでが,自由に任せていいかを今後詰めていきたい。

・ 今日の単純集計をもとに,丁寧に一つ一つ検討していくべきだ。回答3の「どちらでもない」と答えたどちらにも揺れ動く人の行動をポイントにクロス集計しても提言に生かせるのではないか。

・ 当たり前のことを当たり前に聞いている。回答の1・2と3・4で強弱を付けると面白い結果が出ている。さらに,1と2の差をどう見るかが面白い。

・ 「必ず」のところで,差がついている質問があるところに注目したい。「敬語」のところで,男性が女性より「必ず」が多い。
・ 児童・生徒と大人の間で,同じ質問で比較しても面白い。

・ 「髪の毛を染めること」や「歩きながら物を食べること」は,いけないとされた昔と違い,意識が薄れていることが表れている項目だ。

・ 「道で歩きながらものを食べない」ということも,昔は当たり前だったが,今は崩れているのではないか。

・ 「伝統行事を大切にすること」「国を愛すること」で年代のギャップが大きい。当たり前の世代とそうでない世代との。それが,賛成もあれば,批判もある部分に繋がっている。提言をどの層に向かって訴えるかで,異なってくるので,注意が必要だ。
 また,設問内容でも異なる。敬語を扱うことの率も高いと見るか低いと見るかでも違う。

・ 大人から見て変な敬語も子どもにすれば敬語を使っているつもりなので,敬語の解釈の違いや使い方における世代間の差も考慮しなければならない。

・ 小学校から中学にかけて意識・行動がだんだん下がってきて,高校になると逆に上ってくる。発達段階に応じた道徳教育の中で,何が必要かの解決の糸口や課題が見えてきた。

・ 「尊敬する人がいるか」が心配だったが,意外に多かった。その中で,お父さん,お母さんが多いことにちょっと驚いた。

・ 「ボランティア」の意識と行動がともに低いことに驚いた。

・ 「ボランティア」をすべきだと言われているが,単に福祉体験をすることだけでとらえて,実際に何がボランティアなのかが分からないのではないか。もっと深く考える場を作ることが必要だ。

・ 「お墓まいり」や「伝統行事」で,子どもの意識がかなり高いことに安心した。

・ 「地域の会合に参加する」で,意識が低かったのに,行動が高いことには驚いた。「朝食をとらないこと」や「歩きながらものを食べないこと」について,子どもが悪いというふうに考えていないことに驚いた。食生活というところからの切り口も考えるべきだ。

・ 親は,自分は朝食を食べないのに,子どもに朝食を食べさせるようにしているのは面白い。

・ 私は,子どもが髪の毛を染めることは,人に迷惑になりにくいが風紀の乱れにつながると考えているが,今の子どもたちは,自分自身が許している傾向が見受けられる。

・髪の毛を染めることが若者に今や一般的となっているが,子どもにどう教えていくかに苦心している。

・ 「挨拶する」,「感謝する」意識や行動がもっと低いと考えていたが,意外に高いことに驚いている。しかし,それでもできていない親がいるのは何故なのかを考えたい。

・ 「学校や社会のルールを守ること」は,自分の子どもとしゃべっていても,校則を無視しようとするなど,規範意識が低いことを実感として持っている。「社会は自分が決定したことがルールの方が社会で決めたルールより大事になっている風潮がある自己決定主義になっている」と話している青少年の専門家がいるが,そういうことをアンケートから読み取れるのではないか。

・ 公衆電話をかける時に,人より先に並んでかけたときに,「お先に」と答えていく人が少なくなっている。デパートのドアを開ける際,後ろから人が続くときも,次の人のためにドアを開けて待っていく人もほとんどいない。アンケートで,これほどの意識があるなら,日常のこういったマナーに広げて欲しいし,行動にあらわして欲しい。道徳とかルールとか言わずに,「人への思いやりとか温かさ」で,人にできることがあるという観点で提言に結びつけたい。

・ 他人の自転車に勝手に乗っていることや他人に暴力を振るうことなど,明らかに悪いことが予想以上に多い結果に驚いた。

・ この項目とこの項目を組み合わせて考えるべきということを,幅広い立場から出していきたい。

・ 「日常の会話」や「家族との生活の時間をとること」を大人は大事にしているのに,子どもは大切にしていない。一方で「尊敬する大人」で,親だとする結果が出ているのは面白かった。そのかかわりがどうなるかを調べたい。

・ 父母と同居していることのクロス集計を取って,そのことが,挨拶をすることや敬語をつかうことにどう生かされているかを分析すればいいのではないか。

・ 今日の議論を踏まえて,もう少し作業部会で詰めて,クロス集計や分析を行っていきたい。

2 提言作成に向けて

・ 提言の方法として,「学校」「家庭」「地域」の対象別もあるし,「子ども」「大人」の対象別も考えられる。あれもこれもではなく,焦点を絞って提言すべきだろう。

・ 道徳教育の重要性を,「学校」を中心に考えるか,「家庭」を中心に考えるかで異なるが,私は後者が中心だと考えているので,家庭に焦点を当てた提言をしたい。

・ アンケートの最後にある家庭と学校の役割の重要性の結果を参考としたい。

・ 今までの意見でも学校のみ,家庭のみを大事にすべきという意見もなかったのでいいのではないだろうか。

・ 地域も家庭も大事だが,一つのまとまった形で提言を出すことが大事ではないか。

・ さまざまな青少年育成団体もあるので,そこに向けた提言も必要だろう。

・ 道徳とはいったい何なのか。「共に」生きる力を皆で考えることではないだろうか。

・ 共生ということを崩したら大変なことになるのを最近皆が感じていると思うので,この「共に生きるために,今,何が必要か」をテーマに皆で何が大切かを定義したい。

・ 提言の根本として,人と人との温かさというものがある内容であって欲しい。

・ 価値観の押し付けだという批判があるが,教育は価値観の押し付けから始まると私は思う。道徳を教えてはだめということではない。

・ 学校は基礎基本が大事だといわれるが,道徳教育は違う。いい悪いは,みんな漠然とは理解している。しかし,提言のように文章にすると「価値観の押し付け」になる危険性があるので,難しい。強制的にならないように,「心から湧き出る」提言になって欲しい。

・ こうすべきだと強く押し出さないほうがいい。

・ 人から言われれば押し付けになるが,自分からそう感じられるようになれば違う。自分自身で押し付けるべき価値観を提言にして欲しい。

・ 「ドアを次の人のために開けておく」人への思いやりのある考え方を提言に生かしていけば面白い。人に教える前に自分で学べるようにもっていきたい。

・ 「最低限のモラル」を教えるべきだ。教育することは,障害者の立場から大事だ。最低限のモラルを皆が持っていないと道も歩けない。これだけは,子どもに教えて欲しいということを提言したい。

・モラルは変わっていくものだ。金髪の子どもも今はかわいくも感じられる。ただ,人間が生きていく上で,これだけは必要だということもあるので,そのことを訴える必要もある。「どう生きていけばいいのかのお願い」でいいのではないか。一方で,絶対だめだというレッドゾーンもあるので,今までの共通理解となっているそのことも踏まえ,提言していきたい。

・ 広報の話になるが,市民会議なので,できるだけ市民の目の目に触れる形で,提言したい。

・ あまり長く書かないほうがいい。市民も読まない。 

・ できるだけ具体的な行動ができる形に集約すべきではないか。逆説的に言うと,ポイントを絞った形で提言するべきであろう。

 

3 その他今後の活動内容等 

 「道徳教育フォーラム(仮称)」が平成15年2月22日に行われることが確認された。
 次回会議については,11月8日(金)午前に開催されることとなった。

 

 


 

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