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第4回「京都市道徳教育振興市民会議」概要

ページ番号6458

2008年2月12日

日  時 平成14年2月14日(木) 14:00 ~ 16:20

場  所 京都市子育て支援総合センターこどもみらい館 第2研修室

出席者

【委 員】
牛尾 誠三  京都市立中学校道徳研究会会長・滋野中学校長
小野山正彦  京都新聞社論説委員長
皆藤  章  京都大学大学院教育学研究科助教授
梶 寿美子  市民公募委員
小寺 正一  京都教育大学副学長
高田 道弘  市民公募委員
永田  萠  イラストレーター
中野 悦子  平成12年度京都市中学校PTA連絡協議会副会長
藤本奈々子  平成12年度京都市小学校PTA連絡協議会副会長
正木 隆之  人づくり21世紀委員会副幹事長
         (財)京都ユースホステル協会事務局長
迫田 敏暉  京都市教育委員会教育次長

【専門員】
柴原 弘志  文部科学省初等中等局教育課程課教科調査官
         国立教育政策研究所 道徳・倫理担当調査官
村田 喬子  京都市立永松記念教育センター研究課主任研究員

 

【教育委員会事務局】
門川大作教育長,生田義久指導部担当部長,向井宣生学校指導課長

1 座長・副座長の選出
 河合座長が文化庁長官就任したことに伴い,新座長に小寺正一副座長が委員の互選により選出され,副座長に皆藤章委員が小寺座長から指名された。また,河合先生については,「名誉座長」として,これからも指導・助言をいただくことが確認された。

2 「心のノート」の報告
  柴原専門員から,来年度全児童・生徒に配布される「心のノート」についての報告が行われた。

3 意見交換
  「心のノート」の報告,学校視察や道徳アンケートの実施について意見交換が行われた。(1)「心のノート」の報告について

○ 保護者も見ることができるか?

○ 市販する予定なので,保護者の方も書店で手に入れられる。

○ 全児童・生徒に配布するならば,盲・聾学校も入れてもらいたい。点字でも作っていただきたいし,テープでもいいので考えてもらいたい。

○ すぐ来年ということは無理だが,考えていかなければならない問題だ。

○ 教師の側が判断するものではないが,保護者が中身を見ることについて,どういう議論があったか。先生自体も中身を見ることがいいのかどうか。子どもの内面を見ることになるので,第三者が見ないようにするのも大切になるのではないか。

○ 議論はあった。活用に当たっては保護者等とも連携を深めねばならないし,教員が指導し,中身を見る場合も気を付けるように,手引きを作成し,対応したい。

○ 先生は中身を見てもいいのではないか。そういった子どもの内面を見て指導していくことが道徳では大切になるのではないか。

○ 「価値観を押付ける恐れがある」という話があったが,親と担任の先生の価値観が違う場合,どうすればいいのか。例えば,「命が大事」というような誰が教えてもいいことなら教えれるが,そうでない場合はどうすればいいのか。

○ 子ども自身が考えるきっかけになればよい。実際には,ノートの内容で大きく価値観が異なるとは思えないが,あくまで,子ども自身が考えるきっかけを提供できることが大事だ。教師の教材の活用法にかかってくる。

○ アンケートで30%の教員が活用が難しいと言ってたのが,この点で不安だ。

○ 「命の連続性」が大変明らかに書かれているのは,いいことだ。

○ モニターのアンケートの話があったが,アンケートをきちんと書く子どももいれば,書かない子どももいる。書かない子どもへの対応をどうするかが大切だ。

(2)学校視察を実施して

○ 特に,視点を定めず,意見交換をしていただきたい。

○ 1学年全体で,震災が起こった町で,あなたは止まるか否かの話で,「生命尊重」が主題の話だったのが,思っていた内容と異なり「郷土愛」の話になったので,道徳授業の難しさを感じた。取組自体については,自分の学生時代には無かったので,好感が持てた。

○ 1学年全体で授業を行うと,学年全体での授業の基盤になり,内容が平準化できる利点がある。

○ 授業の時間にしばられて,価値判断ができるような内容の深まる話までいかなかったが,子ども達はしっかり意見交換をして,後の感想も正しい答を言っていた。自分の高校生になる子どもにその話を言うと,「正解を述べているだけで,心から生命の大切さについて考えているわけではない。」と言われた。これは,道徳の授業として危険な問題だと思う。

○ 震災の話もフィルムを見ての話ではなく,実体験の話を聞いた方がもっと伝わったのではないか。
 授業時間が短かったので,「心の教育」の授業としては浅かった。ただし,普段は障害者にはなかなか声をかけにくいものなのに,この学校の生徒は授業の後で,いろいろ声をかけてくれた。授業の中ではなくても普段の生活の中で道徳教育の成果が返ってきている。

○ 素晴らしい機会を与えていただいたというのが,全体を通じての印象だ。
 授業については,もう少し時間がほしかった。中学生の自殺を教材で扱い,自殺をすることは認められるかどうかを主題にし,議論をしたが,答えが半分半分に分かれた。最初と最後でも意見はあまり変わらず,自殺をしてはいけない方に,子ども達は動くと考えていたのでショックだった。
 それと,この教材はあまり扱ってほしくない。この教材は,「いのち」を扱うには,最適の教材ではない。自殺の遺書をそのまま載せており,自殺について考えるのにマイナスになるのではないか。この両親もこういった使われ方は考えていないのではないか。非常にデリケートな問題であるので,慎重に扱うべきだ。

○ 道徳の授業を見て,家庭を含めて積み重ねがあれば別だが,子どもに刷り込みが残りやすいと感じた。
 小学校では子どもにうまく考えさせる授業にしていたが,中学校では,時間も無い関係もあり,詰め込みだった。小学校と中学校では,刷り込みがしやすいか否かもあり,異なる印象を受けた。
 小学校では,授業だけでなくそれ以外もきちんと浸透している。授業中落ち着きがなく,発言もしなかった子がトイレではスリッパを揃え,挨拶もきちんと行えるなど,道徳の研究校として取り組んできたことが実践されていると感じた。そういった子どもを教師がどう評価していくかが大切だ。教師の方では,指導案作りに時間を取られて,子どもに接する時間を取れるか心配に思った。いずれにしろ,色々なことを考えさせる非常にいい機会であった。

○ 中学校道徳研究会でも授業のあり方を研究している。中学両校の授業は,新しいタイプのものだが,課題の設定だけではなく,教材の是非や教育の効果などを考えていかなければならない。自殺についての授業の子どもの反応は予想外だったが,こういう時に臨機応変に対応せねばならない。先生の力量が問われる取組だ。

○ 私は,小学校の新任教員が行う授業にずっと入っていたが,教員になってすぐなのにここまでできるのかと驚いた。
 私も時間が短いと感じた。時間の中で収めようとすると,結論を求めたがる。結論が果たして必要なのだろうか。内容については,設問の作者に対する価値に終始していたが,それだけでなく児童の心の内面まで持っていくことが重要だ。取り上げる課題や教材の難しさを考えさせられた。

○ 私の見た授業では,先生が単に知識を詰め込むのではなく,ポイントをついた意見だけを述べ,子どもの心をしっかり押さえたていた。しかも,グループ討議でできるだけ自分で意見を述べる授業を行い,普段の積み重ねがあるからだろうが子どもも心を開いていたのが,印象的だった。

○ 普通授業の際に行ったが,全学年全クラスが道徳の授業をうまく行ってくれたことに感心した。他の学校では,研究発表でも一クラスできるかどうかであるのに。ここまでできるのは,1日だけ1回だけではなく,年間を通してうまく授業を行っているからであろう。驚異的だった。

(3)道徳アンケートの実施について
- 向井課長より「アンケートの概要」についての説明が行われた。-
以下の6点を柱としてアンケートを作りたい。
① 「自立」「責任」「性」など自分の行き方に関わる事柄
② 「公徳心」「社会連帯」など社会と自分に関わる事柄
③ しつけの在り方など学校・家庭・地域の役割分担に関わる事柄
④ 「伝統」「文化」など本市の特性に関わる事柄
⑤ 「薬物」「暴力」「いじめ」など社会的規律に関わる事柄
⑥ 道徳,道徳性,学校における道徳教育について
4月までには内容を固めた上で,5~6月中に実施し,8月を目処に集計したい。選択方式で考えていきたい。
○ 今日の協議の中で,アンケートの柱は確定したい。
 みんなで共通すべきモラルをこのアンケートの中で押さえたい。

○ 「人間関係」のことを設問に取り上げてもらいたい。4の「伝統・文化」を道徳の中でなぜ取り上げるかがわからない。

○ 「人間関係」についても考慮していかねばならない。4については「京都市ならでは」の質問が欲しいための項立てだ。

○ 4は,生き方の支えになるものだ。他がどうでもいいということではない。人間関係についても押さえるべきだ。

○ 児童・生徒には,学校を通じて送るとのことだが,先生の説明の仕方で答が決まる可能性があるので,注意すべきでは。

○ 回答の説明がある表紙がつくので,表紙を読めば回答ができるように作成する予定だ。その点については大丈夫かと考えている。養護学校での実施には工夫が必要だ。

○ 言葉の問題で答が予見される問題もあるので,注意すべき。
 属性の(3)の住まいについては,「農村」と「都市」とを比較できるようにすれば面白い。

○ 回答欄の「わからない」ではなく,「その他」にしてもらいたい。「わからない」では,アンケートに参加するのを否定しているみたいだ。

○ 設問が多すぎる。日本語の使い方に注意してもらいたい。丁寧すぎて意味不明のものがあり,逆に難解な言葉を使い,意味が分からない設問もある。
 質問の対象をもっと明確にして欲しい。

○ まだ,原案の段階なので整理していないが,文章遣いは,もちろん完成時には気をつける。

4 その他今後の活動内容等 アンケートは,提案した6本の柱と今日提案されたものを加えて内容をつめていき,次回の会議で確定することを目指し再協議することになった。
 社会教育の分野での協議も今後考えていくことが提案された。
 次回会議については,3月8日(金)午後に開催されることとなった。

 

 

 

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