「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(北山丸太の展示詳細)
ページ番号338474
2025年3月7日
烏丸線20系車両第7編成に展示されている京都市の伝統産業製品「北山丸太」に関するパネル詳細
2137号車の「おもいやりエリア」には、京都市の伝統産業製品である『北山丸太』を展示しています。
『北山杉』の皮をむき加工してつくられる『北山丸太』は「茶の湯」文化にとって欠かせない存在であり、茶室や数寄屋(すきや)建築用材として床柱(とこばしら)、垂木(たるき)などに用いられるようになりました。節の無い光沢のある艶(つや)やかで美しい木肌の表情や、緻密(ちみつ)な木目(年輪(ねんりん))をもつことが『北山丸太』の特徴の一つです。
展示ではお伝えすることができない『北山丸太』と『北山杉』の詳細をQ&A形式で御紹介します。
北山杉の歴史を知る
Q1.北山杉の生産はいつから始まったのですか?
A1.北山杉は室町時代の応永年間(1394~1427)頃からつくり始められたと言われています。
(詳細はこちらで御確認ください)
北山丸太製品について(京都北山丸太生産協同組合)
Q2.北山丸太が最初に使われたのは、どのような場所ですか?
A2.千利休により完成された「茶の湯」文化を支える茶室に使われたのが始まりです。その後、主に数寄屋建築の化粧材として全国的に使われてきました。
(詳細はこちらで御確認ください)
北山杉のはじまりと歴史(京都北山丸太生産協同組合)
台杉を知る
Q3.「台杉仕立て」とはどのような育林方法ですか?
A3.1本の杉から数十本、多くて百本以上もの細い幹を育て、1つの株が1つの森のように幹を更新していく世界でも稀でサスティナブルな育成方法です。
Q4.「台杉仕立て」にはどのようなメリットがありますか?
A4.「台杉仕立て」は枝から次々に萌芽(ほうが)する芽を幹に育てる育成方法により、苗を作り植林する手間を省くことができます。
Q5.台杉から作られるのは、どのような部材ですか?
A5.台杉から垂木と呼ばれる直径約6cm以下の細い丸太を作ります。
Q6.建築用部材を作る以外に台杉が使われる用途は何がありますか?
A6.姿形が美しいことから庭園材として使用されています。
Q7.最も古い台杉はどこにありますか?
A7.京都市北区中川地区の中腹にある宗蓮寺という寺院の下付近に、樹齢約400年の「北山大台杉」と呼ばれている現存する最古の台杉があります。
(詳細はこちらで御確認ください)
北山杉のはじまりと歴史(京都北山丸太生産協同組合)
枝打ち、背割りを知る
Q8.枝打ちをすると、どのような効果がありますか?
A8.枝打ちをすることで、木肌表面に節が無く、丸くまっすぐな丸太を作ることができます。また緻密な年輪となり干割れがしにくい、木肌の光沢や色艶が良いなどの効果が現れます。
Q9.北山杉を育てる過程で何回くらい枝打ちを行いますか?
A9.植えてから伐採するまでに3~4年の間隔で3回~6回程度枝打ちを行います。

Q10.背割りの目的は?
A10.丸太の裏側に上から下までスリット(切れ目)を入れることを背割りと呼びます。背割りの目的は、北山丸太が乾燥する過程で収縮して表面の木肌部分に干割れの発生を防ぐことです。

(詳細はこちらで御確認ください)
北山丸太ができるまで(京都北山丸太生産協同組合)
絞りを知る
Q11.人造絞丸太の模様は、どのようにしてできますか?
A11.伐採する2~3年前に箸状の材料を幹に巻き付けます。幹が太る成長を利用して材料がくい込むことで絞り模様をつくることができます。
Q12.天然出絞丸太の模様は、どのようにしてできますか?
A12.天然出絞は幹表面(木肌)に自然に凹凸ができます。天然出絞が出る親木の穂木(ほぎ)を挿し木することで、成長するとともに木肌に親木と同じような模様ができてきます。
(詳細はこちらで御確認ください)
北山丸太の種類(北山丸太生産協同組合)
北山丸太の種類(京北銘木生産協同組合)
森づくりを知る
Q13.北山杉の里では、どのような研修や体験ができますか?
A13.北山杉の育成過程を動画で見たり、枝打ち作業の実演見学や製品の倉庫見学ができます。また、北山丸太製品の仕上げ工程となる特殊な磨き砂を使っての丸太磨き体験や、お箸づくりの体験をすることができます。

Q14.北山杉を見るツアーはありますか?
A14.予約すれば中川地区で樹齢約400年の「北山大台杉」を間近に見られる見学ツアーに参加できます。

(詳細はこちらで御確認ください)
京都北山杉の里総合センター
京北銘木生産協同組合
Q15.北山杉の小物製品にはどのようなものがありますか?
A15.北山杉の小物製品にはお箸やコースター、灯り(照明)、一輪挿し、コースター、車のおもちゃ等があります。

(詳細はこちらで御確認ください)
製品紹介(京都北山丸太生産協同組合)
製品紹介(京北銘木生産協同組合)
木の魅力を知る
Q16.公共的な場所で、北山杉が使われている事例を教えてください。
A16.最近の事例では叡山電鉄 茶山・京都芸術大学駅の駅舎にたくさんの北山丸太が使われました。 他にイオンモール桂川とイオンモール北大路の「もくいく広場」に多くの北山丸太が使われています。
(詳細はこちらで御確認ください)
使用事例(京都北山丸太生産協同組合)
新しい取組みを知る
Q17.北山杉を使った新しい製品には、どのようなものがありますか?
A17.天然出絞の自然に出来る凹凸の表情をいかした新しい製品として、次のような製品があります。
(1)オリジナルパーティション KITAYAMA
天然出絞を使用したパーティションです。
(詳細はこちらで御確認ください)
製品紹介(京都北山丸太生産協同組合)

(2)天然出絞圧密合板「叢雲」
天然出絞丸太をスライスした板を、3層に集積し40%圧縮加工した圧密合板です。
圧縮加工を施すことで強度を増加させています。
(詳細はこちらで御確認ください)
製品紹介(京北銘木生産協同組合)

関連コンテンツ
地下鉄烏丸線新型車両20系に活用している伝統産業素材・技法の紹介
- 「京都市交通局章」に「鎚起(ついき)(金属工芸)」を活用
- 「標記銘板(事業者・号車)」に「京象嵌(きょうぞうがん)」を活用
- 車内の壁に「釘隠し(くぎかくし)」を活用
- 「北山丸太」製の吊手の鞘(さや)に「京くみひも」を活用
- 「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(第1編成)
- 「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(第2編成)
- 「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(第3編成)
- 「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(第4編成)
- 「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(第5編成)
- 「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(第6編成)
- 「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(第7編成)
- 「おもいやりエリア」の伝統産業素材の展示(北山丸太の展示詳細)
お問い合わせ先
京都市 交通局高速鉄道部高速車両課
電話:075-863-5263
ファックス:075-863-5269