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京都市南区

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基本計画 --- 4つの重点プロジェクト3-1

ページ番号10795

2008年2月26日

3 原風景を活かしたうるおい環境の創出

 

基本的な視点と方向

 

 南区は、久世は長岡京、九条通以北は平安京のそれぞれ一部にあたり、2つのいにしえの都とその間に広がる豊かな田園地帯とで成り立つ地域でした。京(都)と各地方を結ぶ街道、河川の水辺や湿地、水害に対応すべく形成された集落、点在する史跡や寺社とその森等からなる、自然と文化に恵まれた近郷農村地帯であり、その面影は、河川、農地、旧集落の美しい景観、寺社とその境内林等に今も見ることができます。

 視野を少し広げて、周辺地域を含めた環境でみると、東山、西山を遠望する平地の要にあり、ここに豊かな水辺と緑地があれば、野鳥や昆虫などにとって生息地あるいは移動する際の中継地となるなど、自然の営みを支えるネットワークが形成され、地域全体の環境の質を向上させることにつながります。

 現在の南区は、住宅・工場・農地の土地利用が混在し、かつ大型車が多く交通負荷の大きい道路網など、決して環境が良いとはいえない地域ですが、それであるからこそ、人間と自然とが望ましい関係にある環境を取り戻すことが、まちの魅力と区民の生活の質の向上に、大きな効果をもたらすことになります。

 そのため、今も残る水郷や田園の原風景を基調とする、「水と緑でつなぐエコロジカル・ネットワーク」の形成を進めます。

 

(1)歴史的資源を活かす洛南の風土づくり

 

 【計画の考え方】

 南区には、開発の波にさらされながらも、区民の生活に溶け込み保たれてきた寺社とそれらの境内地、また旧集落、旧街道などの町並みがあって、自然と歴史が一体となった資源があり、豊かな景観を残しています。これまでの地域の歴史や生活文化、年中行事などの風土特性を活かして、区民が親しみのもてる環境づくり、これらの良さを表現する風土の形成を目指します。

 こうした環境づくりを、区民の主体的な活動として進め、区民が支え、守り育てていきます。

 

倉掛神社

倉掛神社

 

*計画の内容

● 上鳥羽、石原、嶋地区など、水害に備えた名残である石積みで囲まれた地盤の上の旧集落の町並み景観、千本通、西国街道、竹田街道等の旧街道筋の町並み景観を活かすまちづくりについて、地域ごとに話し合い、プランづくりや制度上の対策についても検討を進めます。

● 東寺とその周辺、西寺跡、羅城門跡などをつなぐ一帯の環境整備を進めます。さらに、吉祥院天満宮、蔵王堂、綾戸國中神社、六孫王神社等の由緒ある寺社、祭事、郷土芸能・民話等の歴史・文化遺産を活かし、それらがひきたつ地域づくりを進めます。

● 歴史的文化遺産や名所などと交通ターミナルとを結ぶ南区めぐりの散策ルートを整備することで、これまで十分に知られていなかった南区を学習する機会を設けるとともに、行楽や観光ツアーの振興を図ります。

 

(2)河川と水辺に親しめる環境の整備

 

【計画の考え方】

 南区には、鴨川、桂川が合流し、その他の小河川もいくつか南北に流れています。鴨川、桂川では、護岸整備にあわせて、うるおいのある河川環境の整備が進められていますが、小河川は、川底がコンクリートで固められていたり、暗きょ化されてい て、水流がほとんど絶えているといった状況のところもあります。これらの河川を再生して、区民が水辺で遊んだり、散策などができる環境づくりを進め、「水と緑でつなぐエコロジカル・ネットワーク」の南北軸を形成します。

 

鴨川のサイクリングロード

鴨川のサイクリングロード

 

*計画の内容

● 鴨川、高瀬川、西高瀬川、天神川、桂川、西羽束師川を南北方向の軸として位置付け、自然の回復を図るとともに、区民が憩い、散策やサイクリングで親しむことのできる水辺環境の創出を目指します。

● 河川の整備にあたっては、計画段階から区民参加の機会を確保し、親しみやすく利用しやすいものとします。また、河川敷の清掃や美しい風景づくりなど、近隣住民や農家などが協力しあい維持管理やうるおいの創出を進めます。

 

親に見守られながら浅瀬で遊ぶ子どもたち

親に見守られながら浅瀬で遊ぶ子どもたち

(3)公共施設や幹線道路を活用する緑化の推進

 

【計画の考え方】

 南区の大部分は、昭和のはじめごろから、土地区画整理事業などにより基盤整備が進められ、他の区に比べても、多数の街区(児童)公園があります。しかし、資源の活用という観点からみると、住宅地域、工業地域などの地域特性にみあった使い方がされていません。また、河川沿いの低湿地であった部分は、現在、下水処理場として広大な面積を有しており、地域にとって活用の可能性を秘めた資源です。さらに南区全域に網の目状に多数通っている幹線道路 沿道や高度集積地区などの企業立地を誘導している地区においても、良好な環境づくりを進めることが必要です。

 そのため、まちのうるおいの創出に向けて、これらの施設や用地等を有効に活用し、幹線道路については、「水と緑でつなぐエコロジカル・ネットワーク」の東西軸として重点的に緑化するとともに、ネットワークの要となる鳥羽処理場及びその周辺の地域は、市民の交流の拠点となる水と緑のふれあいゾーンとして、整備を進めます。

 

鳥羽処理場のせせらぎ広場

鳥羽処理場のせせらぎ広場

 

*計画の内容

 地域からの要望や公園利用の現状を踏まえ、区内に点在する利用度の低い街区(児童)公園について、地域住民の参加により活用方法を検討します。

● 九条通、十条通、久世橋通、向日町上鳥羽線など、東西の幹線道路とその沿道の緑化を進め、鴨川と桂川をつなぐ、東西の緑の軸を形成します。

● 鳥羽処理場の用地と河川が合流する地域を対象に、市民全体が憩い、文化交流などができるような、水と緑のふれあいゾーンとして整備します。

● 高度集積地区をはじめ、新規の開発や土地利用転換事業地においても、水辺や自然環境の再生・創出及び緑化に努めます。

 


「原風景を活かす」とは、地域住民が育んできた暮らしぶりや地域独自の景観などの風土特性から、地域の良さを見いだし、これからのまちづくりに活かすことです。

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お問い合わせ先

京都市 南区役所地域力推進室企画担当

電話:075-681-3417

ファックス:075-671-9653