条例に向けての中間報告
ページ番号2455
2007年10月1日
(仮称)京都市男女共同参画推進条例に盛り込むべき事項とその基本的考え方について (中間報告)
平成14年8月
京都市男女共同参画懇話会
1 条例制定の意義・効果
- 条例の制定は,社会のあらゆる分野における男女の実質的な平等とその実現のための男女の対等な参画(以下「男女の平等・参画」という。)を推進する強い意志の表明となる。
- 市が実施する関連施策の根拠を条例に位置付けることにより,地方分権に即応した独自の総合的な施策展開が期待できる。
- 身近な条例を制定することで,市民・事業者それぞれが,男女の平等・参画の意識を高め,それを推進していく原動力となる。
2 条例の題名
- 男女の平等・参画をめざした条例の主旨を的確に表した題名とすべきである。
3 前文
- これまでの経緯,現状認識,条例の理念,取組の方向,決意などを示し,京都市の条例としての特色を打ち出す必要がある。
4 総則的規定
(1)目的
- 条例の立法目的として,基本理念,各主体の責務,施策の基本的事項を定め,男女の平等・参画を総合的・計画的に推進する旨を示すことが適当である。
(2)基本理念
- きょうと男女共同参画推進プラン(2002年3月策定)に掲げる次の6つの柱を踏まえて,基本理念を定める必要がある。
①個人の尊厳が確立された社会づくり
②女性と男性が共に安心して働き続けられる環境づくり
③自立した個人の生き方を尊重し支えあえる家庭づくり
④生涯を通じた健康なくらしづくり
⑤あらゆる分野に女性と男性が平等に参画できる条件づくり
⑥国際社会への貢献を視野に入れた交流・連携づくり
(3)責務
- 市の責務として,基本理念にのっとり,市民・事業者との連携の下,男女の平等・参画の推進に関する施策を策定・実施することを定める必要がある。
- 市民の責務として,基本理念にのっとり,家庭,地域,職場等において男女の平等・参画の推進に努めること,市が実施する施策に協力することを盛り込む必要がある。
- 事業者の責務として,基本理念にのっとり,その事業活動において男女の平等・参画の推進に努めること,市が実施する施策に協力することを盛り込む必要がある。
(4)財政上の措置
- 男女の平等・参画の推進に関する施策を実施するため,市が必要な財政上の措置を講じることを明記すべきである。
(5)年次報告
- 男女の平等・参画の推進に関する市の施策について,毎年,その実施状況を評価・検証したうえで年次報告書を作成・公表することを規定する必要がある。
5 基本的施策
(1)男女共同参画計画
- 男女の平等・参画の推進に関する施策を総合的・計画的に実施するために,市は基本となる計画を策定するとともに,数値目標の設定や年次計画の作成などにより,計画の着実な推進に努めなければならないことを定める必要がある。
- 計画の策定に当たっては,男女共同参画審議会の意見を聴くとともに,市民・事業者の意見の反映に努めることを明記すべきである。
(2)施策の策定等に当たっての配慮
- 市が策定・実施する施策について,男女の平等・参画を推進する観点から点検・評価を行うことを盛り込む必要がある。
(3)市民・事業者の理解を深めるための措置
- 男女の平等・参画についての意識と能力の向上を支援するために,市が広報活動,学習・研修機会の提供などを行うことを定めるべきである。
- 市が補助金交付や契約を行う際に,その相手方に対し,事業所内における男女の平等・参画の推進について働き掛けを行うことを盛り込む必要がある。
(4)家庭生活と他の活動との両立の促進
- 男女を問わず家庭生活と他の活動との両立を容易に図ることができるよう,市が必要な環境の整備に努めるとともに,家事,子育て,介護等の家庭責任の共同分担を促進するために支援を行うことを盛り込む必要がある。
(5)雇用等における男女の均等な機会と待遇の確保
- 雇用の男女格差を解消するために,市が事業者への情報提供や助言,優良事業者の顕彰などを行うことを規定する必要がある。ただし,事業者への指導及びそれに従わない場合の氏名公表については,慎重な検討を要する。
- 農林業,商工業等の家族経営における男女の参画を促進するために,市が情報提供その他の支援を行うことを盛り込む必要がある。
(6)組織の意思形成における共同参画
- 市が率先して,政策・方針決定過程への女性の登用に努めることを明記すべきである。
- 市の附属機関等において,男女の委員数の均衡を図ることを規定する必要がある。
- 地域組織,企業その他の団体等の意思形成における男女の参画を促進するために,市が積極的改善措置※に関する情報提供や助言などを行うことを盛り込む必要がある。
※ 様々な活動に参画できる機会が男女間で格差のある場合,その改善のために必要な範囲内において,男女のいずれか一方に対し,その機会を積極的に提供すること。
(7)男女平等教育の推進
- 市は,学校,家庭,地域の緊密な連携の下,性別にとらわれない多様な個性・能力を発達させる男女平等教育を総合的に推進することを明記すべきである。
(8)性と生殖に関する健康の保持増進等
- 妊娠,出産など性と生殖に関する健康の保持増進及び権利の尊重を図るために,市が男女の性についての理解の促進,生涯を通じた女性の健康支援などを行うことを盛り込む必要がある。
(9)市民等の活動の促進・支援
- 男女の平等・参画の推進に関する活動を行う市民・民間団体等に対し,市がその活動に必要な情報提供その他の支援を行うことを盛り込む必要がある。
(10)情報の収集・調査研究
- 市は,男女の平等・参画の推進に関する情報を広く収集するとともに,大学等との連携を図りながら調査研究を行い,それを施策に反映させる必要がある。
(11)推進体制の整備等
- 男女の平等・参画の推進に関する施策を総合的・効果的に実施するために,市が推進体制を整備し,市民・事業者とのネットワークの確立に努めることを盛り込む必要がある。
6 男女の平等・参画を阻害する行為の禁止等
(1)性別による権利侵害の禁止等
- ドメスティック・バイオレンス(配偶者等からの暴力的行為),セクシュアル・ハラスメントなど性別による差別・権利侵害を禁止する規定を置く必要がある。ただし,これをどのように担保するかについては,更に検討を要する。
- 市が率先して,性別による差別・権利侵害の防止に必要な措置を講じるとともに,被害を受けた者への支援を行うことを盛り込む必要がある。
(2)一般に表示する広告物等に関する配慮
- 公共の場などにおいて表示・掲出される広告物等について,その広告主及び管理者は,性別による差別・権利侵害や固定的な役割分担を是認する表現,不必要な性的表現を行わないよう努めなければならないことを定める必要がある。
(3)相談・苦情等への対応
- 条例の実効性を確保するためには,①性別による差別・権利侵害を受けた場合の相談,②男女の平等・参画の推進に関する市の施策に対する苦情等について,第三者的な機関などの適切な体制を整備する必要がある。
- 相談・苦情等に対応する仕組みづくりに当たっては,既存の相談窓口や男女共同参画審議会との連携,効果的・効率的な制度運営,市民の利便性等を十分に考慮する必要がある。
7 男女共同参画審議会
- 市長の附属機関として,男女共同参画審議会を設置することを規定すべきである。
- 男女共同参画審議会は,市長からの諮問に応じるだけでなく,男女の平等・参画の推進に関して主体的に調査,審議,意見表明ができる機能を付与する必要がある。
意見交換会の開催
(9月21日に終了しました)