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男女共同参画懇話会答申(基本的な視点)

ページ番号2332

2007年10月1日

基 本 的 な 視 点

 

 条例の制定に当たっては,「平等」「自立」「参画」「選択と自己決定」の4つの基本的な視点に立って,内容を検討する必要があります。

 これらは,当懇話会が2001(平成13)年3月に答申した「京都市男女共同参画計画への提言」の基本的な視点であり,その考え方は,市がこの答申を受けて2002(平成14)年3月に策定した「きょうと男女共同参画推進プラン」にも引き継がれています。条例がめざすべき方向は,計画と同様に,「平等」「自立」「参画」「選択と自己決定」が単に抽象的な理念にとどまるのではなく,具体的な成果として表れる社会を実現することであると考えます。

 

  
平  等 女性と男性の平等の理念は日本国憲法が保障していますが,依然として,固定的な性別役割分業意識や女性の多様な生き方を制約する社会システムなどが残っています。「平等」を「機会均等」に置き換え,それを成果に結び付けるのは個人の「意欲と能力」であるとする論理は,一定の正当性は持っていますが,女性が「意欲と能力」を十分に発揮できない状況下では,ジェンダー・バイアス【※3】を助長するおそれがあります。そのため,女性と男性の平等を進める取組は,結果の平等を視野に入れて展開することが求められます。
自  立 経済・産業構造が大きな変革期に直面している中で,男性が働いて家族を扶養し,女性の収入は家計を補完するという従来のあり方は揺らぎ始め,女性と男性を問わず働くことで収入を得る生き方が不可欠となりつつあります。女性の経済的自立は,社会に参画していくために必要な要件であり,多様な生き方をみずから選びとるための前提となります。一方,男性にも,生活者として家庭や地域社会において自立した生き方が求められており,こうした女性と男性の「自立」を阻害する社会制度・慣行の是正が急務です。
参  画 議員,審議会委員,管理職など政策の立案に関与する女性の比率は国際的に見ても低く,2002年に国連開発計画が発表した「ジェンダー・エンパワーメント測定(GEM)【※4】」によると,日本は測定可能な国のうち第32位にとどまっています。今後,政策・方針決定過程から女性を排除しているシステムの改革を進めていく必要があり,そのためには,積極的改善措置(ポジティブ・アクション)【※5】の活用が望まれます。また,企業,労働組合,教育機関,自治会などの組織においても,「参画」の理念が尊重されなければなりません。
選 択 と
自己決定
 進学,就職,結婚,出産など人生のさまざまな局面で,誰もが自分の生き方をみずから選択し,決定する権利を持っています。個人としての尊厳が重んじられる社会は,「選択と自己決定」による自由で多様な生き方が尊重される社会であり,その実現のためには,性別による差別的な取扱いや偏見のない多様な選択肢を保障することが求められます。自己決定は,時として厳しい自己責任を伴うこともありますが,差別や偏見による過重な責任を強いるのではなく,他者の選択を許容する成熟した市民社会をめざしていく必要があります。

 

※3 ジェンダー・バイアス( gender bias )
 「ジェンダー」とは,生物学的な性差(sex)とは直接関係のない社会的・文化的につくられた性差のことで,女性と男性の性役割,行動様式,心理的特徴などにおける合理的な根拠に基づかない「男らしさ」「女らしさ」をいう。「ジェンダー・バイアス」とは,女性と男性の間におけるジェンダーによる期待,処遇,認識等の偏りのこと。

 

※4 ジェンダー・エンパワーメント測定( Gender Empowerment Measure )
 各国における政治や経済の政策意思決定への女性の参画度を測定したもので,女性の稼動所得割合,専門職・技術職に占める割合,行政職・管理職に占める割合,国会議員に占める割合を用いて算出されている。

 

※5 積極的改善措置(ポジティブ・アクション)
 女性と男性とでは,さまざまな活動に参画できる機会に格差がある場合,その格差を改善するため必要な範囲内で,女性と男性のいずれか一方に対して,その機会を積極的に提供すること。

 

 

 

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