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千両ヶ辻界わい景観整備地区界わい景観整備計画

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2022年9月1日

 

京都市告示第255号 (平成13年8月27日)

 京都市市街地景観整備条例(以下「条例」という。)第33条第1項の規定により,千両ヶ辻界わい景観整備地区(以下「地区」という。)における界わい景観整備計画を,次のとおり定める。なお,この計画において用いる用語の意義は,建築基準法又は条例において使用する用語の例による。

 

1 地区の範囲等

 

かつて,生糸を運ぶ車が往来した今出川通大宮,いわゆる千両ヶ辻を中心とし,西陣織り及び関連業が密度高く立地する区域で,北は寺之内通から南は笹屋町通まで,東は猪熊通から西は浄福寺通までの範囲の市街地,約37ヘクタールに及ぶ地域であり,指定の区域は,計画図に示すとおりである。
 また,この地区の一部は,計画図に示すとおり,当該地区の景観を代表する町並み(町並み型)や景観上重要な交差点(町辻型)として重要界わい景観整備地域に指定されている。さらにこの地区に存する建造物のうち,次の表に示すものについては,景観形成に重要な役割を果たしている建造物として,界わい景観建造物に指定されている。


=御注意= 界わい景観建造物は,景観資源であって観光施設ではありません。
一般の民家や商業施設等が指定されています。

 

地区の範囲等
番号 建造物の名称 建 造 物 の 所 在 地
01
京仏具荒木祥雲堂(主屋)上京区寺之内通大宮東入妙蓮寺前町346番地
02
国定織物(主屋,蔵,門塀)上京区寺之内通大宮西入大猪熊町85番地
03
松翠閣(主屋,門塀)上京区寺之内通大宮西入大猪熊町81番地
04
山田邸(主屋)上京区大宮通寺之内下る西入新美濃部町168番地
05
北村徳斉帛紗店(主屋)上京区大宮通寺之内下る東入西北小路町438番地
06
段下邸(主屋)上京区大宮通寺之内下る東入西北小路町440番地
07
大平織物(主屋)上京区大宮通上立売上る西入伊佐町235番地
08
西村医院(主屋,蔵,塀)上京区上立売通堀川西入芝薬師町643番地
09
村田邸(主屋)上京区上立売通大宮東入幸在町703番地
10
西陣萬重(主屋)上京区大宮通上立売下る芝大宮町8番地
11
萬重料理店(主屋)上京区大宮通上立売下る芝大宮町9番地の1
12
佐々木邸(主屋)上京区上立売通大宮東入下る藤木町783番地
13
辻邸(主屋)上京区五辻通大宮西入五辻町62番地の1
14
西陣鳥岩楼(主屋)上京区五辻通智恵光院西入五辻町75番地
15
藤田邸(主屋)上京区五辻通智恵光院西入五辻町83番地の1
16
本家玉寿軒(主屋)上京区今出川通大宮東入元伊佐町262番地他
17
岡田邸(主屋)上京区淨福寺通今出川下る竪亀屋町251番地
18
渡邊医院(主屋,門)上京区淨福寺通今出川下る竪亀屋町255番地
19
永市織物(主屋)上京区元誓願寺通淨福寺東入元中之町501番地
20
京屋(主屋)上京区元誓願寺通智恵光院西入元中之町508番地
21
細尾邸(主屋)上京区黒門通元誓願寺下る毘沙門町752番地
22
福原邸(主屋)上京区黒門通元誓願寺下る毘沙門町749番地
23
本郷邸(主屋)上京区黒門通元誓願寺下る毘沙門町754番地
24
細尾邸(主屋)上京区黒門通元誓願寺下る毘沙門町757番地
25
帯屋捨松(主屋)上京区笹屋町通大宮西入桝屋町609番地
26
田中邸(主屋)上京区大宮通一条上る西入栄町675番地
27
水野邸(主屋)上京区大宮通元誓願寺下る北之御門町577番地
28
町家写真館(主屋)上京区大宮通元誓願寺下る石薬師町690番地
29
北原商店(主屋)上京区大宮通笹屋町下る石薬師町696番地
30
冨田屋(主屋,蔵,塀)上京区大宮通笹屋町下る石薬師町697番地他
31
岡慶(主屋)上京区大宮通今出川下る薬師町234番地

2 景観の特性

寺之内通小川に掛かる百々橋を境に東陣(細川軍)と西陣(山名軍)が対戦し,応仁の乱(1467年)が始まり,以降100年に及ぶ戦国時代に突入する。京都は,この戦乱で焦土と化し,その復興に20年を要したといわれる。西の陣があったあたりから,織物の生産が始まり,その名も西陣織りと呼ばれ,一大産地に成長した。その拠点が今出川通大宮であり,千両箱が行き交うことから千両ヶ辻と称された。
 当該地域は,西陣織及び関連業が軒を連ね,地場産業を基盤に商工混合の町並みを形成している。時代と共に,業界もビル化や今様の建築に更新されてきたが,伝統的な家屋で生業を営むこだわり企業も多く,西陣の固有景観が維持されている。
 一方,豊臣秀吉は京都を大改造したが,その一つの事業が寺之内通周辺に寺院を集め寺町を形成したことである。当該地にも本隆寺を始め,寺院の伽藍が望見でき,密集市街地のオアシスとなり,また,町並み景観のアクセントとなって,散策する人の目を楽しませている。

 

3 景観整備の目標

 

この地区においては,次に掲げることを目標にして,景観整備を行う。
(1) 2に示した特色ある景観を維持又は増進すること。
(2) 地場産業の振興により形成されたまちづくりや家づくりの知恵と作法を評価し,町並み景観づくりに活かすこと。
(3) 職・住が共存した,歩く魅力のあるまちづくりを行うこと。

 

4 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の位置,規模,形態,意匠及び修景に関する事項

 

この地区においては,次に掲げることを条例第36条第1項第1号に規定する承認の基準とする。

(1) 地区内に存する建築物にあっては,次に掲げる基準に適合しているものであること。

ア 地区内共通の基準
(ア) 2に掲げる景観の特性に留意したものであること。
(イ) 界わい景観建造物と調和し,協調する形態及び意匠であること。
(ウ)建築物の前面道路の幅員が8メートル未満である場合は,当該道路側の軒の高さが15メートル以下であること。ただし,周辺の景観に支障を及ぼさないと認められるときは,この限りでない。
(エ) 建築物の外観の意匠は,水平線を強調したものであること。
(オ) 道路に面して車庫,駐車場,駐輪場等を設ける場合は,垣,柵,門,塀等により,町並みの連続性が確保されていること。

イ 地区内の美観地区における基準
(ア)美観地区第2種地域内の建築物にあっては,その高さが15メートル以下であること。ただし,公益上必要と認められるもの並びに形態及び意匠が特に優れていると認められるものについては,この限りでない。
(イ) 塔屋又は屋上に設ける建築設備の高さが6メートルを超えないこと。
(ウ) 建築物以外の工作物のうち,土地に定着するものの高さは15メートル以下であること。ただし,公益上必要と認められる第2類工作物並びに形態及び意匠が特 に優れていると認められる第2類工作物については,この限りでない。
(エ) 屋根は,できる限り勾配を有するものであること。勾配屋根にできない場合は,最上階に深い軒を出すか,又は傾斜のある軒庇を設けたものであること。
(オ) 道路に面した1階壁面が道路境界から半間(0.9メートル)程度離れており,そこに深い通り庇(1階上部の軒庇。以下同じ。)が設けられていること。
(カ) 道路に面した4階以上の階の壁面が3階壁面より後退していること。
(キ) 道路に面した壁面には,できる限り外付けのバルコニー,物干し台,屋外階段等が設けられていないこと。やむを得ずこれらのものを設ける場合は,建築物と一体性のある形態及び意匠であること。

ウ 地区内の第2種建造物修景地区における基準
地区内の第2種建造物修景地区に存する建築物等にあっては,条例第8条第1項各号に掲げる基準(同条第2項に規定する技術的細目を含む。)及び第12条第1項 各号掲げる基準(同条第2項に規定する技術的細目を含む。)のうち,美観地区第4 種地域の基準に適合していること。ただし,京都市市街地景観整備条例施行規則別表1第4種地域の項第2号に規定する技術的細目については,この限りでない。

(2) 重要界わい景観整備地域に存する建築物等にあっては,(1)の基準に加え,次に掲げる基準に適合しているものであること。
ア 町並み型の重要界わい景観整備地域(条例第34条第1項第1号に掲げる地域をいう。)における基準
(ア) 道路に面した壁面は,両隣の家屋の壁面と連続するよう配慮され,1階壁面が道路境界からおおむね2間(3.6メートル)以上離れていないこと。ただし,垣,柵,門,塀等を設ける場合は,この限りでない。
(イ)建築物にあっては,公共用空地から(目線の高さから見た場合。以下同じ。)見える部分の階数は3以下で,当該部分の最高部の高さは12メートル以下であること。ただし,周辺の景観に支障を及ぼさないと認められるときは,この限りでない。
(ウ) 屋根は,できる限り平入り切妻屋根であること。
(エ) 屋根は,日本瓦又は銅板その他の金属板でふかれていること。
(オ) 道路に面した壁面には,半間(0.9メートル)程度の出がある通り庇が設けられていること。ただし,1階壁面が道路から見えない場合は,この限りでない。
(カ) 道路に面した3階以上の階の壁面が,2階壁面より半間(0.9メートル)程度以上後退し,かつ,道路境界からおおむね1間半(2.7メートル)以上離れていること。
(キ) 道路に面した壁面には,外付けのバルコニー,物干し台,屋外階段等が設けられていないこと。
(ク) 公共用空地から見える側壁面(特に,3階以上の側壁面)には,意匠が施されていること。
(ケ) 門,塀等を設ける場合は,できる限り木竹及び石など自然素材で造られ,その形態及び意匠は,和風を基調としていること。
(コ) 門灯,外灯等の照明設備の形態及び意匠は,和風を基調としていること。
イ 町辻型の重要界わい景観整備地域(条例第34条第1項第2号に掲げる地域をいう。)における基準地区の町並み景観を象徴し,周辺の景観形成の指標となる形態及び意匠であること。

 

5 新築等及び模様替え等で,市長の承認を要することとするものに関する事項

 

この地区内において,次の行為を行おうとするときは,市長の承認を受けなければならない。
(1) 建築物の新築等又は模様替え等
(2) 第2類工作物の新築等又は模様替え等

 

6 界わい景観整備計画の運用に関する事項

 

(1) 高さが15メートルを超える建築物等の新築等を行うときは,当該建築物等と周辺の景観との調和に関するシミュレーションを行い,その結果を申請書に添付すること。
(2) 次に掲げる行為をしようとするときは,あらかじめ,京都市美観風致審議会の意見を聴かなければならない。
ア 4(1)ア(ウ)のただし書の規定を適用して行う条例第35条第1項の規定による承認
イ 4(1)イ(ア)のただし書の規定を適用して行う条例第35条第1項の規定による承認
ウ 4(1)イ(ウ)のただし書の規定を適用して行う条例第35条第1項の規定による承認
エ 4(2)ア(イ)のただし書の規定を適用して行う条例第35条第1項の規定による承認

お問い合わせ先

都市計画局 都市景観部 景観政策課 都市デザイン担当
電話: 075-222-3474 ファックス: 075-213-0461
【受付時間】午前8時45分~11時30分,午後1時~3時 (事業者のみなさまからのお問い合わせは受付時間内でのご協力をお願いします。)

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