「第2回 京都キタ短編文学賞」入賞作品の決定及びラジオ特別番組の放送について
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2024年2月15日
北区役所では、北区が舞台の短編小説を全国から募集する「京都キタ短編文学賞」の第2回を実施し、令和5年7月15日から10月31日までの期間、195作品の御応募をいただきました。
一次選考委員23名による選考を経て、1月29日(月曜日)に最終選考会を開催し、最終選考にノミネートされた33作品から入賞作品が決定しました。
また、コミュニティFM放送局ラジオミックス京都(87.0MHz)において、本文学賞の特別番組「京都キタ短編文学ナイト~北区にまつわるステキな物語~」を3月25日(月曜日)から6夜連続で放送します。
1 入賞作品について
入賞作品はデジタルブック化して、3月15日(金曜日)から北区役所ホームページで公開予定!
(1) 一般部門
ア 最優秀賞(賞金5万円、デジタルメモ「ポメラ」※1)
【タイトル】『ハルの、還る家』
【作者】黒田きな子(くろだきなこ) (45歳・大阪府枚方市在住)
【あらすじ】貧乏な学生生活を過ごす香山圭太(かやまけいた)は、偶然不動産屋で出会った同じく大学院生の永野貴晴(ながのたかはる)と、貴晴が連れてきた柴犬のコムギと一緒に、南舟岡町の小さな町家で共同生活を送ることに。穏やかな日々を過ごす中で、徐々に貴晴の過去や心に抱える思いを知ることになり…。
【受賞コメント】人よりやや長めの学生生活をしていた頃、ずっと京都で暮らしていました。北大路、白梅町、船岡山、私にはすべて優しく懐かしい思い出の土地です。今回、その思い出の詰まった土地の物語を編んでこのような賞をいただいたことで、懐かしい土地から「おかえり」を言ってもらったような温かい気持ちでいます。本当にありがとうございます。
イ 優秀賞(賞金3万円)
【タイトル】『影狛』
【作者】おぎなお紺(おぎなおこん) (52歳・滋賀県大津市在住)
【あらすじ】陰陽師の賀茂在昌(かものあきまさ)は、上賀茂神社・権殿の扉絵を抜け出した狛犬を封じ込めるべく、その行方を追っていた。道中、賀茂川の河川敷で絵師を名乗る謎の少年・源四郎と出会い、在昌は源四郎の協力を得て任務に当たることになる。
【受賞コメント】お隣の滋賀県育ちではありますが、大学は北区内の学校でした。授業の合間に、今宮神社であぶり餅を食べたことが懐かしく思い出されます。帰り道、6番や206番の市バスで京都駅に向かいながら、友達と夢を語った日々。30年の時を超えて、今回このような賞をいただくことができ、とても喜んでいます。ありがとうございました。
ウ 船岡山賞(船岡山エリアにちなんだ商品(1万円相当))(※2)
【タイトル】『五十一枚の写真展』
【作者】ひぐち紀(ひぐちのり) (61歳・神奈川県平塚市在住)
【あらすじ】中学生の由美には、自転車事故が原因で車椅子生活をおくる弟の拓馬がいる。ある日、由美の父が拓馬のために一眼レフのカメラを買ってきたことをきっかけに、姉弟で北区内の様々な場所を撮影に出かける日々が始まる。
【受賞コメント】船岡山賞に選んでいただき感謝の気持ちでいっぱいです。作品は、織物の壁掛けの裏表のようになることを意識しました。弟の大きな怪我、もう立てないのではという不安、そうした織物の裏地のような出来事や心情が、時がたち、表地を見たときに、親の愛という縦糸・姉弟愛の横糸によって、北区の美しい自然が編み込まれた素敵な織物になっていた…そんな願いをこめて書きました。
(2) ジュニア部門(小中高生の方が対象)
ア 最優秀賞(図書カード(1万円分)、デジタルメモ「ポメラ」※1)
【タイトル】『とかすもの』
【作者】山本千遥(やまもとちはる) (15歳(中学3年生)・京都市下京区在住)
【あらすじ】高校生の私は、学校帰りのバスの中で、半年間付き合った駿からメールで別れを告げられる。突然のことに悲しみにくれ、そのまましばらくの間眠ってしまった私は、ふと起きて慌ててバスを降りると、そこの停留所には「船岡山」と書かれていた。
【受賞コメント】北区には上賀茂神社、金閣寺など、様々な寺社仏閣がありますが、なかでも今宮神社は疫神を祀るとともに、桂昌院の「玉の輿」のエピソードで有名です。私が大好きな「あぶり餅」は今宮神社の門前菓子であり、そのおいしさを物語の鍵として紹介したいと思い書きました。この小説を読んで、北区にある門前菓子を食べてみようと思っていただけるとうれしいです。私の作品をジュニア部門最優秀賞に選んでいただき、光栄に思います。本当にありがとうございました。
イ 優秀賞(図書カード(5千円分))
【タイトル】『雲ヶ畑の蒼色の風に』
【作者】アキチカ (13歳(中学2年生)・京都市北区在住)
【あらすじ】吉川澪沙(きっかわれいさ)は、京都市北部の山村地域と歴史をこよなく愛する中学生。ある八月中旬、友人の川瀬葵(かわせあおい)と雲ヶ畑地域を訪れた澪沙は、平安時代前期を生きた惟喬(これたか)親王ゆかりの地を巡る中で、政治権力に翻弄され、皇位を継承できなかった親王の当時の心境に思いを馳せる。
【受賞コメント】この度は素敵な賞をありがとうございます。最優秀賞でないことが悔しいですが、初めて本気で書いて公に作品を出した割には、良い結果を出せたと思います。北区の中でもあまり知られていない雲ヶ畑ですが、自然豊かで歴史もある、本当に素晴らしい地域です。自転車で集落を走った時の爽快さは忘れられません。生まれ育った大好きな北区に、少し恩を返せたようで嬉しいです。
ウ 船岡山賞(船岡山エリアにちなんだ商品(5千円相当))(※2)
【タイトル】『山と、ネイルと、女子二人。』
【作者】子奈口こやま(こなぐちこやま) (14歳(中学3年生)・京都市北区在住)
【あらすじ】高校の友人同士である宇佐見香那(うさみかな)と江藤茉麗子(えとうまりこ)は、学校の美術の授業に課題で出された、京都の魅力を表現したアート作品の作成に協力して取り組むことに。そんな二人が、京都の魅力を表現するために選んだ場所は、「船岡山」だった。
【受賞コメント】この度はジュニア部門の船岡山賞に選んでいただき、心より嬉しく思います。近所にある船岡山は、小さい頃から何度も遊びに行っていて、北区の中でも特に思い出深い場所だったため、今回の題材に選びました。この作品を通して更に多くの人に船岡山の魅力が伝われば嬉しいです。
エ 特別賞(図書カード(3千円分))(※3)
【タイトル】『上賀茂神社と初夏のホタル』
【作者】徳田千代昭(とくだちよあき) (16歳(高校1年生)・京都市在住)
【あらすじ】文芸委員である中学3年生の俺は、夏のある日に同じく文芸委員の犬石真奈から「ホタルを見に上賀茂神社に行こう」と誘いを受ける。女子から誘われたことを嬉しく思う俺だが、それから迎えた当日、俺に好きな人がいるか尋ねたりと、真奈も興味があるようで…。
【受賞コメント】まず、自分の作品が受賞されたということに驚きを隠せません。とても嬉しいです。この作品は、半分実話・半分創作の文章なので、当時の自分の心模様を思い出して書いたところがあるのですが、もちろん自分が体験した「出来事」をつくっているのは自分と相手の人でありながらも、その体験した「出来事」をより良い「思い出」に仕上げてくれているのは、やっぱり北区の景色なんだと文章を書きながら感じていました。今の自分に彩りを持たせてくれたのは北区そのものだと実感しました。
※1 デジタルメモ「ポメラ」は同文学賞の応援大使である作家・望月麻衣先生から贈呈いただきます。
※2 「船岡山賞」は、各部門における船岡山を題材とした作品の中から選考。
※3 「特別賞」は、最終選考会において、最終選考委員から推薦があった場合に選定。
<参考1> 最終選考委員について(敬称略、50音順)
・ 卯月 みか(作家)
・ 大垣 守弘(大垣書店グループ代表取締役)
・ 川妻 聖枝(京都市北区長)
・ 栗城 浩美(講談社文庫出版部編集者)
・ 天花寺 さやか(作家)
・ 八谷 紬(作家)
・ 洞本 昌哉(株式会社ふたば書房代表取締役)
・ 宮下 恵茉(作家)
・ 望月 麻衣(作家)
・ 山田 千都留(京都市立北図書館館長)※一次選考委員代表
<参考2> 募集結果概要
応募総数195件
京都市89件、京都府(京都市除く)7件、
大阪府21件、東京都19件、滋賀県10件、
兵庫県9件、愛知県7件、神奈川県6件、
静岡県4件、石川県3件、岐阜県3件、
福岡県3件、香川県2件、三重県2件、
和歌山県2件、岩手県1件、愛媛県1件、
熊本県1件、埼玉県1件、千葉県1件、
長野県1件、新潟県1件、宮崎県1件
※最年少10歳、最年長84歳
2 ラジオ特別番組について
(1) タイトル
「京都キタ短編文学ナイト~北区にまつわるステキな物語~」
(2) 内容
入賞者の方々や本文学賞応援大使の作家の方々に順に御登場いただき、入賞作品やその舞台となった北区のまちの魅力を紹介します。
(3) 放送スケジュール
・3月25日(月曜日)(第1夜)ジュニア部門・船岡山賞/特別賞
(ゲスト)西門檀先生、徳田千代昭さん
・3月26日(火曜日)(第2夜)一般部門・船岡山賞
(ゲスト)泉坂光輝先生(寄稿コメントを御紹介)、望月麻衣先生
・3月27日(水曜日)(第3夜)ジュニア部門・優秀賞
(ゲスト)宮下恵茉先生、アキチカさん
・3月28日(木曜日)(第4夜)一般部門・優秀賞
(ゲスト)卯月みか先生、おぎなお紺さん
・3月29日(金曜日)(第5夜)ジュニア部門・最優秀賞
(ゲスト)八谷紬先生、山本千遥さん
・3月30日(土曜日)(第6夜)一般部門・最優秀賞
(ゲスト)天花寺さやか先生、望月麻衣先生
※放送時間はいずれも20時~20時15分
※ゲストは変更となる可能性があります。
(4) 番組をお聴きいただく方法
【ラジオで聞く場合】
ラジオのチューニングをFM87.0MHzラジオミックス京都に合わせてください。
可聴範囲は、基本的には京都市北区・上京区となりますが、京都市内でしたら、地形や高いビル等の影響を受けない場合にお聴きいただけます。
【スマートフォンで聞く場合】
ラジオ音楽配信無料アプリ「リッスンラジオ(リスラジ)」をダウンロードいただき、アプリ内でラジオミックス京都を選局していただくとお聴きいただけます。オンラインですので、世界中どこからでも聴くことができます。
【放送終了後】
ポッドキャストにてオンデマンド配信を行います。ラジオミックス京都のホームページ内に番組のページを開設予定ですので、そちらからお聴きいただけます。
<参考3>
「第2回 京都キタ短編文学賞」についての詳細はこちら
※3月15日(金曜日)から公開予定の、入賞作品のデジタルブックも、こちらのページからご覧いただけます。
お問い合わせ先
京都市 北区役所地域力推進室総務・防災担当
電話:庶務担当:075-432-1197、地域防災担当:075-432-1199、統計調査担当:075-432-1199、企画担当:075-432-1199
ファックス:075-432-0388