スマートフォン表示用の情報をスキップ

現在位置:

第4章 障害保健福祉施策を推進するための具体的事項 ‐ 4 はぐくむ (教育・育成の充実)

ページ番号51391

2021年5月25日

障害のある子どもが可能性を最大限に伸ばし,自立し社会参加していく力を育むためには,障害のある子どもの成長や発達段階において,一人一人のニーズに応じたきめ細かな支援を行うことが必要であり,そのために乳幼児期から学校卒業後まで一貫して計画的に最も適切な教育・育成の施策の展開を図ることが必要です。また,普通学級に在籍する学習障害,注意欠陥/多動性障害,高機能自閉症の発達障害により,固有のニーズのある子どもに対する支援について適切に対応することが必要です。

この施策の推進に当たっては,教育・福祉・医療等の関係機関が連携をとり適切な役割分担の下に,一人一人のニーズに対応し,生涯にわたって適切な支援を行う計画(個別の支援計画)を策定するなど,効果的な支援を行い個々の能力や特性を生かした進路の確保・支援を行う必要があります。

さらに,障害のある子どもが将来にわたって地域の中で豊かに暮らし,障害のある市民もない市民も共に生きるというノーマライゼーション理念の実現を目指し,地域社会で生活していることを念頭に入れた交流教育や地域交流の推進を図っていく必要があります。

 

【施策体系】

4-1 就学前の教育・育成
76 障害のある児童の保育の推進
77 幼稚園における総合育成支援教育の推進
78 障害のある児童の療育の充実<新規・推進中>

4-2 就学後の教育・育成
79 障害のある児童・生徒の早期からの教育相談と就学指導の実施
80 総合制・地域制の総合支援学校教育の推進<充実>
81 総合支援学校高等部職業学科等における進路指導・進路開拓の推進<充実>
82 総合支援学校高等部職業学科の定員拡大(5割増)の推進<新規>
83 総合育成支援教育相談センター「育(はぐくみ)支援センター」事業(再掲)
84 訪問教育の推進
85 育成学級・通級指導教室等での指導及び支援の充実<充実>
86 交流教育の推進
87 総合育成支援教育就学奨励費支給事業
88 普通学級に在籍する学習障害,注意欠陥/多動性障害,高機能自閉症の幼児・児童・生徒への支援<充実>
89 障害のある市民の自立と社会参加を支援する社会教育の推進(再掲)
90 児童館・学童クラブ事業<充実>
91 児童・生徒の「心の居場所」づくりの推進<充実>
92 障害のある中高生のタイムケア事業<新規・推進中>
93 障害のある大学生への支援<新規>

 

 

(1) 就学前の教育・育成

【現状と課題】

本市においては,これまでから障害のある幼児の可能性を最大限に伸ばすとともに障害のない幼児との相互理解の意識の高揚等を図るため,就学前教育を重要施策の一つとして取組を進めてきました。

「障害者生活状況調査」においては,学齢期前の児童のうち,身体障害児の3割弱,知的障害児の5割弱が保育所に通所しており,また,幼稚園への通園は,いずれも約1割となっています。

今後においても,これらの実態を踏まえ,保育所,幼稚園等の受入体制をより一層整備し,教育・福祉・医療等の関係機関が連携をとり,指導内容・指導方法等の充実を図るとともに,一人一人の固有のニーズに基づく就学ができる取組を進めていく必要があります。

 

【施策の方向】

76 障害のある児童の保育の推進

障害のある児童とない児童が共に育つ環境の整備を図るため,障害のある児童を保育所で受け入れるための保育士の加配を行い,一人ひとりの児童に配慮した保育を提供するとともに,巡回相談や研修会等を実施することにより,保育の質の向上に努めます。

また,総合支援学校や地域の学校への就学に向けた早期からの教育相談の取組等,関係機関との連携を図ります。

 

77 幼稚園における総合育成支援教育の推進

幼稚園における障害のある幼児に対する教育の充実を図るため,市立幼稚園にあってはそれぞれの実態に合わせて教員の加配を行い,私立幼稚園にあっては障害のある3,4,5歳児の在園する幼稚園に対して,補助金を交付します。

また,総合支援学校や地域の学校への就学に向けた早期からの教育相談の取組等,関係機関との連携を図ります。

 

78 障害のある児童の療育の充実<新規・推進中>

障害のある児童に対しては,できるだけ早期に必要な治療と指導訓練を行うことによって,障害の軽減や基本的な生活能力の向上を図り,将来の自立した社会生活へとつなげていく必要があります。このため,障害児通園施設における専門的な技術や機能を生かした療育の充実を図ります。また,保育所等に通う障害のある児童に対して,併行通園等の利用により支援を行うとともに,就学前の児童と保護者を対象に,状況に応じて集団又は個別で行う療育を充実していきます。

 

 

(2) 就学後の教育・育成

【現状と課題】

本市においては,障害のある児童・生徒の可能性を最大限に伸ばし,自立し社会参加していく力を育むために,適切な教育の場と教育内容の充実に取り組んできました。

近年,社会におけるノーマライゼーション理念の進展や,総合支援学校児童・生徒の障害の重度・重複化,多様化及び普通学級に在籍する学習障害,注意欠陥/多動性障害,高機能自閉症の発達障害により,固有のニーズのある子どもへの教育的対応が求められるなど,一人一人のニーズに応じたきめ細かな支援を行うために,「個別の支援計画」を策定し,学校卒業後まで一貫して計画的に最も適切な教育施策の展開を図ることが求められています。

併せて,いじめなどによる不登校の状態にある子どもたちのために,教育現場における心のカウンセリング機能などの充実が求められています。

 

【施策の方向】

79 障害のある児童・生徒の早期からの教育相談と就学指導の実施

障害のある児童・生徒の成長や発達段階において,一人一人のニーズに応じたきめ細かな支援を行うため「個別の指導計画」を作成するなど,乳幼児期から学校卒業後まで一貫して計画的に最も適切な教育の施策の展開を図るため,教育・福祉・医療等の関係機関が連携をとり,早期からの教育相談の取組を進めるとともに就学相談・指導の充実に努めます。

 

80 総合制・地域制の総合支援学校教育の推進<充実>

障害の重度・重複化,多様化や総合育成支援教育の対象となる児童・生徒数の増加に対応するため,平成16年4月,成逸小学校跡地(上京区)に北総合支援学校を新設するとともに,新設校を含む7校の養護学校を,障害種別を超えた全国初の総合制に再編し,併せて,居住地の学校や地域行事への参加など,地域と共に歩む教育を推進するため,4つの通学区域を設定する地域制を4校で導入しました。

この再編を契機として,児童・生徒一人一人の自立と社会参加を目指し,高等部卒業後までの長期的な展望に立ち,学校における福祉,医療,労働等との連携の下,児童・生徒一人一人の教育的ニーズに応じて作成する「個別の包括支援プラン」を更に充実し,最も適切な内容・方法・学習グループで学習を行うなど,系統的で一貫したきめ細かな指導を進めます。

また,地域の小中学校をはじめ,地域に居住する障害のある子どもへの支援も積極的に取り組みます。

 

81 総合支援学校高等部職業学科等における進路指導・進路開拓の推進<充実>

障害のある生徒の雇用をめぐる厳しい状況の中,障害のある生徒の雇用を促進するため,平成16年4月に白河及び鳴滝総合支援学校に設置した高等部職業学科において,働くための幅広い知識や技術を学ぶ教育を行い,就職を希望する生徒や保護者の願いの実現に向けた取組を一層推進します。

また,総合支援学校での授業と企業での長期的・計画的な実習を組み合せた新たな職業教育を推進するため,総合支援学校と企業が連携により設置した「総合支援学校デュアルシステムネットワーク」を活用して,障害のある生徒の進路開拓に取り組みます。

さらに,障害のある児童・生徒の企業就職をはじめとした進路先をより一層広げるため,学校における進路指導の充実を図るとともに,総合支援学校,労働関係機関,福祉関係団体等で構成する「巣立ちのネットワーク」において,進路先の開拓や安定した進路先の確保を目指した取組や,障害のある市民の雇用の促進と安定を図るため,企業経営者等を対象に,総合支援学校見学・意見交換会を実施する「障害のある市民の雇用フォーラム」の取組を充実します。

 

82 総合支援学校高等部職業学科の定員拡大(5割増)の推進<新規>

白河・鳴滝総合支援学校高等部職業学科では,「巣立ちのネットワーク」や「デュアルシステム」の推進により,第1期生(18年度卒業生)・第2期生(19年度卒業生)とも2年連続で生徒全員が企業就職を果たすことができました。こうした取組を更に進め,企業就職を希望する生徒の願いにより多く応えるため,高等部職業学科の定員拡大(5割増)を図ります。

 

83 総合育成支援教育相談センター「育(はぐくみ)支援センター」事業(再掲)

 

84 訪問教育の推進

重度の障害により通学が不可能または困難な在宅の児童・生徒,若しくは慢性疾患等により入院加療又は家庭療養を要する児童・生徒に対して,教員が家庭や病院等を訪問して個々の課題に応じた指導を行う訪問教育の充実を図ります。

 

85 育成学級・通級指導教室等での指導及び支援の充実<充実>

居住地の学校で学びたいという保護者や児童・生徒の要望に応えるため,小・中学校での教育が適切な障害のある児童・生徒を対象に居住地の学校に育成学級の新増設を進め,全市的に居住地の学校への通学が可能になりました。今後も居住地の学校への育成学級の新増設を進め,「個別の指導計画」に基づく指導の充実を図るとともに,障害のある児童・生徒一人一人のニーズに応じたきめ細かな支援が居住地の学校で可能となる取組を進めます。

また,普通学級に在籍するLD等(発達障害)をはじめとする支援の必要な児童・生徒を対象として,障害に基づく種々の困難を主体的に改善・克服するために設置している通級指導教室での指導の充実や,必要に応じて作成する「個別の指導計画」に基づくきめ細かな支援等を進めます。

 

86 交流教育の推進

障害のある児童・生徒にとっては,社会性を養い,好ましい人間関係を育て,学校卒業後の自立と社会参加の力を培い,障害のない児童・生徒は,障害に対する理解と認識を深め,障害そのものへの配慮について学び,共に社会を築いていくために何をすればよいかを学ぶ交流教育の充実を図るため,学校行事等を通じて,総合支援学校や育成学級等の児童・生徒と小・中学校,高等学校の児童・生徒の交流機会を拡大し,学校間交流・居住地校交流・校内交流にとどまらない地域社会を視野に入れた交流教育を推進します。

 

87 総合育成支援教育就学奨励費支給事業

育成学級に在籍する児童・生徒の保護者負担を軽減し,総合育成支援教育の振興を図るため,学校給食費,通学用具費,校外活動費等を助成します。

 

88 普通学級に在籍する学習障害,注意欠陥/多動性障害,高機能自閉症の幼児・児童・生徒への支援<充実>

普通学級に在籍する学習障害,注意欠陥/多動性障害,高機能自閉症により支援が必要な幼児・児童・生徒への支援の充実に向け,すべての市立学校・園における校内体制の充実に取り組んでおり,LD等支援非常勤講師の配置やボランティアの活用を図るとともに,新たに「総合支援教育サポーター」(仮称)の全小・中学校への配置に向けた取組を進め,一層きめ細やかな指導・支援を実現していきます。

また,総合支援学校内の総合育成支援教育相談センター「育(はぐくみ)支援センター」や精神科医,専門家等で構成する「学校サポートチーム」による小・中学校等への支援を積極的に進めます。

 

89 障害のある市民の自立と社会参加を支援する社会教育の推進(再掲)

 

90 児童館・学童クラブ事業<充実>

昼間留守家庭児童の健全育成事業として児童館や学童保育所で行っている学童クラブ事業において,障害のある児童の登録数が増加する中,介助者の確保など受入体制の整備に努め,積極的な受入れを進めます。

また,児童館において,小学校等の夏休み期間に,障害のある小学校5,6年生の昼間留守家庭児童を対象として,安全な居場所を提供し,同世代の児童との交流を図る「障害のある児童のサマーステイ事業」を実施し,より多くの障害のある児童を受け入れるなど,事業の充実を図ります。

 

91 児童・生徒の「心の居場所」づくりの推進<充実>

教育相談の要となる「京都市教育相談総合センター」(平成15年4月開所)の設置,臨床心理士等の資格をもったスクールカウンセラーの配置拡大や教職員との連携強化など,児童・生徒に対する相談体制を充実し,「心の居場所」づくりを推進します。また,学校内において別室での支援を要する児童・生徒のための話し相手や学習補助者として「学びのパートナー」の配置を進めるとともに,不登校を経験した児童・生徒が学校以外の場所で学習や体験活動を行う「ふれあいの杜」を増設(平成20年4月に四条大宮,西大路御池の2箇所を増設し,計5施設)し,「不登校児童・生徒適応支援連携協議会」の活動による関係機関との連携を含めて,取組の充実を図ります。

 

92 障害のある中高生のタイムケア事業<新規・推進中>

地域制の総合支援学校の放課後や長期休業中において,地域の小学校の空き教室を利用して,地域制の総合支援学校に通う中高生がいきいきと過ごせる活動場所を確保し,障害のある中高生の健全な育成と保護者の就労支援を図るタイムケア事業を実施します。

また,ボランティアとの連携により,障害のない生徒や地域との交流を進めるなど,事業の充実を図ります。

 

93 障害のある大学生への支援<新規>

障害のある大学生の学習を支援するため,各大学等においては主体的に様々な支援体制が構築されており,これらの取組と連携・協力するとともに,学生同士によるボランティア活動に対して自主性の発揮を促すための育成支援等の検討を行い,障害のある学生の学習環境の整備の促進を図ります。

 

 

関連コンテンツ

支えあうまち・京(みやこ)のほほえみプラン

お問い合わせ先

京都市 保健福祉局障害保健福祉推進室

電話:075-222-4161

ファックス:075-251-2940

フッターナビゲーション