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第4章 障害保健福祉施策を推進するための具体的事項 ‐ 2 ささえあう(相談支援と情報・コミュニケーション支援の強化)

ページ番号51388

2021年5月25日

社会福祉基礎構造改革の一環として,身体障害・知的障害分野における福祉サービスについては,平成15年度の「支援費制度」から,従来の行政がサービスの受け手を特定し,サービス内容を決定する「措置制度」から,利用者の自己決定を尊重し,事業者との対等な関係に基づいて,利用者が自らサービスを選択し,契約によってサービスを利用する制度に移行し,相談支援と情報提供の重要性が高まってきました。

平成18年4月に施行された障害者自立支援法においては,障害のある人が地域社会において安心して暮らせる社会の実現を目指しており,地域において自立した生活を送るために,障害のある市民が必要とされる情報の的確な提供や福祉サービスの利用や就労に関するニーズに的確に対応できる相談支援の実施など,更なる相談支援の充実強化が必要となっています。

また,制度の変革期にあって,新しい情報が次々に提供されてきますが,情報の受け手である障害のある市民が的確に情報を把握できるよう,分かりやすい情報発信が求められるとともに,障害のある市民が選択する様々な形態のコミュニケーション手段によって意思疎通を図る必要もあります。

本市においては,これまでから京都市障害者施策推進プランの重点項目に掲げるなど,相談支援と情報提供の充実に努めてきましたが,今後とも,障害のある市民が地域社会において安心して暮らせるよう,引き続き,相談支援の更なる充実を図るとともに,情報・コミュニケーション支援の強化に努めていきます。

【施策体系】
2-1 相談支援
28 福祉事務所・保健所における相談支援
29 更生相談所における相談支援
30 発達障害者支援センターの拡充<充実>
31 障害者地域生活支援センター事業の充実<充実>
32 障害者地域自立支援協議会の設置・運営<新規>
33 相談支援従事者の養成
34 身体障害者相談員・知的障害者相談員・発達相談員による活動の活性化と精神障害のある市民に対する相談支援の充実<充実>
35 こころの健康増進センターの機能強化
36 こころの専門相談機能の強化
37 障害当事者同士の相談(ピアサポート)等への支援<充実>
38 総合育成支援教育相談センター「育(はぐくみ)支援センター」事業
39 引きこもりがちな障害のある市民等への支援<新規>
40 高齢・障害外国籍市民福祉サービス利用サポート助成事業の実施<新規・推進中>

2-2 情報・コミュニケーション支援
41「障害保健福祉のしおり」等による情報提供<充実>
42 広報活動による情報提供の促進
43 京都ライトハウスの機能強化
44 京都市聴覚言語障害センターの機能強化
45 視覚障害のある市民へのコミュニケーション支援
46 聴覚障害のある市民へのコミュニケーション支援

 

(1) 相談支援

【現状と課題】

障害のある市民が,住み慣れた地域で自立した生活を送るためには,生活全般にわたる相談や福祉・保健・医療サービスの利用援助,情報提供を行える,総合的で専門性が確保された相談体制の充実を図る必要があります。

本市においては,これまでから福祉事務所,保健所,更生相談所,児童相談所や身体障害者相談員,知的障害者相談員による相談支援のほかに,障害者地域生活支援センターにおける相談支援体制の拡充を図ってきました。

「障害者生活状況調査」の結果によると,利用を希望する施設・障害者施策として,「障害者地域生活支援センター」の比率が最も高くなっており,地域で生活していく上で,相談支援機関に求められる役割はますます大きくなっています。今後においても,これらの施策の拡充を図るとともに,多様な相談業務の担い手の活動の連携・調整を図り,地域における相談支援体制の充実に努めることが必要です。    

 

【施策の方向】

28 福祉事務所・保健所における相談支援

福祉事務所においては,身体障害又は知的障害のある市民やその家族からの相談に応じ,適切な福祉サービスの利用について助言・情報提供を行います。また,必要に応じて福祉サービスの利用について,あっせん・調整を行うとともに,事業者や施設に対する要請を行うなど相談支援の充実を図ります。

保健所・保健所支所においては,地域における精神保健福祉に関わる相談指導事業,乳幼児の健康診査,児童虐待防止のための取組や,幅広い情報提供を行っていきます。

特に,精神保健福祉相談員や保健師を中心として,地域住民のこころの健康の保持増進を図るとともに,在宅の精神障害のある市民及びその家族のニーズに対応した情報提供や訪問指導,社会復帰相談指導体制の充実を図ります。

 

29 更生相談所における相談支援

京都市身体障害者リハビリテーションセンター内の身体障害者更生相談所において,身体障害のある市民の総合的な相談や判定を行うとともに,併設している附属病院の機能や理学・作業療法士,言語聴覚士,義肢装具士などの専門性を生かし,障害のある市民,特に肢体障害のある市民の専門的な相談に応じます。

また,京都市児童福祉センター内の知的障害者更生相談所(発達相談所)において,知的障害のある市民やその家族からの相談に応じるとともに,知的障害のある市民の医学的,心理学的及び職能的判定を行い,必要な指導を行います。

 

30 発達障害者支援センターの拡充<充実>

発達障害のある市民とその家族が地域で安定した生活を送ることができるよう,自閉症等の発達障害に関する相談・指導を充実させるため,発達障害者支援センター「かがやき」において,発達相談所発達相談課・診療療育課等の関係機関との緊密な連携を進め,相談支援,発達支援,就労支援及び普及啓発・研修の4つの機能による支援を拡充します。

また,早期から親子共に療育指導を行えるよう,発達障害児療育教室を増設します。

 

31 障害者地域生活支援センター事業の充実<充実>

障害のある市民が地域で身近に利用できる相談窓口として,日常生活に関する相談や福祉サービスなどの利用援助,関係機関との連絡調整などを行う障害者地域生活支援センターの役割は,障害のある市民が地域で生活する上で,ますます重要になります。このため,医療機関や施設等との連携を図り,様々なニーズに適切に対応できるよう,相談支援体制の充実を図ります。

また,現在の支援センターのうち身体・知的障害対応型センター,精神障害対応型センターについて,それぞれの支援センターが担ってきた役割や機能を踏まえ,3障害対応化を検討します。

 

32 障害者地域自立支援協議会の設置・運営<新規>

障害者地域生活支援センターを中心に福祉事務所,保健所,障害福祉サービス事業所等で構成する障害者地域自立支援協議会を設置し,様々なニーズに対して地域の社会資源が連携して,適切な福祉サービスの利用調整を行うなど,障害のある市民の地域生活を支援する相談支援体制の強化を図ります。

 

33 相談支援従事者の養成

障害のある市民の相談に当たって,個々のニーズに対応した福祉サービスの利用を図るために,ケアマネジメントの手法を活用して総合的な地域生活支援ができるよう,京都府が開催する相談支援従事者養成研修に協力し,市内事業所での相談支援従事者の配置を推進します。 

 

34 身体障害者相談員・知的障害者相談員・発達相談員による活動の活性化と精神障害のある市民に対する相談支援の充実<充実>

障害のある市民にとって身近な相談相手である身体障害者相談員,知的障害者相談員及び京都市独自に設置した発達相談員に対して,相談活動に必要な情報提供を積極的に行うとともに,専門知識と相談技術の向上のための研修の実施や障害者地域生活支援センター等と連携した相談活動の検討等,相談員活動の充実を図ります。また,精神障害のある市民やその家族に対しては,家族会との連携により,相談支援の機能強化を図ります。

 

35 こころの健康増進センターの機能強化

本市の精神保健福祉の要である京都市こころの健康増進センターの機能の更なる充実を図り,市民のこころの健康の保持増進から,専門スタッフの育成,保健所の精神保健福祉活動に対する支援,精神障害の予防や治療,家族に対する支援,精神障害のある市民の自立と社会参加の促進などを図ります。

 

36 こころの専門相談機能の強化 

京都市こころの健康増進センターにおいて,薬物・アルコール依存,社会的ひきこもり,思春期の諸問題に対応する専門的な相談や心的外傷体験を受けた人のこころのケア,うつ病や認知症等,様々なこころの健康に関する相談機能の強化を図ります。

 

37 障害当事者同士の相談(ピアサポート)等への支援<充実>

自助(セルフヘルプ)グループや,訓練を受けた同じ病を持つ人によるカウンセリング(ピアカウンセリング,ピアサポート)などの支援を充実するため,ピアカウンセラーの養成を行い,障害のある市民が家族や関係機関・関係団体等の協力のもと,自主性を持って社会復帰と自立を目指すことができる環境を整備します。

 

38 総合育成支援教育相談センター「育(はぐくみ)支援センター」事業

平成14年6月に市立養護学校全校に開設していた「養護育成教育相談センター」を,平成16年度の総合制への再編を契機に,総合育成支援教育相談センター「育(はぐくみ)支援センター」に改編しました。障害のある幼児・児童及び生徒の保護者をはじめとした地域の人々や,地域に所在する幼稚園や小・中学校の教職員を対象に,総合支援学校がその専門性や障害に対応した施設・設備を生かし,総合支援教育に関する相談・支援を行います。

また,総合支援学校が病院や保健所等の医療機関,福祉事務所や身体障害者リハビリテーションセンター,児童福祉センター,障害者地域生活支援センター,療育施設,保育所等の福祉機関と連携して,幅広いネットワークを形成し,地域に開かれ,地域と共に歩む,地域における総合育成支援教育に関するセンターとしての役割を果たす取組を進めます。

なお,育支援センター内に設置され,専門家等で構成される「学校サポートチーム」では,育支援センターとの連携の下で,通学区域の小・中学校のLD等の児童・生徒の指導をサポートします。

 

39 引きこもりがちな障害のある市民等への支援<新規>

孤立や引きこもりがち等の様々な事情によって障害福祉サービスの利用に結び付いていない障害のある市民が適切なサービス利用が行えるよう,身近な相談相手である各障害別相談員やセルフヘルプグループ等の活動の活性化や相談支援体制の充実等により,福祉事務所や保健所,障害者地域生活支援センター等の相談支援機関へ繋ぐことや,京都市こころの健康増進センター等の専門機関との連携や障害者地域自立支援協議会による個別支援機能を活用する等の支援の仕組みの構築を図ります。

また,障害等に起因する引きこもり防止対策として,支援体制の充実等に取り組みます。

 

40 高齢・障害外国籍市民福祉サービス利用サポート助成事業の実施<新規・推進中>

言葉や文化等の問題で,情報が得にくかったり,必要な保健福祉サービスが利用できない高齢又は障害のある外国籍市民を対象に情報提供や利用支援等の活動を行う団体に対して助成します。


 

(2) 情報・コミュニケーション支援

【現状と課題】

障害のある市民が地域生活を送る上で必要な情報を得ることができるように,これまでから「障害保健福祉のしおり」や「市民しんぶん」などによる広報活動に取り組むとともに,障害のある市民のための情報提供機能を持つ「京都ライトハウス」や「京都市聴覚言語障害センター」の整備・運営を支援してきました。

また,障害のある市民の自立と社会参加を進めるため,視覚・聴覚に障害のある市民のコミュニケーション手段として,点訳奉仕員や音訳奉仕員の養成や手話通訳者や要約筆記者の養成・派遣を行い,コミュニケーション支援を実施してきました。

今後においては,障害福祉サービスにおける利用契約制度や障害者自立支援法施行に伴う新事業体系によるサービス提供を踏まえ,利用者が様々な福祉サービスの内容や指定事業者・施設の情報等を的確に把握できるように分かりやすく確実な情報提供を行うとともに,視覚・聴覚に障害のある市民が的確に情報を得ることができるよう,コミュニケーション支援の強化に努める必要があります。   

 

【施策の方向】

41 「障害保健福祉のしおり」等による情報提供<充実>

障害のある市民が必要な福祉サービスを容易に利用することができるように,「障害保健福祉のしおり」を毎年度新しく作成するとともに,より分かりやすく利用しやすい内容への更新に努めます。加えて,ホームページに掲載し,より広く市民への情報提供を行います。

また,制度改正等に際しては,サービス利用者等が内容を理解できるよう,分かりやすい周知に努めます。

さらに,「事業者指定一覧」を福祉事務所,保健所,発達相談所等に配置するとともに,障害者地域自立支援協議会が開設するホームページとも連携して事業者に関する情報の周知に努める等,情報提供の充実を図ります。

 

42 広報活動による情報提供の促進

障害のある市民のための新しい福祉サービスや本市の施設における事業やイベントについて,「市民しんぶん」やホームページ等に掲載して情報提供に努めます。

 

43 京都ライトハウスの機能強化

視覚障害のある市民の情報提供機能を持つ「京都ライトハウス」の運営を支援し,技術の発展に応じた情報提供や点字図書製作の高速化・効率化を進めるなど情報提供機能の充実を図ります。

また,日中活動や相談支援等の機能を有する視覚障害のある市民の総合福祉センターとして運営します。

 

44 京都市聴覚言語障害センターの機能強化

聴覚障害のある市民の情報提供機能を持つ「京都市聴覚言語障害センター」を運営し,手話通訳者や要約筆記者の派遣コーディネイトを行うとともに,手話や字幕付きビデオの作成・貸出しを行います。

また,聴覚障害のある市民の障害にかかわる検査・診断の実施に加えて,日常生活及び障害に関する相談に応じ,必要な情報の提供を進めます。

なお,センター内の情報提供施設では,大規模災害発生時に聴覚障害のある市民で登録された方に対して,災害情報をメールで送信する「京都市聴覚障害者災害情報伝達システム」を運用します。

 

45 視覚障害のある市民へのコミュニケーション支援

視覚障害のある市民がコミュニケーション手段を得て,日常生活を向上していくことができるように,京都府をはじめとする関係機関と連携して,点訳奉仕員や音訳奉仕員の養成・確保に努めるとともに,広報物の点訳化・音訳化や通知文書への点字の付加など,コミュニケーション支援に取り組みます。

 

46 聴覚障害のある市民へのコミュニケーション支援

聴覚障害のある市民がコミュニケーション手段を得て,日常生活を向上していくことができるように,京都府をはじめとする関係機関と連携して,手話通訳者や手話奉仕員,要約筆記者,盲ろう通訳・介助者の養成・確保及び円滑な派遣の実施に努めるとともに,区役所・支所の窓口や地下鉄改札口・市バス車内に簡易筆談器を設置するなど,コミュニケーション支援に取り組みます。

 

 

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お問い合わせ先

京都市 保健福祉局障害保健福祉推進室

電話:075-222-4161

ファックス:075-251-2940

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