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行政区制度検討調査会 第4回会議要旨録

ページ番号4536

2012年3月27日

 

日時,会場,出席
日 時平成15年3月25日(火) 13:30~16:00
会 場市会第5会議室
出 席村松会長 (京都大学大学院法学研究科教授)
新井委員 (市民公募委員)
乾 委員 (立命館大学産業社会学部教授)
長上委員 (龍谷大学社会学部教授)
田尾委員 (京都大学大学院経済研究科教授)
新川委員 (同志社大学大学院総合政策科学研究科授)
藤沢委員 (市民公募委員)
村井委員 (各区市政協力委員連絡協議会代表者会議幹事)
浅野委員 (京都市南区長)
折坂委員 (京都市情報政策監)
木野村オブザーバー(京都市西京区長)

 

 

1 第3回会議要旨録について
【村松会長】

 第3回会議要旨録の内容の確認をいただくため,事前に送付させていただいたが,事務局の不手際により,出席委員一覧に田尾委員及び村井委員のお名前が漏れていた。今後,注意してまいるとのことなのでよろしく願いしたい。内容については修正の連絡はないので,これでよければ確定してまいりたい。

  • 修正なし

 

 

2 検討の中間まとめにについて
(1)中間まとめ(素案)の内容説明
  ○事務局説明(略)
(2)今後の検討課題等について(意見交換)

 

<主な内容>
【村松会長】 
 17ページにA・B・Cの3つの方向性が提示されている。これらでいいのかについて確認していく必要がある。
【長上委員】 
 5ページに区長への総合調整機能の付与が昭和48年から強化されたとあるが,その後の30年間にどのような試行錯誤や工夫があったのか。
(事務局)
 区長会,区行政連絡協議会などを設置したが,情報交換に止まっており,実質的には十分機能していないという問題意識がある。
【長上委員】
 視察で区役所を訪れたところ,今の状況のままで権限や業務が委譲されても,十分受け止めきれないということであった。
【乾委員】
 6~7ページに他都市の動向が記述されているが,同様の方向を目指すのかについても議論が必要だろう。
 5ページの「◆業務の効率化・集約化」について,財政悪化による機能集約とあり,土木事務所を集約したということだが,その理由及び効果が明確になるように調べてほしい。
【浅野委員】
 新しくできた政令指定都市では,合併前の旧市から土木部門を引き継いだという経緯がある。
【村松会長】
 12~13ページについての追加・修正のご意見をいただきたい。
【藤沢委員】
 均一性・公平性も必要だが,区の特性に応じた対応も必要になってきているように思われる。また,職員意識の向上の必要性についての表現を充実する必要があると思われる。
 区役所を視察したが,経費の使い方についても,もっと現場に任せた方が効率的ではないかと感じた。市役所と区役所の間に補完性の原理を取り入れる必要があるのではないか。
【新川委員】
 権限については強化する方向性,組織については大中小の3つの方向性が示されている。極端に考えると権限を縮小することも考えられるが住民によるまちづくりを進めていくということを考えると現実的な選択肢ではない。
 区の権限を大きくする方向に加えて,区の全体像の想定に当っての考え方として,次の点があると思う。
 一つには,今は,本庁から行政区への権限移譲を考えているが,学区などの区より小さい単位に権限委譲を進めることも考えられる。区の機能・権限,学区の機能・権限を整理し,必要な機能・権限に応じて組織を考えればよいのではないか。
 また,区により特性が異なるのに,権限・組織が全ての区で同じということが本当にいいのか。京都市としてのミニマムが保証されていれば,あとは地域で選択できるという「選択性の区制度」ということも考えられないか。人口も4~28万人と幅があり,また,北部は山間部を抱えている。多様な制度を考えるべきであろう。
 区レベルでも市民参加の仕組みを考えることが必要である。一般的なまちづくり協議会のように「参加自由」という方法もよいが,区民の意向を汲み取る手立てが必要だと思われる。区議会の設置は不可能であるが,区民の意向を民主的に実現する仕組みが必要である。かつての,惣,寄り合いに近いイメージが想起される。
 京都市の区政改革の手順,道筋・ステップを示すことが必要と思われる。例えば,①区が市の意思決定に関わる仕組みの実行(区と市の協議 プロセス),②区民参加の仕組みの具体化(試行),③事務配分の見直し(集中と分散),④組織・人員・財政の見直しなどのステップが考えられる。
【田尾委員】
 A・B・Cの方向性はわかりやすいが,区の権限を強化したとして,区長は本当にその任を果たすことができるか。区長を支えるスタッフ機能の重要性に触れる必要があるのではないか。区長にスタッフを集める任命権がないと実現は難しいように思われる。
【長上委員】 
 区行政システム,行政区制度,区役所のあり方など,似たような言葉が色々と出て来てわかりにくい。
12~13ページの課題は,①意思決定,政策決定に係る区長権限についてどうするのか,②区役所の組織体制・スタッフをどうするのか,③区行政,まちづくりにおける区民参加のあり方をどうするのかの3本柱でまとめた方がわかりやすいのではないか。
 また,これらの課題については,すぐにできることもあるのではないか。大きなシステムの問題以前に,区への適正な人員配置,予算配分を行うだけでも独自性の発揮が可能であると思う。大きな仕組みの変化が必要なことと,すぐにできることを分けて考えるべきではないか。
【乾委員】 
 「地域の身近なことは行政区」,「全市の広域的なことは市全体」といった役割分担の間に,「身近なことからスタートして全市のことを考える」ということも,14ページの基本認識として持つことが必要ではないか。
 また,組織規模の大小と企画調整機能の大小の2項対立に加えて,「区役所の果たす役割の範囲」という軸が必要ではないか。つまり,区が担う業務については大きな権限・組織を持つが,そうでないところは権限・組織を持たないということも考えられる。
 今回の検討の背景には財政難があるはずなのに,委員には財政の厳しさを測る物差しが与えられていない。職員数にしても市総体として減らしていく方向にあるのか,それとも職員数は減らさずに市と区の人員配分を変えていく方向にあるのかによって議論の内容も違ってくるのではないか。
 12~13ページの課題については,もう少し具体化しておくと方向性の論拠がわかりやすくなる。また,区民への働きかけの視点を加えるべきであるし,財政の話や舵取り役の必要性などを課題に位置付けることも考えられる。
 18~20ページについては,区内部における仕組みの継続的な改革や,職員の意識改革の必要性にふれる必要がある。
 18ページで区間の公平性について記述されているが,区の独自性を発揮することと,区間の公平性を確保することは矛盾してくる部分がある。 区間の公平性を確保するための水準を市で決めるとすると,市が水準を満たしているのかどうかチェックしなければならなくなり,区の独自性の発揮が形だけになってしまうため,間をつなぐものを考える必要がある。
 また,寄付や企業貢献などでがんばった区や区民が得をする仕組みが求められる。このままだと,がんばった区の持ち出しになりかねない。
【新井委員】
 12~13ページの内容が抽象的でわかりにくい。もう少し例示などがある方がよい。多くの区民にとっては,システムよりもサービスの充実の方に関心があり,「昼休みに窓口を開けて欲しい」などの要望があると思われる。それが今の制度・仕組みの中で実現するのであればこのような調査会までを開く必要がないわけで,今の仕組みではそのようなことができない,このようになればこれが実現できるといったことを,具体的にわかりやすく伝えていくことが必要である。そうすると,パブリックコメントをしてもわかりやすいと思う。
 A・B・Cの3つの方向性が示されているが,区役所で働くスタッフがどのように動きやすくなるのかを書き加えた方がよい。今の制度内でも職員が意識を変えるとできるようなこともあると思われるが,実際はそうではないといったことをきちんと書き込む必要がある。
【村松会長】
 職員の勤務時間はどのようになっているのか。
(事務局)
 基本的には区役所は8:30~17:00となっている。証明書発行業務は昼休みも実施している。その他,職員間で調整して昼休みに対応している窓口もある。
【木野村区長】
 基本計画策定の時に中学生でもわかるような文章が望ましいとの議論があったが,今の文章は行政職員でもわかりにくいので,もう少し工夫が望まれる。
 また,区政改革の経緯が記されているが,これまでは区長個人の努力に委ねられてきた部分が多く,できるだけ区民の要望に応えたいという 気持ちから権限や予算が必要という議論になっているのだろう。
 福祉事務所や保健所を区に統合した時に,きちんと体制を整えてからでないと一つの組織・システムとしての仕事はできないという議論があっ た。実際,庁舎が離れているところでは部間の連携や区長の関わりに濃淡ができてしまう。こういうことを無くすためには,施設整備が重要であ る。
 また,我々は市民の身近なところでサービスを提供することを目指しているが,市民は,年に1回か2回しか利用しないサービスまで,区役所で提供されることを本当に望んでいるのかを考える必要がある。例えば税のような業務は5つ程度のブロックに集約し,スリム化を図ることも考えられる。スリム化を図ることにより,本当に身近でしなくてはならないことをきめ細かく行うことができるようになる。
 最近,区民が強く望まれていることとして,活力ある区づくりが挙げられる。住民交流事業や民間や住民にはできないことを行政が音頭をとってやってほしいという声を聴く。このようなことが,区の拠点である区役所に求められるようになると思われる。
 また,自律した区民をつくっていく必要がある。何でも市や区役所に頼ってこられるとこれは市民サービスの公平性にも関わってくる話になる。 行政に何でも頼めば税金にはねかえるが,自分ですればコストが低くなるという説明をするとご理解をいただけることもあり,区民との対話をもっとしないといけないと感じている。
 さらに,ボランティアやNPOとの連携が重要であり,その受け皿を区役所がどうつくっていくかということが課題である。
【浅野委員】
 組織の弾力化という観点から,区長の裁量権の強化が必要と考えている。苦情が多いがそれに対応する人が足りない。また,公害関係の苦情に対しては保健所に担当職員を置くなど,区役所の部署をつなぎあわせて,区の特徴に合わせた人員配置ができればと思う。
 区行政連絡協議会が各区にあるが,実態としてはスケジュールの確認にとどまるなど形骸化している。産業界やNPOの方を招いてご意見を伺うなど,もっと活用していければと思う。
【折坂委員】 
 地方分権やパートナーシップは,地方自治の趣旨からみれば当たり前であるのに,近年特に言われるようになっているのは,財政難のなかで 市民サービスを低下させないためであると理解している。
 また,市民や職員の中は画一性ということを重視する意識が強い。その重さを踏まえる必要がある。
【村井委員】 
 中間報告のとりまとめについては,抽象的であり,間口が広く,絞り込む必要があるように思われる。
【折坂委員】 
 全体として行政の視点からの記述が中心となっており,住民の視点からの記述があればもっとわかりやすくなると思われる。
【村松会長】 
 本日,様々なご意見をいただき,これを反映して中間とりまとめとするわけであるが,本日だけで取りまとめることは無理と思う。次回会議でまとめの内容を再度諮ることを目標として,本日は素材を出していくこととしたい。
 また,このままではパブリックコメントにかけるのは難しいのではないか。わかりやすい表現にして的を絞って聞くなど,パブリックコメントの方法についても工夫する必要があるため,次回に修正案を検討することとしたい。
 様々なご意見をいただいたが,職員の勤務制度や市民参加と議会との兼ね合いについてもふれることが必要と思われる。また,背景として財政難に触れる課題についてもわかりやすくなる。
 最終的なまとめを現実的な内容とするのか,期待を含めた内容とするのかは市に委ねるとして,本調査会では,区への分権をできるだけ進める方向を基本としたい。
【田尾委員】
 区長の力量により区政,サービスにあまり違いがでないようにする必要がある。そのためには,スタッフの強化など,区長の力量を補う組織的な保障が必要である。今のままでは,区長の質により,区間格差が生じる懸念がある。
【折坂委員】
 区長スタッフの強化は必要と考える。また,区民の業績評価による競争原理を導入する必要があると思う。
【乾委員】 
 区間の競争は必要。一方,区民参加の仕組みを考えておかないと,職員だけで物事を進めてしまうことになる。区長やスタッフが,区民,NPOとどれだけ手をつなげるかが重要となる。市政協力委員の制度があるが,現状は活動内容について個人差が大きいように思われる。仕組みとしてどのようなことが必要か検討する必要がある。市民がどのような仕組みを望むのか,職員がそれをどう感じるのか,仕組みをどうつくるのかの3点を考慮する必要がある。
【村松委員】 
 今は人事が区制度と一体となっていない。区長がスタッフを引っ張ってくることがあってよい。区長のリーダーシップが必要なのであれば,人事制度を変えることも考えられる。
【折坂委員】
 今はそのようなことはしていないが,法律的には可能なはずである。
【藤沢委員】
 若い公務員は優秀だと思われる。やれば人がでてくるのではないか。財政の問題が根底にあるが,経済のグローバル化が進む中で,財政状 況は今後もそれほど良くならないということを前提に物事を考えることが必要と思われる。
【新川委員】
 行政区の問題は,市政全体にも関わる話である。都道府県では,予算の枠配分や目標管理など新しい取組が見られるようになってきている。 今後は,部門別での人事に取り組むところが出てくるだろう。
 区長のあり方についても,辞令の「紙一枚」で任命する今の方法でいいのかを考える必要がある。区長の位置付けや区長と区民との関係はど うあるべきかなど,区長の選び方についても考えることが必要と思われる。
(事務局)<市政総合アンケートについての概要説明(略)>
18ページ以降の課題についてもご意見をいただきたい。
【村松会長】
 京都市としては,区によってばらつきがでてくることは認められるのか。隣の区では実施しているのに,うちの区ではしないということが本当に認められるか。覚悟が必要だろう。
(事務局)
 現実的に,今でも多少のばらつきはある。
【折坂委員】
 A・B・Cをもう少し具体化しないと選択しにくい。それぞれのケース毎に,どのようなことが実施できるようになるのかを具体的にまとめるとわかりやすくなる。
【乾委員】
 区に多様性を付加するようなことを最初から打ち出しても絵に描いた餅になりかねない。パートナーシップを進めていくためには,学区やNPOとの連携をどう進めていくかということも考える必要がある。また,機会の公平性を確保しつつ,結果として多様化するということもありうる。公平でなくなることは区の責任でない。一方,区の仕組みを変えたから区が良くなるとも限らない。また,区として重要な機能を削るわけにはいかない。
【村松委員】
 事務局で各委員と個別に相談しながら,次回の調査会までに,もう少しまとめていくこととしたい。

 

 

3 パブリックコメントについて
【村松委員】 
 パブリックコメントにかける際には,案として一本化したい。パブリックコメントでどの方向性がよいのかなどを聞く事は適切でない。次回で中間まとめを行い,それから実施することとしたい。
(事務局)
 パブリックコメントは次回の調査会での中間まとめを終えてから実施することとしたい。

 

 

4 次回の会議の日程について

  • 事務局で日程調整し,後日改めて連絡する。

 

 

5 その他
 特になし

 

お問い合わせ先

京都市 文化市民局地域自治推進室区政推進担当

電話:075-222-3048

ファックス:075-222-3042

メールアドレス:[email protected]

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