食中毒の原因とその予防法
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2024年11月27日
食中毒の種類
食中毒とは、病原微生物や有害物質を含む飲食物を摂取した結果起こる健康被害のことで、多くの場合は下痢や嘔吐、腹痛などの消化器症状を呈します。
食中毒の原因は、「細菌」、「ウイルス」、「自然毒」、「寄生虫」、「化学物質」によるものに大きく分類されます。病因物質は様々であり、それぞれ食べてから発症までの時間や予防方法が異なります。
<各分類における病因物質例>
「細菌」・・・サルモネラ、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、病原大腸菌、ウェルシュ、セレウス、カンピロバクター等
「ウイルス」・・・ノロウイルス
「自然毒」・・・動物性自然毒(フグ毒、貝毒など)、植物性自然毒(毒キノコ、イヌサフラン、トリカブトなど)
「寄生虫」・・・アニサキス、クドア
「化学物質」・・・ヒスタミン
主な食中毒原因物質
細菌、ウイルス、寄生虫による食中毒
主な食中毒原因物質の特徴とその予防法等について解説します。
※微生物名をクリックすると、詳しい説明を見ることができます。
微生物名等 | 特徴 | 原因食品・汚染経路 | 潜伏期間・主な症状 | 予防のポイント |
カンピロバクター | 少量の菌で食中毒を起こす 乾燥には比較的弱い | 家畜、ペットなどあらゆる動物が保菌している 鶏の生食や加熱不足が原因となることが多い | 【潜伏期間】 平均2~3日 【症状】 激しい下痢、腹痛、発熱、嘔吐、まれにギラン・バレー症候群 | ●鶏肉の生食を避ける ●十分な加熱(中心温度75℃、1分間以上) ●生肉と調理済みの食品は別々に保管する ●器具は用途ごとに使い分けし、洗浄、消毒、乾燥を十分に行う |
ウェルシュ菌 | 一部芽胞を形成し、100℃の加熱でも生き残る 酸素があると生存・発育できない | ヒトや動物のふん便、土壌に存在する カレー、煮物など大量調理品が原因になることが多い | 【潜伏期間】 6~18時間 【症状】 下痢、腹痛 | ●加熱調理後は常温に長く放置せず、小分けにするなどして急速に冷却する ●調理した食品はすぐに食べるようにし、前日調理を行わない ●調理済食品を温めなおす場合は十分に火を通す |
腸管出血性大腸菌(O157など) | 病原大腸菌の一種で、少量の菌で食中毒を起こす 熱に弱い 食品からだけでなく、ヒトからヒトに感染する場合もある | ウシなどの家畜のふん便に存在する ふん便に直接、間接的に汚染された食品が原因となる | 【潜伏期間】 2~7日(平均3~5日) 【症状】 激しい腹痛、水様性の下痢、血便 小児や高齢者は溶血性尿毒症症候群を起こす場合もあるため特に注意が必要 | ●生の肉を触った調理器具、手指は十分に洗浄・消毒し、二次汚染を防止する ●肉やレバーは必ずよく焼いてから食べる |
黄色ブドウ球菌 | 温かい食品中で急速に増殖し、毒素を産生する 毒素は熱に非常に強く、100℃、30分の加熱でも分解されない | ヒトの皮膚や毛髪、粘膜に広く存在する 特に傷口など化膿した部分には多く存在する | 【潜伏期間】 1~5時間(平均3時間) 【症状】 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢(一部) | ●調理の前にはよく手を洗う ●手指に傷のある人は調理を行わない ●調理後の食品は長く常温に置かない ●食品は低温(10℃以下)で保管する |
ヒトの腸管のみで増殖する 極めて少量(100個以下)で感染、発症する 感染者の吐物やふん便を介した、ヒトからヒトへの感染も多数みられる | 吐物やヒトのふん便、カキなどの二枚貝(特に河口付近で養殖されたもの)に存在する 調理従事者の手指を介して汚染された食品が原因となる | 【潜伏時間】 24~48時間 【症状】 嘔吐、激しい下痢、腹痛、頭痛 | ●手洗いの徹底(トイレの後、調理の前、吐物処理後は特に丁寧に) ●調理器具の洗浄、消毒の徹底(消毒には、熱湯や塩素系消毒剤が有効) ●十分な加熱(中心温度85~90℃で90秒以上) | |
寄生虫の一種 海産魚介類に寄生している 体長2~3cm、肉眼で確認することができる | アニサキスが寄生した魚介類の生食が原因となる サバによる報告が多いものの、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなど様々な魚が原因となりうる | 【潜伏期間】 数時間~数十時間 【症状】 みぞおちの激しい腹痛、吐き気、嘔吐 | ●十分な加熱(60℃で1分、70℃以上では瞬時に死滅する) ●冷凍処理を行う (-20℃で24時間以上) ●新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除く ●目視確認を十分に行う ※一般的に料理で使う程度の酢、塩、ワサビ等の処理では死滅しません |
自然毒による食中毒
例年、特に春先~初夏にかけて、有毒植物を誤って食べてしまったことによる食中毒が多く発生しています。
食用と確実に判断できる植物以外は絶対に「採らない」、「食べない」、「売らない」、「人にあげない」ようにしましょう。
有毒植物による食中毒について、詳しくはこちらをクリックしてください。
食中毒予防の基本三原則
食中毒予防の基本となる三原則は、細菌やウイルスを、「つけない」、「ふやさない」、「やっつける」 です。
三原則を実践して食中毒を防ぎましょう。詳しくは、以下のリーフレットをご覧ください。
食中毒予防の三原則
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食中毒を疑う症状があった場合
お問い合わせ先
保健福祉局 医療衛生推進室 医療衛生企画課
電話: 075-222-3429 ファックス: 075-213-2997