腸管出血性大腸菌感染症について
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2024年7月12日
腸管出血性大腸菌感染症について
腸管出血性大腸菌感染症とは
腸管出血性大腸菌感染症とは、ベロ毒素を産生する病原大腸菌による感染症で、初夏から初秋にかけて多く発生します。
腸管出血性大腸菌感染症の市内の発生状況
令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 |
43 | 22 | 34 | 23 | 38 | 5※ |
※令和6年6月末日時点の速報値
病原体について
大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。
病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。
腸管出血性大腸菌は、菌の表面抗原やべん毛抗原により、さらにいくつかに分類されています。代表的なものは「O157」で、そのほかに「O26」や「O111」などが知られています。
感染経路について
腸管出血性大腸菌(O111、O157等)は牛等の腸に棲息しているので、それらの腸内容物によって汚染された食べ物や水を口にすることで感染します。生の牛肉や生レバーは腸管出血性大腸菌に汚染されている可能性があります。
腸管出血性大腸菌は非常に少ない菌量でも感染することから、食べ物だけではなく、患者や保菌者の便で汚染されたもの(例えばタオルや、お風呂のお湯、トイレのドアノブ等)を介して感染することもあります。
腸管出血性大腸菌による食中毒の発生状況は以下のとおりです。
H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | |
事件数(件) | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
患者数(人) | 0 | 1 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 |
H20 | H21 | H22 | H23 | H24 | H25 | H26 | H27 | H28 | H29 | H30 | R1 | R2 | R3 | R4 | R5 | |
事件数(件) | 17 | 26 | 27 | 25 | 16 | 13 | 25 | 17 | 14 | 17 | 32 | 20 | 5 | 9 | 8 | 19 |
患者数(人) | 115 | 181 | 358 | 714 | 392 | 105 | 766 | 156 | 252 | 168 | 456 | 165 | 30 | 42 | 78 | 265 |
症状について
腹痛、下痢、血便が主な症状です。嘔吐や38℃台の高熱がでることもあります。さらに腸管出血性大腸菌(O111、O157等)が産生するベロ毒素の作用により、溶血性貧血や急性腎不全を来たし、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こすことがあります。特に子どもや高齢者では痙攣、昏睡、脳症などによって致命症となることがあります。
O111、O157等の潜伏期間は通常3~8日程度と長く、原因が特定しにくいため、感染が広まる危険があります。
予防方法について
1 食品は十分加熱(75℃で1分以上)して食べましょう。
2 焼き肉やバーベキューをするときは、生肉を扱う箸と食べる箸を区別しましょう。
3 石鹸や消毒液で十分に手洗いしましょう。(帰宅時、食事前、調理前等)
4 次の食中毒予防の三原則を守りましょう。
食中毒予防の三原則
1.菌をつけない 《清潔》
食器・器具類は洗浄・消毒・乾燥を十分行いましょう。
2.菌を増やさない 《迅速・冷却》
調理後は速やかに食べ、食品は10度以下で保存しましょう。
3.菌をやっつける 《加熱》
食品は中心部まで十分加熱(75℃で1分以上)しましょう。
5 家庭内に患者が出たときは、二次感染に注意しましょう。
- トイレの後は、手を洗いましょう。
- 患者と乳幼児の混浴は控えましょう。
- 風呂の水は毎日とりかえましょう。
- 衣服に患者の糞便が付いたときは煮沸や薬剤で消毒し、家族のものとは別に洗濯し、天日で十分乾かしましょう。
- 手に患者の糞便が付いたときは石けんで手洗いをしっかり行い、アルコール等で消毒しましょう。
腸管出血性大腸菌感染症予防啓発チラシ
生食用食肉の規格基準と生食用牛肝臓の販売提供禁止について
平成23年4月に、富山県等の焼肉チェーン店で提供された牛ユッケなど牛肉を生食したことが原因と考えられる腸管出血性大腸菌による食中毒事件が発生したことを受けて、国において、食品衛生法に基づく「生食用食肉の規格基準」が設定され、平成23年10月1日から適用されています。
基準に適合した肉であっても、一般的に食肉の生食は食中毒のリスクがあることから、特に子どもや高齢者などの抵抗力の弱い方は、生肉を食べないように注意し、肉等の加熱(75℃で1分以上)を十分行ってください。
また、食品衛生法に基づいて、平成24年7月1日から生食用牛肝臓(レバー)の販売が禁止されています(詳しくは、厚生労働省ホームページをご覧ください。)。
牛レバーは生で食べず、中心部まで十分に加熱して食べましょう。
学校保健安全法の取扱いについて
腸管出血性大腸菌は学校保健法で第3種の感染症に指定されており、「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで出席停止」とされています。
但し、無症状病原体保有者の場合には、出席停止の必要はなく、手洗いの励行等の一般的な予防方法の励行で二次感染は防止できるとされています。
医療衛生センター、各医療衛生コーナー一覧
お問い合わせはこちらのホームページから各担当にお問い合わせください。
お問い合わせ先
保健福祉局 医療衛生推進室 医療衛生企画課(京都市保健所)
健康危機対策担当
電話: 075-746-7200 ファックス: 075-251-7233
食品安全・食品監視担当
電話: 075-222-3429 ファックス: 075-213-2997