歴史的建築物の保存活用(建築基準法の適用除外)とは
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2024年3月31日
京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例
京都市内には、京町家等の伝統的な木造建築物や、鉄筋コンクリート造やれんが造の近代建築物等が多数存在し、それらの歴史的な価値を有する建築物は、歴史都市・京都の景観を形成し、文化を伝えています。
しかし、こうした建築物は、増築や用途の変更を行おうとする場合、建築基準法に適合することが求められ、景観的、文化的に価値のある意匠や形態等を保存しながら使い続けることが困難となることがあります。
そこで、本市では、景観的、文化的に特に重要なものとして位置付けられた建築物について、建築物の安全性等の維持向上を図ることにより、建築基準法の適用を除外する、「京都市歴史的建築物の保存及び活用に関する条例」(以下「条例」という。)を制定しています。
この条例は、法の適用を除外する建築物について、現状変更の規制及び保存のための措置を定めたものです。歴史的な価値を有する建築物であっても、その安全性等を十分に確保する必要があることから、それぞれの建築物の状態や市街地環境への影響を考慮しながら、建築物の安全性等の維持・向上を図ることとしています。
さらに、平成29年4月1日から、京町家の保存及び活用を促進するため、標準的な規模の京町家を対象に、市長が建築基準法適用除外を行う際に、建築審査会の審議を経ることなく同意を得て処分を行うことが可能となる技術的基準(包括同意基準)の運用を開始しています。パンフレット・活用事例集
条例の概要を簡潔にまとめたパンフレットです。また、これまでに条例を活用し、保存活用された事例を一部紹介しています。
(事例の紹介はホームページ上でも掲載しております。活用事例集をご参照ください。)
パンフレット・活用事例集
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対象の建築物とは
景観的、文化的に特に重要なものとして位置付けられた建築物は、次の建築物を指します。
(ただし、建築基準法の施行日(昭和25年11月23日)前に建築された建築物に限ります。)
なお、現在、指定等を受けていない建築物であっても、所有者等による対象指定提案を受け、市長が指定する建築物については対象建築物となりますので、条例の適用をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
〇景観法の規定に基づく景観重要建造物
〇歴史まちづくり法の規定に基づく歴史的風致形成建造物
〇京都市市街地景観整備条例の規定に基づく歴史的意匠建造物、界わい景観建造物
〇京都市伝統的建造物群保存地区条例の規定に基づく伝統的建造物
〇文化財保護法の規定に基づく国登録有形文化財
〇京都府文化財保護条例の規定に基づく府指定有形文化財、府登録有形文化財、府暫定登録有形文化財
〇京都市文化財保護条例の規定に基づく市指定有形文化財、市登録有形文化財
〇京都市民が残したと思う“京都を彩る建物や庭園”制度の規定に基づき認定された建物や庭園
〇京都市京町家の保全及び継承に関する条例の規定に基づく重要京町家(個別指定京町家)
〇その他市長が指定するもの
条例の仕組み
手続の流れ
設計者の方向けに、条例の指定・登録等の手続等についてわかりやすく解説した手続BOOK【手続解説編】を作成しておりますので、ご活用ください。
手続BOOK【手続解説編】~設計者の方向け~
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保存活用計画について
保存活用計画とは、建築物の現状調査の結果や改修計画、利用計画、維持管理計画等をまとめ、建物価値を保存しながら、計画に沿って性能を向上させるとともに、定期的な点検・報告の内容等について定めるものです。
また、保存活用計画における安全性の確保のための措置については、建築基準法の趣旨は踏まえながらも「保存しながら、使い続ける」ことを目的として、建築物の規模や用途に応じた対応、将来的な改修を考慮した段階的な対応、同法では考慮されないソフト面の対応などについても一定評価しながら、それぞれの建築物に適した方法で、その安全性の維持・向上を図ることとしています。
(保存建築物の安全性の確保等について、本市の考え方をまとめた指針を作成しております。詳細はこちらのページをご覧ください。)
保存活用計画の作成に係る補助金
条例の対象となる歴史的建築物の所有者は、保存活用計画の作成に必要な費用に対して、補助金を受けることができます。詳細はこちらをご覧ください。
京都市歴史的建築物保存活用アドバイザー設置制度について
保存活用計画に対して、本市及び京都市建築審査会が、専門的な助言が必要と判断した内容について、建築物の地震及び火災等に対する安全性並びに景観的及び文化的価値に関する専門家に助言を求めることができる制度を制定しています。
(京都市歴史的建築物保存活用アドバイザー設置要綱及び保存活用アドバイザー名簿はこちらをご覧ください。)
定期的な維持管理について
建築物は日頃から丁寧に維持管理することでその性能を維持し続けることができます。特に伝統的な木造の建築物は、古くは、それぞれの家にはいわゆる「出入大工」と呼ばれる決まった大工さんがいて、定期的に家の不具合を見つけて修繕し、建築物の性能を維持してきました。
また、鉄筋コンクリート造やれんが造等の近代建築物には、不特定多数の方々が利用する施設も多く、不適切な維持管理が原因で、火災等の災害時に惨事につながる場合があります。こうした事態を防ぎ、保存建築物を安心して使い続けるためには、保存建築物の定期的な点検が重要です。
そのため、条例では、所有者等が保存建築物の状態や管理方法を定期的に点検し、その結果を本市に報告する制度を設け、保存建築物の性能を将来にわたって維持していくこととしています。
主な調査項目
〇構造部材の損傷、腐食その他の劣化状況
〇消火器の使用期限の確認や火災警報器の差動確認
〇施設の利用形態や消火訓練や管理者研修等の実施状況 等
→丁寧なメンテナンスの継続
→安全性の検討の際に評価したソフト対応の実施状況の確認
条例・申請様式等
条例や申請様式等はこちらのページで掲載しております。
お問い合わせ先
京都市 都市計画局建築指導部建築指導課
電話:075-222-3620 【受付時間】午前8時45分~11時30分、午後1時~3時 (事業者のみなさまからのお問い合わせは受付時間内でのご協力をお願いします。)
ファックス:075-212-3657