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京都市教育委員会

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最終答申 おわりに

ページ番号6419

2012年12月25日

 

 おわりに

 

 本構想委員会は,京都のまちづくりの基盤として,教育に情熱を傾けた先人の知恵に学びつつ,21世紀を展望した魅力ある新しい京都市立高等学校の在り方について論議を重ねてきた。
 未来は,不確実である。 21世紀を生きるにあたって,どのような人間の育成が求められているのかを展望することが,いかに困難な事業であるかを痛感するにつけ,120年前,東京遷都による存亡の危機にあった京都の再興を,20世紀を生きる人間の教育に賭け,歴史と伝統に培われた英知と莫大な資金を傾注した先人の偉業に,衷心からの賛嘆を捧げるものである。
 先人たちは,京都を愛し,教育によって未来を紡ごうとした。その教育への情熱と展望なくして,今日の京都はありえなかった。第2次答申で述べたとおり,京都は文化・情報を発信する世界の中核であり続け,ノーベル賞を受けた科学者たちをはじめとする数限りない才能の芽を育んだ。
 21世紀を目前にする今,教育を京都の根幹としてとらえ直すことが重要な課題である。本構想委員会もまた,そのことを自覚し,情熱をもって未来を創造する事業の一端に関わったと自負する。
 本構想委員会の提言したものは,高等学校教育の基本的な在り方である。したがって,教育委員会においては,各高等学校の教育課題に照らして,答申内容の具体化を図るため,教育改革を進めるように望む。取組にあたっては,人的・物的教育条件の充実・整備が必要不可欠であることを特に指摘するものである。また,本構想委員会が21世紀構想のパイロット校とした堀川高等学校における教育活動をはじめとする提言の具体化について,分析と検証を行いつつ取り組むことが重要である。
 本構想委員会は,教育長からの諮問事項の範囲において検討を行い,提言としてまとめた。専門教育及び定時制教育の在り方などの課題についても,本答申の精神を十分に生かし,的確な現状分析と建設的な将来展望のもと,その方向性を見いだして施策に反映するよう期待する。
 社会変化の著しい今日,学校のみならず,家庭・地域・社会における教育の在り方が問われている。すべてのものごとには少なくとも両面があり,それぞれに価値が内包されている。一見むだと感じるものに,欠くことのできないゆとりの効果がある反面,効率化することによってよりよい結果が期待できる場合もある。
 高等学校教育を成立する要素は多様である。それらがいかに組み合わされるかによって,教育活動の在り方が決定される。望ましい教育の場を創出するために求められるものは,教育条件を整え教育活動を展開する側に立つ者の姿勢と見識である。本構想委員会が高等学校教育の基本理念として掲げている豊かな人間性とたくましい創造性や,変化と多様化に対応し主体的に選択する力は,教育に取り組む者にとっても極めて重要であろう。成長過程にある生徒の自己実現を,正しく支援しなければならないからである。

 

 

 

 

 

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