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【バックナンバー】京都市衛生環境研究所にゅーす(令和4年度)

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2023年10月26日

京都市衛生環境研究所にゅーす 令和4年度(通巻142号)

青少年科学センター主催の「未来のサイエンティスト養成事業 夏期講座」で講演しました!

 コロナ禍で3年ぶりとなった夏期講座で「みんなつながる、虫たち、環境、それから私たち」と題し、講演して来ました。久しぶりに子どもたちに対して、生き物の不思議を説く中で見えてきたものとは・・・

「未来のサイエンティスト養成事業」とは?

 京都市青少年科学センターが主催する事業。小学4年生~中学3年生までを対象とし、同センターをはじめ、大学や企業等の専門家の助言を受けて自ら研究するなど、理科や科学に興味・関心のある子どもたち(未来のサイエンティスト)の育成を目的としています。

 当研究所では、未だコロナ禍の収束する兆しが見えない中ではありますが、何とか子供たちに学びの機会を提供したいという思いから、令和4年7月26日に京都市青少年科学センターに講師派遣という形で実現しました。

令和4年度のテーマは「人と生き物の関係を見つめること」

 令和4年度の夏期講座のテーマは「みんなつながる、虫たち、環境、それから私たち」としました。近年、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などのマダニ媒介感染症が問題となっています。

 その背景として私たちの身近なところで、マダニを運ぶ野生動物が増加し、人の生活圏が交わることが原因として考えられています。

 そのことを、ぜひ子どもたちに知ってもらいたいと言う思いから副題を「マダニから考えるワンヘルス」としました。難しいテーマなので、はたして子どもたちにうまく伝わるか、正直心配でした。

マダニの拡大写真が写ったスライド

 そこで、できるだけ分かりやすく伝えることに努めました。参加した子どもたちを班別に分け、それぞれを別々のマダニ研究チームの一員と想定し、「調査ノート」に沿ってミッションをクリアする形で講座を進めました。

 作製したマダニの拡大模型を見せながら、メインのマダニ標本をみんなで観察し、その特徴を調査ノートにスケッチしました。

 なるべく子どもたちに体験させたいと思い、保存容器の中でアルコールに浸かっているマダニを取り出すところから体験してもらいました。

講師が説明している様子

子どもたちの興味、感性、そして視点に驚き!

 講師の心配をよそに、子どもたちは普段使ったことがない顕微鏡や器具を慣れないながらも使いこなしていました。

 熱心に顕微鏡をのぞき、驚きの声をあげながら集中してスケッチをする子どもたち。事前に説明したマダニの特徴以外に、自分で気が付いたことも書き込んでいました。

 大人に言われなくても、自分で考えて行動する子どもたち。まさに「未来のサイエンティスト」です。

マダニをスケッチする子どもたち

講座を通して思う、教育・啓発の必要性

 後日青少年科学センターから子どもたちの書いたレポートが届きました。思い思いに気付いたこと、感じたこと、これからやってみたいことを書いていました。私たちが伝えたかったことを子どもたちはしっかりと受け取ってくれていました。

 講座が終わった後の子どもたちは家族にいろいろ話をしてくれたかな。「マダニについて勉強してきたよ・・」と。家族の方々も子どもたちが話すことに熱心に耳を傾けてくださったかな。

 啓発活動として今回は子どもたち、そしてその子どもたちから大人へ伝わることを目的としました。今後は子どもたちだけではなく、大人の方々へも、直接様々な生き物について私たちの生活と密接に関わりがあることを啓発していきたいと思いました。

子どもひとり一人に個別解説する衛生環境研究所スタッフ

子どもたちから教えられた、生き物と向き合う大切さ

 今回、久しぶりに講座を実施し、マダニを例として、子どもたちに生き物の不思議を説きました。そこでは教える側の我々が実は子どもたちに教えられていることに、ふと気づかされました。

 子どもたちが生き物と向き合う大切さを教えてくれました。そんな講座、その気持ちを今後の業務に生かしていきたいと思いました。

 講座の終了に記念として「セミの抜け殻の樹脂標本」をプレゼントしました。夏休みの思い出として講座で学んだこととともにずっと残ってくれればいいな、そう願ってやみません。

講座終了記念品の「セミの抜け殻の樹脂標本」を選ぶ子どもたち

発行

衛生環境研究所にゅーす 第142号 (PDF版はこちら

2022年10月発行

発行:京都市衛生環境研究所

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京都市 保健福祉局医療衛生推進室衛生環境研究所

電話:075-606-2676

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