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人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.13(令和2年12月号)(HTML版)

ページ番号276744

2020年11月17日

人権総合情報誌「きょう☆COLOR」vol.13(令和2年12月号)

輝きピープル タレント りゅうちぇるさん

自分の色を大切に

ありのままの個性を発揮して人生を切りひらいた体験を告白!
自分の色を大切に

個性的なファッション、独自のキャラクターで注目を集め、バラエティ番組などに多数出演してきた、りゅうちぇるさん。モデルのぺこさんと結婚し、現在は1児の父でもあり、LGBTなどダイバーシティへの発言が共感を呼んでいます。性別にとらわれず、自分の個性を大切にする生き方についてお話を伺いました。

 

――自分の個性を出せなくて悩んだ
僕は子どもの頃から可愛いものやメイクが好きだったのですが、中学生になると上下関係が厳しくなったので目を付けられないように本当の自分を隠し始めました。自分の個性を出していじめられたり、からかわれたりするよりもマシかなと思って。でも、自分が出せないというのはつらかったですね。
当時はこの先どうやって生きていけばいいのか真剣に悩みました。一生このままだったらどうしよう?なんで可愛いものとかメイクが好きで生まれてきたのかと普通じゃない自分を責めていたんです。
でも、地元から離れた高校に進学すると、普通じゃないことがほめ言葉に変わり、僕の個性も認めてもらえるようになりました。自分がおかしいなんて、自分自身が決めつけていたんだなとその時に気付きました。その頃からTwitterを始めたのですが、自分のコーディネイトを投稿すると良い反応がもらえて、ファッションの街・原宿で勝負してみたいという自信がつきました。

――自分の居場所を作りパートナーと巡り会えた
高校卒業後、古着のバイヤーになろうと上京を決意し、原宿のショップで働き始めました。そこには僕と同じように夢を見て地方から上京してきた仲間がいて、居心地が良かったですね。自分の居場所は自分で作るものだと実感しました。
そして、妻のぺこりんと出会います。お互い一目惚れだったのですが、自分らしくいたからこそ、運命の人に出会えたような気がしますね。それから、ぺこりんの所属していた事務所に僕も入って二人で仕事するようになりました。
テレビでこんな僕の姿を見て、「こんな人がいるんだ」「こんなパパがいていいんだ」と思っていただき、皆さんが自分の色で生きていけるきっかけになればいいなと意識して仕事しています。

――たとえ理解できなくても受け入れることができれば…
僕はダイバーシティ(多様性)という言葉を大切にしています。性的マイノリティの方や僕自身の体験から言うと、自分の生き方を理解されないのは生きづらいものです。でも、本当の意味でのダイバーシティというのは、それが理解できない人も認めていくことだと思います。
多様性のある社会を実現するために大切なのは、自分とは価値観や生き方が異なる人をたとえ理解できなくとも、その人を受け入れられるようになること。とはいえ、これは理想だから、まずは自分を好きになることですね。
自分の性的指向※を打ち明けてもいいし、無理して打ち明けなくてもいい。他人や環境のせいにするのでなく、自分がどう生きていくかが大切じゃないかな。そのためには、「自分を守ること、愛することを忘れないで」と伝えたいです。
僕は中学生の頃は本当の自分を隠していたけれど、高校生になって自分を肯定してから、上京する勇気が出て、天職に巡り合えて、一生の友達もでき、運命の人にも出会えた。こうして人生を切りひらいたように、自分が大好きというだけで夢を叶える力が湧き起こるのです。

――人はそれぞれ自分の色を持っている
自分が好き、つまり自己肯定感を高めるには、自分の居心地の良い環境に身を置くことがいいかもしれません。しかし、環境まで変えるのがなかなか難しいようであれば、今はSNSという手段もあるので、好きなことを発信して自分を認めてもらえる居場所を作ってみてはどうでしょうか。
それに、ネガティブな思考はポジティブに変えることもできるんですよ。自分を責める人がいるけれど、何があっても通過点だと思って、自分を認めて受け入れる。自分に自信がないのは、他人と比べているだけ。人それぞれ自分の色を持っているのに、他人と比べても仕方ないですよね。「人は人、自分は自分」。自分を認めて自分らしく生きている人が増えることが、平和な社会になる一番の近道。だから皆さん、自分の色で前を向いて生きていきましょう!
※「すき」の性別。詳しくは4ページ。


 

これが自分らしいポイント

――「ジェンダーレス男子」と呼ばれても…
「僕自身はどう呼ばれてもいい。りゅうちぇるはりゅうちぇるだから」。「ジェンダー」など性区別を表す言葉が使われるのは問題を認識するため仕方がないと理解を示す一方で、言葉を使わなくても分かり合える社会を望んでいる。

――可愛いものやメイクが好き
幼少の頃からバービー人形で遊ぶのが好きだった。ファッションは80~90年代アメリカ風が好みで「誰ともかぶらない」のがモットー。その姿にマッチする顔にしたくてメイクを始めたそう。

――自分らしく輝けるメッセージを込めて
近年では音楽活動に力を入れ、作詞も手がける。歌に込めた想いは「自分を愛すること」。そんなメッセージに勇気付けられるファンも多い。

――恋愛・結婚も自分流
男の子だけど可愛いものが好きで、恋愛対象は女の子だから「分かりづらい」と思われて悩んだことも。ぺこさんとの運命的な出会いで、お互いを深め合う恋愛に目覚め、21歳で結婚。周囲から早すぎると言われても気にしなかった。

――育児するのは当たり前
現在、息子さんは2歳。親として育児するのは当然のことだと言う。パパとママの役割分担はなく、「僕にできないのは母乳を出すことだけ。あとは何でもできますよ」。育児セラピスト1級の資格を持ち、子どもの自己肯定感を育むことに重きを置く。

 

Profile プロフィール
1995年9月29日、沖縄生まれ。「普通」の男の子像からはみ出している自分に、生きづらさを感じていた学生時代。その状況を変えたいという気持ちからTwitterを始め、偽りない自分を発信し始める。高校卒業後、どんな個性も受けとめてくれる街「原宿」に上京し、ありのままの自分を表現していくことを決意。
オリジナリティあふれるファッションセンスで、ショップ店員をするかたわら読者モデルとして活躍。その後、テレビのバラエティ番組出演をきっかけに、奔放なキャラクターで全国区のタレントとなる。
討論番組へ出演した際に、自分の意見への共感が励みとなり、それ以来メッセージを詞にして書き溜めるように。
そして2018年、その想いをより広く伝えるために音楽活動を本格始動。2月14日にデビューシングル「Hands up!! If you’re Awesome」をVirgin Musicより配信リリース。「自分の色を取り戻そう」というメッセージのもと、進化を遂げ続ける。


 

SOS!相談はこちら
 LGBT当事者であることや、性別への違和感について誰にも話せないでいる、そのために不安があるなどセクシャリティに関わる悩み、困りごとについてお聞きしています。
「よりそいホットライン社会的包摂サポートセンター」 0120-279-338(24時間 365日受付)

 

プレゼント
サイン入り色紙を差し上げます!
りゅうちぇるさんのサイン入り色紙を3名様にプレゼントします。
どしどし御応募ください!

応募方法  以下のいずれかの方法で御応募ください。
(1)ハガキに郵便番号・住所・氏名・年齢・電話番号を記入のうえ、以下の宛先に郵送
(2)京都市共生社会推進室公式ツイッター「Live Together」(@kyosei_kyoto)をフォローし、ハッシュタグ「#きょうCOLOR」を付けてツイート
※当選された場合はダイレクトメッセージにより、必要事項を確認します。
※いずれも必ず本誌への御意見・御感想をお書きください。
締切 3月1日(月曜)(当日消印有効)
宛先 〒604-8571(住所不要)
京都市共生社会推進室「きょう☆COLOR」Vol.13プレゼント係
★抽選結果の発表は発送をもって代えさせていただきます。

 

京都市共生社会推進室公式ツイッター
「Live Together」
@kyosei_kyoto外部サイトへリンクします
是非フォローしてください!

性の多様性ってなに?

「LGBTってよく聞くけど、周りにはいないよ?」
本当にそうでしょうか? 性のあり方は人それぞれ。
皆さん一緒に考えてみましょう。

 

――性を表す4つの指標~性のあり方はグラデーション~
性自認
 「こころ」の性別。自分が認識している性別のこと。
身体の性 「からだ」の性別。生まれた時に性器の形で判別されることが多い。
性的指向 「すき」の性別。恋愛感情や情緒的・性的な関心が自分の性別から見てどの性別に向かっているかを示す。
性表現 「らしさ」の性別。服装やふるまいなど、周囲の人から見た性別の特徴を指す。

 

性のあり方はいろいろ

Lesbian(レズビアン)
同性を好きになる女性
Gay(ゲイ)
同性を好きになる男性
Bisexual(バイセクシャル)
同性も異性も好きになる人
Transgender(トランスジェンダー)
割り当てられた性別とは違う性別で生活をしている人
LGBTとは、Lesbian、Gay、Bisexual、Transgenderの頭文字を取った言葉で、性的少数者の総称のひとつです。

――他にはこんな性が…
 
ヘテロセクシャル(異性愛者)、クエスチョニング(性自認や性的指向が定まっていない人)、Xジェンダー(男女どちらにも当てはまらない人)などがあります。
 また、LGBTに対して、SOGI(ソジ)という、性的指向(Sexual Orientation)と性自認(Gender Identity)の頭文字を取った総称があります。これは、全ての人のセクシャリティ(性のあり方)に関わるLGBTより広い概念であり、SOGIについて考えた時、異性愛も多様な性的指向のうちのひとつです。

――身近な存在
 
民間調査等によると、日本における性的少数者は、人口の3~8%程度といわれています。
 性的少数者は身近な存在なのですが、現在でも「世の中には男性と女性しかおらず、男性は女性に、女性は男性に関心を持つのが“ふつう”であり、それ以外は異常だ」と、性的少数者を差別する人が少なくありません。
 こうした偏見を恐れて、身近な人たちに自身のことを隠している方が多くおられます。あなたの大切な人の中にも、誰にも相談できず、一人で悩んだり、周囲の不用意な言動に傷ついている方がいるかもしれません。

日本における性的少数者の割合
3〜8%

 

こんな場面を見かけたことはありませんか?
case  1

悪意がないのは分かっているけど…
 飲み会で、同僚から「彼氏とかつくらないの?」と声をかけられた。実は同性の恋人がいるんだけどなぁ。同僚に悪気はないんだろうけど、当然のように「彼氏」と言われたことに傷付いてしまう。本当のことを言ったらどんな反応をされるんだろう。

case  2
バレたら僕も…?

 職場にいる、ちょっと仕草が女性らしい男性のことを、周りの人たちが「キモい」とか「ソレっぽい」ってウワサしてる。ソレっぽいってどういう意味?僕がゲイだってこと、バレたらどうなるか…。

 

カミングアウトとアウティング
 本人の了解を得ずに、本人が公にしていない性的指向や性自認を他の人に伝え、広まってしまうことを「アウティング」といいます。アウティングは、重大な人権侵害です。絶対にしてはいけません。
【カミングアウト】 
これまで公にしていなかった自分の性的指向や性自認等を本人が表明すること
【アウティング】 
本人が公にしていないことを他人が暴露すること

 

これからあなたにできること~アライになろう~
■同性同士の仲の良さや、女性らしくない・男性らしくないとされることをからかうのはやめましょう。
■性別を勝手に決めつけたり、詮索したりするのはやめましょう。
■ホモ・レズ・オネエ・オカマなどの表現には、侮辱的なニュアンスを感じる人もいますのでむやみに使わないようにしましょう。
■「付き合っている人」や「パートナー」といった性別を特定しない言い方を心がけましょう。
■性の多様性について、周りの人と知っていることを共有するなどして、理解を深めましょう。
■差別的な言動を見かけたときは、何がおかしいのか伝えてあげましょう。
【アライ】
性的少数者を理解・応援し、共に差別解消を目指す人を指す。英語のAlly(支援者・同盟)が語源。

6色のレインボーカラーは性の多様性を象徴するシンボルカラーとして世界中で使われています。

京都市では、こんなことやっています!

申請書類等における性別記載欄見直し
 性別の記載が必須でないものは記載欄を削除。必要なものであっても、記載欄を空欄にするなどの工夫を施しました。

職員向けハンドブック
 本市職員が率先して性の多様性について理解を深めるとともに、状況に応じて適切な対応ができるように作成し、職場研修で活用しています。

多機能トイレの表示見直し
 市の施設の多機能トイレについて、「外見からは分かりにくい困難を抱えている方」がいることを明示し、多機能トイレを真に必要としている方は誰でも利用しやすいような表示に変更しました。

啓発リーフレット作成
 市民向け啓発リーフレットを作成しています。

市立学校における普及啓発
 教職員向けの研修のほか、性の多様性について授業の中で取り上げたり、保護者向けの啓発資料を配布したりと、教職員・児童・保護者の全員が理解を深められるよう、取り組んでいます。

パートナーシップ宣誓制度
 令和2年9月から、パートナーシップ宣誓制度を開始しました。この制度は、双方又はいずれか一方が性的少数者である二人が、互いを人生のパートナーとして、日常の生活において相互に協力し合うことを市長に宣誓し、市長が受領証等を交付するものです。令和2年10月末時点で、38組の方が宣誓されています。
制度の詳細についてはこちらを御覧ください

シンポジウム・イベント
 令和3年1月に、性の多様性について理解を深めるためのシンポジウムを、(公財)世界人権問題研究センターと共催で実施します。
 また、一ノ瀬文香さん、よしもと芸人と性の多様性について楽しく学ぶイベントも実施します。詳しくは、本誌裏面の案内を御覧ください。

企業向けパンフレット
 令和2年10月に、企業向けの啓発パンフレットを作成しました。市内企業に配布しています。

コミュニティスペース「京都まぁぶるスペース」
 LGBT等の性的少数者の人や、その周囲の人たちが気軽に集まってお話し、交流していただける「居場所」となることを目的としたコミュニティスペースを10月に開催しています。
 自分の性別への違和感や恋愛対象の性別等について、周りに相談できる人がいない方や、性的少数者であることに悩みを抱えている人とどのように付き合っていくか悩んでいる方等、どなたでもお気軽に御参加ください。
 次の開催は12月6日(日曜)です。詳しくは京都市情報館を御覧ください。

我ら,企業市民

株式会社ヤマモトホールディングス

積極的な高齢者・障害者雇用により誰もが活躍できる職場づくりを推進する

廃棄物の収集や処理、リサイクルなどを通して京都の美観を守り続けてきた株式会社ヤマモトホールディングス。同社は2019年にSDGs宣言を発表しましたが、環境のための活動、子どものスポーツ育成支援、そして高齢者・障害者の雇用促進という取組は、創業以来の企業精神に根付いた、永遠のテーマです。
その意義や目標について、同社環境福祉室の立ち上げメンバーであり、現社長室長の銭本 護さんにお話を伺いました。

 

――SDGs宣言と様々な社会貢献活動
 株式会社ヤマモトホールディングスは廃棄物収集、廃棄物処理、一般・産業廃棄物コンサルティング、リサイクルなどの6事業から成る企業体で、1949年の創業以来、京都のまちの衛生と清潔を支えてきました。
 同社は2019年2月にグループ会社全体でSDGsを推進することを宣言。これまで培ってきたノウハウをいかし、従来からの企業精神をベースとした取組を進めています。
 活動の一環として特にユニークなのは、「京都みつばちプロジェクト」。これは同社が2016年から取り組んでいる都市型養蜂事業で、グループ会社のオフィスが入る烏丸六条ビルの屋上で、西洋ミツバチを飼育するというもの。このミツバチたちが集めたハチミツの成分を分析することで、京都市内の自然環境が重金属などに侵されていないかを確認できます。
 また、小学校などに社員が出向き、子どもたちに環境問題やリサイクルについての啓発を行う「出前環境学習」を実施。加えて、同社の産業廃棄物中間処理施設には見学者用廊下を設置し、子どもたちや海外からの視察団体を招き、リサイクルの現場を公開しています。
 さらに同社は、スポーツ育成支援として少年ラグビーや少年野球の活動支援、少年空手大会の協賛も手掛けています。「一生懸命頑張る子どもたちに活動の場を提供したい」という経営者の思いが、こうした活動を支えているのです。

――高齢者・障害者雇用は企業が受け継いできた精神
 同社のSDGsの取組の中で、企業精神を最も顕著に表しているのが、高齢者や障害者の雇用です。
 「SDGs宣言のずっと前から、高齢者や障害者を積極的に雇用することは当社のマインドにかなったものでした」と銭本さん。
 同社の創業者である山本武雄氏は、シベリア抑留からの復員後、大変な苦労を重ねながらリアカーひとつで事業を立ち上げました。「常に弱い立場の人々を忘れないこと。自分たちも同じく弱い存在なのだから」というその信念は受け継がれ、同社の高齢者・障害者雇用の歴史は、昭和40年代後半の高度経済成長期にまで遡ります。そして、2014年に環境福祉室を設置し、本格的に高齢者・障害者雇用が進められました。
 そんな同社がポリシーとしているのは、特例として認められている最低賃金の減額制度による雇用を行わないこと。「私たちは従業員一人ひとりの働きに対して相応の対価を払うことを重視しています。ただ高齢者・障害者の雇用の『数』を増やせばいいというものではありません。しっかり、精一杯働いてくれる、という働きの『質』にこだわった採用を行っています。たとえ若者や健常者の7割から8割しか仕事をこなせないとしても、それがその人の精一杯なら十分なんです。そこを評価していきたいですね」。
 事実、自分の仕事を一生懸命にこなす高齢者・障害者の姿は、全ての従業員にとても良い刺激を与えているといいます。

――大切なのはハードよりむしろ心のバリアフリー
 古着のリサイクルを担う京丹波ウエス営業所を立ち上げた際にも、目指したのは障害者雇用の割合を増やすことだったそうです。「挑戦して良かったと思っています。拠点の従業者を受け入れていただくために、地域の人々ともたくさん交流の機会を持つことができ、事業が軌道に乗ったときのやりがいも大きかったので…」と満足そうに語る銭本さん。障害のある人々が健常者と共に真摯に働く姿を、もっと広く社会に知ってもらうことが重要だと話します。
 「苦しい立場に置かれている人々が存在し、生活のために必死に頑張っているということを、みんな忘れないでほしい。誰でも年をとるし、体に障害を抱えることもあり得ます。いつも弱い人たちのことを自分の身に置き換えて、他者を思いやれる社会になってほしいと思います」。
 もちろん同社には、高齢者や障害者の従業員の働きやすさを考慮したバリアフリー設備があります。しかし、そういったハード面よりも重要なのは、「心のバリアフリー」だと銭本さんは語ります。「一人ひとりが、共に働く仲間としてお互いを気遣い合い、声を掛け合うことが大切です。高齢であるか、障害があるかないかは関係なく、誰もがそういうことを意識しないで働くことのできる職場づくりが、大切なのではないでしょうか」。
 働くことは、その人が自分らしく生きるための大切な手段です。年齢も障害も超えて、誰もが活躍できる雇用の場を、これからも同社は提供していくと銭本さんは力強く話してくれました。

※SDGs(エスディージーズ/Sustainable Development Goalsの略称)とは、2015年9月の国連において、気候変動、自然災害、生物多様性、紛争、格差の是正などの国内外の課題の解決に向けて掲げられた国際目標(17の目標と169のターゲット)です。
※本誌9ページも御参照ください。

 

社員の声
処理課
藤原(ふじわら) 賢二(けんじ) さん

――「自分らしく働く」ことを決して諦めない
 定年後、当社に就職してかれこれ12年。現在、収集された廃棄物の分別を担当しています。かつて財団法人で繊維の検査を行っていたので、そのときに培った審査の感覚が今の仕事に生きていますね。
 職場は若い人も私のような高齢者も、そして障害のある人も気軽に話し合える雰囲気ですよ。聴覚障害のある若者とは、LINEを利用しながらコミュニケーションを取っています。誰もが仲間の一人として認め合っているので、とても居心地がいいですね。
 皆さんに伝えたいのは、年老いたから、障害があるからといって、自分らしく働くことを諦めないでほしい、ということ。無理をせず、長く働き続ければ、きっと生きがいが見えてくるはずです。

SDGs時代の経営戦略 ~社会と企業の持続可能性のために~

影山 摩子弥(横浜市立大学都市社会文化研究科教授)

 

1 社会性戦略が重要
 社会性戦略とは、環境保全や子育て支援、職場でのLGBT支援など社会課題への取組が、顧客の評価や売上、コスト削減、社員のモチベ―ションなど、企業にもメリットをもたらす場合を言います。現代においては、社会性戦略の展開が企業の経営継続のカギになっています。
 なぜなら、人々の様々な事情やニーズを背景とした複雑な社会課題に、政府だけで対応することは困難です。そこで、NPOの活動に期待が寄せられますが、社会課題は複雑多岐にわたります。そこで、社会の一員である企業に期待が寄せられ、多くの事例が示すように、期待に応える企業が社会に支えられることになるのです。
 このように、社会課題への取組など、社会の期待に応えることが企業の存続につながるという観点がCSR(企業の社会的責任)です。近年注目されているSDGs(持続可能な開発目標)はCSRの一環です。

2 社会性戦略としてのSDGs
 
SDGsは、世界が達成すべき「社会課題の解決目標」です。2015年に国連で採択されました。
SDGsは企業からも注目されています。なぜなら、グローバル企業は、自社が関わる様々な国や地域の社会課題のすべてに取り組むことは不可能です。しかし、SDGsに取り組んでいれば、世界で最も重要な課題に取り組んでいると説明できます。中小企業も取組をアピールできますし、顧客企業の取組要求(サプライチェーンマネジメント)に対応することができます。
 さらに、企業にとって新たなビジネス、電力コストの削減、様々な企業や団体との連携などにつながる可能性もあります。構える必要はありません。どの企業のCSRもSDGsである可能性があります。
 ただ、取組には注意が必要です。SDGsは17の目標の下に、ターゲットと呼ばれる169の下位目標があります。SDGsに取り組んでいると言うためには、ターゲットに貢献していなければなりません。たとえば、職場でのLGBT支援や障がい者雇用は、12に分かれている、目標8「働きがいも経済成長も」のターゲットの5番目(ターゲット8・5)への貢献になります。

3 CSR/SDGsの経営戦略化のポイント
 
CSRもその一環としてのSDGsも現代の不可欠な経営戦略です。効果的な取組のためには、自社が社会のどのような期待に応えられるかをいつも考えていることが大事です。
 2020年4月に日経BPコンサルティングが実施した調査結果によると、新型コロナを背景に、高く評価された企業についての評価理由を見ると、「他社に先行したマスク製造」「外出自粛に対応した全社休業」「医療支援」などが挙げられています[1] 。社会の大きな課題を前に、社会のニーズを敏感に感じ取り対応することが評価につながっています。
 ただ、取組は、大きな事でなくとも、身の丈に合っていることが大事です。
 また、取組が自社にとって意味があるかどうかの確認(自己評価)も必要です。いくら社会的意義があると言っても、自社にとって意味がないことを継続することは難しいからです。
 言い方を変えれば、社会がよい企業を支えることが必要です。

[1]https://consult.nikkeibp.co.jp/ccl/atcl/20200527_1/外部サイトへリンクします(2020年9月10日参照)

 

プロフィール
2005年の大学法人化までは、比較経済体制論および経済原論を担当していましたが、法人化後、起業マインドを持った学生を育てる部門に張り付いたため、会社を作るとともにCSRに研究の軸をシフトしました。現在、地域や業界のCSRの認定制度を作ったり、国内外の企業・行政を対象としたセミナーを行ったりで飛び回っています。

 

SDGsに取り組む京都市の企業については7、8ページを御覧ください。

令和2年6月1日から、パワーハラスメント防止措置が事業主の義務※になりました!

※中小事業主は、令和4年4月1日から義務化されます(それまでは努力義務)。早めの対応をお願いします!


職場におけるパワーハラスメントとは、職場において行われる
(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるもの
であり、(1)~(3)までの要素を全て満たすものをいいます。
※客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、該当しません。

職場におけるパワーハラスメント防止のために講ずべき措置とは
以下の(1)から(10)までを必ず講じなければなりません。

事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
(1)職場におけるパワハラの内容・パワハラを行ってはならない旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発すること
(2)行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、労働者に周知・啓発すること

相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
(3)相談窓口をあらかじめ定め、労働者に周知すること
(4)相談窓口担当者が、相談内容や状況に応じ、適切に対応できるようにすること

職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
(5)事実関係を迅速かつ正確に確認すること
(6)速やかに被害者に対する配慮のための措置を適正に行うこと(注1)   
(7)事実関係の確認後、行為者に対する措置を適正に行うこと(注1)
(8)再発防止に向けた措置を講ずること(注2)
注1…事実確認ができた場合 注2…事実確認ができなかった場合も同様

そのほか併せて講ずべき措置
(9)相談者・行為者等のプライバシー(注3)を保護するために必要な措置を講じ、その旨労働者に周知すること
注3…性的指向・性自認や病歴、不妊治療等の機微な個人情報も含む。(性的指向・性自認については4ページを御覧ください。)
(10)相談したこと等を理由として、解雇その他不利益取り扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発すること


ポータルサイト「あかるい職場応援団」で職場におけるハラスメントに関する情報(規定例等各種資料、研修動画等)を発信していますので御活用ください。  
 「あかるい職場応援団 HP」で検索
 
お問合せ先
京都労働局雇用環境・均等室 075-241-0504
 

毎年12月10日から16日までは、 「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」です。

 拉致問題は、我が国の喫緊の国民的課題であり、この解決を始めとする北朝鮮当局による人権侵害問題への対処が、国際社会を挙げて取り組むべき課題とされる中、この問題についての関心と認識を深めましょう。

「取り戻す」ためのシンボル ブルーリボン
 拉致被害者の救出を求める国民運動は、ブルーリボンと青色を運動のシンボルにしています。
 青色は、被害者の祖国日本と北朝鮮を隔てる「日本海の青」を、また、被害者と御家族を唯一結んでいる「青い空」をイメージしています。

見て・知って人権 京の学生が行く

このコーナーでは、京都で学ばれている学生の皆さんなどに、取材や誌面作りに参加いただき、毎号、京都市の人権関連施設を1箇所ずつ紹介していきます。

第13回 京都市ひとり親家庭支援センター “ゆめあす”

ゆめあす併設の葵児童館でお手伝いしている私たちが紹介します!
龍谷大学4回生伊藤(いとう) 奏(かなで)さん
同志社大学3回生中川(なかがわ) 敬介(けいすけ)さん
京都女子大学3回生東村(ひがしむら) 有沙(ありさ)さん

 

――ゆめあすではどんな支援が行われていますか?
ゆめあすは左京区の「北山ふれあいセンター」内において「葵児童館」と連携を図りながら、ひとり親家庭からの相談対応や交流事業、自立に向けた支援事業に取り組んでいます。
ひとり親家庭は子育てと生計の維持を一人で担うため、仕事と子育ての両立が難しく、経済的な厳しさや育児・家事の負担等により、課題を抱えやすい傾向にあります。
そんな中、ゆめあすはひとり親家庭に対して「経済的安定の実現」「家庭生活における安心」「社会的・精神的孤立の防止」という3つのテーマに基づき、支援を行ってきました。
就労支援としては、技術・資格を身に着けるため、パソコンや簿記、介護などの各種セミナー・講座を開催。パソコン講座修了者には京都市からの修了証明書が発行され、就職の際の強みとなります。また、ハローワーク担当者を招いての「ゆめあすハローワーク巡回相談」も毎週開催しています。
生活に関する各種相談にも専門の相談員が対応。就職や将来の不安、子育てに関する相談はもちろん、離婚や慰謝料、子どもとの面会交流、養育費などについての相談にも対応しています。また、女性弁護士による法律相談も実施しています。
小学生以上のお子さま同伴の場合も併設の葵児童館(日曜・祝日休館)の自由来館制度を利用できます。

――イベントなどの取組内容や成果を教えてください。
お母さんたちが子ども連れで参加でき、様々なテーマで気軽に話し合える「mama*cafe(ママ・カフェ)」や、子どもたちと共に参加できる交流イベント、生活に役立つセミナー、遠足やバーベキューなどの外出イベントも積極的に開催し、社会的に孤立しがちなひとり親家庭同士の交流を活性化させています。
このほか、室町時代創業の老舗「千總」様から寄贈いただいた着物を、七五三や卒業式、成人式の際に貸し出すといった京都らしいサービスも提供中です。
近年、ゆめあすの就職準備セミナーには、かつて受講者だったお母さんが自立し、キャリアアップを重ねて講師として訪れてくれる、といった嬉しい循環が生まれています。
今後はさらに広報活動を活発に展開し、ひとりで子どもを育てることになった方々が、少しでも早い段階からゆめあすを利用できるよう取り組んでいきたいと思います。また、父子家庭への支援体制の充実も、今後の課題となっています。

――市民の皆さんにメッセージをお願いします。
ひとり親として子どもを育てることは、自分や身近な人の誰にでも起こり得ること。市民の皆さまには、ひとり親家庭のことを身近な存在として考え、私たちの活動を支え、見守ってくださることを期待しています。

お話を伺った方
京都市ひとり親家庭支援センター “ゆめあす”
センター長 横内(よこうち) 美佐子(みさこ) さん 〈左〉
主任相談員 係長 鈴木(すずき) 多賀子(たかこ) さん 〈右〉

 

相談室
生活相談や女性弁護士による法律相談など、個別の相談に対応するため、プライバシーに配慮しています。ミシンも置いてあり、入学・入園グッズを作るイベントなども行っています。

ゆったりと相談できるスペースが設けられています。大きな窓のある、静かな環境で、相談者がリラックスできる空間づくりが素敵ですね。

技能習得室
パソコンとプロジェクターなどを完備。パソコン講座や各種セミナーなどが開かれています。就業相談と併せて、パソコンによる職務経歴書の作成も可能です。

パソコン講座は、初めての方でも気軽に習得できる雰囲気。様々な資格の本が置いてあるので、就職に役立つ資格を調べるのに便利ですね。

和室
子どもを連れたお母さんたちが集まりお茶菓子を味わいながら時間を過ごす「mama*cafe(ママ・カフェ)」はここで開催。落ち着いて話せるので、この部屋で相談をお受けすることもあります。講座やセミナー開催時には保育室として機能します。

温かみのある和室に子どもを預けられるから、安心して技能を習得したり、気軽に相談したりすることができます。mama*cafe(ママ・カフェ)も楽しそうですね。

※ゆめあすでは新型コロナウイルス感染拡大防止対策を実施しています。

 

●ゆめあすのLINEができました!
イベントや催し、セミナーなどのお知らせを発信します。

●ゆめあす通信
ゆめあすの広報誌として年4回発行。セミナーや講座、イベントの告知はもちろん、管理栄養士による料理記事やペットのコラムなど情報が満載です。

 

施設情報
■所在地
〒606-0846 京都市左京区下鴨北野々神町26番地北山ふれあいセンター内
TEL:075-708-7750 FAX:075-708-7833
■ホームページ
https://yumeasu.com/外部サイトへリンクします
■開館時間
10:00~18:00
■休館日
火曜日・祝日・年末年始
■交通案内
市バス・京都バス:「野々神町」バス停下車すぐ
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感染者や医療従事者への差別をしないために

松波めぐみ(龍谷大学非常勤講師/(公財)世界人権問題研究センター登録研究員

新型コロナウイルスの感染拡大により、多くの人が不安とストレスを感じる中で起こった大変残念な現象が、感染者等への差別や誹謗中傷です。どうしてこんなことが起こるのでしょうか。


感染者への誹謗中傷と、底にある不安
 
2020年2月頃から、海外で猛威を振るう新型コロナが日々報道されるようになり、市民は大きな不安に包まれました。各地で感染者が出た際、感染源になった人の行動(例えば卒業旅行で海外に行った、帰国後どこに行ったか等)が細かく報じられたことにより、感染した人を責めるような雰囲気が生まれてしまいました。感染者の行動が公表されたのは、あくまでも近くで接触した人に注意を促すためでしたが、実際はそれを超えて「感染者はどこの誰か」を知りたがる人が増え、インターネット上でも誹謗中傷が起きました。
 ほとんどの市民が「自分は絶対に感染したくない」と思い、マスクや手洗い等の予防に取り組むようになりました。それ自体は大切なことです。しかし、「もし感染したら」という強い不安から、感染した人やその家族を徹底的に遠ざけ、「感染しているかも」と思われる医療従事者も拒絶するようになっていきます。不安や恐れは、相手の立場を想像するゆとりを奪っていきました。

感染者や医療従事者への差別は許されない
 
望んで病気になる人はいないし、「どんなに気をつけていても、感染することがあり得る」という事実をまず理解する必要があります。
 感染者への差別は、ただでさえ病気と闘っている人を傷つけ、生きづらくします。心ない噂に苦しんだり、職場復帰を断念した人もいます。感染した人が安心して療養し、元の生活に戻れるように気遣い、プライバシーを守りましょう。
 医療従事者は、まさに必要不可欠な仕事をしている人たちです。感染予防の知識を持って仕事や生活をしているのに、「自分たちにうつすかもしれない」との感情から、医療従事者やその家族を差別することは、許されないことです。

ウイルスを避ける行動と、人への差別は分けられる
 感染者や医療従事者への差別が起こっているのは、それが一見「感染予防のため」と誤解するからではないかと思います。ウイルスは目に見えません。ウイルスを避けるためには、感染者(その可能性がある人)を遠ざけて「うつされない」ようにするのが一番だ、と思いやすいのでしょう。
 新型コロナウイルスを避けるためには、「目・鼻・口を触る前に手を洗う」「会話する時はマスクをする」等の具体的予防策が知られてきました。こうしたウイルスを避ける行動は、漠然と「人」にレッテルを貼って(「この人は病院勤務だ」「この人の学校で感染者が出た」等の理由で)差別することと、はっきり分けることができます。正確な知識をもって、「人」を差別せずに感染予防の行動をとっていくことが大切なのです。そして、もし「誰々はコロナらしい」等の噂を耳にしたら、「そんなことを言うのはやめよう」と言って、差別を断ち切っていきましょう。

 


プロフィール
専攻は人権教育と障害学。2010年から京都市南区で、地域で暮らす重度障害者の介助に携わりながら、非常勤講師、及び障害者差別解消法等について研修を行っています。

 

新型コロナウイルス感染症に関する不当な差別や偏見、いじめなどを受けた場合の相談窓口

法務省の人権相談窓口

みんなの人権110番 全国共通人権相談ダイヤル 0570–003–110 (平日午前8時30分から午後5時15分まで)
子どもの人権110番 0120–007–110 (平日午前8時30分から午後5時15分まで)
外国語人権相談ダイヤル 0570–090–911 (平日午前9時00分から午後5時00分まで)

京都市では、面談による人権相談(人権擁護委員による特設人権相談)を実施しています。
詳細は以下のURLを御覧ください。
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000234985.html

「新しい生活スタイル」に関する障害のある方への配慮について

「新しい生活スタイル」に関する障害のある方への配慮について
 新型コロナウイルス感染症の拡大を予防するため、「新しい生活スタイル」の普及を促進していますが、障害のある方の中には、感染防止を心掛けながらも、マスクの着用など「新しい生活スタイル」の実践が難しい場合や、実践することによって新たな支障が生じている場合があります。

 障害の特性や、障害があるがゆえに困っておられることについて、まずは知っていただき、そして、あたたかな声掛けや配慮によって、ウィズコロナの社会でも、誰もが安心して生活できるまちを作っていきましょう。

 

例えば次のようなことで困っています…

感染防止対策
感覚過敏や手が不自由など障害の特性によってマスクが着けられない
障害特性を御理解いただき、手洗い、消毒、飛沫防止シートの活用など、総合的な感染防止対策を!

お店や店舗窓口などで
マスクで口の動きが見えないと相手の話していることが分からない(聴覚障害)
筆談や指差しで意思を伝えられる図版(コミュニケーション支援ボード)などの活用を!

接触確認アプリ・キャッシュレス決済
QRコードの掲示位置やスマートフォンをかざす場所が分からない(視覚障害)
声掛けやサポートを!

オンライン申請・インターネット注文
インターネットを使えない
対面や電話・FAXでの対応などの配慮を!
システム構築の際は、視覚障害のある方のアクセシビリティにも御配慮を。

働く場で
オンライン会議では他の人の発言内容が分からない、会議についていけない(聴覚障害)
音声を文字化したり、必要に応じてチャット機能を併用するなどの工夫を!

※その他にも様々な事例を京都市情報館で紹介していますので、ぜひ御覧ください。
「新しい生活スタイル 障害理解」 で検索

 

ヘルプマークは援助が必要な方のためのマークです。
 難病や内部障害の方、義足や人工関節を使用している方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としていることが外見からは分からない方がいます。
 このマークを見かけたら、電車内で席をゆずる、困っているようであれば声を掛けるなど、おもいやりのある行動をお願いします。

コロナ禍におけるDV(ドメスティック・バイオレンス)について

 DVとは、「配偶者(事実婚・元配偶者を含む。)や恋人など親密な関係のなかで起こる暴力」のことです。
 コロナ禍においては、生活不安やストレス等によるDV被害の増加や深刻化が懸念されています。現状について、京都市DV相談支援センター(以下「市DVセンター」という。)相談員に聞きました。

コロナ禍でDV相談は増えましたか?
令和2年度上半期は昨年度と比較して20%の増加となっています。4、5月は特に、特別定額給付金事業に関する証明発行の希望が多く、これまで市DVセンターの存在を知らなかった被害者の方が多くいらっしゃることが分かりました。

今日はどんな相談に応じましたか?
被害者の方が必要とする手続に関する区役所への連絡や、弁護士相談の御案内、保護命令関係手続のための裁判所への同行支援を行いました。

市DVセンターは誰からの相談を受け付けていますか?
女性被害者からの相談を受け付けています。男性対象のDV相談窓口として、ウィングス京都の「男性のためのDV電話相談」があります。

DVをはじめとする相談窓口等
京都市DV相談支援センター(女性被害者専用)
075-874-4971(月曜〜土曜9:00〜17:15)
男性のためのDV電話相談
075-277-1326(第2・4火曜19:00〜20:30)
お気軽に御相談ください。同性の相談員が、あなたからの電話を待っています。

市DVセンター相談室
(お子様と一緒に来所いただけます。)

≪お知らせ≫

講座開催の御案内

令和2年度  企業向け人権啓発講座
※延期又は中止と判断する場合があります。
※対象は、京都市内企業等の経営者、人事・総務責任者、人権研修担当者等です。
参加費無料

講演 京都から、人権を考える~同和問題の視点から~
●日時 令和2年12月22日(火曜)午後2時~午後4時
●会場 京都市男女共同参画センター ウィングス京都 セミナー室(中京区東洞院通六角下る御射山町262) 
●定員 60名(先着順)
●講師 山本 崇記 氏(静岡大学人文社会科学部 准教授)

講演 障害者差別解消法の見直しについて~法施行5年目 障害者を取り巻く状況と新たな課題~
●日時 令和3年1月14日(木曜)午後2時~午後4時30分
●会場 キャンパスプラザ京都 第1講義室(5階)(下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939) 
●定員 100名(先着順)
●基調講演「障害者差別解消法の見直しについて」 
 野澤 和弘 氏(植草学園大学 副学長・一般社団法人スローコミュニケーション代表・障害者政策委員会 委員)
●パネルディスカッション
 パネリスト:瀨戸野 喜雄 氏(京都府障害者支援課(広域専門相談員))
 宮本 研二 氏(京都人権擁護委員協議会 高齢者・障がい者の人権擁護委員会委員長)
 村田 惠子 氏(京都頸髄損傷者連絡会会長 DPI女性障害者ネットワークメンバー)
 コーディネーター:野澤 和弘 氏

活動報告及び公演 第26回ふしみ人権の集い 〜人権文化のまちをひとりひとりの心から〜
●日時  令和3年2月20日(土曜)午後1時~午後4時
●会場  京都市呉竹文化センター ホール(伏見区京町南七丁目35番地1)
●第1部 人権の集いからのメッセージ
●第2部 記念公演 『エイサーに思いこめて 沖縄の文化をつなぐ』
         出   演 大正沖縄子どもエイサー団の皆さん 

<申込方法>
ホームページ「京都市情報館」トップページ(https://www.city.kyoto.lg.jp/)から画面上部「暮らしの情報」→画面右下部「人権」→「企業啓発」→「企業向け人権啓発講座」を御覧ください。
申込書(開催案内の一部)に必要事項を記入のうえ、FAX(075-366-0139)でお送りいただくか、電子メール([email protected])に必要事項を記載して送信してください。申込書のダウンロード、詳細についてはホームページを御覧ください。(https://www.city.kyoto.lg.jp/menu1/category/19-4-2-0-0-0-0-0-0-0.html

 

ヒューマンステージ・イン・キョウト2021
個性を知るというコト
一ノ瀬文香とよしもと芸人による人権トークライブ
参加無料

日時:令和3年1月30日(土曜) 午後2時~午後4時(開場は午後1時)
会場:ロームシアター京都サウスホール(左京区岡崎最勝寺町13)
定員:300人【申込多数の場合は抽選】
対象:京都市内在住又は通勤・通学している方
<申込期間> 令和2年12月1日(火曜)~31日(木曜)
<申込方法> 京都いつでもコール(年中無休、受付時間:午前8時~午後9時)
         ●電話 075-661-3755 お掛け間違いに御注意ください。
         ●FAX  075-661-5855 
         ●電子メール(送信フォームによる申込み)
         パソコン : https://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000012821.html
         携帯電話 : http://www.city.kyoto.lg.jp/mobile/main/page/0000180068.html
※住所、氏名(フリガナ)、電話番号、同伴者数(1名まで)を明記してお申込みください。 
※託児(1歳以上就学前、人数と年齢も明記)、車椅子席、手話通訳、要約筆記、ヒアリングループ席を希望される場合、その旨をお申出ください。 
※御来場は公共交通機関を御利用ください。 
※入場券は1月中旬に当選者のみに発送します。 
※新型コロナウイルス感染拡大の状況により、オンライン配信に変更することがあります。

オンラインでの参加者も募集しています。【要事前申込み、定員200人】
詳しくはこちらを御確認ください!
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000276469.html

 

シンポジウム
性の多様性について考えよう!~自分らしさ 認め合う~
素敵な演奏をお楽しみください!

オープニング:Yo-Yo-Juによる弦楽三重奏
基調講演:風間 孝 氏(中京大学教養教育研究院 教授)
パネルディスカッション:ジュビレーヌ・イデアラ 氏(京都市交響楽団 コントラバス奏者)
               村木 真紀 氏(NPO法人虹色ダイバーシティ代表)
               山田 創平 氏(京都精華大学人文学部 教授)
               村上 圭子(京都市副市長)
日時:令和3年1月25日(月曜)午後1時30分~午後4時30分(開場は1時)
会場:京都市男女共同参画センター ウィングス京都 イベントホール(中京区東洞院通六角下る御射山町262)
定員:140人

<申込期間>令和2年11月17日(火曜)~令和3年1月18日(月曜)【先着順】
<申込方法>(公財)世界人権問題研究センターにて受付(月曜~金曜、受付時間:午前9時~午後5時)
●電話 075-231-2600
お掛け間違いに御注意ください。
●FAX  075-231-2750 
●電子メール [email protected]
※住所、氏名(フリガナ)、電話番号を明記してお申込みください。
※手話通訳、要約筆記、親子席、車椅子席、ヒアリングループを希望される場合、その旨をお申出ください。
※企業向け人権啓発講座として受講される方は、本ページ上部の申込方法で、お申込みください。

 

編集後記
 今年は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行や人種差別に対する抗議運動等により、様々な不安やお互いの違いから生じる差別や偏見などの人々の間の分断が浮き彫りになる出来事が多かったように感じます。
 一方で、オンラインを活用した働き方や交流が一気に進み、人と人との距離が急速に縮まる等、必ずしも悪いことばかりではありませんでした。
 様々な出来事に否応なく振り回されることもありますが、今のこの状況が、今後、分断ではなく、互いの違いを認め合う、共に生きる社会へとつながっていくことを願っています。

 

 

<法務省委託事業>
人権総合情報誌 きょう☆COLOR vol.13 (発行 令和2年11月)
発行:京都市 文化市民局 共生社会推進室
☎075-366-0322 FAX075-366-0139
〒604-8101 京都市中京区柳馬場通御池下る柳八幡町65 京都朝日ビル8階
URL https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/soshiki/6-2-3-0-0.html
この冊子はホームページでも御覧いただけます。また、区役所・支所、
市役所案内所などで配布しています。

京都市は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

この印刷物が不要になれば「雑がみ」として古紙回収等へ!


京都市印刷物第023125号

お問い合わせ先

京都市 文化市民局共生社会推進室人権文化推進担当

電話:075-222-3096

ファックス:075-366-0139

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