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平成19年度第1回京都市政策評価委員会摘録

ページ番号36286

2011年11月22日

平成19年度第1回京都市政策評価委員会摘録

日時  平成19年10月26日(金曜)午前10時~正午

場所  京都ロイヤルホテル&スパ 「祥雲の間」

1 開会

2 総合企画局長あいさつ

3 本市職員紹介  

4 議事

(1)      平成19年度のスケジュール等について

【新川委員長】

 それでは議事(1)に入る。平成19年度のスケジュール等について,事務局から説明願う。

【事務局】

 資料1(京都市政策評価委員会について)により説明

【新川委員長】

 従前「評議会」という名称だったが,行政評価条例に位置付けられ,他の評価制度における第三者機関の例も参考に,「政策評価委員会」という名称になった。役割は,従前と変わらない。形式的な部分であり,御了解いただきたい。

 次に,行政評価条例について,事務局から説明願う。

(2)行政評価条例について

【事務局】

 資料2(行政評価条例の概要について)により説明

【新川委員長】

 行政評価条例について,制定の経過と条例の概要を説明いただいた。 早速市民意見もいただいている。行政評価条例に関する御質問・御意見があればお願いする。

【河村委員】

 市民意見の申出についてだが,一人からとはいえ,9件とも非常に良い意見ばかりだ。

 参考資料2-4に記載の市民意見申出制度の「事務の流れ」についてだが,市民意見を受け付けて,「京都市の考え方」を公表するまでの間に,この委員会に報告することになっているが,委員会は年に2回しか開催されない。例えば,3月に意見申出があった場合,次の委員会が開催される(10月頃)まで公表されない。もう少し早く市民に公表できないか。

【事務局】

 内部でも議論したが,政策評価制度は対象が大きな枠組であり,即座に市民生活につながるものではないので,第三者の意見を聞いたうえで公表した方がいいのではないかという結論から,このような方法を選択した。

 事務事業評価についても,1360も事業があり,意見が出るたびに随時対応していって,作業的に大丈夫かという懸念もある。しかしながら,せっかく意見を出していただいた方にとっては,できるだけ早く回答をお知りになりたいというのもよく分かるため,当面は,運用しながら考えていきたい。

【新川委員長】

 意見を出した市民にとっては,その意見がどう取り扱われたのか,関心の深いところである。どう対処すべきか,適正な手順を考えていただきたい。

 当委員会へ諮っていただくことも当然必要であり,市としての正式な手順は提案どおりでいいが,市民に対しても公表の手順を丁寧にお知らせすることも必要である。

 また,内容によっては,緊急度の高いものは市の判断で早急に対処していただき,その場合は当委員会へは事後報告でも仕方ないのではないか。適切に運用してもらいたい。

【山岡委員】

 「実感」という表現に関する意見申出について,「京都市の考え方」の書きぶりを変えたほうがいいのではないか。説明内容自体は適切だが,質問者の考え方と合っていない感じがする。

 例えば,「鴨川は美しいと思うか」という設問は,「市による政策の結果,美しいと思うか」ということ以外に,市政以外の全ての要素を含んで「美しいと思うか」と問うものである。 

 申出のあった意見は「言葉が難しい」ということを言っており,内容まで問うものではないと思う。市民に対しては,「実感」よりも「実際にあなたが感じたこと」というように,できるだけ平易な言葉で説明した方が良い。

【新川委員長】

 質問者の考えは正確には分からないが,「市民生活実感評価」という言い方について, アンケートの中身との間に差があるのかも知れない。評価の仕組みのとらえ方よりも,アンケートの表現に関する工夫を,ということであろうか。

【細田委員】

 市民意見申出制度の周知方法はホームページだけか。

【事務局】

 市民意見申出制度の周知は,ホームページ以外にリーフレットでも行っており,現在,市役所本庁舎,区役所,大学等で配布している。

 一方,「京都市の考え方」の公表は,現在ホームページのみを想定している。即時性はあまりないが,例年9月に公表している政策評価結果の中に記載するなど,紙ベースでの公表も考えていきたい。

【新川委員長】

 「京都市の考え方」の公表について,まずはホームページでしっかり周知し,第2段階として,委員会としてまとめる,19年度の「政策評価制度に関する意見」の中に,意見申出制度の結果を盛り込んでほしい。できればそれを区役所等の窓口に置けないか。

【山岡委員】

 「京都市の考え方」欄の記載は,非常に丁寧に書かれている。今後もできるだけ意見への対応は,丁寧にしてほしい。

【小林委員】

 行政情報が,一番ニーズのある方に届いていないのではないか。高齢者,障害のある方などにも十分周知してほしい。入り口部分での説明が大切である。出前講座などで周知してはどうか。 

【新川委員長】

 政策評価制度だけで市民の思いやニーズを確認することは難しい。他の市民参加の仕組みとも併せて,各部局で対応できるよう,活用していくことが必要である。

 意見申出制度の運用により,これから様々な意見が寄せられると思う。当評価制度になじまない意見であっても,全庁的に対処いただくよう検討願いたい。幅広く意見を受け止める姿勢が必要ではないかと思う。

【木田副委員長】

 「京都市の考え方」欄は,とても丁寧に誠実に対応されており,「努めて参ります」「考えております」という表現も,誠実だと思う。しかし,委員会として「政策評価制度に関する意見」をまとめる際には,市民意見を受けて,具体的にどう改善・反映したのかを記載していただきたい。

【山岡委員】

 その際には,委員の意見も入れてほしい。

【新川委員長】

 各委員の意見は,委員会として年度末にまとめる「政策評価制度に関する意見」に当然盛り込まれる。

 市民意見を受けて,どう具体的な改善をしたのかは,この「政策評価制度に関する意見」に盛り込むことができれば,そうしたい。

【山岡委員】

 「京都市の考え方」欄に「乖離」といった言葉が用いられているが,難しい表現はなるべく用いず,平易な言葉を使ってほしい。

【小林委員】

 市民に理解していただけなければ意味を持たない。平易な表記にしようとすると,紙面の制約を考えると難しいのも分かる。しかし,出来得る限りのご配慮をお願いする。

【新川委員長】

 その点は難しい。表現は,事務局におまかせしたい。

【山岡委員】

 中学生が分かる程度の文章が良いと言われている。

【新川委員長】

 その点も念頭において今後表現してほしい。

 行政評価条例は大変ありがたい。市民参加の手順が条例の中に位置付けられている。

 また,条例の施行によって,他の評価制度も含め,市政全体を体系的に評価するという仕組みが始まりつつあるのではないか。大きな視点でも,小さな虫の目の視点でも市政をしっかりと評価し,改善を図っていくことに対する手がかりが得られるようになるのではないか。政策評価制度だけで具体的な改善をと言っても難しい面がある。事務事業評価の仕組みとも上手く関連付けされれば,評価体系全体として連動し,機能し始めるのではないか。

 更に,従前からの大きな課題である評価結果の活用についても,実際の政策・施策・事務事業の改善・見直しや,予算・組織・人事などの行政運営にも,きちんと活かしていく仕組みにこれから成長していくのではないかという期待を込めて,この行政評価条例を評価したい。

(3)平成19年度政策評価について

【事務局】

 資料3(平成19年度政策評価について)により説明

【新川委員長】

 客観指標について,できるだけ具体的・客観的になるよう,また複数の指標を設定することによりできるだけトータルに政策・施策を見ることができるよう,工夫が重ねられてきた。

 全体的にはどんどん改善されて良くなっている印象があるが,一方で,精緻になってきているために分かりづらくなっているという感じもする。

 評価結果は非常に分かりやすく,そこに至る論理的な展開も明瞭だが,その評価プロセスを追いかけていくだけでも手間隙がかかり,単純には分かりにくい。

 分かりやすさが必要かという議論もあるかもしれないが,政策,施策の評価の仕組み全体が分かりにくいのも,得策ではない。

【河村委員】

 ホームページで政策評価結果を見ると,きちんとプロセスが見えるように整備されているが,リーフレットのタイトル同様「評価って、何?」といった興味のレベルで見始めると分かりづらい。一つ一つの説明は出来てきたので,次の段階として,マンガを用いた行政評価条例リーフレットのように,分かりやすく伝える工夫が必要である。

 また,評価体系を言葉だけではなく,図で説明したものがあれば,分かりやすい。今のホームページでは,政策評価制度の構造を知っている人でなければ見づらい。評価票に行き着くまでに時間を要する。例えば,子育てに関する政策,施策を例示し,事務事業も紹介するなど,初めて見る人が分かりやすく,興味を持てる仕組みを考えてみてはどうか。

【新川委員長】

 26ある政策について,評価結果や今後の方向性が一目で分かると入り込みやすい。全政策,施策では難しいかもしれないので,代表的な分野を取り上げて「こんな事業があり,市民の実感や客観指標,評価結果はこうなっている」という内容をトップページに持ってきたりしてはどうか。市民に関心を持ってもらえる工夫が必要ではないか。

【細田委員】

 一点目だが,目標値設定率(96.2%)は素晴らしい。しかし,無理に目標設定したと思われるものも見受けられるので,数字だけにこだわらないようにしてほしい。誤解を招くような目標値の設定もあり,例えば,「人権侵犯受理件数」という客観指標では,目標値を「過去5年間の最高値」としているが,増えることが望ましい指標と言えるのか。

 二点目だが,評価の結果が市政の改善にどう結びつき,具体的に何がどうなったのかをPRして欲しい。各局区の運営方針にも反映されているということだが,どの分野でどう反映されたのかが具体的に分かるように示していただきたい。

【事務局】

 一点目の客観指標の目標設定についてだが,評価制度を本市に導入する当初は,「数値目標を作るからには,達成しなければ批判されるのではないか」というプレッシャーが少なからずあったのも事実である。しかしながら,目標設定の意義は「どうして達成できなかったのか」という分析のためであり,目標値の設定自体にこだわらないよう各局と議論を続けてきた。御指摘いただいた「人権侵犯受理件数」については,客観指標基礎データにおいて,「現時点では,人権救済制度の認知は十分とは言えず,当面は制度の周知と利用の促進を図ることが望ましいことから,過去5年間の最高値を目標値として設定」した旨説明している。

 二点目に御指摘いただいた評価結果の活用事例のPRは大事だと認識している。政策重点化方針にも活用しているが,どうPRすれば良いのか難しい。例えば,条例リーフレットに描いている「たぬき」をホームページでナビゲーター役として登場させるなど工夫しながら評価結果をPRする方策を引き続き検討したい。

 政策選択など,行政運営に活用するに当たっては,評価制度をより精緻に改善していく一方で,市民に対して説明責任を果たすというもう一つの目的からは,更に分かりやすく示していけるよう努力したい。

【新川委員長】

 客観指標の設定方法や基準については,基礎データ冊子を見れば理解できるが,なかなかそこまで見ようという人は少ない。素朴に疑問が出てきそうな事項は,重複しても丁寧に説明した方が良いのでは。

 また,政策,施策ごとに箱書きで説明はあるが,それだけでなく,代表的な政策や施策を取り上げ,「この数値をこう指標として使っており,その動向を見ながら,このような対策を講じている」と例示して説明すれば分かりやすいのでは。

【木田副委員長】

 政策評価制度がますます発展し,精緻になってきていることに感心する。

 政策評価制度の目的は,市民への説明責任を果たすことと,政策,施策の評価結果を市役所内で活用することの2つである。後者の評価結果の活用については,例えばA評価がいくつというふうに,全体として把握するほかに,直接事務に従事する職員が見るなど,様々な視点から見ていく必要がある。

 例えば,環境局と関係がある政策,施策については,環境局の各部署でもそれぞれに関係する評価結果を頭に入れておくことが必要である。評価結果をとりまとめて各局に渡すだけではだめではないか。

【新川委員長】

 良いアイデアだと思う。例えば,総合企画局でも,職員の机の前に同局に関連する三年分の評価結果が机に貼り出してあるのかという話になるかも知れない。予算編成や企画立案等の行政運営に活用していただいているが,日常的に評価結果に注意を払うための工夫はあるか。

【事務局】

 ホームページ上では,各局ごとに,関連する政策,施策,事務事業の結果を見たり,検索できる仕組みがある。「局区運営方針」においても,局ごとに作成されているため局によって異なるが,政策,施策の評価結果がどうだったかを掲載している局もある。各局への評価結果の周知徹底は今後も努力していきたい。  

【小林委員】

 政策評価制度は,年々確実に階段を昇っていると感じている。

 ただ,今後の高齢化社会において,「配慮」と「排除」を間違えないで欲しい。高齢者に対して,評価結果をしんどいだろうから見せないことと,結果としてどうしても見てもらうことができないことは全く違う。本人はしんどくても見たいかもしれない。きちんと情報を差し出せる状況が必要である。音声アナウンスやデイジー図書(一定のフォーマットで音声情報を記録したCD)の用意とその周知も必要ではないか。


【新川委員長】

 市のホームページには,「音声読上げソフト」が導入されているが,政策評価制度のページはどうか。


【事務局】
 京都市のホームページでは,「音声読上げソフト」を使っていただけるが,デイジー図書は用意していない。

【新川委員長】
 小林委員の御指摘のように,全庁的にどんな方,どんな状況であれ,市の情報にアクセスできる仕組みを構築することがユニバーサルデザインの基本である。「排除しない社会」に向けて,積極的に努力していただきたい。

 客観指標はずいぶん改善されてきている。準指標だけのものもなくなったし,目標を設定していない客観指標も,ずいぶん絞り込まれてきたのは良いことだ。今後もそうした方向で取り組んでほしい。

【細田委員】

 市民生活実感調査の回答率が年々低くなっているが,何か対策は考えているのか。

【事務局】

 今年の回答数は1000を切った。統計学上は,プラスマイナス5%以内の誤差とするためには,各アンケートごとに385のサンプルがあれば良く,この点はクリアしているが,1000を切ったことには危機感がある。

 これまで5月に調査を実施していたが,庁内で十分議論する時間を持つため,今回は4月実施とした。年度初めは何かと忙しいと思われ,時期的な問題が影響し,回答率が低下したのではないかと考えている。

 例えば,平成16年度は,100ほどの設問を3分割してアンケートを実施しており,その回答率は41.2%だったが,サンプルを確保するためには対象者数を増やす必要がある。今後,調査期間の延長や,アンケート送付数の増加,更に調査票を見やすく,かつ答えやすくできないかなどを検討していく。

【河村委員】 

 一般的な調査としては,今回の32.4%という回答率は悪くないが,もう少し高い方が良い。

 居住する行政区や年齢・性別等も回答いただいているが,その分析も行っていくとなると今の回答数では難しい。可能なら3000のアンケート送付数を増やすことも必要である。

 現在,送付先はランダムに抽出しているのか。

【事務局】

 区別や性別の構成を反映させる形で,住民基本台帳と外国人登録台帳から無作為抽出している。

【河村委員】

 例えば,年齢ごとの回答率をみて,回答率が高い層へ重点的に送付するなどの工夫が必要かもしれない。しかし,その場合,回答数が低い層が軽視されないよう慎重に行わねばならない。

 「どちらともいえない・無回答」が多い設問への改善策はないか。例えば,子どもの教育に関する設問は,子どもの教育活動に従事している方にも回答をお願いするなどが考えられる。ただ,この場合,本来の趣旨である「市民全体の実感をいかに吸い上げるか」という観点を損なわないよう注意しないといけない。

【新川委員長】

 これだけの枚数のアンケート票は負担感があるだろうな。

【河村委員】

 あると思う。分かりやすくするためアンケート票を大きくしていただいていることも影響している。

【新川委員長】

 2~3枚のアンケート票なら答えやすいのでは。

【山岡委員】

 個人の認識が異なる結果として,無回答が多い設問も,無回答が多いことが集計結果だと認識すれば良いのではないか。

【新川委員長】

 「答えない」ことも一つの選択である。一方で,できるだけ回答してもらえるようにアンケートを作っており,あまりに無回答が多いと,どう対処していくべきかを慎重に考えねばならない。今回無回答が多かった設問は,質問の仕方を再考しないといけないかも知れない。

【山岡委員】

 回答率を上げるためには,特定の分野に興味がある方に当該分野のアンケートを送付するという方法も有効ではないか。

【新川委員長】

 前々から,各施策の具体的な受益者の声を聞くべきではないかという議論はあった。そういった方はしっかりアンケートに答えていただけるし,政策,施策の改善につながりやすいという考え方からである。しかし,一方では,直接の利害関係者だけでなく,一般市民がどう見ているのかということが大事だろうということで今の手法を採用している。

 もちろん,回答率が上がらず,有効な分析ができない事態になれば,再考しなければいけない。

 ほかに無いようであれば,事務局にお返しする。

【事務局】

 本日の御議論を踏まえ,今後,事務局において,平成20年度の政策評価の改善方針等を検討していく。

 次回の委員会は,平成20年度の政策評価の改善方針案,市民生活実感調査内容の審議,提案をいただきたい。開催時期は2月頃を予定している。後日,事務局から連絡申し上げる。

5 閉 会

第1回京都市政策評価委員会出席者

 

委員長   新川達郎    同志社大学大学院総合政策科学研究科教授

副委員長 木田喜代江  公認会計士

委員    河村律子   立命館大学国際関係学部准教授

       小林香代子  公募委員

       細田茂樹   公募委員

       山岡景一郎  経営コンサルタント,平安女学院大学学長(理事長・院長) 

お問い合わせ先

京都市 総合企画局市長公室政策企画調整担当

電話:075-222-3035

ファックス:075-213-1066

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