「電気機器」火災の実態
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2023年5月16日
「電気機器」火災の実態 ~急増するリチウムイオン電池からの火災について~
「電気機器」火災が増加しています!
「電気機器」火災とは、家電製品、作業用工具、モバイルバッテリーなどの電気機器から出火するもので、令和4年の京都市内の火災原因のうち、「たばこ」「コード」に次いで、3番目に多くなっています。
京都市内の火災件数は減少傾向にありますが、火災全体に占める電気機器火災の割合は、平成24年の1%から令和3年は10%に、さらに令和4年は11%と、ここ数年は増加しています。
リチウムイオン電池からの出火が最も多い!
モバイルバッテリーから出火
(出火前) (出火後)
京都市内で平成29年以降に発生した電気機器火災は83件で、その出火に至った要因は、制御基板の発熱や電気機器構成部品の発火など様々ですが、リチウムイオン電池の発熱が起因となったものが過半数を占めています。
リチウムイオン電池は、繰り返し充放電が可能であり、ほかの電池(鉛電池、ニカド電池、ニッケル水素電池)と比べ、小型かつ軽量で大容量の電力を蓄えることができるため、平成27年頃から普及し始め、今やスマートフォンやパソコンのバッテリー、産業用ではロボットや自動車など身近なものに幅広く活用されています。
充電式電池の進化における電話の小型化の変遷
リチウムイオン電池は、内部にあるセパレーターという薄い膜により「プラス」(正極)と「マイナス」(負極)が仕切られています。このセパレーターが傷ついたり、縮んだりすると、「プラス」(正極)と「マイナス」(負極)が接触し「内部短絡(ショート)」が起こることで、瞬間的に大きな電流が流れるため、異常発熱します。電池には可燃性の材料も使われているため、最終的には発火・爆発につながります。
「内部短絡」に至る要因は、主にリチウムイオン電池自体の不具合(不良品)と使用上の不注意(落下等の外部衝撃、使用環境の温度異常)です。
- モバイルバッテリー「4.インターネットで購入したモバイルバッテリーから発火」
製品安全 | 製品評価技術基盤機構
京都市内で平成29年以降に発生したリチウムイオン電池が起因となった火災44件を、製品別で見ると、モバイルバッテリーが15件で最も多く、次いで廃品(ごみ収集車等で破砕)が8件、パソコン、スマートフォンなどのIT機器及び電動ドライバーなどの作業用工具が各7件となっています。
いずれも身近な製品から出火しています。

次に、出火直前の使用状況を見ると、充電中が23件で半数を占め、その他は静置、使用中、廃棄、外部衝撃となっています。

出火前にみられる特徴的な兆候として、内部からの膨張による変形やパチパチという異音、異臭があります。
こうした兆候を見逃さないためにも、日頃から充電中に熱を持っていないか、電池の減りは早くなっていないか等の状態を確認し、充電中に出火した際に、「使用者がその場にいなかった」という状況が多くあるため、目に届く場所で充電を行うなどの工夫が必要です。

また、出火した電気製品(リチウムイオン電池)のうち、約69%(22件)がインターネット通販で購入されたものであり、それらのほとんどが、メーカーと連絡が取れませんでした。
さらに、インターネット通販で購入した22件のうち約86%(19件)が3年以内に出火しており、そのうち約半数の9件が1年以内に出火しています。
このことから、インターネット通販での購入は、慎重にしていただく必要があります。
リチウムイオン電池からの出火事例と防火のポイント
ごみ収集車からの出火
ごみ収集車で収集した一般ごみに電気掃除機のリチウムイオン電池が混在しており、収集車の荷箱内で圧縮された際に発火し、出火に至った。
★ 防火のポイント
京都市においては、使用済みの充電式電池はリサイクルに協力している店舗に持ち込むか、市が設けている「資源物回収拠点」や「移動式拠点回収」への排出を推奨しているため、一般ごみには出さないようにしましょう。
- リチウムイオン電池やスプレー缶による火災事故が多発しています!
適切な分別にご協力ください。
- モバイルバッテリー「2.ごみ収集車で発火・破裂」
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充電中のモバイルバッテリーから出火
就寝中に充電していたモバイルバッテリーから出火し、フローリングが焦げた。夜間の寝ている間に別室で充電する習慣があり、出火場所にいなかった。
★ 防火のポイント
充電は目の届く場所で行いましょう。
「満充電になるまでの時間が以前よりも長くなる。」、「充電中に熱くなる。」などの症状はリチウムイオン電池の劣化のサインです。
火災になる前に買い替えましょう。
外部衝撃を加えたことによる出火
自宅の階段で足を滑らせ、お尻から4~5段落下し、後ろのポケットに入れていたスマートフォンに強い衝撃が加わった。
落下した直後にスマートフォン内のリチウムイオン電池から発熱し、出火に至った。
★ 防火のポイント
落下等で大きな衝撃を加えないようにしましょう。
リチウムイオン電池内蔵の製品は日頃から丁寧に扱いましょう。
インターネット通販で購入後、すぐに出火
充電中の電動工具のバッテリー(非純正品)から出火し、ほかの物品に燃え移った。同バッテリーは2週間前にインターネット通販で購入後、初めての充電であった。
★ 防火のポイント
リチウムイオン電池を製品に使用する際は、努めて純正品を使用するようにしましょう。
非純正品の中には、純正品のものよりも多くのリスクを抱えているものがあるという認識を持ちましょう。
- 安さの裏に潜む非純正バッテリーの危険性 ~発火の事故多発!
製品安全 | 製品評価技術基盤機構
- バッテリーパック「1.電動工具用非純正バッテリーパックから発火
製品安全 | 製品評価技術基盤機構
焼損したモバイルバッテリー


(出火前) (出火後)


(出火前) (出火後)
お問い合わせ先
京都市 消防局予防部予防課
電話:075-212-6672 ※「消防用設備等に関する相談等」は、消防指導センターにお問い合わせください。 (075-212-6925(第一係)左京・下京担当)(075-212-6926(第二係)北・上京・伏見担当)(075-212-6927(第三係)中京・山科・右京担当)(075-212-6928(第四係)東山・南・西京担当)
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