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「雨庭」とは(テキストページ)

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2020年12月12日

京の伝統「雨庭」

 雨庭とは,地上に降った雨水を下水道に直接放流することなく,一時的に貯留し,ゆっくり地中に浸透させる構造を持った緑地のことです。雨水の流出抑制や,修景・緑化の推進,ヒートアイランド現象の緩和などの効果が期待されています。京都の寺社では,この雨庭機能を取り入れた美しい庭園が古くから造られてきました。


雨庭の構造

  • 特徴1 : 集水

     屋根や水が浸透しない舗装面などに降った雨水を集める。

  • 特徴2 : 貯留

     集めた水を一時的に貯める浅い窪地などを備えている。

  • 特徴3 : 浸透

     貯めた水をゆっくりと地中に浸透させる。

ヒートアイランド現象や豪雨などによる水害

 近年,ヒートアイランド現象や豪雨などによる水害が問題となっています。ヒートアイランド現象は,郊外に比べ,都市部での気温が高くなる現象のことです。都市部では暖められたコンクリートなどによる空気の加熱,建物などからの排熱などにより,昼夜を通して気温が高い状態が続きます。また,近年の豪雨は下水道の処理能力を超え,河川への排水ができずに各地で冠水などの被害をもたらすことが珍しくなくなってきています。

解決に向けた提案としての雨庭

 以上のような問題を解決する一つの形が雨庭です。雨庭は,水が浸透しない道路などの舗装された場所に降った雨水を集め一時的に貯める浅い窪地などを備え,土壌にゆっくりと浸透させる仕組みを持ちます。
 更に,デザイン性を兼ね備え,街中では身近な庭園として楽しむことができるといった側面も持ちます。

期待される雨庭の機能

水害の防止


 大雨の発生時,道路などに降った雨が下水道を通ってすぐに河川へと流出することで,急激な水量の増加をもたらし,河川が氾濫する危険性を高めます。しかし雨庭は周囲の雨水を集め,ゆっくりと土壌に浸透させるので,雨水が瞬時に下水道へと流出するのを防ぐことができます。

ヒートアイランド現象の緩和


 雨庭に貯まった雨水や土壌中の水分が蒸発することによって熱が奪われ,雨庭周辺の気温が低下します。都市部においてはアスファルトだった場所が雨庭に変わることで,ヒートアイランド現象の緩和が期待されます。

生物の生息空間の創出


 都市部の中で,生物の生息できる環境は限られています。雨庭は都市部の生物にとって貴重な生息空間を作り出すことができます。さらには,一時的に雨水を貯める構造を持つことで湿地的な要素を作り出し,そのような環境を好む生物にも生息環境を提供することが可能になります。

水質の浄化


 雨水は,大気,建物や路上を通過するうちに多くの汚染物質を含むようになります。下水道を通ってそのまま流出していた雨水が雨庭の土壌を通過することで,汚染物質が分解・吸着され,水質が改善されます。

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